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「……う……う~ん……」
風音が意識を取り戻したとき、周囲には薄暗い岩壁が広がっていて、岩壁にはたいまつが燃やされていた。しかも、たいまつの火の熱が肌に感じられ、木や油のこげる臭いまでするのだ。おまけに、今まで着ていた私服の肌触りではなく、魔法使いが着るローブや布靴の、独特の肌触りが感じられる。それに、手には杖を握っている感触があった
「あ、気がついた? カザネ」
見知らぬ女の子の声が聞こえる。よく見ると、ファンタジー漫画の魔法使いのような服を着た、妙齢の美少女が話しかけてきているではないか。しかも、なぜか風音には、その美少女がザスーリッチだとわかった。 実際に起き上がると、背中には食糧や水の入ったリュックの重みも感じられる。
「ザスーリッチ、あたしたち、どうなっちゃったの? それに、ここはどこ?」
「おそらく、オンラインゲームの中だと思われるわ。そうでないと、私がカザネのことを知っているはずがないもん」
「はぁ? ひょっとして、あたしたち、ソードアート・オンラインみたいに、オンラインゲームの中の世界に引きずり込まれたってこと?」
風音は唖然として、二の句が告げなかった。そんな漫画みたいなことが、現実に起こり得るのだろうか?
周囲をよく見回すと、他のプレイヤーたちも、突然のことで困惑しまくっている。そのとき、ふいに前方から光が差したかと思うと、先ほどの水の妖精、ヘイロンが現れた。
「どうやら、ボクにも予想外のことが起きてしまったようですね」
ヘイロンは嘆息する。先ほどまでのチャットと違い、明らかに人間の少年の肉声だった。
「どういうこと? あたしたちにもわかるように説明して」
風音を始め、プレイヤーたちはヘイロンに詰め寄る。
「落ち着いてください。順を追って説明しますから」
ヘイロンは右手のひらを前に突き出して、プレイヤーたちを制する。
「これは明らかに魔王が活性化している証拠です。皆さんたち地球の冒険者が、この世界に取り込まれたということは、この世界での死は、皆さんの感覚でいうゲーム内の死ではなく、皆さんの地球での死も意味します。ボクとしては、魔王がまだ地球に顕現する力がついていないので、皆さんをこの世界に取り込んで、一網打尽にするつもりでは、と見ています」
「でも、私たちはゲーム内では精神体なんじゃないの? それなのに、どうしてゲーム内の死が、現実の世界での死につながるわけ?」
ザスーリッチが質問する。
「つまり魔王は、ゲーム内に皆さんの魂魄を取り込んだのです。魂魄が死ねば、現実の世界では脳死状態になってしまい、それはつまり、現実での死を意味します」
いきなりの話に、プレイヤーたちはついていけず、ザワザワと騒ぎ始める。
「なら、あたしたちが地球に戻るには、どうすれば良いの?」
いきなりの荒唐無稽すぎる話に、風音は頭がついていけず、パニックになっていた。
「これもボクの推測ですが、この世界で魔王を倒すしかないでしょう」
プレイヤーたちの中には、パニックを起こしたのか、急に頭を抱えて叫びだす者もいる。
「取り乱さないでください! まだ地球に戻れる可能性が全く無くなったわけではありません!」
見るに見かねたのか、ヘイロンがものすごい形相で一喝する。先ほどまでの穏やかな様子からの、あまりの変貌ぶりに驚き、プレイヤーたちはすっかりおとなしくなった。
