前職キャバ嬢、異世界に来たら悪女になっていた。あんまり変わらないのかな?

ミミリン

文字の大きさ
178 / 215

適当な返事と言われてしまった

しおりを挟む


「ルキア、俺たち結婚しよう。」



ー---------

今日、昼にはイリスやクロエの自宅に行き、ディランとは婚姻を続けることを伝えた。



2人はその報告を温かく聞いてくれて、私も嬉しかった。



かなり照れるけど、大切な事だもんね。



クロエは何度も『嬉しい。』と言ってくれる。



その天使のような笑顔にはあどけなさと大人びた雰囲気が織り交ぜられている。


そうなんだよね、フィオナさんのアトリエでお世話になってからクロエがどんどんあか抜けて綺麗になってるのは気づいてたんだ。


今のクロエは目の前の事に情熱を向けているから凛とした女性に育ってるんだけど、癒し手の魔力の影響なのか一緒に居ると何とも言えない居心地の良さを感じるんだよね。



このギャップがたまらないって人多そうだなあ。



実際仕入れの問屋街ではクロエファンがどんどん増えているらしい。



そりゃあ、父親は違ってもディランと血を分けた兄妹だもんね。

美形兄妹ってことだわ。

クロエ…すっぴんでこの顔面完成度は恐ろしいわ。


本人には美形と言う自覚はないみたいだけど。

今はイリスが護衛してくれているから大丈夫か。


祝福してくれる二人に囲まれ久々に賑やかなお昼を過ごさせてもらった。





屋敷に着いて、溜まっていた仕事を片付けているとディランが帰ってきた。




ディランは勤務先から帰って来るなり私の両手を握りしめて妙な事を言い出した。





「ルキア、俺たち結婚しよう。」


って。






何か目が怖い。


ジョークじゃなくて色々思いつめているような表情をしている。



これはなんて答えたら良いんだろう?


「えっと…結婚はもう既にしていると思うけど…。」




「いや、そうじゃない。
結婚式を挙げよう。
親類親族、沢山ゲストを招待して豪華絢爛な式にするんだ。
ああ、何らならパレードだってやればいい。」



「ええ?結婚式?
パレード?
そんなのしなくて良いわよ。
招待される人も『今さら?』って困惑するでしょう?
そのお金があれば事業に回さなくちゃ。」



ディランがそんなイベント好きとは思えないし、エルヴィスあたりに何か吹き込まれたのかしら。



「そうじゃないんだルキア。
それじゃダメなんだ。」



ディラン、何か焦ってる?



「ディラン、落ち着いて。
そんなに慌てなくても大丈夫だから。」



まずは落ち着かせよう。



「こういう事は早い方が良い。
じゃないと、俺とルキアに邪魔が入る。
ルキアは渡さない。
ルキアは俺の妻だ。」




邪魔って何の邪魔?

私は誰かに渡されるの?

もう、何の話?



「ディラン、大丈夫だから。
私は誰にも渡されないし、邪魔も入らない。
ソファに座ってゆっくり話をしましょう。」



「ルキア…ずっと俺の傍にいてくれるんだよな。」


「え、ええ。
そのつもりだけど。」



そうは返事するけど、前世での生活をまだ引きずっているのか、いつかディランが私に飽きて浮気しない確証はない。
というか、男女の永遠の愛なんてものを信じ切ってはいないんだよね。


そんな心の揺れを見抜かれたのか、ディランが疑わしい顔で私の顔を覗き込む。


「ルキア、本当にそう思っているか?」


うわあ、二度目聞かれたよ。



「私は、そのつもりよ。
あなたの傍にいるわ。」


そう、私は浮気なんて不義理な事は絶対しない。

そんな外道な事をして前世や現世での馬鹿親と同じ人間に成り下がる事なんて絶対しない。



そこだけは自信を持って言えるわ。



ディランは私の気迫に少し冷静になったようで


「…っ。すまない…。
ルキアを疑うなんて…」



やるせない顔で私をぎゅっと抱きしめてきた。



「ディラン…何かあった?」


何でこんな情緒不安定なんだろう?




