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第2章
第7話 説明してみると長かった
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優子に説明が足りないと言われ、シーホに俺の考えを説明することになったのだが…いざ説明するとなると、意外に時間がかかってしまった…
「それじゃ…まず考えたのは、今現在の戦力についてなんだけど、戦力として数えられるのは、今はたったの3人。
俺の立ち位置は中距離。同じくシーホも中距離。優子は回復役…
中距離戦しか出来ないし、全員戦闘に関しては素人でしかない…戦力が圧倒的に足りないんだよ。」
「で、でも、村だともっとたくさんの相手と戦って勝ったじゃないですか?」
シーホは勘違いしていた。
あの時と今じゃ、立ち位置がまるで違うのを分かっていない。
「シーホ、勘違いしてほしくないんだが、俺が村でやったのは防衛戦だ。
あの時は準備がしっかり出来たし、俺の魔法が防衛向きだったからなんとかなったんだよ…
もし、今回も防衛戦になるんだったら、ストレージリングと魔樹の実のおかげで継戦能力に不安はないし、このメンバーでも勝てるように必死に戦うよ?
けど、今回みたいに、こちらから攻めるのはやめた方がいいとしか言えないな。」
「ねぇぼん?なんでやめた方がいいの?」
「…さっきも言った通り、俺たちに近距離もしくは遠距離の戦闘が出来る人がいないから、敵に近寄られたりしたときや、魔法の届かない外側から攻撃されたときに、今の俺たちじゃ対処のしようがないんだよ。
今回に限って考えても、今までで一番相手の脅威度が高く、尚且つこちらの倍の数がいる状況なのに、ここから見ても分かるとおり、ほとんど隠れ場所のない開けた場所で戦うなんて、相手の出方次第では犠牲者が出ることだって考えられるから、これだけでもこのまま無視して進んだ方がいい理由になり得ると思うんだよ。」
優子達の反応を伺って見たが…シーホは眉間にしわを寄せてしまっているが、他の誰からも特に反論もなかった。
ぬいぐるみ達は聞いてるのかどうかも分からないけどな…
「それで次にだけど、生存者が本当にいるかどうかについて考えてみた。
無事な荷馬車があると言っても、たまたま襲われなかっただけかもしれないし、生存者がいる保証にはならない…と、思うんだ。
しかも、最初に魔物の反応を感知したのが、昨日の日没後…多分1時間くらい経った頃だったし、それから今までにおよそ9時間が経過している…
それだけの長い時間、ほとんど魔物の反応が動いていないのは、生き残りがいるとしたら不自然だ…
これは、もう生存者はいないと考える方が妥当…ん?どうした?」
話している途中で、シーホが手を挙げた。
「なんで魔物の反応が動かないのが不自然なんですか?」
「…それは、自分が襲撃を受けた側だったらって考えてみたんだ。
防御結界らしき反応があることから、自分の身を守ることは出来る…だけど、これだけ時間が経ってるのに、魔物の反応が残っているのは、攻撃手段がないってことだろ?
これは、俺に置き換えるなら、毒液の檻は使えるけど、攻撃に使える魔法が無いってことになる…
俺なら、そんな絶望的な状況になったとしたら、その場に留まるなんてなんの救いにもならないことは絶対にしない。
どれだけ距離があったとしても、時間がかかったとしても、どこかの街に助けを求めるために移動をする…
一緒にされたくはないけど、ハボック村に魔物の群れを連れてきた、あの定期便の奴らみたいにね。」
自分の身を守ること、生き長らえることを考えるなら、停滞は選ばない。
…いや、選ぶわけがない。
シーホが理解できたのか分からないが、それ以上聞いてこなかった。
「それで、これが最後の理由なんだけど…仮に助けに行くと決めても、旅する魔樹大老が夜以外でこちらの意図した通りに止まることはないだろ?
