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第2章
第35話 精神的な隷属
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ドワーフから出て来た意見は、正直期待外れ…いや、軽く失望すら覚えるものだった。
「儂なら…こいつらに何もせん…」
「何もだと?それは見逃すって事か?」
ドワーフは小さく頷き、そのまま目をそらしてしまう。
同族を庇うつも…いや、エルフとドワーフは種族的に仲が悪いみたいだし、それだけじゃない…のか?
「一応、理由を聞いておこうか…」
「…そんなに大した理由があるわけじゃないわい…知らん訳じゃなかろう…?
この国で、他人に懲罰を与えることが出来るのは、貴族位の者と、王族のみじゃてな…
それ以外の者が、奴等に断りもなしに何かをしたってバレてみぃ…次は奴隷じゃすまんでな…」
王侯貴族が、ある程度好き勝手やってるのは想像していたが、それが理不尽に奴隷に落とされたような奴の中でも、きっちり根付いてしまっている。
どう考えても人種よりも強者に位置付けられるべき獣人が、奴隷に甘んじても納得している訳だよ…
「気を悪くせんで欲しいのじゃが、お前さんも貴族ではなかろう?じゃから…悪いことは言わん、こいつらをかいほ…「ないな。」…え?」
何を怖がっているのか、ドワーフが必死になって俺を止めようとしているのは分かった。
だが、俺に敵意を向けて来ておいて、無罪放免だと?
そんな簡単に許していい訳が無い。
現状でボロボロになってるのは、こいつらが暴れたからだし、俺が何かした訳じゃないからな。
「俺はこの国の人間じゃないからな。そんな訳の分からんルールは知らん。」
俺はこの国の人間じゃないし、王侯貴族にしか懲罰権がないなんていう、意味の分からないルールに縛られる理由は無い。
日本のことわざに、[郷に入っては郷に従え]ってのがあるから、ことさら騒ぎ立てるつもりはないけどね…
「それにだ…奴隷階級に落ちたら、そんなこと言ってられないんじゃないか?」
俺の言葉に、ドワーフは顔を青くする。
「ま…いや、さっき解放してくれたばかりじゃ…」
「王侯貴族の奴隷みたいなものなんだし、首輪があるかないかぐらいしか変わりがないだろう?」
俺に敵対するなら、それは敵だ。
そんな奴がどうなろうが、俺には別にどうでもいい。
「そっちのうさ耳。話は聞こえて居たな?檻の中に転がってる首輪を集めて、何個かここに持って来い。」
離れた位置で、こちらの話を聞いて居た兎獣人の2人に、こいつらの分の首輪を取って来させるように指示を出す。
彼女達はこくこくと頷くと、すぐに動き始めてくれた。
「お、おい…正気か?」
「…なんだ?あんたも首輪を着けたいのか?」
抗議の声を上げるドワーフだったが、自分も対象になるかも知れないと分かったのか、すぐに口を閉じた。
俺自身は、奴隷制に賛成な訳じゃない。
だから別に売り買いしたり、俺が積極的に奴隷を使うつもりはない。
これは、あくまで俺が溜飲を下げるための自己満足だ。
「「こ、これでえぇか?」」
そう時間もかからずに、兎獣人の2人が両手に1つづつ、合計4つの首輪を持ってやってきた。
隷属の首輪には、借金奴隷や犯罪奴隷に使われる正品と、違法奴隷に使われる偽品があり、どちらも見た目に大きな違いはなく、装着した者の生体魔素転換路の活性を抑制し、鍵を持った相手の命令に対して、逆らったり敵意を向けると予め設定された魔法が発動するようになっていることに変わりはないのだが、その性能には明確な違いがある。
正品は風属性の電系魔法が発動し、装着者に痛みという罰を与える事だけしか出来ないのに対し、偽品には鍵の所有者が任意のタイミングで水属性の毒系魔法を発動させることが出来る機能が付いている。
それは、痛みこそ伴わないものだが、俺の使う麻痺毒枷と同じ様に、身体の自由を完全に喪失させることが出来るものらしい。
これは、各奴隷の使われ方に差があるからなんだが、奴隷にされたエルフや兎獣人がどう扱われるかなんて…今更言うまでもないだろう…?
…でだ。
兎獣人達が持ってきたものがどちらのものなのか、使って見ないと見た目で判断することは、持ち主じゃないと出来ない…
ただし、あくまで[普通は]って話だけどね。
(ナビさん、この首輪はどっちなんだ?)
『情報提示。個体名アーネの持っている物は偽品、個体名アーイの持っているものは正品です。』
ちょうど半々か…
どちらがアーネでどちらがアーイなのかは分からないが、彼女達から首輪を受け取り、それを持って転がるエルフ達の近くに歩いていく。
「さ、まずはエルフからにしようか、ドワーフ、お前がどれを着けるか選んでいいぞ?」
俺が、首輪をドワーフに見せる様に持って声をかけると、彼の顔色はどんどん悪くなっていった。
「儂なら…こいつらに何もせん…」
「何もだと?それは見逃すって事か?」
ドワーフは小さく頷き、そのまま目をそらしてしまう。
同族を庇うつも…いや、エルフとドワーフは種族的に仲が悪いみたいだし、それだけじゃない…のか?
「一応、理由を聞いておこうか…」
「…そんなに大した理由があるわけじゃないわい…知らん訳じゃなかろう…?
この国で、他人に懲罰を与えることが出来るのは、貴族位の者と、王族のみじゃてな…
それ以外の者が、奴等に断りもなしに何かをしたってバレてみぃ…次は奴隷じゃすまんでな…」
王侯貴族が、ある程度好き勝手やってるのは想像していたが、それが理不尽に奴隷に落とされたような奴の中でも、きっちり根付いてしまっている。
どう考えても人種よりも強者に位置付けられるべき獣人が、奴隷に甘んじても納得している訳だよ…
「気を悪くせんで欲しいのじゃが、お前さんも貴族ではなかろう?じゃから…悪いことは言わん、こいつらをかいほ…「ないな。」…え?」
何を怖がっているのか、ドワーフが必死になって俺を止めようとしているのは分かった。
だが、俺に敵意を向けて来ておいて、無罪放免だと?
そんな簡単に許していい訳が無い。
現状でボロボロになってるのは、こいつらが暴れたからだし、俺が何かした訳じゃないからな。
「俺はこの国の人間じゃないからな。そんな訳の分からんルールは知らん。」
俺はこの国の人間じゃないし、王侯貴族にしか懲罰権がないなんていう、意味の分からないルールに縛られる理由は無い。
日本のことわざに、[郷に入っては郷に従え]ってのがあるから、ことさら騒ぎ立てるつもりはないけどね…
「それにだ…奴隷階級に落ちたら、そんなこと言ってられないんじゃないか?」
俺の言葉に、ドワーフは顔を青くする。
「ま…いや、さっき解放してくれたばかりじゃ…」
「王侯貴族の奴隷みたいなものなんだし、首輪があるかないかぐらいしか変わりがないだろう?」
俺に敵対するなら、それは敵だ。
そんな奴がどうなろうが、俺には別にどうでもいい。
「そっちのうさ耳。話は聞こえて居たな?檻の中に転がってる首輪を集めて、何個かここに持って来い。」
離れた位置で、こちらの話を聞いて居た兎獣人の2人に、こいつらの分の首輪を取って来させるように指示を出す。
彼女達はこくこくと頷くと、すぐに動き始めてくれた。
「お、おい…正気か?」
「…なんだ?あんたも首輪を着けたいのか?」
抗議の声を上げるドワーフだったが、自分も対象になるかも知れないと分かったのか、すぐに口を閉じた。
俺自身は、奴隷制に賛成な訳じゃない。
だから別に売り買いしたり、俺が積極的に奴隷を使うつもりはない。
これは、あくまで俺が溜飲を下げるための自己満足だ。
「「こ、これでえぇか?」」
そう時間もかからずに、兎獣人の2人が両手に1つづつ、合計4つの首輪を持ってやってきた。
隷属の首輪には、借金奴隷や犯罪奴隷に使われる正品と、違法奴隷に使われる偽品があり、どちらも見た目に大きな違いはなく、装着した者の生体魔素転換路の活性を抑制し、鍵を持った相手の命令に対して、逆らったり敵意を向けると予め設定された魔法が発動するようになっていることに変わりはないのだが、その性能には明確な違いがある。
正品は風属性の電系魔法が発動し、装着者に痛みという罰を与える事だけしか出来ないのに対し、偽品には鍵の所有者が任意のタイミングで水属性の毒系魔法を発動させることが出来る機能が付いている。
それは、痛みこそ伴わないものだが、俺の使う麻痺毒枷と同じ様に、身体の自由を完全に喪失させることが出来るものらしい。
これは、各奴隷の使われ方に差があるからなんだが、奴隷にされたエルフや兎獣人がどう扱われるかなんて…今更言うまでもないだろう…?
…でだ。
兎獣人達が持ってきたものがどちらのものなのか、使って見ないと見た目で判断することは、持ち主じゃないと出来ない…
ただし、あくまで[普通は]って話だけどね。
(ナビさん、この首輪はどっちなんだ?)
『情報提示。個体名アーネの持っている物は偽品、個体名アーイの持っているものは正品です。』
ちょうど半々か…
どちらがアーネでどちらがアーイなのかは分からないが、彼女達から首輪を受け取り、それを持って転がるエルフ達の近くに歩いていく。
「さ、まずはエルフからにしようか、ドワーフ、お前がどれを着けるか選んでいいぞ?」
俺が、首輪をドワーフに見せる様に持って声をかけると、彼の顔色はどんどん悪くなっていった。
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