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第1章
第42話 おじさんって言われたから
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「うーん…一回私が話を聞くよ。ぼん達は、少し席を外して待ってて。」
シーホが、ヒステリーを起こしたように叫び出してしまい、どうしていいか分からなくてなっていると、優子がそう言う。
「な!無茶言うな、危ないぞ!」
「大丈夫。任せて。」
優子は、俺の制止を聞かずシーホの側まで行くと、頭を抱える彼女の前でしゃがみ込んだ。
下から見上げるような形になっているが、それに気が付いたシーホは、驚いて声を上げてしまう。
「ひっ!」
「ん、こっち見たね。何があったか話してみ?ちゃんと話さないと分からない事もあるよ?」
後ろから見ているので、俺から優子の表情は分からない。
でも、強張っていたシーホの表情が、少しづつ柔らかくなっているのは見て取れるから、多分大丈夫なんだろう。
何かを話しているようだが、声が小さくて聞き取れない。
聞こえるまで近寄ろうかと考えていると、優子がこちらを振り返り、声を上げる。
「ぼん、ロールさんを呼んで来て。あ、ぼんとキャナタさんはそのまま調理場に居てね。」
「は?え?なんで?」
俺は当事者なのに、追い出されるとか…なんだろう、なんとなく釈然としない…
と言うより、あんなことする子だぞ?何かあったらどうするんだ?
「いいから、ぼん達がいると話しづらいこともあるんだよ。ね?ここは任せて。」
「ボン…こういう時は、男は何も言わずに従うもんだ…」
キャナタさんに肩を叩かれたが、さっきまでおっさんと言われてショック受けてた…いや、まだ少し涙目な人に言われてもと思ってしまう…
ただ、優子の言う事も一理あるとも思う。女同士とか、男同士でしか話せない事も確かにあるからだ。
「分かったよ…でも、なんかあったらすぐ呼べよ。絶対だからな?」
「ん。分かったよ。」
俺とキャナタさんは、カウンター裏の調理場に向かい、ロールさんに声をかけ、そのまま適当な椅子に腰かけた。
その後、少し落ち着いたシーホは、優子達にゆっくり話し始めたらしいが、俺とキャナタさんは邪魔だと追い出されてしまったので内容は聞いて居ない…
「なぁ…ボンから見ても俺はおっさんなのか?」
余程ショックだったのか、椅子に座ってすぐにキャナタさんが聞いてくる。
地球では60歳を超えている俺に言わせれば、40手前、若く見るなら32か3にしか見えないキャナタさんは、全然若いんじゃないかと思う。
それでも、個人的には30過ぎたらおっさんでいいと思っているけどね。
人間、認めた方が楽になることも多いものだよ…
「14歳の子からしたら、20歳を超えた人はみんなおじさんやおばさんに見えるものですよ。30歳を超えたらジジイとババア呼ばわりされることもあるんですから。おじさんで良かったじゃないですか。」
フォローのつもりだったが、キャナタさんは、大きな溜息を吐いてガックリと項垂れてしまう。
「…俺、まだ28なんだぞ…?」
おっと…フォローのつもりがミスったらしい。
どう若く見ても、20代には見えなかったんだが…微妙な年頃だったようだ。
「なんか…ごめんなさい。」
「はぁ……辛い……はぁ……」
俺が謝ると、キャナタさんは更に落ち込んでしまい、それからは溜息しか出なくなってしまう。
ストレージリングの事を詮索されずに済んでるから、そこは少し良かったのかもしれないが、それ以上に会話が無い重苦しい沈黙が地味に辛い…
とりあえず何か飲み物でも飲んで、少しでも気を紛らわそうと思い、できるだけ軽い感じで声をかける。
「なんか喉乾きましたね。しばらくかかりそうですし、何か飲み物をもらえませんか?」
「…好きに飲め…」
キャナタさんは、そう言って木のコップをこちらに投げて来た。
そんなに喉も渇いていないが、自分で言いだしたことなので、仕方なくチビチビと果実水を飲んでいく。
一杯飲み切っても、一向に彼は顔を上げる様子はなかった…
ものすごく空気が重い…
どのくらいの時間が経ったのか、シーホとの話が終わったロールさんが、調理場の扉を開けてくれて、やっとキャナタさんとの2人沈黙会に終わりが来た。
「おまた…せ?どうしたの?」
「…はぁ…」
「えっと…俺は優子のところに行きますね。」
うん、もう耐えられないから、キャナタさんのことはロールさんに任せてしまおう。
ロールさんが開けた扉から、素早く店内の方に抜け出ると、さっきまでの空気が嘘のように、雰囲気が柔らかく感じた。
「あ、ぼん。」
「あ、ぼん。じゃない。随分落ち着いたみたいだけど…大丈夫なのか?」
俺が心配してそう言うと、優子とシーホは顔を見合わせて笑う。
俺が居ない間に何があったんだ…?
