67 / 100
第2章
第6話 説明不足って言われた
しおりを挟む
旅する魔樹大老が動き出して数分、朝食の魔樹の実を食べようとしていると、ナビさんから声をかけられた。
『情報提示。視認可能距離になりました。』
食べかけの魔樹の実を一気に頬張り、枝で出来た足場の端に移動する。
俺の目には、さっきよりも煙が近くなったくらいにしか感じない。
『情報提示。陸草鰐5体、多頭鰐1体を確認、破損した荷馬車が複数あることから、野営中の一団が襲撃を受けて壊滅したようです。』
壊滅…嫌な響きだね…聞いたことのない魔物だが、名前からしてワニ型だろうか?
陸上、それも草原でワニなんて、さすが異世界だな…
(ナビさん、魔物の詳細は?)
『情報提供。どちらも鰐型の特異変異体です。個体名陸草鰐、危険度はCクラスと推定。中型の魔物で、魔物化に伴い陸上での二足歩行能力と、非常に強固な鱗を獲得しています。
個体名多頭鰐、危険度Bクラスと推定。陸草鰐の上位個体に位置する魔物です。両手が頭部のように変化していて、変化した頭部の咬合力は元の頭部と同程度あるため、非常に危険です。
それ以外の変化として、一回り大きくなった体を支えるために、足の作りが変化し大型化しています。
同様に尾も二股に分かれ、全体のバランスが良くなっています。
現有戦力での戦闘は、避けるべきと進言します。』
…危険度Bは、今までで一番高い。ナビさんが戦闘を避けるべきって言うくらいだから、余程やばいんだろうな…
昨夜襲撃をした魔物が、そんなやばい奴らで、今も同じ場所に留まっているってことは…
おそらく荷馬車の方に生き残りは居ないだろう…
(ナビさん、一応聞くけど生存者は?)
『情報提示。荷馬車が2台、無傷で残っています。防御結界の様な魔法反応もあるため、生存者のいる可能性はあります。』
…まじか…
誰も残ってないの確認出来れば、ヒール加速で一気に突破すればいいと思って聞いただけなのに…
完全に裏目…聞かなきゃ良かったよ…
「はぁ…」
「ぼん?ため息なんかついてどうしたの?」
俺のため息に気がついた優子が声をかけてきた。
「いや…んー…」
「なに?…なにかあったの?」
隠していても、良いことはない…か?
どうせ、もうすぐしたら嫌でも煙が見えてきて分かる事だし、その前に正確な情報を渡しておいた方が、慌てないで対処できるかもしれないしな…
「よし…みんな、食べながらでいいから、少し聞いてもらえるか?…」
俺は、この先に魔物、それもかなり危険だと思われる一団がいて、その一団に荷馬車を襲って壊滅していること。
生存者がいるかどうかは分からないが、仮に居たとしても、助けるとなったらこちらも怪我をする可能性、最悪死ぬ可能性もあること。
それらを、できるだけ簡単に感情がこもらないように伝える。
そして自分の中でももう一度、何を優先するべきかを考え直した…
「…正直言って、俺はこのまま進むべきだと思っている。生存者がいるかどうかも分からないのに、わざわざ危険を冒す必要はないからな。」
「え?助けに行かないんですか?」
シーホが意外そうに聞いてきた。
そんなに変なことだろうか?
「…俺が優先するべきなのは、ここに居る家族の命を守ることだ。赤の他人、それも、いるかどうかも分からない相手の為に、命を危険にさらす事じゃない。」
「でも…私のことは助けてくれたじゃないですか?」
「…シーホを助けたのは…あれは親父さんに頼まれたからだ…」
微妙な空気が流れてしまう…
これは俺のせいじゃないぞ?
「ぼん。私は良いけど、シーちゃんには、ちゃんと説明してあげないと分からないよ?」
「分からない?何がだ?ちゃんと説明しただろ?」
ため息とともに優子は続ける。
「ぼんは頭の中で自己完結して、結果だけ喋ることがあるからね。どうしてそう考えたのかを伝えないと、ほとんどの人は意味不明だと思うよ?」
「…いや、そんなことは…え?本当に?」
優子の発言を否定しようとしたが、同意するようにシーホが頷いているのを見て、少し驚いた。
出会って数日なのに…
「だから、このまま進むことに決めた理由も、シーちゃんに話してあげて。そうじゃないと、変な誤解が生まれちゃうだけだからね。」
…なんだろう、ほんのちょっとだけ釈然としない気分になってしまった…
だが、言ってることは分かる…
期間限定とはいえ、1年近く一緒に過ごすことになったんだし、変な誤解は産まない方がいいのは確かだと思うからね。
「…えっと、それじゃ…大きな理由は3つあるんだけど…順番に説明すればいいか?」
コクコクと頷くシーホに、俺の考えを説明することになってしまった。
『情報提示。視認可能距離になりました。』
食べかけの魔樹の実を一気に頬張り、枝で出来た足場の端に移動する。
俺の目には、さっきよりも煙が近くなったくらいにしか感じない。
『情報提示。陸草鰐5体、多頭鰐1体を確認、破損した荷馬車が複数あることから、野営中の一団が襲撃を受けて壊滅したようです。』
壊滅…嫌な響きだね…聞いたことのない魔物だが、名前からしてワニ型だろうか?
陸上、それも草原でワニなんて、さすが異世界だな…
(ナビさん、魔物の詳細は?)
『情報提供。どちらも鰐型の特異変異体です。個体名陸草鰐、危険度はCクラスと推定。中型の魔物で、魔物化に伴い陸上での二足歩行能力と、非常に強固な鱗を獲得しています。
個体名多頭鰐、危険度Bクラスと推定。陸草鰐の上位個体に位置する魔物です。両手が頭部のように変化していて、変化した頭部の咬合力は元の頭部と同程度あるため、非常に危険です。
それ以外の変化として、一回り大きくなった体を支えるために、足の作りが変化し大型化しています。
同様に尾も二股に分かれ、全体のバランスが良くなっています。
現有戦力での戦闘は、避けるべきと進言します。』
…危険度Bは、今までで一番高い。ナビさんが戦闘を避けるべきって言うくらいだから、余程やばいんだろうな…
昨夜襲撃をした魔物が、そんなやばい奴らで、今も同じ場所に留まっているってことは…
おそらく荷馬車の方に生き残りは居ないだろう…
(ナビさん、一応聞くけど生存者は?)
『情報提示。荷馬車が2台、無傷で残っています。防御結界の様な魔法反応もあるため、生存者のいる可能性はあります。』
…まじか…
誰も残ってないの確認出来れば、ヒール加速で一気に突破すればいいと思って聞いただけなのに…
完全に裏目…聞かなきゃ良かったよ…
「はぁ…」
「ぼん?ため息なんかついてどうしたの?」
俺のため息に気がついた優子が声をかけてきた。
「いや…んー…」
「なに?…なにかあったの?」
隠していても、良いことはない…か?
どうせ、もうすぐしたら嫌でも煙が見えてきて分かる事だし、その前に正確な情報を渡しておいた方が、慌てないで対処できるかもしれないしな…
「よし…みんな、食べながらでいいから、少し聞いてもらえるか?…」
俺は、この先に魔物、それもかなり危険だと思われる一団がいて、その一団に荷馬車を襲って壊滅していること。
生存者がいるかどうかは分からないが、仮に居たとしても、助けるとなったらこちらも怪我をする可能性、最悪死ぬ可能性もあること。
それらを、できるだけ簡単に感情がこもらないように伝える。
そして自分の中でももう一度、何を優先するべきかを考え直した…
「…正直言って、俺はこのまま進むべきだと思っている。生存者がいるかどうかも分からないのに、わざわざ危険を冒す必要はないからな。」
「え?助けに行かないんですか?」
シーホが意外そうに聞いてきた。
そんなに変なことだろうか?
「…俺が優先するべきなのは、ここに居る家族の命を守ることだ。赤の他人、それも、いるかどうかも分からない相手の為に、命を危険にさらす事じゃない。」
「でも…私のことは助けてくれたじゃないですか?」
「…シーホを助けたのは…あれは親父さんに頼まれたからだ…」
微妙な空気が流れてしまう…
これは俺のせいじゃないぞ?
「ぼん。私は良いけど、シーちゃんには、ちゃんと説明してあげないと分からないよ?」
「分からない?何がだ?ちゃんと説明しただろ?」
ため息とともに優子は続ける。
「ぼんは頭の中で自己完結して、結果だけ喋ることがあるからね。どうしてそう考えたのかを伝えないと、ほとんどの人は意味不明だと思うよ?」
「…いや、そんなことは…え?本当に?」
優子の発言を否定しようとしたが、同意するようにシーホが頷いているのを見て、少し驚いた。
出会って数日なのに…
「だから、このまま進むことに決めた理由も、シーちゃんに話してあげて。そうじゃないと、変な誤解が生まれちゃうだけだからね。」
…なんだろう、ほんのちょっとだけ釈然としない気分になってしまった…
だが、言ってることは分かる…
期間限定とはいえ、1年近く一緒に過ごすことになったんだし、変な誤解は産まない方がいいのは確かだと思うからね。
「…えっと、それじゃ…大きな理由は3つあるんだけど…順番に説明すればいいか?」
コクコクと頷くシーホに、俺の考えを説明することになってしまった。
0
あなたにおすすめの小説
私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。
小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。
「マリアが熱を出したらしい」
駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。
「また裏切られた……」
いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。
「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」
離婚する気持ちが固まっていく。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~
二階堂吉乃
恋愛
同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。
1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。
一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。
巻き込まれた薬師の日常
白髭
ファンタジー
神に選ばれ、魔素の循環する界へと送り込まれたのは――現代の薬師。
剣も魔法も扱えない彼が憑依したのは、戦闘力ゼロの商人見習いの少年だった。
彼の武器は、知識と経験。商品を生み出し、人脈を築き、産業を広げていく。
「居場所を見つけたい」その願いが、やがて世界を変える力となる。
これは、一人の薬師が紡ぐ研究と開発、そして成長の物語。
【カクヨムでも掲載しています】
表紙は紹介文をもとに、ai【adobe firefly】で作成したものです。(参考程度に……)
転生無双なんて大層なこと、できるわけないでしょう! 公爵令息が家族、友達、精霊と送る仲良しスローライフ
幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中
ファンタジー
アルファポリス様より書籍化!
転生したラインハルトはその際に超説明が適当な女神から、訳も分からず、チートスキルをもらう。
どこに転生するか、どんなスキルを貰ったのか、どんな身分に転生したのか全てを分からず転生したラインハルトが平和な?日常生活を送る話。
- カクヨム様にて、週間総合ランキングにランクインしました!
- アルファポリス様にて、人気ランキング、HOTランキングにランクインしました!
- この話はフィクションです。
追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発
ハーフのクロエ
ファンタジー
アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる