197 / 300
第2章 彼女の話は通じない
きみのいる空の下でも 1
しおりを挟む
魔物の国の北東。
林の中に、三角の耳に、くるんと巻いた尾を持つ魔物が倒れている。
少量とはいえ、魔力を持っているので、人とはできない。
魔物と認識すべきだろう。
疲労困憊しているらしく、倒れたまま、荒い呼吸を繰り返している。
銀色の髪には、土と落ち葉が、からまっていた。
元々、それほど体力もないのに、全力で走った結果だ。
魔物ではあっても、能力的には、人と大きな差はない。
それで百キロ近くも走れば、当然に、こうなる。
「それでは、行こうか。獣くさい子」
その魔物の体が光につつまれた。
とりあえず体力を回復させておいたのだ。
それから、小脇に、ひょいとかかえる。
魔物は、ラフロを不思議そうに見上げていた。
ラフロは口元に笑みを浮かべ、すぐに飛翔する。
速度は少し控え目だ。
行き先は決まっているし、それほど急ぐこともない。
「……ご、ご主人様は……?」
「気になるかい?」
ラフロにかかえられたまま、こくこくとうなずく。
なるほど、クヴァットが気に入るわけだ、と思った。
自分を怖がらないものを、ラフロは、あまり知らない。
「生きてはいるよ。半死半生といったところかな」
「な、なお、なおして、もらえ、ますよ、ね?」
「もちろんだとも。そのために来たのだからねえ」
あからさまに、魔物が安堵した様子を見せる。
ほんの少し「関心」がよぎった。
人の持つ「それ」とは違うようだが、似ている。
そこに、わずかだが引かれたのだ。
「彼のことが好きかい?」
「好き……? ご主人様は……大事なかた……です……」
「なぜかな? 食事をくれるから? 住む所をくれるから? 殴ったり蹴ったりしないから?」
「……や、役に立てる、から……」
「役に立てる? それが嬉しいのかい?」
「や、役に立てると……頭を、なでて……もらえるん、です……」
どうやら、それが嬉しいらしい。
頭を撫でられることの、なにが嬉しいのか。
ラフロには理解できなかった。
人間にも似たようなことを言う者は多いのだが、首をかしげるばかりだ。
「それなら今回も頭を撫でてもらえるといいねえ」
「……ご、ご主人様が……無事なら……それで……」
「欲がないのはいいことだよ、獣くさい子」
ぴくぴくっと、魔物の耳が動く。
ラフロを、心配そうに見つめて来た。
青い瞳の中の、銀色の瞳孔が、拡縮している。
魔物だという認識は正しかった。
魔物のほうが、人間よりも明確に目で語るのだ。
「……け。獣くさい……ですか……?」
「なぜだい? 薬を飲んでいるのに」
「け、獣くさいと、ご主人様に、嫌われ、ます……っ……」
「彼は本当に獣くさいのが大嫌いだからねえ。人の体を借りていても、それには閉口している。こすっても無駄だと知っていて、鼻をこするくらいだもの」
銀色の瞳孔が拡縮を繰り返している。
不安を帯びた色に、ラフロは微笑んだ。
「安心おし、獣くさい子。私は片手で足るほどにしか名を覚えない。それだけの意味しかないのだよ」
「……獣くさく、ない、ということ……ですか?」
「そうとも、獣くさい子」
わかったようなわからないような顔をして、それでも、こくりとうなずく。
上空から、地上を見下ろして、口元を緩めた。
魔物の国を出た先に、ラフロの「相方」がいる。
人の国で「リニメア」と呼ばれている乗り物の中だ。
それは、動いておらず、帝国の兵たちが固まっている場所とは少し離れていた。
「さあ、ご主人様に会いに行こうか」
ふわっと、地面に降り立つ。
魔物を腕から放した。
途端、ドアにぶつかる勢いで、魔物がリニメアに飛び込む。
のんびりと、ラフロは、あとから乗り込んだ。
「どうだい、クヴァット」
「最高で、最低な気分だ、ラフロ」
「そのようだね。私も、めずらしい気分を味わえているよ」
運転席で、クヴァットは、ぐったりしている。
その横に、魔物がへたりこんでいた。
「きみが、また癇癪を起こすと思ったものだから、先に、その獣くさい子を連れに行っていたのさ」
「それなら、しかたねぇや。この体が、すっかり駄目になっちまうかと思ったが、大事な玩具をなくすよりはマシだからな」
ラフロは、クヴァットの体を光で覆う。
少しだけ時間がかかった。
クヴァットは、というより、ゼノクルは特殊なのだ。
人の体を癒すだけでは「直す」ことができない。
中にクヴァットという魔人がいる。
先に、そちらを治療する必要があった。
「それにしたって、クヴァット。こう何度も私が地上に来ることになるなんて。きみは本当に要領というものを心得ていないねえ」
「行き当たりばったりのほうが楽しいんだ」