「あなた方は、危険を顧みずに、ここまでボクを助けに来てくれたのでしょう? でしたら、必ず魔王を倒す道は開けるはずです。とにかく、戦いは冷静さを失ったほうの負けですから。とにかく、この広間は儀式を行う祭祀場で、このまま奥へ進めば宝物庫があり、宝物庫に魔王の腹心が陣取っています。言うまでもなく、ボクを封じた張本人です。まずは、そいつを倒し、ボクを解放してください。解放さえしていただければ、必ずや皆さんのお役に立てるはずですから」
言い終わると、急に光がおさまり、ヘイロンも光とともに消えた。皆はまだ呆然としていたが、風音は「とにかく行動あるのみよ。行動しなきゃ、何も変わらないんだから」と叱咤し、洞窟の奥へと進ませる。進むうちに開けた広間があり、二つに分かれていた道は、再び一つに交わり、皆はクラーシンの部隊と合流する。だが、喜びもつかの間である。道が一つに交わった広間に入ったとたん、入ってきた入口の扉はいきなり閉まり、同時にたいまつが次々にともる。
「よくここまで来たな。まずは褒めてやろう。だが、ここが貴様らの墓場だ」
若い男の声が聞こえる。風音たちは何も答えなかったが、心細いのは皆の雰囲気から伝わってくる。今まではゲームの画面越しだから伝わらなかったが、男からはただならぬ殺気と威圧感が伝わってきた。たいまつの灯りがあるとはいえ、広間は薄暗く、男の姿ははっきり見えないが、プレイヤーの中には、恐怖のあまり、震えてその場から動けない者もいる。
「おやおや、俺様と戦う前からビビってんのかぁ? どうせ、貴様ら、実際にケンカもろくにしたことがないんだろう。今まで自分の身を危険にさらして殴りあったこともないし、家の中で勉強してきたか、ゲームばかりして育ったんだろう。だから、いざ危険にさらされると、ビビって動けなくなるんだよな。全く、唾棄すべきブルジョアってのは、貴様らのことを言ってるって、理解しろよ」
男は軽蔑と笑い声混じりに言い放つ。部隊の皆は、すっかり男の威圧感に呑まれてしまっていた。
(まずいわね。これじゃ、戦わずして負けてしまうわ。あたしが何とかしないと……)
風音は気ばかりあせっていた。
(そうだ。もう、この手しかないわ。ヘイロンには悪いけど、この宝物庫を崩壊させることも覚悟してもらわないと)
風音は密かに魔法を使うために、詠唱を始めた。
「何だ? 貴様らのほうから来ないんなら、こっちから行くぜぇ」
とたんに、前方から攻撃魔法らしきものが飛んできて、前にいたプレイヤー数人が「うわぁっ!」だの「ぎゃああっ!」だのと叫びながら倒れる。後方にいたプレイヤーたちは、入口の扉に殺到し、「開けてくれ!」だの「助けてくれ!」だのと叫びながら、扉をドンドン叩く始末だ。こうなると、素人の部隊は総崩れである。
(何なのよ、この程度で総崩れになるなんて……。どれだけ、メンタルが弱いのよ? あたしは、物心ついたときから綾音とケンカばかりしてきたから、この程度じゃビビらないけど。実際、綾音って一見おとなしそうだけど、怒らせると怖いもんな)
そうこうするうちに、風音の魔法の詠唱が完了した。
「ヒャハハハ! まるで、いけすの魚をさらうようだな。面白くもなかった俺様の人生の中で、今ほど痛快なときはないぜ」
「それもここまでよ! 食らえ! 『ベフィスブリング』!」
風音が大声で叫ぶと同時に、周囲の壁や天井が轟音をたてて崩れ始める。
「皆、入口の扉周辺の壁も崩れたから、ギャーギャーわめいてる暇があったら、そこから逃げなさい!」
部隊の皆は、入口の扉周辺の壁に開いた穴から、我先にと逃げ出し始める。一方、宝物庫の奥のほうでは、敵の男が、崩れてきた天井の下敷きになっていた。
