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翌朝目覚めると、土砂降りだった。
「風音は今日もオンラインゲーム三昧で良いわねぇ。ウチはこの大雨の中を登校しなきゃなんないのに」
綾音が厭味を言う。昨夜は綾音が勉強している隣で、風音がオンラインゲームに興じていたのだから、無理もない。相部屋の悲しさというしかない。
「誰が好き好んでオンラインゲーム三昧の生活を送っていると思ってんのよ? あたしだって、目が疲れて辛いんだからね。だいたい、地球全体が闇に呑まれれば、高校受験どころじゃなくなるんだから、綾音も協力するべきじゃないの?」
風音も負けじと、充血した目でジロリとにらみつける。
「はいはい。風音みたいな、超常現象を信じている神がかり的なオタクが、訳のわからない事件を起こすもんなのよ。そんな誇大妄想狂に、ウチを巻き込まないでくれる?」
綾音は玄関を出ると、傘をさして登校する。風音は相かわらずオンラインゲームだ。母親も最初のうちは、「学校に行かないなら、ご飯抜きよ」と脅したこともあったが、風音が水しか飲まずに数日間もオンラインゲームをやり続けるのを見ると、怖くなったのか、今では「中学校に行かないなら、せめてフリースクールを自分で探して行きなさい」と投げやりに言うだけになっていた。
その日も風音は、雨音を聞きながらオンラインゲームに興じる。
『カザネさんには、これからパラムシルの街の総司令を勤めていただきます。先日のモンスター襲来の際も、カザネさんがいなければ、街を守りきれませんでした。もちろん、カザネさん一人ではいささか荷が重いと思いますので、同じく街を守るために戦ったクラーシンさん、ヨッフェさん、ザスーリッチさんには、それぞれ副官として部隊の指揮を任せようと思います』
ルーナがよどみなく述べる。ゲーム内の世界は常に晴れているので、青と金のオッドアイが陽光にキラキラと映えている。ゲーム内のイベントとしては、申し分なく感動的な場面のはずだが、ふいに風音は、違和感が首筋をチリチリとかすめるのを感じた。
(陽光とか、妙に温かくてリアルすぎるんだよな。今日は雨で、温かくないはずなのに)
『そこで、わたしもモンスター討伐計画を練りました。まず、パラムシルの街の北にある、シリベシ洞窟を目指してください。モンスターは、そこに拠点をかまえていると思われます。連れていくのは、冒険者の兵力の半分です。選別する際には、なるべく熟練の冒険者を選んでください。未熟な冒険者は、街の防衛のために残しておき、こちらでレベル上げをお手伝いいたします』
聞いていて、風音の違和感はどんどん大きくなっていった。
(ちょっと……今、『冒険者』って言わなかった? 普通、NPCはそんな言い回ししないよ? 何か、妙に擬人化されてない? それとも、これも魔王とやらのせいなの?)