「俺…ルキアを愛してから自分の愚かさを自覚するばかりだ。
今も自分の不安を全部ルキアにぶつけて君を責めてしまう。
本当に最低な男だ。」



なんかめっちゃ反省モード入ってる?

どうした?ディラン。



ディランをあやすように背中をぽんぽんと擦る。



「大丈夫、ディランはいつも私に優しいよ。
ねえ、何があったか教えてよ。
私たち夫婦で…恋人なんでしょう?」



「…ああ…。そうだ…。
ルキアは俺の大切な妻であり、恋人だ…。」


ディランの声が少し落ち着いたようだ。






ー-------


ディランをソファに誘導し、ゆっくりと話を聞かせてもらった。



なるほど、突然結婚式がどうこうって言いだしたのはエルヴィスからのお叱りだったのね。



「あのね、ディラン。
私は結婚式に特段思い入れはないのよ。
この世界ではどうか分からないけど、私の生きていた世界では入籍だけとか写真を撮って済ます夫婦も多かったわ。
それに、今の私は実家とは縁を切っているし会いたくないの。
だから、そんなに思い悩まなくて良いのよ。」



「違うんだ、俺が嫌なんだ。
世間がルキアの事を愛人と呼んだり、ふしだらな悪女と噂するのが嫌でたまらない。
ルキアは素晴らしい女性であり、俺が愛しているのはルキアたった一人だけと世間に知らしめたいんだ。」


ディランが私の手を取り強く握る。


ディラン、目が必死だ。

と言うか、血走ってる。



どうしよう…結婚式かあ。





キャバ時代みたいにギラギラして目立つのは全然抵抗ないんだけど、結婚式みたいな格式のある場所で注目されるのは何と言うか…申し訳ない気持ちになるんだよね。

いや、でも…今後ディランと婚姻関係を継続するなら結婚式を挙げていて損はないか。


今動いている事業と結婚式を連携させたら良い広告にもなるかも…。


頭の中でそろばんがぱちぱちと弾かれる。


うん。

トータルで実費回収からの黒字展開………勝ち筋見えました。



やる意義は十分あるなあ。



「そうやね…ありかもしれへんな…。」

おっとお金の事で頭がいっぱいで関西弁が出てしまうわ。

少し咳払いして呼吸を落ち着ける。



「そうね、結婚式…挙げましょう。
結婚式がマックレーン家をさらに盛り立てる起爆剤になりそうだし。」


「ほ、本当か?
では、すぐに式を挙げよう。」



「じゃあ、企画や業者の選定は私が決めても良いかしら。
早めに見積もりを取って…ああそうだ、日取りも決めなくちゃ。
付き合いの多い貴族や商会のリストアップも…。」




「なあ、ルキア。」



「え?なあに?」



「念のために確認しておくが。」



「あら、何かしら。」


ディランが真剣な顔をしている。



スピーチを頼みたい人が決まってるとか?

というか、この世界に仲人とか必要なのかしら?

今後ブライダル業界にも進出するなら勉強し直さなくちゃ。

新しい挑戦に頭がフル回転している。




「俺が結婚式を挙げたいのは、家を盛り立てるとか事業を開拓するのが目的ではないからな。」



「えっと…あ、はい…。」


ちょっとギクッとする。

ディラン、私の心の中を覗けるの?



「さっきからルキアの目がソロバンを弾いている時と同じ色になっている…。」


「へ…?そ、そ、そうかな?」


私ってそんなに分かりやすい?



