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進路 山根遥
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今回の一件で、いじめグループの生徒に対する苦情が沸き上がり俺はどちらかと言うと擁護されることもあった。
ただ、合計8人を病院送りにしたという話はすぐ広まり生徒以外の近所にも噂が広まった。
大吾の証言もあったし、退学処分は何とか免れるかもしれないと言われたが俺自身がもうすべてに嫌気がさしていた。
「退学します。おばあちゃんの家に行かせてください。どこか公立の学校に通います。」
と親に説明した。
親は怒ることなく、今までいじめに気が付かなくて申し訳なかったと逆に謝られた。
いじめグループの奴らへの苦情には悪質なものが混じっていて、これまでの悪行が表に出たことで結局退学処分になった。
もう、それで十分だ。大吾がゆっくり絵をかけたらいいな。
俺の親友大吾、穏やかな大吾にあんな場面を見せてしまい合わせる顔もなかった。
俺は中学3年の春に地方の学校に転校となった。
残りの中学生活はひたすら地味に目立たないよう過ごした。
高校も地方の公立高校に通った。
空手はもう止めたけど美術は高校でまた始めた。大吾のおかげで嫌いじゃない、むしろ好きなことになっていたから。
大学受験の話を詰める時期になると、一緒に住んでいたおばあちゃんが体調を崩し入院してしまった。
親からは家に帰って地方でなく都内の大学を目指せと言われた。
ひたすら地味に生活をしていただけあって成績は良かった。
けど、帰りたくない。
あそこは俺にとって息苦しい場所になってしまったから。
父親から、下宿して地方の大学に通いたいなら国公立の大学でないと認めないと条件を出された。
これでも、かなり譲歩してくれたんだろう。
俺は地方の国公立大学で美術に力を入れている大学に目標を絞って受験に挑んだ。
何とか大学に受かり、下宿先も決まり晴れて美大生になった。
同じ生徒たちは結構変わっている人たちが多くて面白かった。
そこでも、無駄に目立たず顔は髭で隠し髪ももじゃもじゃ、運動もしないからぼよぼよボディの俺が仕上がった。
無事卒業も出来、社会人になれば自活も出来るから就職は都内にもどろうと決めていたから就活は東京に絞った。
いつか、大吾に偶然会えるかな?という期待もちょっとはあった。今ならちゃんと喋れるし謝れる。
ここ近年デザイン関係の仕事は個人のクリエイターに外注する企業が多いからデザインに集中できる企業は少ないしすごく人気だ。
奇跡的に内定をもらったときはさすがに泣いた。
面接には清水部長が出席していて色々質問されたのを覚えている。
面接のときはひげを剃ったけど、野暮ったさ全開の俺をよく採用してくれたなと思う。
この会社には感謝してもしきれない。
そして、1年の研修を終えて晴れてデザイン課に配属になった。
同期には苦手なタイプの女の子がいたけど、頑張って仲良くなる気はないし向こうも俺の事を「きもい。」と言う。
失礼だが、仕方がない。そういう人種もいるということは過去でよく分っているから。
それよりも、俺はある人に出会ってしまった。
会えば会うだけ好きになってしまう不思議な女性。それが平井マコさんだった。
ただ、合計8人を病院送りにしたという話はすぐ広まり生徒以外の近所にも噂が広まった。
大吾の証言もあったし、退学処分は何とか免れるかもしれないと言われたが俺自身がもうすべてに嫌気がさしていた。
「退学します。おばあちゃんの家に行かせてください。どこか公立の学校に通います。」
と親に説明した。
親は怒ることなく、今までいじめに気が付かなくて申し訳なかったと逆に謝られた。
いじめグループの奴らへの苦情には悪質なものが混じっていて、これまでの悪行が表に出たことで結局退学処分になった。
もう、それで十分だ。大吾がゆっくり絵をかけたらいいな。
俺の親友大吾、穏やかな大吾にあんな場面を見せてしまい合わせる顔もなかった。
俺は中学3年の春に地方の学校に転校となった。
残りの中学生活はひたすら地味に目立たないよう過ごした。
高校も地方の公立高校に通った。
空手はもう止めたけど美術は高校でまた始めた。大吾のおかげで嫌いじゃない、むしろ好きなことになっていたから。
大学受験の話を詰める時期になると、一緒に住んでいたおばあちゃんが体調を崩し入院してしまった。
親からは家に帰って地方でなく都内の大学を目指せと言われた。
ひたすら地味に生活をしていただけあって成績は良かった。
けど、帰りたくない。
あそこは俺にとって息苦しい場所になってしまったから。
父親から、下宿して地方の大学に通いたいなら国公立の大学でないと認めないと条件を出された。
これでも、かなり譲歩してくれたんだろう。
俺は地方の国公立大学で美術に力を入れている大学に目標を絞って受験に挑んだ。
何とか大学に受かり、下宿先も決まり晴れて美大生になった。
同じ生徒たちは結構変わっている人たちが多くて面白かった。
そこでも、無駄に目立たず顔は髭で隠し髪ももじゃもじゃ、運動もしないからぼよぼよボディの俺が仕上がった。
無事卒業も出来、社会人になれば自活も出来るから就職は都内にもどろうと決めていたから就活は東京に絞った。
いつか、大吾に偶然会えるかな?という期待もちょっとはあった。今ならちゃんと喋れるし謝れる。
ここ近年デザイン関係の仕事は個人のクリエイターに外注する企業が多いからデザインに集中できる企業は少ないしすごく人気だ。
奇跡的に内定をもらったときはさすがに泣いた。
面接には清水部長が出席していて色々質問されたのを覚えている。
面接のときはひげを剃ったけど、野暮ったさ全開の俺をよく採用してくれたなと思う。
この会社には感謝してもしきれない。
そして、1年の研修を終えて晴れてデザイン課に配属になった。
同期には苦手なタイプの女の子がいたけど、頑張って仲良くなる気はないし向こうも俺の事を「きもい。」と言う。
失礼だが、仕方がない。そういう人種もいるということは過去でよく分っているから。
それよりも、俺はある人に出会ってしまった。
会えば会うだけ好きになってしまう不思議な女性。それが平井マコさんだった。
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