やがて、シリベシ洞窟へ向かうプレイヤー五十人が選別され、風音がクラーシンとザスーリッチを連れて行き、ヨッフェはルーナと一緒に街に残ることになった。
『ヨッフェさんは回復魔法職なので、未熟な冒険者がレベルを上げるための、経験値を稼ぐ際の戦士職の体力の回復をさせるのに必要なので、残っていただきます。クラーシンさんとザスーリッチさんは、実戦で経験を詰んでください』
というのが、ルーナの言い分である。風音たちは、すぐに部隊を編成して出発した。
シリベシ洞窟までは、石畳の道をひたすら歩いていく。途中でグレイウルフなどの下級モンスターの襲撃はあったが、皆は難なく撃退し、先へ進んだ。一時間も歩くと、切り立った崖があり、崖に大きな横穴が開いていた。ここがシリベシ洞窟である。風音はいったん、皆を洞窟の前に整列させた。
『ここから先は、どんな強力なモンスターが出るかわからないから、熟練の戦士職を前面に出すわよ。前衛の戦士職の指揮はクラーシン、後衛の攻撃魔法職の指揮はザスーリッチがとって。あたしは最後尾で、背後からの攻撃を警戒しておくから』
こうして、一行はシリベシ洞窟に入った。内部は意外と広く、五十人でも楽々通れるぐらいだったが、しばらくすると、分かれ道に出た。道は二つに分かれており、部隊を二つに分けねば、両方は捜索できない。
『仕方ないわね。クラーシンの指揮する部隊と、あたしとザスーリッチの指揮する部隊に分けるわ。クラーシンの部隊は右の道を、あたしたちは左の道を進むわよ。良いわね?』
風音にとっては、やむをえない決断だったが、これがモンスター側の謀略だったとわかるのは、もう少し後の話になる。
左の道をしばらく歩くと、だんだんとモンスターが出始めた。主にゴブリンである。洞窟内は岩などの遮蔽物が多いので、岩陰からアーチャーが矢を射てきたり、シャーマンが攻撃魔法を撃ち込んできたりするのだ。背後からも攻撃してくるので、風音は『ファイヤードーム』で広範囲のゴブリンを攻撃した。この魔法なら、遮蔽物にさえぎられずに、敵だけを攻撃できるからだ。
『あたしに続け。背後から攻撃してくるゴブリンを蹴散らせ』
前衛はザスーリッチに任せると、風音は背後のゴブリンの中に突っ込み、『ファイヤードーム』を放つ。他の戦士職や攻撃魔法職も、風音に続く。
『もう戦士職も攻撃魔法職もないから、攻撃できる人は皆、戦闘に参加して。回復魔法職は攻撃できる人の体力の回復を、付与術師は強化魔法をお願い』
風音は応戦しながら、クラーシンとチャットで連絡をとる。
『そっちはどう? こっちは、ゴブリンに襲われて乱戦になってるわ』
『こっちも似たようなもんだ。ゴブリンども、俺らより、よっぽどずる賢いんじゃねえか?』
風音は舌打ちした。広い道で戦わずに、この狭い道に誘い込むのが、ゴブリンの狙いだったのだ。ここでは遮蔽物があるうえに、大勢で少人数を包囲できない以上、少人数のゲリラ戦に有利である。
『仕方ないわね。いったん下がるわよ。全員、最初の分かれ道まで撤退! クラーシンの部隊も撤退して!』
風音は、洞窟の奥で戦っていた前衛の戦士職や攻撃魔法職も全て、後方の退路を切り開くほうに回した。ゴブリンは、ここぞとばかりに追撃に移る。
『回復魔法職は、防御魔法である聖壁を使って。一週間に一回しか使えない貴重な魔法だけど、今使わなかったら、あたしたちは全滅だわ』
回復魔法職は皆、ザスーリッチの指揮のもとで、洞窟の奥からワラワラと集まってくるゴブリンなどのモンスターに対して、聖壁を展開する。聖壁は回復魔法職が十人以上いないとできない魔法で、モンスターだけが突破できないバリヤーを広範囲に展開できるのだ。
『とにかく、クラーシンの部隊と合流しないと。作戦の練り直しよ』
クラーシンの部隊も、風音とチャットで会話しながら聖壁を展開し、何とか分かれ道までの撤退に成功する。風音の瞬時の判断のおかげで、五十人の部隊は体力こそ大幅に削られていたが、一人も欠けていなかった。
『聖壁は、そんなに長時間もたない魔法だし、今のうちに作戦を練らないと……。ここで洞窟内のモンスターどもを見逃せば、また街を襲いにくるしね』
『カザネ、それについては、俺から提案があるんだが』
ふいにクラーシンが発言する。
『攻撃魔法職でグランドスラムでも撃ちこんでみたらどうだ? レイド討伐用の攻撃魔法だが、聖壁の前にモンスターをほとんどおびきよせられれば、一網打尽にできるだろう』
ちなみに、グランドスラムというのは、攻撃魔法職が十人以上いないとできないうえに、一週間に一度しか使えない攻撃魔法で、一定範囲内のモンスター全てに大打撃を与えることのできる強力な魔法だ。ゴブリン程度のモンスターなら、一定範囲内にかたまっていれば、まとめて倒すことも可能である。