「筋書通り行かなくてもへっちゃらでいるのだから、呆れてしまうよ。いったい、なんのための筋書やら」
ふうっと、光が消えて行く。
これで、クヴァットも、外身のゼノクルも「元通り」だ。
「それは、お前の娘が悪い! あの小娘、ひでえったら、ありゃしねえんだぞ。わけわかんねぇ力を持ってやがってよ。こっちは、なんもできねぇまんま血反吐を吐かされたんだぜ?」
「おやおや、それはとんだことだったねえ」
言葉に、クヴァットが目だけを、きょろっと上に向ける。
見ていたくせに、と言いたいのだ。
ラフロの部屋の湖面には、いつでも見たいものを映すことができる。
人の使う通信装置のような機能はないが、視るだけなら自由自在だった。
「ありゃあ、お前の力じゃねぇよな?」
「違うよ。あれは、あの娘特有の力さ」
「へえ。やっぱり、あの小娘は特別なのか? お前の血が入ってるしな」
「それについては、なかなかに関心深くてねえ」
ふっと、ラフロは笑う。
思ってもいなかったことが起きたからだ。
そのため、ますます「我が娘」に関心が深まっている。
「さてさて、これから、あの娘は、どうするかな」
ラフロの感情が、クヴァットに伝わったらしい。
クヴァットも、なにか楽しげに笑っていた。
感情は共有しているので、時折、互いに干渉し合うこともある。
クヴァットが「遊ばれかけて」いた時に、不満に思ったのが、それだ。
とはいえ、互いのしていることや、具体的な考えなどまでは共有していないし、したこともない。
ラフロはクヴァットの行動に、直接、口出しはしないのだ。
もちろん、クヴァットも、ラフロの行動に、あれこれ言ったりはしなかった。
クヴァットにとって邪魔である、あの大きな魔物の命を繋いだのはラフロだが、それをクヴァットは知らずにいる。
そして、ラフロの関心の元であるカサンドラを、クヴァットが殺そうとしたと、ラフロは知っていた。
けれど、だからどうするということもない。
ラフロは、クヴァットのしたいようにすればいいと思っている。
クヴァットが、自分を責めたりしないこともわかっていた。
お互いに、自分のやりかたで、それぞれの「欲」満たそうとする。
それだけのことなのだ。
「楽しそうだな、ラフロ」
クヴァットが魔物の頭を撫でていた。
魔物は嬉しそうに尾を揺らせている。
少しだけ、自分も「玩具」がほしいような気分になった。
さりとて、ラフロの気に入るような「玩具」はありそうにもない。
クヴァットとラフロとでは、求めるものが違うのだ。
「きみもだろう、クヴァット」
「まぁな。3百年、生きてきて、こんなに楽しめてるのは初めてだ」
「もうしばらくは、楽しめるのじゃないかな」
「そうでなきゃ困る。俺は、まだ満足してねぇんだぜ?」
「きみは、どこまでも魔人だねえ」
矛盾しているが、クヴァットは楽しむために、我慢したり努力したりする。
行き当たりばったりで筋書を変えるが、手持ちの駒で、やりくりしていた。
根気強く、諦めを知らない。
「おや?」
ふと、ラフロは、魔物の尾が、まだ揺れていることに気づく。
クヴァットが、にっと笑った。
「いいだろ。俺の気に入りの最高の玩具だ」
「壊されないように、気をつけなければいけないよ?」
「そん時ゃ、体は捨てて国に帰る」
「好きにするさ。きみがどこにいても、私の関心事に変わりはないのだもの」
床に座りこんでいる魔物が、ラフロを見上げていた。
当面、クヴァットは、このよく出来た新しい玩具に夢中に違いない。
本当に壊されなければいいけれど、と思う。
なにかあれば、また癇癪を起こしそうだ。
そうなると、クヴァットの作ったイスの座り心地が悪くなる。
少し考えてから、魔物の首に手をあてた。
傷痕が、すうっと消えていく。
代わりに、黒い文字が首の後ろに浮かび上がった。
「クヴァットと繋がりを持たせてあげたよ、獣くさい子」
「これで、楽に持ち帰れるぜ」
「そうとも。きみに癇癪を起こされたくないからねえ」
微笑んで、ラフロは、スッと姿を消す。
王の間に戻り、湖面に「我が娘」を映し出した。
彼女は、ほとんど聖者の血を持っていない。
なのに、聖者の力を無理やりに引き出したのだ。
それが、どういう結果をもたらすのか。
ラフロにとっては、それが現在の最大の関心事だった。
「彼の欠損を、きみはどう思うのかな、愛しい私の可愛い娘」
林の中に、三角の耳に、くるんと巻いた尾を持つ魔物が倒れている。
少量とはいえ、魔力を持っているので、人とはできない。
魔物と認識すべきだろう。
疲労困憊しているらしく、倒れたまま、荒い呼吸を繰り返している。
銀色の髪には、土と落ち葉が、からまっていた。
元々、それほど体力もないのに、全力で走った結果だ。
魔物ではあっても、能力的には、人と大きな差はない。
それで百キロ近くも走れば、当然に、こうなる。
「それでは、行こうか。獣くさい子」
その魔物の体が光につつまれた。
とりあえず体力を回復させておいたのだ。
それから、小脇に、ひょいとかかえる。
魔物は、ラフロを不思議そうに見上げていた。
ラフロは口元に笑みを浮かべ、すぐに飛翔する。
速度は少し控え目だ。
行き先は決まっているし、それほど急ぐこともない。
「……ご、ご主人様は……?」
「気になるかい?」
ラフロにかかえられたまま、こくこくとうなずく。
なるほど、クヴァットが気に入るわけだ、と思った。
自分を怖がらないものを、ラフロは、あまり知らない。
「生きてはいるよ。半死半生といったところかな」
「な、なお、なおして、もらえ、ますよ、ね?」
「もちろんだとも。そのために来たのだからねえ」
あからさまに、魔物が安堵した様子を見せる。
ほんの少し「関心」がよぎった。
人の持つ「それ」とは違うようだが、似ている。
そこに、わずかだが引かれたのだ。
「彼のことが好きかい?」
「好き……? ご主人様は……大事なかた……です……」
「なぜかな? 食事をくれるから? 住む所をくれるから? 殴ったり蹴ったりしないから?」
「……や、役に立てる、から……」
「役に立てる? それが嬉しいのかい?」
「や、役に立てると……頭を、なでて……もらえるん、です……」
どうやら、それが嬉しいらしい。
頭を撫でられることの、なにが嬉しいのか。
ラフロには理解できなかった。
人間にも似たようなことを言う者は多いのだが、首をかしげるばかりだ。
「それなら今回も頭を撫でてもらえるといいねえ」
「……ご、ご主人様が……無事なら……それで……」
「欲がないのはいいことだよ、獣くさい子」
ぴくぴくっと、魔物の耳が動く。
ラフロを、心配そうに見つめて来た。
青い瞳の中の、銀色の瞳孔が、拡縮している。
魔物だという認識は正しかった。
魔物のほうが、人間よりも明確に目で語るのだ。
「……け。獣くさい……ですか……?」
「なぜだい? 薬を飲んでいるのに」
「け、獣くさいと、ご主人様に、嫌われ、ます……っ……」
「彼は本当に獣くさいのが大嫌いだからねえ。人の体を借りていても、それには閉口している。こすっても無駄だと知っていて、鼻をこするくらいだもの」
銀色の瞳孔が拡縮を繰り返している。
不安を帯びた色に、ラフロは微笑んだ。
「安心おし、獣くさい子。私は片手で足るほどにしか名を覚えない。それだけの意味しかないのだよ」
「……獣くさく、ない、ということ……ですか?」
「そうとも、獣くさい子」
わかったようなわからないような顔をして、それでも、こくりとうなずく。
上空から、地上を見下ろして、口元を緩めた。
魔物の国を出た先に、ラフロの「相方」がいる。
人の国で「リニメア」と呼ばれている乗り物の中だ。
それは、動いておらず、帝国の兵たちが固まっている場所とは少し離れていた。
「さあ、ご主人様に会いに行こうか」
ふわっと、地面に降り立つ。
魔物を腕から放した。
途端、ドアにぶつかる勢いで、魔物がリニメアに飛び込む。
のんびりと、ラフロは、あとから乗り込んだ。
「どうだい、クヴァット」
「最高で、最低な気分だ、ラフロ」
「そのようだね。私も、めずらしい気分を味わえているよ」
運転席で、クヴァットは、ぐったりしている。
その横に、魔物がへたりこんでいた。
「きみが、また癇癪を起こすと思ったものだから、先に、その獣くさい子を連れに行っていたのさ」
「それなら、しかたねぇや。この体が、すっかり駄目になっちまうかと思ったが、大事な玩具をなくすよりはマシだからな」
ラフロは、クヴァットの体を光で覆う。
少しだけ時間がかかった。
クヴァットは、というより、ゼノクルは特殊なのだ。
人の体を癒すだけでは「直す」ことができない。
中にクヴァットという魔人がいる。
先に、そちらを治療する必要があった。
「それにしたって、クヴァット。こう何度も私が地上に来ることになるなんて。きみは本当に要領というものを心得ていないねえ」
「行き当たりばったりのほうが楽しいんだ」
「筋書通り行かなくてもへっちゃらでいるのだから、呆れてしまうよ。いったい、なんのための筋書やら」
ふうっと、光が消えて行く。
これで、クヴァットも、外身のゼノクルも「元通り」だ。
「それは、お前の娘が悪い! あの小娘、ひでえったら、ありゃしねえんだぞ。わけわかんねぇ力を持ってやがってよ。こっちは、なんもできねぇまんま血反吐を吐かされたんだぜ?」
「おやおや、それはとんだことだったねえ」
言葉に、クヴァットが目だけを、きょろっと上に向ける。
見ていたくせに、と言いたいのだ。
