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引継ぎ業務
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昼食時はまったりと好きな事をして過ごし、気力を補充しているけど、それ以外はやっぱり瑠美ちゃんからの干渉が続いていた。
今の私の優先業務は彼女への引継ぎ。
今までの期間でほとんど説明は済んでるんだけど本当に大丈夫なのかな?
この会社は、社員育成に力を入れている方だと思う。
過去、全然業務を教えてもらえないと後輩・先輩間でトラブルになった経緯があり、引継ぎなどはマニュアルを作成している。
私も前任の先輩からマニュアルを元に教えてもらった。
このマニュアルにはそれぞれ伝達確認シートというものがセットになっていて指導や引継ぎを受けたら確認シートに理解できた内容を記入し人事部に提出するのだ。
分からないことがあれば確認シートを元に再度指導を受けられるようシステムが作られている。
瑠美ちゃん、一回も再指導なかったからきっと全部の業務「理解できました」にチェックしたんだろうな。
私には関係ないけど、このシステムって新人や異動対象に向けられているようで指導側を守るシステムなんだな。
と感心した。
だって後で教えてもらってないとか言われたらまたパワハラとか言われるもの。
確かこのシステムも清水部長が導入したんだよね。色んなところでお世話になってるなあ。
一応教育は完了しているので、おさらいがてら瑠美ちゃんに業務を伝えるが、全然聞いてない。
それどころか業務に関係のない話をし始める。
あまりにもひどいので、私の異動を知っている課長に相談し業務のおさらいは課長がいるデスクの前でさせてもらっている。
「だからね、瑠美ちゃん。この書類とこの書類似てるし間違えやすいんだけど用途が違うから申請する部署が変わるの。承認も各管理職になるから同じ人からもらえない。ここは気を付けてね。」
「はいはーい。分かりましたー。っていうか、マコ先輩見てくださいよこれ。彼氏に買ってもらっちゃいました。テオールのバッグ。めちゃくちゃ可愛いでしょ?」
聞いてもいないし業務中、しかも課長が近くにいるのにどうしてこんなことが出来るのか不思議だ。
「ああ、そうなの。良かったね。」
「すっごい高かったんですけど~、どうしても今欲しいって言ったら一括で買ってくれたんですよ。私、ものすごく愛されているでしょう?マコ先輩はこんな高いもの買ってもらったことあります?」
「あ、あと~、今度ネズミーランド行くんですよ。日帰りって言ってたけど私が泊まりたいって言ったら彼氏がOKしてくれてあの人気のホテル、それもスイートルーム予約してくれたんですよ~。ああ、私って幸せ者…。マコ先輩には分からない話だろうけど。」
いい加減にしてほしい。
注意したらまた泣くだろうし、話に乗るのも嫌だ。そうだ課長に一言言ってもらおう。
私は近くにいる課長をじっと見つめた。わざと無視しているよね。
もう少しでこの人の直属の部下じゃなくなると思うと、行動に移すことが出来た。
課長のデスクまで歩き
「課長、近藤さんが彼氏にバッグを買ってもらってホテルのスイートルームに行く報告を今受けています。どのように答えましょうか?私未熟者なので課長からこの質問への返答見せていただきたいです。さあ、お願いします。」
私は瑠美ちゃんが居るほうへ手を伸ばし発言を促した。
「こ、近藤さん。えっと、テオール?だっけ?うんうん。良いと思うよ。ホテルもね。贅沢は悪い事ではないね。…ただね、今僕たちが扱っている商品はテオールは一つもないかな~って思うんだよね。」
「そんなこと知ってますよ。課長関係ないじゃないですか。マコ先輩に話したんです!」
「そ、そうだよね~。」
「私は課長に業務中にされた話を報告したんです。」
「そ、そうだよね~。」
「「課長、どっちなんですか?」」私と瑠美ちゃんから詰められる課長。
中間管理職って大変だろうけど見て見ぬ振りしてきた結果ですよね。
「ああ、もう!えっと、近藤さんは一回全部引継ぎ終わってるんだっけ?今みたいなおさらいしなくても一人で業務遂行できる?」
「課長、何言ってるんですか?瑠美は今までだってちゃんとやってきたじゃないですか。今更こんなのいりませんよ~。」
「じゃ、じゃあ、仮に平井さんが何かの都合でこの部署に居なくなっても君一人で大丈夫かい?」
「え~マコ先輩結婚でもするんですか?ああ、そんな話課長にもしていたんですかね。フフフ。とん挫して残念ですね。私は大丈夫で~す!マコ先輩が居なくたって一人で十分できまーす!