『まず、戦士職が聖壁の外に踏み出して、モンスターをおびき寄せるんだ。その間に、攻撃魔法職が皆でグランドスラムの呪文を詠唱する。詠唱が終わった頃を見計らって、戦士職が聖壁の内側に下がる。後は、集まっていたモンスターをまとめて全滅させれば良い』
『なるほど。それでいこう』
風音は再び、クラーシンと二手に分かれて、分かれ道を進んだ。進んでいくと、案の定、聖壁はまだ残っているが、モンスターは聖壁の前から離れてしまっている。
『戦士職は皆、聖壁から踏み出して、モンスターを攻撃して、ヘイトを集めて』
風音の号令のもと、戦士職は聖壁の外にいるゴブリンを手当たりしだいに攻撃し始める。当然、ゴブリンを始めとするモンスターが集まってきた。攻撃魔法職は、その間に呪文を詠唱し始める。もっとも、戦士職も前回の戦いでかなり体力を削られているので、体力が残り少なくなると、倒される前に下がろうとして、一人二人と聖壁の内側に下がり始める。やがて、戦士職が皆、聖壁の内側に下がり終えた頃、グランドスラムの詠唱が終わり、モンスターに向けて放たれる。一瞬、閃光でパソコンの画面が真っ白になった。
『やった。間に合った』
風音は安堵した。閃光がおさまった頃には、オーガなどの強力なモンスター以外は、全滅していた。オーガが五匹残っていたが、形勢不利とみたのか、洞窟の奥へと逃げ始める。戦士職は我先にと追撃に移る。
『待って。まだ洞窟内の地理がわからない以上、抜け駆けしないで。全員で歩調を合わせながら、ゆっくり進むのよ』
風音はあわてて制し、隊列を組み直した。
『クラーシン、そっちはどう?』
『大丈夫。こっちもモンスターは一網打尽だ。今から洞窟の奥に向かって進む』
「風音は今日もオンラインゲーム三昧で良いわねぇ。ウチはこの大雨の中を登校しなきゃなんないのに」
綾音が厭味を言う。昨夜は綾音が勉強している隣で、風音がオンラインゲームに興じていたのだから、無理もない。相部屋の悲しさというしかない。
「誰が好き好んでオンラインゲーム三昧の生活を送っていると思ってんのよ? あたしだって、目が疲れて辛いんだからね。だいたい、地球全体が闇に呑まれれば、高校受験どころじゃなくなるんだから、綾音も協力するべきじゃないの?」
風音も負けじと、充血した目でジロリとにらみつける。
「はいはい。風音みたいな、超常現象を信じている神がかり的なオタクが、訳のわからない事件を起こすもんなのよ。そんな誇大妄想狂に、ウチを巻き込まないでくれる?」
綾音は玄関を出ると、傘をさして登校する。風音は相かわらずオンラインゲームだ。母親も最初のうちは、「学校に行かないなら、ご飯抜きよ」と脅したこともあったが、風音が水しか飲まずに数日間もオンラインゲームをやり続けるのを見ると、怖くなったのか、今では「中学校に行かないなら、せめてフリースクールを自分で探して行きなさい」と投げやりに言うだけになっていた。
その日も風音は、雨音を聞きながらオンラインゲームに興じる。
『カザネさんには、これからパラムシルの街の総司令を勤めていただきます。先日のモンスター襲来の際も、カザネさんがいなければ、街を守りきれませんでした。もちろん、カザネさん一人ではいささか荷が重いと思いますので、同じく街を守るために戦ったクラーシンさん、ヨッフェさん、ザスーリッチさんには、それぞれ副官として部隊の指揮を任せようと思います』
ルーナがよどみなく述べる。ゲーム内の世界は常に晴れているので、青と金のオッドアイが陽光にキラキラと映えている。ゲーム内のイベントとしては、申し分なく感動的な場面のはずだが、ふいに風音は、違和感が首筋をチリチリとかすめるのを感じた。
(陽光とか、妙に温かくてリアルすぎるんだよな。今日は雨で、温かくないはずなのに)
『そこで、わたしもモンスター討伐計画を練りました。まず、パラムシルの街の北にある、シリベシ洞窟を目指してください。モンスターは、そこに拠点をかまえていると思われます。連れていくのは、冒険者の兵力の半分です。選別する際には、なるべく熟練の冒険者を選んでください。未熟な冒険者は、街の防衛のために残しておき、こちらでレベル上げをお手伝いいたします』
聞いていて、風音の違和感はどんどん大きくなっていった。
(ちょっと……今、『冒険者』って言わなかった? 普通、NPCはそんな言い回ししないよ? 何か、妙に擬人化されてない? それとも、これも魔王とやらのせいなの?)