「俺にとっての結婚式は、ルキアが真っ白なウエディングを着て、皆に祝福されながら俺と永遠の誓いを立てる時間なんだ。
つまり、美しい純白の花嫁が俺だけの妻と知らしめる場なんだ。」



「そ、そうよね…ごもっともです。」


そう、それが本来の結婚式の在り方だわ。


黒字確定なんて邪推な事を想った自分を反省しなくちゃ。



「今は恋人期間だが、結婚式が終われば名実ともに夫婦になる…。」


「う、うん。」

もう既に夫婦だけどね。



「ルキア、今適当に返事してるだろう。」



何でバレてるの?やっぱり心の中を覗かれている、いや思考を抜き取られている?


これも軍人のなせる技なのかしら?


「…。」


驚いてしまい返事が遅れてしまう。



「やっぱり図星だ。
ルキアはこれまでも俺の必死の好意を適当に流していただろう。
あれはあれで結構傷つくんだぞ。」



「ええ?そんなことあったけ…。」


確かに、人の気持ちなんて考えても分からない事は流すようにしてるのは自覚ありだ。


と言うか、ディランは好意が分かりにくかったし。



「まあ、それは俺の態度が悪すぎたり、拗らせすぎたからだな…。」


「う…確かに…。」

そんな事全然ないよとは言えないしその通りだぞ。


「好意は言葉と態度で具体的に示さないとな。」



そう言うとディランは片手で私の顎をそっと掴んできた。


そのまま顔を近づけて私の唇にそっとキスをする。


しばらくすると顔を離して


「もう少し恋人の時間がないと鈍感なルキアには伝わらないか。」

とブツブツつぶやいている。



そう言い終わるとまたキスされる。

次はかなり長いキスだった。

角度を変えられたり、下唇をついばまれる。



その都度チュっと音が響く。

部屋に少しいやらしい音が響くのがだんだん恥ずかしくなってきた。



というか、ディラン…朝もキスしてたよね。

立ち姿はいやらしさ(エロさ)ゼロの爽やか王子なのに、今のこのエロさは何なの?

ギャップがありすぎるでしょ。



ああ、恥ずかしさも相まって私の息が少し上がってきてる…うううう…恥ずかしい…。


「ディ…ディラン…。」

流石にもう止めてもらおう。



「ん?何だ?」

ディランがお互いの顔にピントが合う距離で私を見る。

つまり…ち、近い。

顔面整いすぎでしょ…。

その鮮やかなミントグリーンの瞳が更に王子様感を引き出すのよ。



「あの…もうそろそろ…。恥ずかしいし。」



「ダメだ。
これ位じゃ鈍感なルキアには俺の好意が伝わらないだろう。
もっと恋人らしいことをしたいんだ。」


あ、甘い…。


私、こんなイケメンにこんなこと言われたら後でとんでもなく悪い事が起こりそうで怖いわ。



せめて、お金をとってください。

お支払いしますから、このボーナスタイムで今世の運を使い切るような事をしたくないんですけど。



「また変なこと考えているだろう。
いつもそうやって俺を不安にして振り回す。」



いえいえいえ、私の方があなたに超絶振り回されていますからあ!


元関西人らしく突っ込んだ方が良いの?

思考がまとまらない。



「恋人との接吻はだな…そうだな、ルキアは俺の肩に腕を回して…っと。」



ディランが強引に私の両手を自分に巻き付け、私がディランに抱き着いている形にさせた。



いや~、この体勢、恥ずかしいじゃん…。


というか、密着してディランの香りが伝わってくる。

更に体全体で服の上からでも体温や肉感が感じとってしまう。


だめだよ、ディラン。


こ、こんなオプションだめだよ。



「どんな感じがする?」


この体勢のままディランにいたずらっぽく聞かれる。


「もう…恥ずかしくて…。」顔から湯気が出そうなくらい熱いっ。


「俺は、ものすごく嬉しい。ルキアがちゃんと俺を意識してくれているのが分かるから。」


意識するでしょ。

逆にしない人いる?



