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あの人が嫌い
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私は近藤瑠美。
念願の会社に入って人生ってイージーモードって感じ。
大学では気の弱そうな子からノートを借りてテストは楽勝で乗り切ったし、モテなさそうな男に頼んでレポートを代行で作成してもらって楽々単位はクリア。
就活のエントリーシートはその時便利だった彼氏に書いてもらって面接の練習もしてもらった。それで晴れて合格。
今、その人たちは全部縁が切れてるけどね。
みんなが私を手伝いたがる。だって私は可愛いから。
1年の研修も、その時々の上司に気に入られて可愛がられてきたし、晴れて営業部に配属されちゃうなんて、私天才なのかも…。
配属先には平井マコという女性の先輩がいた。
私は直感でこの女を警戒した。
この女は男を引き寄せる真正のモテ女だ。
クラスに居たらマドンナと位置付けられてギャルでもないのにギャル軍団といわれる集団から一目置かれ、同性の友達も似たような賢く清楚な天然の美人ばかりという女の上流階級にいる奴だ。
一応会社の先輩だから表面上従順で可愛さをアピールするためにマコ先輩と呼んでいる。
マコ先輩が憎い。だってこの人はずるいもの。
私は日々メイクやファッション、振る舞いに命を懸けて研究しているのに、この上流階級の人種がちょっと着飾っただけで私の努力はあっという間に追い越されてしまう。
この事実をずるい以外に何があるのよ。
私のこのビジュアルには相当課金してるの。
化粧品だって基礎から全部デパコスだし、今流行っているって言われている美容法は一通り試している。
普段はウーバーで頼んでるけど、ちょっと太ったら絶食してベスト体重キープしているし、ネイルサロンは週1で通っている。
仕事中だって新しい美容情報を常にリサーチしているんだから。
マコ先輩に聞いたら食事はほぼ自炊で化粧品は全部やっすいドラッグストアで売ってるものだった。
美容院は半年くらい行ってないって、なにそれ女として最悪じゃん。
終わってますよマコ先輩。
マコ先輩は天然の美人あるあるで自分の事を美人と自覚していない。
それもまた癪に障る。
なにも努力していないのにぬけぬけと生まれたときから手に入れているのよ美人という称号を。
でも、私は知ってるの。
女の価値が多少差があっても逆転方法はあるのよ。
それは良い男と結婚すること。
はっきり言って私は美容以外に努力を向けることは興味ないし仕事もずっとする気はないの。
この会社に入ったのだっていいと男と出会うためだから。
だから必死にスキルアップなんて馬鹿のすることよ。
将来贅沢をさせてくれる男を手に入れるほうがよっぽど合理的。
でも、仕事が出来ていないって思われるとボーナスにも響くから上手くやってますアピールは抜かりないんだから。
やっぱり私は天才。
仕事が出来なくても美しい女にはそれが許される特権を持ってるの。これが常識。
なのに、マコ先輩は仕事も出来る女だった。
やっぱりこの人嫌い。何よ、いい子ちゃんぶっちゃって。
データ入力?資料保管?私はそんな地味な仕事向いてないの。まだわからないの?
しかも、マコ先輩が偉そうに私に文句を言ってきた。ああ、腹が立つ。
こんな時は涙を流して被害者って事をみんなに分かってもらえれば切り抜けられるんだから。
ほらほら、上司にマコ先輩の方が注意されてるし。
私に偉そうに言うから罰が当たったんだって。いい気味だわ。
さあ、私に見合う将来の夫はどこかしら?
念願の会社に入って人生ってイージーモードって感じ。
大学では気の弱そうな子からノートを借りてテストは楽勝で乗り切ったし、モテなさそうな男に頼んでレポートを代行で作成してもらって楽々単位はクリア。
就活のエントリーシートはその時便利だった彼氏に書いてもらって面接の練習もしてもらった。それで晴れて合格。
今、その人たちは全部縁が切れてるけどね。
みんなが私を手伝いたがる。だって私は可愛いから。
1年の研修も、その時々の上司に気に入られて可愛がられてきたし、晴れて営業部に配属されちゃうなんて、私天才なのかも…。
配属先には平井マコという女性の先輩がいた。
私は直感でこの女を警戒した。
この女は男を引き寄せる真正のモテ女だ。
クラスに居たらマドンナと位置付けられてギャルでもないのにギャル軍団といわれる集団から一目置かれ、同性の友達も似たような賢く清楚な天然の美人ばかりという女の上流階級にいる奴だ。
一応会社の先輩だから表面上従順で可愛さをアピールするためにマコ先輩と呼んでいる。
マコ先輩が憎い。だってこの人はずるいもの。
私は日々メイクやファッション、振る舞いに命を懸けて研究しているのに、この上流階級の人種がちょっと着飾っただけで私の努力はあっという間に追い越されてしまう。
この事実をずるい以外に何があるのよ。
私のこのビジュアルには相当課金してるの。
化粧品だって基礎から全部デパコスだし、今流行っているって言われている美容法は一通り試している。
普段はウーバーで頼んでるけど、ちょっと太ったら絶食してベスト体重キープしているし、ネイルサロンは週1で通っている。
仕事中だって新しい美容情報を常にリサーチしているんだから。
マコ先輩に聞いたら食事はほぼ自炊で化粧品は全部やっすいドラッグストアで売ってるものだった。
美容院は半年くらい行ってないって、なにそれ女として最悪じゃん。
終わってますよマコ先輩。
マコ先輩は天然の美人あるあるで自分の事を美人と自覚していない。
それもまた癪に障る。
なにも努力していないのにぬけぬけと生まれたときから手に入れているのよ美人という称号を。
でも、私は知ってるの。
女の価値が多少差があっても逆転方法はあるのよ。
それは良い男と結婚すること。
はっきり言って私は美容以外に努力を向けることは興味ないし仕事もずっとする気はないの。
この会社に入ったのだっていいと男と出会うためだから。
だから必死にスキルアップなんて馬鹿のすることよ。
将来贅沢をさせてくれる男を手に入れるほうがよっぽど合理的。
でも、仕事が出来ていないって思われるとボーナスにも響くから上手くやってますアピールは抜かりないんだから。
やっぱり私は天才。
仕事が出来なくても美しい女にはそれが許される特権を持ってるの。これが常識。
なのに、マコ先輩は仕事も出来る女だった。
やっぱりこの人嫌い。何よ、いい子ちゃんぶっちゃって。
データ入力?資料保管?私はそんな地味な仕事向いてないの。まだわからないの?
しかも、マコ先輩が偉そうに私に文句を言ってきた。ああ、腹が立つ。
こんな時は涙を流して被害者って事をみんなに分かってもらえれば切り抜けられるんだから。
ほらほら、上司にマコ先輩の方が注意されてるし。
私に偉そうに言うから罰が当たったんだって。いい気味だわ。
さあ、私に見合う将来の夫はどこかしら?
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