まあ、私の方が先に居なくなるかもしれないですけど~。瑠美は結婚したら会社は辞めると思うので~。」
「ははは。そうか。近藤さんは一人で大丈夫って言ってるし、平井さんそこまで業務のおさらいしなくても良いよ。ごめんね。ありがとう。」
「…。そうですか。なら良かったです。では再指導のこの書類課長のハンコで承認お願いします。人事に渡す予定なので。」
「うん、はいはい。分かりました。聞いてます。」課長は渡した書類にハンコを押してくれた。
「あと、申し訳ないのですが、来週に引っ越しなどもろもろ必要なので二日ほど有給頂きたいんです。」
「平井さん引っ越しするの?会社から遠くなるのかな?」
「え~?マコ先輩新しく部屋借りるんですか?会社から近いとそこそこ家賃高いですよ。一人暮らしにはきついから、会社から遠い部屋か近くて狭い、ぼろい部屋とかになるんじゃないですか?」瑠美ちゃんがにたにた笑っている。
「…。引っ越しが完了したら人事に申請します。有給の承認、後でお願いしますね。」
「マコ先輩、新しいお部屋になったら瑠美差し入れ持っていきます。だから招待してくださいね。」
「…。引継ぎは不要となったので、別室で資料のまとめしてきます。」
「あ、ああ。お疲れさまでした。」課長はまだオドオドしている。
私と瑠美ちゃんの仲が険悪なのがやっと伝わったようだ。もう遅いけど。
今の私の優先業務は彼女への引継ぎ。
今までの期間でほとんど説明は済んでるんだけど本当に大丈夫なのかな?
この会社は、社員育成に力を入れている方だと思う。
過去、全然業務を教えてもらえないと後輩・先輩間でトラブルになった経緯があり、引継ぎなどはマニュアルを作成している。
私も前任の先輩からマニュアルを元に教えてもらった。
このマニュアルにはそれぞれ伝達確認シートというものがセットになっていて指導や引継ぎを受けたら確認シートに理解できた内容を記入し人事部に提出するのだ。
分からないことがあれば確認シートを元に再度指導を受けられるようシステムが作られている。
瑠美ちゃん、一回も再指導なかったからきっと全部の業務「理解できました」にチェックしたんだろうな。
私には関係ないけど、このシステムって新人や異動対象に向けられているようで指導側を守るシステムなんだな。
と感心した。
だって後で教えてもらってないとか言われたらまたパワハラとか言われるもの。
確かこのシステムも清水部長が導入したんだよね。色んなところでお世話になってるなあ。
一応教育は完了しているので、おさらいがてら瑠美ちゃんに業務を伝えるが、全然聞いてない。
それどころか業務に関係のない話をし始める。
あまりにもひどいので、私の異動を知っている課長に相談し業務のおさらいは課長がいるデスクの前でさせてもらっている。
「だからね、瑠美ちゃん。この書類とこの書類似てるし間違えやすいんだけど用途が違うから申請する部署が変わるの。承認も各管理職になるから同じ人からもらえない。ここは気を付けてね。」
「はいはーい。分かりましたー。っていうか、マコ先輩見てくださいよこれ。彼氏に買ってもらっちゃいました。テオールのバッグ。めちゃくちゃ可愛いでしょ?」
聞いてもいないし業務中、しかも課長が近くにいるのにどうしてこんなことが出来るのか不思議だ。
「ああ、そうなの。良かったね。」
「すっごい高かったんですけど~、どうしても今欲しいって言ったら一括で買ってくれたんですよ。私、ものすごく愛されているでしょう?マコ先輩はこんな高いもの買ってもらったことあります?」