やがて、シリベシ洞窟へ向かうプレイヤー五十人が選別され、風音がクラーシンとザスーリッチを連れて行き、ヨッフェはルーナと一緒に街に残ることになった。
『ヨッフェさんは回復魔法職なので、未熟な冒険者がレベルを上げるための、経験値を稼ぐ際の戦士職の体力の回復をさせるのに必要なので、残っていただきます。クラーシンさんとザスーリッチさんは、実戦で経験を詰んでください』
というのが、ルーナの言い分である。風音たちは、すぐに部隊を編成して出発した。
シリベシ洞窟までは、石畳の道をひたすら歩いていく。途中でグレイウルフなどの下級モンスターの襲撃はあったが、皆は難なく撃退し、先へ進んだ。一時間も歩くと、切り立った崖があり、崖に大きな横穴が開いていた。ここがシリベシ洞窟である。風音はいったん、皆を洞窟の前に整列させた。
『ここから先は、どんな強力なモンスターが出るかわからないから、熟練の戦士職を前面に出すわよ。前衛の戦士職の指揮はクラーシン、後衛の攻撃魔法職の指揮はザスーリッチがとって。あたしは最後尾で、背後からの攻撃を警戒しておくから』
こうして、一行はシリベシ洞窟に入った。内部は意外と広く、五十人でも楽々通れるぐらいだったが、しばらくすると、分かれ道に出た。道は二つに分かれており、部隊を二つに分けねば、両方は捜索できない。
『仕方ないわね。クラーシンの指揮する部隊と、あたしとザスーリッチの指揮する部隊に分けるわ。クラーシンの部隊は右の道を、あたしたちは左の道を進むわよ。良いわね?』
風音にとっては、やむをえない決断だったが、これがモンスター側の謀略だったとわかるのは、もう少し後の話になる。
左の道をしばらく歩くと、だんだんとモンスターが出始めた。主にゴブリンである。洞窟内は岩などの遮蔽物が多いので、岩陰からアーチャーが矢を射てきたり、シャーマンが攻撃魔法を撃ち込んできたりするのだ。背後からも攻撃してくるので、風音は『ファイヤードーム』で広範囲のゴブリンを攻撃した。この魔法なら、遮蔽物にさえぎられずに、敵だけを攻撃できるからだ。
『あたしに続け。背後から攻撃してくるゴブリンを蹴散らせ』
前衛はザスーリッチに任せると、風音は背後のゴブリンの中に突っ込み、『ファイヤードーム』を放つ。他の戦士職や攻撃魔法職も、風音に続く。
『もう戦士職も攻撃魔法職もないから、攻撃できる人は皆、戦闘に参加して。回復魔法職は攻撃できる人の体力の回復を、付与術師は強化魔法をお願い』
風音は応戦しながら、クラーシンとチャットで連絡をとる。
『そっちはどう? こっちは、ゴブリンに襲われて乱戦になってるわ』
『こっちも似たようなもんだ。ゴブリンども、俺らより、よっぽどずる賢いんじゃねえか?』
風音は舌打ちした。広い道で戦わずに、この狭い道に誘い込むのが、ゴブリンの狙いだったのだ。ここでは遮蔽物があるうえに、大勢で少人数を包囲できない以上、少人数のゲリラ戦に有利である。
『仕方ないわね。いったん下がるわよ。全員、最初の分かれ道まで撤退! クラーシンの部隊も撤退して!』
風音は、洞窟の奥で戦っていた前衛の戦士職や攻撃魔法職も全て、後方の退路を切り開くほうに回した。ゴブリンは、ここぞとばかりに追撃に移る。
