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人生の汚点です
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パーティが始まり、鶴丸様に挨拶をする。
「やあ、平井さんが来てくれると場が華やぐよ。
今日は急な誘いの中来てくれて本当にありがとう。
平井さんが紹介してくれた滝野瀬さんはすごく親身になって話を聞いてくれるし想像以上にできる女性だったよ。その件もまたお礼をさせて欲しい。」
「ありがとうございます。お礼なんていりません。めぐちゃんと上手く話が進んでいるようで何よりです。これからもよろしくお願いします。」
「何だか平井さんは無欲だなあ。まあ、君らしいね。今日は色々用意しているから楽しんでいってね。」
「はい。そうさせていただきます。ありがとうございます。」
私が深々お辞儀をすると鶴丸様はまた別の来賓に呼ばれていった。
それにしても…山根君遅いなあ。会場間違えているのかな?でも連絡は入っていないし…。
その時、目にまつ毛が入ったのか違和感を感じた。
丁度口紅を塗りなおそうと思っていたタイミングなので化粧室に行くことにした。
三谷さんは別の知り合いと話がはずんでいるからあえて声をかけずにこっそりと会場を出る。
すぐに戻ってくるはずだった。
化粧を直して会場に戻る途中捕まってしまった。
相手はあの田所さんだ。
目は私を睨みつけて口元はにったりと笑っている。
物凄く不気味で気色悪い。
無視して通り過ぎようとすると腕を掴まれる。
「どこ行くんだよ、そうやって俺を無視するのも照れ隠しなんだろ?いい加減素直になれよ。」
「なんの話ですか?意味が分かりません。離してください。」
ここは毅然とした態度で出なくちゃいけない。
「マコ、俺は瑠美に騙されてたんだ。あいつのすっぴん見たことあるか?ひどいもんだぜ。それにあいつは全然仕事も出来ないし料理も家事も出来ないつまらないただ若いだけの女だったんだ。マコの方が何倍も良い女だ。」
「何を言ってるの?」
「だから、俺みたいな優秀な男と居ることがマコの幸せってことだ。マコ俺の世話嬉しそうにしてたじゃないか。あの頃に戻ろう。今住んでいるマンションに俺が行ってやるからあの気持ち悪い犬は捨てて一緒に暮らそう。」
「はあ?犬ってぽんちゃんの事?」
「ああ、あの豚みたいな犬だ。あんな犬俺とマコとの生活に必要ないからな。俺がどこかの山に捨ててきてやるから。だから今日は俺と一緒にマコのマンションに帰ろう。そうだ!合鍵もいるよな!マコが帰って来た時俺が部屋で待ってたらマコ幸せだろ?」
「馬鹿なこと言わないでください!あなたの事はもう何とも思っていません。」
「だから、照れ隠しは良くないぞ。」
そう言いながら私の頭に手を伸ばそうとする。
だめだ、はっきり言ってしまおう。
「あなたの事大っ嫌いなんです!あなたとお付き合いしていたことを後悔しています。人生の汚点です!」
私は伸びてきた手を払った。
「な、なんだと!?俺のどこがダメなんだよ!調子に乗るなよ!」
「自分の事は一切せず人に任せっぱなしで苦情だけはご立派に言ってましたよね。仕事も家事も何もかも任せっぱなしだった。服や携帯ゲームで課金するのに自分がお金を出すのは異常に出し渋って何でも私に払わせようとしていましたよね。」
「ふ、ふざけるな!いい加減にしろよ!」
「私の身内があなたと瑠美ちゃんがほぼ裸の状態で映っているデータ保管しています。あなたが私の貯金を勝手に引き出して使用しているやりとりも保管しています。これ以上私に近づくのであればしかるべきところにデータをもって相談に行きます。」
後半はほぼはったりだ。
これくらい言わなくちゃ全く伝わらないもの。
「さっきからべらべらと。ちょっと俺が下手に出てるからって調子に乗ってんじゃねえぞ!女のくせに!マコのくせに!」
「それが本音でしょう?私の事便利で都合が良いから利用したいだけじゃない。本当に優しい人はそんなこと絶対しない。山根君みたいに。」
「はあ?何で今あのぬりかべ男の名前が出るんだよ!お前頭おかしいじゃねえの?」
「山根君と一緒にいて、あなたがひどい人間って言う事がよく分りました。変な名前で呼んでるけどあなたなんて山根君の足元にも及ばない。自分の醜い部分をちゃんと見つめた方が良いですよ。」
「うるせえな!さっきからごちゃごちゃと!お前は大人しく俺の言う事聞いとけよ!」
田所さんがそう怒鳴りながら私に殴りかかろうとしてきた。
びっくりしたのと同時に、この近さじゃ避けきれない。
それに、ここで殴られれば警察に介入してもらえる。