「あ、あと~、今度ネズミーランド行くんですよ。日帰りって言ってたけど私が泊まりたいって言ったら彼氏がOKしてくれてあの人気のホテル、それもスイートルーム予約してくれたんですよ~。ああ、私って幸せ者…。マコ先輩には分からない話だろうけど。」
いい加減にしてほしい。
注意したらまた泣くだろうし、話に乗るのも嫌だ。そうだ課長に一言言ってもらおう。
私は近くにいる課長をじっと見つめた。わざと無視しているよね。
もう少しでこの人の直属の部下じゃなくなると思うと、行動に移すことが出来た。
課長のデスクまで歩き
「課長、近藤さんが彼氏にバッグを買ってもらってホテルのスイートルームに行く報告を今受けています。どのように答えましょうか?私未熟者なので課長からこの質問への返答見せていただきたいです。さあ、お願いします。」
私は瑠美ちゃんが居るほうへ手を伸ばし発言を促した。
「こ、近藤さん。えっと、テオール?だっけ?うんうん。良いと思うよ。ホテルもね。贅沢は悪い事ではないね。…ただね、今僕たちが扱っている商品はテオールは一つもないかな~って思うんだよね。」
「そんなこと知ってますよ。課長関係ないじゃないですか。マコ先輩に話したんです!」
「そ、そうだよね~。」
「私は課長に業務中にされた話を報告したんです。」
「そ、そうだよね~。」
「「課長、どっちなんですか?」」私と瑠美ちゃんから詰められる課長。
中間管理職って大変だろうけど見て見ぬ振りしてきた結果ですよね。
「ああ、もう!えっと、近藤さんは一回全部引継ぎ終わってるんだっけ?今みたいなおさらいしなくても一人で業務遂行できる?」
「課長、何言ってるんですか?瑠美は今までだってちゃんとやってきたじゃないですか。今更こんなのいりませんよ~。」
「じゃ、じゃあ、仮に平井さんが何かの都合でこの部署に居なくなっても君一人で大丈夫かい?」
「え~マコ先輩結婚でもするんですか?ああ、そんな話課長にもしていたんですかね。フフフ。とん挫して残念ですね。私は大丈夫で~す!マコ先輩が居なくたって一人で十分できまーす!
まあ、私の方が先に居なくなるかもしれないですけど~。瑠美は結婚したら会社は辞めると思うので~。」
「ははは。そうか。近藤さんは一人で大丈夫って言ってるし、平井さんそこまで業務のおさらいしなくても良いよ。ごめんね。ありがとう。」
「…。そうですか。なら良かったです。では再指導のこの書類課長のハンコで承認お願いします。人事に渡す予定なので。」
「うん、はいはい。分かりました。聞いてます。」課長は渡した書類にハンコを押してくれた。
「あと、申し訳ないのですが、来週に引っ越しなどもろもろ必要なので二日ほど有給頂きたいんです。」
「平井さん引っ越しするの?会社から遠くなるのかな?」
「え~?マコ先輩新しく部屋借りるんですか?会社から近いとそこそこ家賃高いですよ。一人暮らしにはきついから、会社から遠い部屋か近くて狭い、ぼろい部屋とかになるんじゃないですか?」瑠美ちゃんがにたにた笑っている。
「…。引っ越しが完了したら人事に申請します。有給の承認、後でお願いしますね。」
「マコ先輩、新しいお部屋になったら瑠美差し入れ持っていきます。だから招待してくださいね。」
「…。引継ぎは不要となったので、別室で資料のまとめしてきます。」
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