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詐欺じゃん
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ああ…疲れた。
品質管理部に配属になって初日だからかずっと私を見張ってるような社員がいたから全然休めなかった。
いつもなら穴場でネット見てたのに突然こんなタイムスケジュールに変わって頭と体がおかしくなりそう。
今日はまっすぐ家に帰ろう。
本当は義明を癒す可愛い彼女を演出する日だったけど、今日は私が義明に甘えさせてもらおう。
最近イチャイチャもご無沙汰だったし。
マコ先輩の私に対する仕打ちとかどれだけ性格が悪いかをちゃんと伝えるんだ。
最近綺麗になったからってまた義明に近づかれた困るしね。
コンビニで総菜を何点か買ってビールを飲みながら疲れを癒す。
義明がなかなか帰ってこないから先にお風呂を済ませた。
実は、まだ同棲している期間が短い分私は義明に本当のすっぴんを見せたことがない。
けど、もういいでしょ。
流石に今日みたいに疲れた日は早くメイクを落としてゆっくりしたい。
この前義明のお酒を飲んでそのまま寝ちゃったときはメイクを落とさなかったからすごく肌を荒らしてしまったんだよね。
今日はそうならないよう肌を労わってあげるんだ。
すっぴんはあまり自信がないけど瑠美は若いしハートつまり中身がイケてるからすっぴんでも大丈夫なはず。
がちゃり。
扉が開く音がした。
「あ、義明だ。義明おかえり~。」
義明が私を見た瞬間動きが止まった。
「ん?どうしたの?」
「る、瑠美…。お前瑠美か?」
「そうだよ。何言ってんの?義明の可愛い彼女の瑠美だよ。」
「まじかよ、化粧落としたらそんな顔って聞いてないぞ。」
「そんな顔って失礼ね。毎日手入れして可愛いをキープしてるの。まあ、いいわ。今日は色々聞いてほしい話があるの。こっち座って。」
私は義明をソファに誘導した。
「い、いや。今日俺疲れてるしそういうのいいわ。」
「ダメ!最近あんまり構ってくれないじゃん。瑠美が他の男の人に気持ち移ったらどうするの?」
「えっと…まあ困る…かな?回収できてないし。」何で疑問形なのよ。後半聞き取れなかったし。
まあ、いいわ。
「あのね、瑠美昨日色々大変だったの。マコ先輩が瑠美にひどいことするから部署も異動になったの。営業部の皆に挨拶もさせてくれなかったから義明心配したでしょう?」
「あ、ああ。異動になったのは聞いた。それに噂では瑠美があの鶴丸様にやらかしたって聞いた。」
「ええ?やらかしたって何?マコ先輩が変な噂流したんだ!義明、マコ先輩って本当に最低な人間なの。瑠美を陥れるような怖い女なんだからちょっと綺麗なくらいでマコ先輩の誘惑に乗らないでよ!」
「…。」
「義明何で黙ってんの?」
「ってかさあ、どうでも良いけど瑠美早く金返せよな。資料だって全然作らねえし料理も…それコンビニの総菜じゃん。何で俺が言った事全然しねえの?瑠美がこのままだとはっきり言って俺詐欺に遭ったようなもんじゃん。困るんだけど。」
「はあ?義明何言ってんの?詐欺?お金?資料?料理?勝手に言いたいこと言ってるけど意味わかんない。」
「いやいやいや、この前言っただろ?お前酔ってて覚えてないとかやめろよ。俺ちゃんと説明したじゃん。俺の酒代とか外食費は全部瑠美が払うんだって。そんで俺の仕事の資料はあのパソコンで瑠美が作るんだよ。
料理もヘルシーなものちゃんと作れよ。
ああ、あと買い物も行ってないだろ。酒のストック切れて俺が買いに行ってやってるんだぞ。いい加減瑠美が動けよ。」
「はあああ?そんなの聞いてない!なに馬鹿な事言ってんの?」
「お前が酔ってて覚えたないだけだろ?俺はちゃんと伝えた!」
「大きい声出さないでよ!何で義明のためにそんなことしないといけないのよ!今まで全部払ってくれてたじゃん!義明お金持ってるんでしょ?!これからも義明が払えばいいじゃない!」
「あのなあ、人の金あてにするとかお前最低だぞ。」
「それはこっちのセリフだし!義明の言ってること非常識なことばっかりじゃん!」
「瑠美の方が非常識だろ!俺は家賃を払ってるんだ。お前は何も払ってない!料理も作らない!何のためにここに居るんだよ!しかも…すっぴんがそれって…。萎えるわ。」
「ひ、ひどい…。い、今まで瑠美に貢いでたじゃん。お金持ちなんでしょ?何でそんなにせこいの?」
「どっちがひどいんだよ。あのなあ、瑠美に使ってた金はマコが貯めた金だ。マコが食費雑費払っても貯金できたんだからお前だってできるだろ?マコはもっとちゃんとやってたしすっぴんも今思えば綺麗だったぞ。」
「え…ちょっと待って。義明マコ先輩の貯金盗んだの?」
「盗んでねえし。折半で割っただけだ。
それも全部瑠美がバッグ買えだのネズミーランドのスイートルームが良いだの言うから全部使い切ったからもうない。」
「ええ…?じゃ、じゃあ義明が営業先に持って行ってた資料ってマコ先輩が作ってたの?」
「だからそうだって言ってただろ。あのパソコンマコが買って使って作ってたんだ。
あいつ持って行こうとしたから絶対置いて行けって言ったんだぞ。瑠美が次使うから残してやったんだ。
感謝しろよ。」
…。だめだ。立ち眩みがおこってきた…。
「義明、詐欺に遭ったのって私じゃん。」
「ああ?何か言ったか?」脅すような義明の態度。
「あのね!私貯金なんてないし義明の使ったものに出すお金なんて持ってないから!私みたいな良い女は維持費がかかるの!デパコスとエステと洋服で全部消えるの!私みたいないい女と付き合ってもらってるんだから義明の方が瑠美に感謝すべきなの!」
「馬鹿なこと言ってんじゃねえぞ!そんな事言って金も払えない、仕事も手伝えない、料理は作らないってお前が一番最低な女じゃないか!
お前のせいでマコと別れたんだ責任とれよ!もうこの家から出ていけ!」
「無茶苦茶言わないでよ!出て行っても家もないしお金もないんだから出ていきません!絶対出て行かない!もういい!私寝る!」
これ以上義明の話なんて聞いてられない。
私は自分の部屋に立てこもった。
明日から年休使って遅く出勤しよう。
義明となるべく家で顔を合わせないでおくんだ。
冷蔵庫買っておいて良かった。
次からレンジとかコンロとか部屋に持ち込んでやる。
この日から私は義明と険悪な雰囲気の中暮らす事となった。
もちろん義明が使った費用は払うつもりはない。
けど、一応光熱費だけは払ってあげることにした。私は優しいから。
品質管理部に配属になって初日だからかずっと私を見張ってるような社員がいたから全然休めなかった。
いつもなら穴場でネット見てたのに突然こんなタイムスケジュールに変わって頭と体がおかしくなりそう。
今日はまっすぐ家に帰ろう。
本当は義明を癒す可愛い彼女を演出する日だったけど、今日は私が義明に甘えさせてもらおう。
最近イチャイチャもご無沙汰だったし。
マコ先輩の私に対する仕打ちとかどれだけ性格が悪いかをちゃんと伝えるんだ。
最近綺麗になったからってまた義明に近づかれた困るしね。
コンビニで総菜を何点か買ってビールを飲みながら疲れを癒す。
義明がなかなか帰ってこないから先にお風呂を済ませた。
実は、まだ同棲している期間が短い分私は義明に本当のすっぴんを見せたことがない。
けど、もういいでしょ。
流石に今日みたいに疲れた日は早くメイクを落としてゆっくりしたい。
この前義明のお酒を飲んでそのまま寝ちゃったときはメイクを落とさなかったからすごく肌を荒らしてしまったんだよね。
今日はそうならないよう肌を労わってあげるんだ。
すっぴんはあまり自信がないけど瑠美は若いしハートつまり中身がイケてるからすっぴんでも大丈夫なはず。
がちゃり。
扉が開く音がした。
「あ、義明だ。義明おかえり~。」
義明が私を見た瞬間動きが止まった。
「ん?どうしたの?」
「る、瑠美…。お前瑠美か?」
「そうだよ。何言ってんの?義明の可愛い彼女の瑠美だよ。」
「まじかよ、化粧落としたらそんな顔って聞いてないぞ。」
「そんな顔って失礼ね。毎日手入れして可愛いをキープしてるの。まあ、いいわ。今日は色々聞いてほしい話があるの。こっち座って。」
私は義明をソファに誘導した。
「い、いや。今日俺疲れてるしそういうのいいわ。」
「ダメ!最近あんまり構ってくれないじゃん。瑠美が他の男の人に気持ち移ったらどうするの?」
「えっと…まあ困る…かな?回収できてないし。」何で疑問形なのよ。後半聞き取れなかったし。
まあ、いいわ。
「あのね、瑠美昨日色々大変だったの。マコ先輩が瑠美にひどいことするから部署も異動になったの。営業部の皆に挨拶もさせてくれなかったから義明心配したでしょう?」
「あ、ああ。異動になったのは聞いた。それに噂では瑠美があの鶴丸様にやらかしたって聞いた。」
「ええ?やらかしたって何?マコ先輩が変な噂流したんだ!義明、マコ先輩って本当に最低な人間なの。瑠美を陥れるような怖い女なんだからちょっと綺麗なくらいでマコ先輩の誘惑に乗らないでよ!」
「…。」
「義明何で黙ってんの?」
「ってかさあ、どうでも良いけど瑠美早く金返せよな。資料だって全然作らねえし料理も…それコンビニの総菜じゃん。何で俺が言った事全然しねえの?瑠美がこのままだとはっきり言って俺詐欺に遭ったようなもんじゃん。困るんだけど。」
「はあ?義明何言ってんの?詐欺?お金?資料?料理?勝手に言いたいこと言ってるけど意味わかんない。」
「いやいやいや、この前言っただろ?お前酔ってて覚えてないとかやめろよ。俺ちゃんと説明したじゃん。俺の酒代とか外食費は全部瑠美が払うんだって。そんで俺の仕事の資料はあのパソコンで瑠美が作るんだよ。
料理もヘルシーなものちゃんと作れよ。
ああ、あと買い物も行ってないだろ。酒のストック切れて俺が買いに行ってやってるんだぞ。いい加減瑠美が動けよ。」
「はあああ?そんなの聞いてない!なに馬鹿な事言ってんの?」
「お前が酔ってて覚えたないだけだろ?俺はちゃんと伝えた!」
「大きい声出さないでよ!何で義明のためにそんなことしないといけないのよ!今まで全部払ってくれてたじゃん!義明お金持ってるんでしょ?!これからも義明が払えばいいじゃない!」
「あのなあ、人の金あてにするとかお前最低だぞ。」
「それはこっちのセリフだし!義明の言ってること非常識なことばっかりじゃん!」
「瑠美の方が非常識だろ!俺は家賃を払ってるんだ。お前は何も払ってない!料理も作らない!何のためにここに居るんだよ!しかも…すっぴんがそれって…。萎えるわ。」
「ひ、ひどい…。い、今まで瑠美に貢いでたじゃん。お金持ちなんでしょ?何でそんなにせこいの?」
「どっちがひどいんだよ。あのなあ、瑠美に使ってた金はマコが貯めた金だ。マコが食費雑費払っても貯金できたんだからお前だってできるだろ?マコはもっとちゃんとやってたしすっぴんも今思えば綺麗だったぞ。」
「え…ちょっと待って。義明マコ先輩の貯金盗んだの?」
「盗んでねえし。折半で割っただけだ。
それも全部瑠美がバッグ買えだのネズミーランドのスイートルームが良いだの言うから全部使い切ったからもうない。」
「ええ…?じゃ、じゃあ義明が営業先に持って行ってた資料ってマコ先輩が作ってたの?」
「だからそうだって言ってただろ。あのパソコンマコが買って使って作ってたんだ。
あいつ持って行こうとしたから絶対置いて行けって言ったんだぞ。瑠美が次使うから残してやったんだ。
感謝しろよ。」
…。だめだ。立ち眩みがおこってきた…。
「義明、詐欺に遭ったのって私じゃん。」
「ああ?何か言ったか?」脅すような義明の態度。
「あのね!私貯金なんてないし義明の使ったものに出すお金なんて持ってないから!私みたいな良い女は維持費がかかるの!デパコスとエステと洋服で全部消えるの!私みたいないい女と付き合ってもらってるんだから義明の方が瑠美に感謝すべきなの!」
「馬鹿なこと言ってんじゃねえぞ!そんな事言って金も払えない、仕事も手伝えない、料理は作らないってお前が一番最低な女じゃないか!
お前のせいでマコと別れたんだ責任とれよ!もうこの家から出ていけ!」
「無茶苦茶言わないでよ!出て行っても家もないしお金もないんだから出ていきません!絶対出て行かない!もういい!私寝る!」
これ以上義明の話なんて聞いてられない。
私は自分の部屋に立てこもった。
明日から年休使って遅く出勤しよう。
義明となるべく家で顔を合わせないでおくんだ。
冷蔵庫買っておいて良かった。
次からレンジとかコンロとか部屋に持ち込んでやる。
この日から私は義明と険悪な雰囲気の中暮らす事となった。
もちろん義明が使った費用は払うつもりはない。
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