『回復魔法職は、防御魔法である聖壁を使って。一週間に一回しか使えない貴重な魔法だけど、今使わなかったら、あたしたちは全滅だわ』
回復魔法職は皆、ザスーリッチの指揮のもとで、洞窟の奥からワラワラと集まってくるゴブリンなどのモンスターに対して、聖壁を展開する。聖壁は回復魔法職が十人以上いないとできない魔法で、モンスターだけが突破できないバリヤーを広範囲に展開できるのだ。
『とにかく、クラーシンの部隊と合流しないと。作戦の練り直しよ』
クラーシンの部隊も、風音とチャットで会話しながら聖壁を展開し、何とか分かれ道までの撤退に成功する。風音の瞬時の判断のおかげで、五十人の部隊は体力こそ大幅に削られていたが、一人も欠けていなかった。
『聖壁は、そんなに長時間もたない魔法だし、今のうちに作戦を練らないと……。ここで洞窟内のモンスターどもを見逃せば、また街を襲いにくるしね』
『カザネ、それについては、俺から提案があるんだが』
ふいにクラーシンが発言する。
『攻撃魔法職でグランドスラムでも撃ちこんでみたらどうだ? レイド討伐用の攻撃魔法だが、聖壁の前にモンスターをほとんどおびきよせられれば、一網打尽にできるだろう』
ちなみに、グランドスラムというのは、攻撃魔法職が十人以上いないとできないうえに、一週間に一度しか使えない攻撃魔法で、一定範囲内のモンスター全てに大打撃を与えることのできる強力な魔法だ。ゴブリン程度のモンスターなら、一定範囲内にかたまっていれば、まとめて倒すことも可能である。
『まず、戦士職が聖壁の外に踏み出して、モンスターをおびき寄せるんだ。その間に、攻撃魔法職が皆でグランドスラムの呪文を詠唱する。詠唱が終わった頃を見計らって、戦士職が聖壁の内側に下がる。後は、集まっていたモンスターをまとめて全滅させれば良い』
『なるほど。それでいこう』
風音は再び、クラーシンと二手に分かれて、分かれ道を進んだ。進んでいくと、案の定、聖壁はまだ残っているが、モンスターは聖壁の前から離れてしまっている。
『戦士職は皆、聖壁から踏み出して、モンスターを攻撃して、ヘイトを集めて』
風音の号令のもと、戦士職は聖壁の外にいるゴブリンを手当たりしだいに攻撃し始める。当然、ゴブリンを始めとするモンスターが集まってきた。攻撃魔法職は、その間に呪文を詠唱し始める。もっとも、戦士職も前回の戦いでかなり体力を削られているので、体力が残り少なくなると、倒される前に下がろうとして、一人二人と聖壁の内側に下がり始める。やがて、戦士職が皆、聖壁の内側に下がり終えた頃、グランドスラムの詠唱が終わり、モンスターに向けて放たれる。一瞬、閃光でパソコンの画面が真っ白になった。
『やった。間に合った』
風音は安堵した。閃光がおさまった頃には、オーガなどの強力なモンスター以外は、全滅していた。オーガが五匹残っていたが、形勢不利とみたのか、洞窟の奥へと逃げ始める。戦士職は我先にと追撃に移る。
『待って。まだ洞窟内の地理がわからない以上、抜け駆けしないで。全員で歩調を合わせながら、ゆっくり進むのよ』
風音はあわてて制し、隊列を組み直した。
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