傷口の診断書を貰いに行こうと思う自分がいた。
歯を食いしばってぎゅっと目を閉じて身構えた。
「やあ、平井さんが来てくれると場が華やぐよ。
今日は急な誘いの中来てくれて本当にありがとう。
平井さんが紹介してくれた滝野瀬さんはすごく親身になって話を聞いてくれるし想像以上にできる女性だったよ。その件もまたお礼をさせて欲しい。」
「ありがとうございます。お礼なんていりません。めぐちゃんと上手く話が進んでいるようで何よりです。これからもよろしくお願いします。」
「何だか平井さんは無欲だなあ。まあ、君らしいね。今日は色々用意しているから楽しんでいってね。」
「はい。そうさせていただきます。ありがとうございます。」
私が深々お辞儀をすると鶴丸様はまた別の来賓に呼ばれていった。
それにしても…山根君遅いなあ。会場間違えているのかな?でも連絡は入っていないし…。
その時、目にまつ毛が入ったのか違和感を感じた。
丁度口紅を塗りなおそうと思っていたタイミングなので化粧室に行くことにした。
三谷さんは別の知り合いと話がはずんでいるからあえて声をかけずにこっそりと会場を出る。
すぐに戻ってくるはずだった。
化粧を直して会場に戻る途中捕まってしまった。
相手はあの田所さんだ。
目は私を睨みつけて口元はにったりと笑っている。
物凄く不気味で気色悪い。
無視して通り過ぎようとすると腕を掴まれる。
「どこ行くんだよ、そうやって俺を無視するのも照れ隠しなんだろ?いい加減素直になれよ。」
「なんの話ですか?意味が分かりません。離してください。」
ここは毅然とした態度で出なくちゃいけない。
「マコ、俺は瑠美に騙されてたんだ。あいつのすっぴん見たことあるか?ひどいもんだぜ。それにあいつは全然仕事も出来ないし料理も家事も出来ないつまらないただ若いだけの女だったんだ。マコの方が何倍も良い女だ。」
「何を言ってるの?」
「だから、俺みたいな優秀な男と居ることがマコの幸せってことだ。マコ俺の世話嬉しそうにしてたじゃないか。あの頃に戻ろう。今住んでいるマンションに俺が行ってやるからあの気持ち悪い犬は捨てて一緒に暮らそう。」
「はあ?犬ってぽんちゃんの事?」
「ああ、あの豚みたいな犬だ。あんな犬俺とマコとの生活に必要ないからな。俺がどこかの山に捨ててきてやるから。だから今日は俺と一緒にマコのマンションに帰ろう。そうだ!合鍵もいるよな!マコが帰って来た時俺が部屋で待ってたらマコ幸せだろ?」
「馬鹿なこと言わないでください!あなたの事はもう何とも思っていません。」
「だから、照れ隠しは良くないぞ。」
そう言いながら私の頭に手を伸ばそうとする。
だめだ、はっきり言ってしまおう。
「あなたの事大っ嫌いなんです!あなたとお付き合いしていたことを後悔しています。人生の汚点です!」
私は伸びてきた手を払った。
「な、なんだと!?俺のどこがダメなんだよ!調子に乗るなよ!」
「自分の事は一切せず人に任せっぱなしで苦情だけはご立派に言ってましたよね。仕事も家事も何もかも任せっぱなしだった。服や携帯ゲームで課金するのに自分がお金を出すのは異常に出し渋って何でも私に払わせようとしていましたよね。」
「ふ、ふざけるな!いい加減にしろよ!」
「私の身内があなたと瑠美ちゃんがほぼ裸の状態で映っているデータ保管しています。あなたが私の貯金を勝手に引き出して使用しているやりとりも保管しています。これ以上私に近づくのであればしかるべきところにデータをもって相談に行きます。」
後半はほぼはったりだ。
これくらい言わなくちゃ全く伝わらないもの。
「さっきからべらべらと。ちょっと俺が下手に出てるからって調子に乗ってんじゃねえぞ!女のくせに!マコのくせに!」
「それが本音でしょう?私の事便利で都合が良いから利用したいだけじゃない。本当に優しい人はそんなこと絶対しない。山根君みたいに。」
「はあ?何で今あのぬりかべ男の名前が出るんだよ!お前頭おかしいじゃねえの?」
「山根君と一緒にいて、あなたがひどい人間って言う事がよく分りました。変な名前で呼んでるけどあなたなんて山根君の足元にも及ばない。自分の醜い部分をちゃんと見つめた方が良いですよ。」
「うるせえな!さっきからごちゃごちゃと!お前は大人しく俺の言う事聞いとけよ!」
田所さんがそう怒鳴りながら私に殴りかかろうとしてきた。
びっくりしたのと同時に、この近さじゃ避けきれない。
それに、ここで殴られれば警察に介入してもらえる。
傷口の診断書を貰いに行こうと思う自分がいた。
歯を食いしばってぎゅっと目を閉じて身構えた。
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