「き……貴様ぁ……いったい、どこからこんな奇天烈な手を思いついた?」
「別に難しいことじゃないわ。あんたたちの魔王は、ここをゲームじゃない現実の世界にしちゃったんでしょう? なら、ゲーム内では壁が崩れるのは非常識だけど、現実なら洞窟内の壁が崩れるのは、充分にあり得るじゃない。実際に鉱山で落盤事故とか起きているわけだしさ。だから、洞窟内の空間をつなげることで道を作る魔法『ベフィスブリング』を、かなり大規模に拡大して使ってみたのよ。この宝物庫全体を崩落させるようにね。ここの主であるヘイロンには悪いけど」
言い終わると、風音はさらにベフィスブリングを使い、敵の男を「ぐわああぁっ!」という叫びとともに、完全に生き埋めにしてしまう。風音が「一丁上がり」とつぶやきながら、パンパンと手をはたいていると、空中に光が差して、ヘイロンが現れた。
「まさか、あの状況で魔王の腹心を倒してしまうとは、ボクも予想がつきませんでしたよ。もっとも、宝物庫を埋めてしまったのは遺憾ですが。でも、おかげでボクも力が戻りましたし、これ以降はあなた方の手助けができると思いますから、期待しておいてください。つきましては、冒険者たちを宝物庫の前に呼び戻していただけませんか? ボクから冒険者たちに、精霊魔法の加護を授けたいので」
風音がプレイヤーに声をかけると、プレイヤーは続々と宝物庫に集まってくる。重傷を負って血を流している者は何人かいたが、幸い死んだ者は一人もいなかった。
「あなた方が無事に魔王を倒せるように、半永久的な能力強化の精霊魔法をかけさせていただきます」
ヘイロンが呪文を唱えるとともに、周辺一帯は光で満ちあふれ、風音は体の奥底から温かいもので満たされる気がした。やがて光は収束し、気づけば重傷を負っていた者たちも、傷がすっかり治っている。
「これで、あなた方の能力は従来の三倍ぐらいに上がったはずです。この勢いで、魔王を倒してください。では、健闘を祈ります」
ヘイロンの姿は、霞のようにかき消える。落ち込んでいたプレイヤーたちも、わずかながら笑顔になった。
「さあ、パラムシルの街まで戻るわよ。また街が襲われたら大変だし」
風音の号令のもと、部隊はシリベシ洞窟を後にし、街へと引き返した。だが、街では思いがけないことが起きていたのだ。
風音が意識を取り戻したとき、周囲には薄暗い岩壁が広がっていて、岩壁にはたいまつが燃やされていた。しかも、たいまつの火の熱が肌に感じられ、木や油のこげる臭いまでするのだ。おまけに、今まで着ていた私服の肌触りではなく、魔法使いが着るローブや布靴の、独特の肌触りが感じられる。それに、手には杖を握っている感触があった
「あ、気がついた? カザネ」
見知らぬ女の子の声が聞こえる。よく見ると、ファンタジー漫画の魔法使いのような服を着た、妙齢の美少女が話しかけてきているではないか。しかも、なぜか風音には、その美少女がザスーリッチだとわかった。 実際に起き上がると、背中には食糧や水の入ったリュックの重みも感じられる。
「ザスーリッチ、あたしたち、どうなっちゃったの? それに、ここはどこ?」
「おそらく、オンラインゲームの中だと思われるわ。そうでないと、私がカザネのことを知っているはずがないもん」
「はぁ? ひょっとして、あたしたち、ソードアート・オンラインみたいに、オンラインゲームの中の世界に引きずり込まれたってこと?」
風音は唖然として、二の句が告げなかった。そんな漫画みたいなことが、現実に起こり得るのだろうか?