「ルキア…可愛すぎる…。」


そう言ってまたキスをして来る。


次のキスは、ディランの舌がそっと私の口の中に忍ばせてきた。



生温かくて、みずみずしい様なにゅるりとした感触がダイレクトに伝わってくる。


びっくりして重ねられた舌を逃がすように動くと、ディランの舌が追いかけてくる。


「ふ…んっ……。」

無意識に声が漏れ出てしまう。



その声を聴いたディランが一瞬びくりと動きを止めた。


ああ…変な声出たから引いちゃったのかも。


と思った瞬間更に深く舌を絡みとられた。



クチュクチュと更にいやらしい音が響く。


「ふあ…あ…んっ…。ん…。」

恥ずかしいのに、声を抑えることが出来ない。


ディランとのキスがこんなに情熱的でいやらしいなんて想像してなかった。



無我夢中でディランの衣服にしがみついている私。


ディランからのキスに翻弄され頭が麻痺したような甘い感覚が湧いてくる。



どうしよう…頭の中がフワフワしてるのに、体はぞわぞわと変な感覚が走ってる…。


どうしよう…どうなるの…。


泣きたくないのに目に涙が溜まってきた…。




「…っくそっ。だめだっ…。」



ディランが一気に体を引き離す。



ディランが離れてくれてホッとしたのと同時に少しズキリと胸が痛む。

ああ、何かやらかしちゃったかな。


ディランが片手で顔を隠している。

フーフーと息が荒い。


私も息が乱れてる。



ああ、恥ずかしいし気まずい…。



ディランは何とか息を整えているけど、眉をしかめて何だか機嫌が悪そうだ。



こう言う場合ってどうすればいいの?

何が正解?

分かんないよ。




「ディラン、ごめんね。」

とりあえず謝る私。



「…?何の…謝罪だ?」

まだ息が上がっているディラン。



「昨日も伝えたけど…私こういうの経験不足だからつまらないでしょう?」


「何を言ってるんだ?」


ディランがまだ不機嫌そうな顔で私を見る。



「ディランって時々こうやって不機嫌になったり、無言になるでしょ?
私の反応が不正解だから引いてるって言うか…萎えるんじゃないかなって…。」



「…。嘘だろ…。
そんな事、考えてたのか…?」

ディランがへなへなと脱力している。



「う、うん。
ずっとそう思ってた。経験豊富な女性ならもっとディランを満足させられるのにって。
前世でもこういう事全く経験してなかったらどうして良いか分からなくて…。」



「あのな、ルキア…。」


「は、はい。」



「俺が辛い顔をするのは、ルキアの反応がいちいち可愛くて官能的だからだ。」


「か、かわいい?
カンノウテキ?」



「ルキアは無自覚にすぐ俺を煽ってくるだろう。
今だってキス一つで俺がおかしくなりそうなくらい高ぶらせてきたじゃないか。」



「………。」

高ぶらせた?


思わず首をかしげてしまう。



「全く分かっていないな…。
これについては追々実践で誤解を解いていくことにする。
ルキアを抱けない今、今日はこれ以上君に触れると歯止めが効かなくなるからやめておくが…。」



実践って何の事?

軍事訓練?



「もう一度言っておくが、俺は君に翻弄され、狂わされていると言っても過言ではない。
萎えるだの引くだのと言う言葉は断じてありえない!
分かったか?」



「は、はあ…。」



「君は無防備すぎる…。
もっと自分の魅力を自覚してくれ。」


「う、うん…。」



「また、適当に返事をして…。
覚えておけよ。
はあ…入浴してくる。
下半身が辛いんだ…。」



ディランはごにょごにょ言いながらふらふらとお風呂に向かって行った。



「い、行ってらっしゃい。」



何か色々びっくりしたけど、引いている訳ではないと言ってもらえたから、ちょっと安心している自分がいる。




あとは何言われているか分かんなかったけど。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜

恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。 右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。 そんな乙女ゲームのようなお話。