ーーーー
作者です。
初めておじさんと言われた時は、私もへこみました…
感想その他、お時間あれば是非。
シーホが、ヒステリーを起こしたように叫び出してしまい、どうしていいか分からなくてなっていると、優子がそう言う。
「な!無茶言うな、危ないぞ!」
「大丈夫。任せて。」
優子は、俺の制止を聞かずシーホの側まで行くと、頭を抱える彼女の前でしゃがみ込んだ。
下から見上げるような形になっているが、それに気が付いたシーホは、驚いて声を上げてしまう。
「ひっ!」
「ん、こっち見たね。何があったか話してみ?ちゃんと話さないと分からない事もあるよ?」
後ろから見ているので、俺から優子の表情は分からない。
でも、強張っていたシーホの表情が、少しづつ柔らかくなっているのは見て取れるから、多分大丈夫なんだろう。
何かを話しているようだが、声が小さくて聞き取れない。
聞こえるまで近寄ろうかと考えていると、優子がこちらを振り返り、声を上げる。
「ぼん、ロールさんを呼んで来て。あ、ぼんとキャナタさんはそのまま調理場に居てね。」
「は?え?なんで?」
俺は当事者なのに、追い出されるとか…なんだろう、なんとなく釈然としない…
と言うより、あんなことする子だぞ?何かあったらどうするんだ?
「いいから、ぼん達がいると話しづらいこともあるんだよ。ね?ここは任せて。」
「ボン…こういう時は、男は何も言わずに従うもんだ…」
キャナタさんに肩を叩かれたが、さっきまでおっさんと言われてショック受けてた…いや、まだ少し涙目な人に言われてもと思ってしまう…
ただ、優子の言う事も一理あるとも思う。女同士とか、男同士でしか話せない事も確かにあるからだ。
「分かったよ…でも、なんかあったらすぐ呼べよ。絶対だからな?」
「ん。分かったよ。」
俺とキャナタさんは、カウンター裏の調理場に向かい、ロールさんに声をかけ、そのまま適当な椅子に腰かけた。
その後、少し落ち着いたシーホは、優子達にゆっくり話し始めたらしいが、俺とキャナタさんは邪魔だと追い出されてしまったので内容は聞いて居ない…
「なぁ…ボンから見ても俺はおっさんなのか?」
余程ショックだったのか、椅子に座ってすぐにキャナタさんが聞いてくる。
地球では60歳を超えている俺に言わせれば、40手前、若く見るなら32か3にしか見えないキャナタさんは、全然若いんじゃないかと思う。
それでも、個人的には30過ぎたらおっさんでいいと思っているけどね。
人間、認めた方が楽になることも多いものだよ…
「14歳の子からしたら、20歳を超えた人はみんなおじさんやおばさんに見えるものですよ。30歳を超えたらジジイとババア呼ばわりされることもあるんですから。おじさんで良かったじゃないですか。」
フォローのつもりだったが、キャナタさんは、大きな溜息を吐いてガックリと項垂れてしまう。
「…俺、まだ28なんだぞ…?」
おっと…フォローのつもりがミスったらしい。
どう若く見ても、20代には見えなかったんだが…微妙な年頃だったようだ。
「なんか…ごめんなさい。」
「はぁ……辛い……はぁ……」
俺が謝ると、キャナタさんは更に落ち込んでしまい、それからは溜息しか出なくなってしまう。
ストレージリングの事を詮索されずに済んでるから、そこは少し良かったのかもしれないが、それ以上に会話が無い重苦しい沈黙が地味に辛い…
とりあえず何か飲み物でも飲んで、少しでも気を紛らわそうと思い、できるだけ軽い感じで声をかける。
「なんか喉乾きましたね。しばらくかかりそうですし、何か飲み物をもらえませんか?」
「…好きに飲め…」
キャナタさんは、そう言って木のコップをこちらに投げて来た。
そんなに喉も渇いていないが、自分で言いだしたことなので、仕方なくチビチビと果実水を飲んでいく。
一杯飲み切っても、一向に彼は顔を上げる様子はなかった…
ものすごく空気が重い…
どのくらいの時間が経ったのか、シーホとの話が終わったロールさんが、調理場の扉を開けてくれて、やっとキャナタさんとの2人沈黙会に終わりが来た。
「おまた…せ?どうしたの?」
「…はぁ…」
「えっと…俺は優子のところに行きますね。」
うん、もう耐えられないから、キャナタさんのことはロールさんに任せてしまおう。
ロールさんが開けた扉から、素早く店内の方に抜け出ると、さっきまでの空気が嘘のように、雰囲気が柔らかく感じた。
「あ、ぼん。」
「あ、ぼん。じゃない。随分落ち着いたみたいだけど…大丈夫なのか?」
俺が心配してそう言うと、優子とシーホは顔を見合わせて笑う。
俺が居ない間に何があったんだ…?
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作者です。
初めておじさんと言われた時は、私もへこみました…
感想その他、お時間あれば是非。
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