周囲をよく見回すと、他のプレイヤーたちも、突然のことで困惑しまくっている。そのとき、ふいに前方から光が差したかと思うと、先ほどの水の妖精、ヘイロンが現れた。
「どうやら、ボクにも予想外のことが起きてしまったようですね」
ヘイロンは嘆息する。先ほどまでのチャットと違い、明らかに人間の少年の肉声だった。
「どういうこと? あたしたちにもわかるように説明して」
風音を始め、プレイヤーたちはヘイロンに詰め寄る。
「落ち着いてください。順を追って説明しますから」
ヘイロンは右手のひらを前に突き出して、プレイヤーたちを制する。
「これは明らかに魔王が活性化している証拠です。皆さんたち地球の冒険者が、この世界に取り込まれたということは、この世界での死は、皆さんの感覚でいうゲーム内の死ではなく、皆さんの地球での死も意味します。ボクとしては、魔王がまだ地球に顕現する力がついていないので、皆さんをこの世界に取り込んで、一網打尽にするつもりでは、と見ています」
「でも、私たちはゲーム内では精神体なんじゃないの? それなのに、どうしてゲーム内の死が、現実の世界での死につながるわけ?」
ザスーリッチが質問する。
「つまり魔王は、ゲーム内に皆さんの魂魄を取り込んだのです。魂魄が死ねば、現実の世界では脳死状態になってしまい、それはつまり、現実での死を意味します」
いきなりの話に、プレイヤーたちはついていけず、ザワザワと騒ぎ始める。
「なら、あたしたちが地球に戻るには、どうすれば良いの?」
いきなりの荒唐無稽すぎる話に、風音は頭がついていけず、パニックになっていた。
「これもボクの推測ですが、この世界で魔王を倒すしかないでしょう」
プレイヤーたちの中には、パニックを起こしたのか、急に頭を抱えて叫びだす者もいる。
「取り乱さないでください! まだ地球に戻れる可能性が全く無くなったわけではありません!」
見るに見かねたのか、ヘイロンがものすごい形相で一喝する。先ほどまでの穏やかな様子からの、あまりの変貌ぶりに驚き、プレイヤーたちはすっかりおとなしくなった。
「あなた方は、危険を顧みずに、ここまでボクを助けに来てくれたのでしょう? でしたら、必ず魔王を倒す道は開けるはずです。とにかく、戦いは冷静さを失ったほうの負けですから。とにかく、この広間は儀式を行う祭祀場で、このまま奥へ進めば宝物庫があり、宝物庫に魔王の腹心が陣取っています。言うまでもなく、ボクを封じた張本人です。まずは、そいつを倒し、ボクを解放してください。解放さえしていただければ、必ずや皆さんのお役に立てるはずですから」
言い終わると、急に光がおさまり、ヘイロンも光とともに消えた。皆はまだ呆然としていたが、風音は「とにかく行動あるのみよ。行動しなきゃ、何も変わらないんだから」と叱咤し、洞窟の奥へと進ませる。進むうちに開けた広間があり、二つに分かれていた道は、再び一つに交わり、皆はクラーシンの部隊と合流する。だが、喜びもつかの間である。道が一つに交わった広間に入ったとたん、入ってきた入口の扉はいきなり閉まり、同時にたいまつが次々にともる。
「よくここまで来たな。まずは褒めてやろう。だが、ここが貴様らの墓場だ」
若い男の声が聞こえる。風音たちは何も答えなかったが、心細いのは皆の雰囲気から伝わってくる。今まではゲームの画面越しだから伝わらなかったが、男からはただならぬ殺気と威圧感が伝わってきた。たいまつの灯りがあるとはいえ、広間は薄暗く、男の姿ははっきり見えないが、プレイヤーの中には、恐怖のあまり、震えてその場から動けない者もいる。
「おやおや、俺様と戦う前からビビってんのかぁ? どうせ、貴様ら、実際にケンカもろくにしたことがないんだろう。今まで自分の身を危険にさらして殴りあったこともないし、家の中で勉強してきたか、ゲームばかりして育ったんだろう。だから、いざ危険にさらされると、ビビって動けなくなるんだよな。全く、唾棄すべきブルジョアってのは、貴様らのことを言ってるって、理解しろよ」
男は軽蔑と笑い声混じりに言い放つ。部隊の皆は、すっかり男の威圧感に呑まれてしまっていた。