黒騎士団の娼婦

イシュタル
恋愛
夫を亡くし、義弟に家から追い出された元男爵夫人・ヨシノ。 異邦から迷い込んだ彼女に残されたのは、幼い息子への想いと、泥にまみれた誇りだけだった。 頼るあてもなく辿り着いたのは──「気味が悪い」と忌まれる黒騎士団の屯所。 煤けた鎧、無骨な団長、そして人との距離を忘れた男たち。 誰も寄りつかぬ彼らに、ヨシノは微笑み、こう言った。 「部屋が汚すぎて眠れませんでした。私を雇ってください」 ※本作はAIとの共同制作作品です。 ※史実・実在団体・宗教などとは一切関係ありません。戦闘シーンがあります。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

社畜OLが学園系乙女ゲームの世界に転生したらモブでした。

星名柚花
恋愛
野々原悠理は高校進学に伴って一人暮らしを始めた。 引越し先のアパートで出会ったのは、見覚えのある男子高校生。 見覚えがあるといっても、それは液晶画面越しの話。 つまり彼は二次元の世界の住人であるはずだった。 ここが前世で遊んでいた学園系乙女ゲームの世界だと知り、愕然とする悠理。 しかし、ヒロインが転入してくるまであと一年ある。 その間、悠理はヒロインの代理を務めようと奮闘するけれど、乙女ゲームの世界はなかなかモブに厳しいようで…? 果たして悠理は無事攻略キャラたちと仲良くなれるのか!? ※たまにシリアスですが、基本は明るいラブコメです。

眺めるだけならよいでしょうか?〜美醜逆転世界に飛ばされた私〜

波間柏
恋愛
美醜逆転の世界に飛ばされた。普通ならウハウハである。だけど。 ✻読んで下さり、ありがとうございました。✻

捕まり癒やされし異世界

波間柏
恋愛
飲んでものまれるな。 飲まれて異世界に飛んでしまい手遅れだが、そう固く決意した大学生 野々村 未来の異世界生活。 異世界から来た者は何か能力をもつはずが、彼女は何もなかった。ただ、とある声を聞き閃いた。 「これ、売れる」と。 自分の中では砂糖多めなお話です。

乙女ゲームに転生するつもりが神々の悪戯で牧場生活ゲームに転生したので満喫することにします

森 湖春
恋愛
長年の夢である世界旅行に出掛けた叔父から、寂れた牧場を譲り受けた少女、イーヴィン。 彼女は畑を耕す最中、うっかり破壊途中の岩に頭を打って倒れた。 そして、彼女は気付くーーここが、『ハーモニーハーベスト』という牧場生活シミュレーションゲームの世界だということを。自分が、転生者だということも。 どうやら、神々の悪戯で転生を失敗したらしい。最近流行りの乙女ゲームの悪役令嬢に転生出来なかったのは残念だけれど、これはこれで悪くない。 近くの村には婿候補がいるし、乙女ゲームと言えなくもない。ならば、楽しもうじゃないか。 婿候補は獣医、大工、異国の王子様。 うっかりしてたら男主人公の嫁候補と婿候補が結婚してしまうのに、女神と妖精のフォローで微妙チートな少女は牧場ライフ満喫中! 同居中の過保護な妖精の目を掻い潜り、果たして彼女は誰を婿にするのか⁈ 神々の悪戯から始まる、まったり牧場恋愛物語。 ※この作品は『小説家になろう』様にも掲載しています。

転生したら乙女ゲームの主人公の友達になったんですが、なぜか私がモテてるんですが?

山下小枝子
恋愛
田舎に住むごく普通のアラサー社畜の私は車で帰宅中に、 飛び出してきた猫かたぬきを避けようとしてトラックにぶつかりお陀仏したらしく、 気付くと、最近ハマっていた乙女ゲームの世界の『主人公の友達』に転生していたんだけど、 まぁ、友達でも二次元女子高生になれたし、 推しキャラやイケメンキャラやイケオジも見れるし!楽しく過ごそう!と、 思ってたらなぜか主人公を押し退け、 攻略対象キャラからモテまくる事態に・・・・ ちょ、え、これどうしたらいいの!!!嬉しいけど!!!

処理中です...