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第2章
第20話 反省?そんな訳…
しおりを挟むシーホの顔色があまり良くない…
一応フォローになるか分からないが、少し話をしておくことにしよう…
「理解してくれとは言わないが聞いてくれるか?
…俺にとって、家族や友達、親しい者の迷惑になるような、こいつみたいな奴がどうなろうが、どうでもいいんだよ。」
「…それは、何となくですが分かってます…」
本当に分かっているかは分からないが、シーホはそう言って目を伏せる。
「多分だけど、考えてるより極端だと思うけどね、それはいいや。
それで、こいつだ…こいつは今さっき、勝手な都合で俺たちに復讐するって言っていたんだよ。
そんな奴を俺が見逃せると思うか?」
シーホに問いかけるが、困ったような顔をして固まってしまった。
少し、意地悪な質問だったかもしれないな…
「いや、困らせたい訳じゃないんだ。
もし悪意を見逃して、そのせいで矛先がみんなに向いたとしたら、俺は、俺自身を許せなくなると思うってことでな…」
うまく言えないが、自分語りのようで恥ずかしくなって来たからもう止めよう…
「だからって訳じゃないが、そうなる可能性があるなら、俺は殺した方がいいと思っているし、実際…って事なんだ。」
俺にだけなら、まだ違う結論を出したかも知れないが、優子やシーホにまでその矛先が向きそうなら、そんなもの許せるわけがないからね。
「…でも、それだと兄さんが…」
少し顔色も戻って来たように見えるシーホは、俺のことを心配してくれているのだろうか?
そう言ってこちらを見つめて来た。
「さっきも言ったけど、俺にとっては悪意を向けてくる奴の命なんて、興味がないんだよ。
既に亜人かもしれないけど、何人も殺しているしね…だから、今更こいつ1人殺したところで何も思わないよ。」
そんなに深刻なことじゃないと思うんだけど、俺の言葉を聞いて、シーホは何かを喋ろうと口を開け閉めしていた。
…足下のテッテリードが、俺たちの話が聞こえたからなのか、どうにか毒蔦を外そうとバタバタと暴れ始めてきているのが、いい加減うっとおしくなって来た。
「ちょっと待って。おい、なんなんだおま…」
「…んんー!んー!んん!んー!」
テッテリードは何かを言いたいらしく、モゴモゴと声を出しているのが聞こえて来た。
「…ったく、えっと、少し離れてもらえるか?こいつ、何か最後に喋りたいみたいだ…」
シーホに離れるように言ってから、テッテリードから足を退けてしゃがみ込む。
「おい、さっきみたいに騒いだり、何かしたししないなら、喋れるようにしてやってもいい。
約束できるなら一度だけ動いてそのまま止まれ。」
テッテリードは、一瞬だけ体を揺すってから、動きを止めた。
こいつ、さっき俺に喧嘩を売ってきた奴と同じ奴なんだろうか…
あまりに素直なので、何か気持ち悪い…なんなんだこいつは…
「今から喋れるようにしてやるが、何かするつもりなら容赦しないからな…」
俺は、テッテリードを足で転がして少し距離を作った後、毒蔦だけをストレージリングに収納してしまう。
「な!いてて…」
毒蔦の中から出て来たテッテリードは、棘が刺さったのか、全身傷だらけの血塗れだったが、命に別状はなさそうだ。
回復?そんな無駄なことする訳ないよ。
「で?何か言いたいことがあるんなら、最後に聞いてやるよ。」
(ナビさん、こいつがなにかしそうになったら教えて。)
『要請受諾。警戒を強化します。』
テッテリードを見下ろしながら、俺はいつでも魔法を使えるように身構える。
油断するつもりも何かさせるつもりもないからね。
テッテリードは、地面に転がったままこちらを見上げると、慌てて土下座の姿勢を取った。
「お、俺が悪かった!どうか、どうか命だけは助けてくれ!頼む!!」
こちらに土下座があるのも驚きだったが、さっきまであれだけ息巻いていたのに、変わり身が早すぎるのがどう見ても怪しい…
「…それが最後の言葉でいいんだな?」
「ま、待ってくれ!本当に本当に悪かったと思っているんだって!頼むから信じてくれよ!!」
随分慌てた様子で、テッテリードは頭を地面に擦り付けている。
「…って言ってるが…どうする?」
「私?まぁ、これだけ言ってるなら大丈夫だと思うけど…ねぇ?」
「そうですね…私もそう思います。」
言葉だけなら、いくらでも演技できる。
俺には、こんな言葉をその通りに信じるなんて…
うん、出来ないね。
ちらっと後ろを伺うように視線を動かすと、テッテリードが少しだけ顔を上げたような気がした。
「…そ、そうだ!なぁ!謝礼も出すぞ!ほ、ほら!これで…」
そう言って、腰に吊るしていた革袋を手に取ってこちらに差し出してくる。
持ち上げた時に、金属の擦れるジャラッという音が聞こえたので、中身は貨幣だとは思うが…
この状況で…いや、もしかして罠か?
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