(まずいわね。これじゃ、戦わずして負けてしまうわ。あたしが何とかしないと……)
風音は気ばかりあせっていた。
(そうだ。もう、この手しかないわ。ヘイロンには悪いけど、この宝物庫を崩壊させることも覚悟してもらわないと)
風音は密かに魔法を使うために、詠唱を始めた。
「何だ? 貴様らのほうから来ないんなら、こっちから行くぜぇ」
とたんに、前方から攻撃魔法らしきものが飛んできて、前にいたプレイヤー数人が「うわぁっ!」だの「ぎゃああっ!」だのと叫びながら倒れる。後方にいたプレイヤーたちは、入口の扉に殺到し、「開けてくれ!」だの「助けてくれ!」だのと叫びながら、扉をドンドン叩く始末だ。こうなると、素人の部隊は総崩れである。
(何なのよ、この程度で総崩れになるなんて……。どれだけ、メンタルが弱いのよ? あたしは、物心ついたときから綾音とケンカばかりしてきたから、この程度じゃビビらないけど。実際、綾音って一見おとなしそうだけど、怒らせると怖いもんな)
そうこうするうちに、風音の魔法の詠唱が完了した。
「ヒャハハハ! まるで、いけすの魚をさらうようだな。面白くもなかった俺様の人生の中で、今ほど痛快なときはないぜ」
「それもここまでよ! 食らえ! 『ベフィスブリング』!」
風音が大声で叫ぶと同時に、周囲の壁や天井が轟音をたてて崩れ始める。
「皆、入口の扉周辺の壁も崩れたから、ギャーギャーわめいてる暇があったら、そこから逃げなさい!」
部隊の皆は、入口の扉周辺の壁に開いた穴から、我先にと逃げ出し始める。一方、宝物庫の奥のほうでは、敵の男が、崩れてきた天井の下敷きになっていた。
「き……貴様ぁ……いったい、どこからこんな奇天烈な手を思いついた?」
「別に難しいことじゃないわ。あんたたちの魔王は、ここをゲームじゃない現実の世界にしちゃったんでしょう? なら、ゲーム内では壁が崩れるのは非常識だけど、現実なら洞窟内の壁が崩れるのは、充分にあり得るじゃない。実際に鉱山で落盤事故とか起きているわけだしさ。だから、洞窟内の空間をつなげることで道を作る魔法『ベフィスブリング』を、かなり大規模に拡大して使ってみたのよ。この宝物庫全体を崩落させるようにね。ここの主であるヘイロンには悪いけど」
言い終わると、風音はさらにベフィスブリングを使い、敵の男を「ぐわああぁっ!」という叫びとともに、完全に生き埋めにしてしまう。風音が「一丁上がり」とつぶやきながら、パンパンと手をはたいていると、空中に光が差して、ヘイロンが現れた。
「まさか、あの状況で魔王の腹心を倒してしまうとは、ボクも予想がつきませんでしたよ。もっとも、宝物庫を埋めてしまったのは遺憾ですが。でも、おかげでボクも力が戻りましたし、これ以降はあなた方の手助けができると思いますから、期待しておいてください。つきましては、冒険者たちを宝物庫の前に呼び戻していただけませんか? ボクから冒険者たちに、精霊魔法の加護を授けたいので」
風音がプレイヤーに声をかけると、プレイヤーは続々と宝物庫に集まってくる。重傷を負って血を流している者は何人かいたが、幸い死んだ者は一人もいなかった。
「あなた方が無事に魔王を倒せるように、半永久的な能力強化の精霊魔法をかけさせていただきます」
ヘイロンが呪文を唱えるとともに、周辺一帯は光で満ちあふれ、風音は体の奥底から温かいもので満たされる気がした。やがて光は収束し、気づけば重傷を負っていた者たちも、傷がすっかり治っている。
「これで、あなた方の能力は従来の三倍ぐらいに上がったはずです。この勢いで、魔王を倒してください。では、健闘を祈ります」
ヘイロンの姿は、霞のようにかき消える。落ち込んでいたプレイヤーたちも、わずかながら笑顔になった。
「さあ、パラムシルの街まで戻るわよ。また街が襲われたら大変だし」
風音の号令のもと、部隊はシリベシ洞窟を後にし、街へと引き返した。だが、街では思いがけないことが起きていたのだ。
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