だから、行きたくても行けないんだよ。」
「あー…確かにトイレの時とかも止まってくれないもんね。…あれ?でも、シーちゃんの時はなんで止まってくれたんだろ?」
トイレ問題は目下の課題なんだけど…確かにシーホが飛び出してきた時は止まったな…
あの時は、なんで止まったんだ?轢き殺さないにしても、迂回するなり出来たはずだよな…
「確かに、止まってくれましたね…あの時は置いていかれると思って焦っていたから、何も考えずに飛び出しちゃいましたけど、今考えるとすごいことしてますね…」
「ね?止まってくれて良かったね。」
「はい!」
ズズ…
優子とシーホも納得してくれたのか、話が変わった気がした…
ズズ…ズン…
それなのに…魔樹がこのタイミングで止まってしまった…
「それじゃ…まず考えたのは、今現在の戦力についてなんだけど、戦力として数えられるのは、今はたったの3人。
俺の立ち位置は中距離。同じくシーホも中距離。優子は回復役…
中距離戦しか出来ないし、全員戦闘に関しては素人でしかない…戦力が圧倒的に足りないんだよ。」
「で、でも、村だともっとたくさんの相手と戦って勝ったじゃないですか?」
シーホは勘違いしていた。
あの時と今じゃ、立ち位置がまるで違うのを分かっていない。
「シーホ、勘違いしてほしくないんだが、俺が村でやったのは防衛戦だ。
あの時は準備がしっかり出来たし、俺の魔法が防衛向きだったからなんとかなったんだよ…
もし、今回も防衛戦になるんだったら、ストレージリングと魔樹の実のおかげで継戦能力に不安はないし、このメンバーでも勝てるように必死に戦うよ?
けど、今回みたいに、こちらから攻めるのはやめた方がいいとしか言えないな。」
「ねぇぼん?なんでやめた方がいいの?」
「…さっきも言った通り、俺たちに近距離もしくは遠距離の戦闘が出来る人がいないから、敵に近寄られたりしたときや、魔法の届かない外側から攻撃されたときに、今の俺たちじゃ対処のしようがないんだよ。
今回に限って考えても、今までで一番相手の脅威度が高く、尚且つこちらの倍の数がいる状況なのに、ここから見ても分かるとおり、ほとんど隠れ場所のない開けた場所で戦うなんて、相手の出方次第では犠牲者が出ることだって考えられるから、これだけでもこのまま無視して進んだ方がいい理由になり得ると思うんだよ。」
優子達の反応を伺って見たが…シーホは眉間にしわを寄せてしまっているが、他の誰からも特に反論もなかった。
ぬいぐるみ達は聞いてるのかどうかも分からないけどな…
「それで次にだけど、生存者が本当にいるかどうかについて考えてみた。
無事な荷馬車があると言っても、たまたま襲われなかっただけかもしれないし、生存者がいる保証にはならない…と、思うんだ。
しかも、最初に魔物の反応を感知したのが、昨日の日没後…多分1時間くらい経った頃だったし、それから今までにおよそ9時間が経過している…
それだけの長い時間、ほとんど魔物の反応が動いていないのは、生き残りがいるとしたら不自然だ…
これは、もう生存者はいないと考える方が妥当…ん?どうした?」
話している途中で、シーホが手を挙げた。
「なんで魔物の反応が動かないのが不自然なんですか?」
「…それは、自分が襲撃を受けた側だったらって考えてみたんだ。
防御結界らしき反応があることから、自分の身を守ることは出来る…だけど、これだけ時間が経ってるのに、魔物の反応が残っているのは、攻撃手段がないってことだろ?
これは、俺に置き換えるなら、毒液の檻は使えるけど、攻撃に使える魔法が無いってことになる…
俺なら、そんな絶望的な状況になったとしたら、その場に留まるなんてなんの救いにもならないことは絶対にしない。
どれだけ距離があったとしても、時間がかかったとしても、どこかの街に助けを求めるために移動をする…
一緒にされたくはないけど、ハボック村に魔物の群れを連れてきた、あの定期便の奴らみたいにね。」
自分の身を守ること、生き長らえることを考えるなら、停滞は選ばない。
…いや、選ぶわけがない。
シーホが理解できたのか分からないが、それ以上聞いてこなかった。
「それで、これが最後の理由なんだけど…仮に助けに行くと決めても、旅する魔樹大老が夜以外でこちらの意図した通りに止まることはないだろ?
だから、行きたくても行けないんだよ。」
「あー…確かにトイレの時とかも止まってくれないもんね。…あれ?でも、シーちゃんの時はなんで止まってくれたんだろ?」
トイレ問題は目下の課題なんだけど…確かにシーホが飛び出してきた時は止まったな…
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「確かに、止まってくれましたね…あの時は置いていかれると思って焦っていたから、何も考えずに飛び出しちゃいましたけど、今考えるとすごいことしてますね…」
「ね?止まってくれて良かったね。」
「はい!」
ズズ…
優子とシーホも納得してくれたのか、話が変わった気がした…
ズズ…ズン…
それなのに…魔樹がこのタイミングで止まってしまった…
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