ラフロの部屋の湖面には、いつでも見たいものを映すことができる。
人の使う通信装置のような機能はないが、視るだけなら自由自在だった。
「ありゃあ、お前の力じゃねぇよな?」
「違うよ。あれは、あの娘特有の力さ」
「へえ。やっぱり、あの小娘は特別なのか? お前の血が入ってるしな」
「それについては、なかなかに関心深くてねえ」
ふっと、ラフロは笑う。
思ってもいなかったことが起きたからだ。
そのため、ますます「我が娘」に関心が深まっている。
「さてさて、これから、あの娘は、どうするかな」
ラフロの感情が、クヴァットに伝わったらしい。
クヴァットも、なにか楽しげに笑っていた。
感情は共有しているので、時折、互いに干渉し合うこともある。
クヴァットが「遊ばれかけて」いた時に、不満に思ったのが、それだ。
とはいえ、互いのしていることや、具体的な考えなどまでは共有していないし、したこともない。
ラフロはクヴァットの行動に、直接、口出しはしないのだ。
もちろん、クヴァットも、ラフロの行動に、あれこれ言ったりはしなかった。
クヴァットにとって邪魔である、あの大きな魔物の命を繋いだのはラフロだが、それをクヴァットは知らずにいる。
そして、ラフロの関心の元であるカサンドラを、クヴァットが殺そうとしたと、ラフロは知っていた。
けれど、だからどうするということもない。
ラフロは、クヴァットのしたいようにすればいいと思っている。
クヴァットが、自分を責めたりしないこともわかっていた。
お互いに、自分のやりかたで、それぞれの「欲」満たそうとする。
それだけのことなのだ。
「楽しそうだな、ラフロ」
クヴァットが魔物の頭を撫でていた。
魔物は嬉しそうに尾を揺らせている。
少しだけ、自分も「玩具」がほしいような気分になった。
さりとて、ラフロの気に入るような「玩具」はありそうにもない。
クヴァットとラフロとでは、求めるものが違うのだ。
「きみもだろう、クヴァット」
「まぁな。3百年、生きてきて、こんなに楽しめてるのは初めてだ」
「もうしばらくは、楽しめるのじゃないかな」
「そうでなきゃ困る。俺は、まだ満足してねぇんだぜ?」
「きみは、どこまでも魔人だねえ」
矛盾しているが、クヴァットは楽しむために、我慢したり努力したりする。
行き当たりばったりで筋書を変えるが、手持ちの駒で、やりくりしていた。
根気強く、諦めを知らない。
「おや?」
ふと、ラフロは、魔物の尾が、まだ揺れていることに気づく。
クヴァットが、にっと笑った。
「いいだろ。俺の気に入りの最高の玩具だ」
「壊されないように、気をつけなければいけないよ?」
「そん時ゃ、体は捨てて国に帰る」
「好きにするさ。きみがどこにいても、私の関心事に変わりはないのだもの」
床に座りこんでいる魔物が、ラフロを見上げていた。
当面、クヴァットは、このよく出来た新しい玩具に夢中に違いない。
本当に壊されなければいいけれど、と思う。
なにかあれば、また癇癪を起こしそうだ。
そうなると、クヴァットの作ったイスの座り心地が悪くなる。
少し考えてから、魔物の首に手をあてた。
傷痕が、すうっと消えていく。
代わりに、黒い文字が首の後ろに浮かび上がった。
「クヴァットと繋がりを持たせてあげたよ、獣くさい子」
「これで、楽に持ち帰れるぜ」
「そうとも。きみに癇癪を起こされたくないからねえ」
微笑んで、ラフロは、スッと姿を消す。
王の間に戻り、湖面に「我が娘」を映し出した。
彼女は、ほとんど聖者の血を持っていない。
なのに、聖者の力を無理やりに引き出したのだ。
それが、どういう結果をもたらすのか。
ラフロにとっては、それが現在の最大の関心事だった。
「彼の欠損を、きみはどう思うのかな、愛しい私の可愛い娘」
10
あなたにおすすめの小説
【12月末日公開終了】有能女官の赴任先は辺境伯領
たぬきち25番
恋愛
辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26)
ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。
そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。
そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。
だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。
仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!?
そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく……
※お待たせしました。
※他サイト様にも掲載中
私は貴方を許さない
白湯子
恋愛
甘やかされて育ってきたエリザベータは皇太子殿下を見た瞬間、前世の記憶を思い出す。無実の罪を着させられ、最期には断頭台で処刑されたことを。
前世の記憶に酷く混乱するも、優しい義弟に支えられ今世では自分のために生きようとするが…。
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi(がっち)
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
死に戻り王妃はふたりの婚約者に愛される。
豆狸
恋愛
形だけの王妃だった私が死に戻ったのは魔術学院の一学年だったころ。
なんのために戻ったの? あの未来はどうやったら変わっていくの?
どうして王太子殿下の婚約者だった私が、大公殿下の婚約者に変わったの?
なろう様でも公開中です。
・1/21タイトル変更しました。旧『死に戻り王妃とふたりの婚約者』
白い結婚の行方
宵森みなと
恋愛
「この結婚は、形式だけ。三年経ったら、離縁して養子縁組みをして欲しい。」
そう告げられたのは、まだ十二歳だった。
名門マイラス侯爵家の跡取りと、書面上だけの「夫婦」になるという取り決め。
愛もなく、未来も誓わず、ただ家と家の都合で交わされた契約だが、彼女にも目的はあった。
この白い結婚の意味を誰より彼女は、知っていた。自らの運命をどう選択するのか、彼女自身に委ねられていた。
冷静で、理知的で、どこか人を寄せつけない彼女。
誰もが「大人びている」と評した少女の胸の奥には、小さな祈りが宿っていた。
結婚に興味などなかったはずの青年も、少女との出会いと別れ、後悔を経て、再び運命を掴もうと足掻く。
これは、名ばかりの「夫婦」から始まった二人の物語。
偽りの契りが、やがて確かな絆へと変わるまで。
交差する記憶、巻き戻る時間、二度目の選択――。
真実の愛とは何かを、問いかける静かなる運命の物語。
──三年後、彼女の選択は、彼らは本当に“夫婦”になれるのだろうか?
悪夢から逃れたら前世の夫がおかしい
はなまる
恋愛
ミモザは結婚している。だが夫のライオスには愛人がいてミモザは見向きもされない。それなのに義理母は跡取りを待ち望んでいる。だが息子のライオスはミモザと初夜の一度っきり相手をして後は一切接触して来ない。
義理母はどうにかして跡取りをと考えとんでもないことを思いつく。
それは自分の夫クリスト。ミモザに取ったら義理父を受け入れさせることだった。
こんなの悪夢としか思えない。そんな状況で階段から落ちそうになって前世を思い出す。その時助けてくれた男が前世の夫セルカークだったなんて…
セルカークもとんでもない夫だった。ミモザはとうとうこんな悪夢に立ち向かうことにする。
短編スタートでしたが、思ったより文字数が増えそうです。もうしばらくお付き合い痛手蹴るとすごくうれしいです。最後目でよろしくお願いします。
【12月末日公開終了】これは裏切りですか?
たぬきち25番
恋愛
転生してすぐに婚約破棄をされたアリシアは、嫁ぎ先を失い、実家に戻ることになった。
だが、実家戻ると『婚約破棄をされた娘』と噂され、家族の迷惑になっているので出て行く必要がある。
そんな時、母から住み込みの仕事を紹介されたアリシアは……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる