1 / 164
前編
決断したからには 1
しおりを挟む
門の前で馬車を降り、屋敷の敷地内に足を踏み入れる。
自分の行動がいかに非常識で、大それたものであるかは自覚していた。
それでも決断を翻したりはしない。
人にとっては取るに足らない理由でも、自分にとっては違う。
彼女、サマンサ・ティンザーは、強い意志でもって歩を進めた。
正直、怖いとの気持ちはある。
この屋敷の主は、名を知らない者がいないほどの有名人なのだ。
にもかかわらず、実際に会ったことがある者は、ごく少数。
サマンサには、当然に面識はない。
父から、わずかに話を聞き、人となりを想像している。
あまり良い印象はなかった。
とはいえ、選択肢がないのだから、しかたがない。
門から続く道をしばらく歩いたのち、扉の前に着く。
叩こうと手を上げた瞬間、中から扉が開かれた。
驚いて、手が止まったままになる。
扉の向こうには、赤褐色の髪と目の色をした男性が立っていた。
「どのようなご用件でございましょう? ティンザー公爵家ご令嬢、サマンサ姫」
名乗ってもいないのに名を呼ばれ、サマンサは動揺する。
そして、改めて思った。
ここは、そういう屋敷なのだ。
サマンサの住んでいるロズウェルド王国は、この大陸で、唯一、魔術師のいる国だった。
おそらく、この、いかにもな執事も魔術師に違いない。
でなければ、ネズミ並みに聴覚が発達しているということになるが、屋敷の主が誰かを考えれば、魔術師であると結論するのが妥当だ。
「ご用件は?」
「あ……いえ……あの……ローエルハイド公爵様に取り次いでもらえる?」
「お約束は?」
「…………それは……約束はしていないわ……」
「どうやってこちらに?」
動揺を抑えきる前に、矢継ぎ早に質問され、少しムッとする。
低位貴族が高位貴族を無断で訪ねることは許されていない。
だが、サマンサは公爵家の令嬢であり、この屋敷の主と、爵位上は同格だ。
連絡なしでの訪問も、基本的には許される。
ただ、執事が訝しんでいる理由もわかっていた。
ここは、ロズウェルド本国ではない。
70年ほど前に併合されるまでは、アドラントという名の別の国だった領地だ。
王都とは違い、気楽に行き来のできる土地柄ではないのはわかっている。
「……アドラント領に住む、私の姻戚関係の者に頼んで許可を得たのよ。公爵様に取り次いでちょうだい」
あまり突っ込んで聞かれたくなかったため、サマンサは強気に出た。
執事が自分を知っているのなら、むしろ、都合がいいと意識を変える。
見た感じ貴族ではありそうだが、公爵よりも低位なのは間違いない。
公爵家が公爵家の勤め人になるなど、有り得なかった。
となれば、サマンサのほうが執事より高位となる。
執事の一存で追いはらうことはできないはずだ。
(私が弱腰にならなければ、取り次いではもらえるはずよ)
改めて考えてみると、この執事は「無礼」だった。
本来、サマンサの名を呼ぶより、低位である執事が先に名乗る。
儀礼的なものに過ぎなくても、礼儀は礼儀だ。
相手を尊重しているとの態度くらい見せるべきだろう、と思う。
「少々、お待ちを」
サマンサの内心の憤慨を察することなく、執事はそっけなく答え、扉を閉めた。
そのあからさまに「招いていない」という言動にも腹が立つ。
が、あまり心象を悪くすると、会えるものも会えなくなるかもしれない。
主に訊いた振りをして、追いはらおうとすることも考えられた。
(もう少し愛想をしておいたほうが良かったかしら)
強気に出てしまったのを後悔する。
サマンサの今後は、この屋敷の主にかかっていた。
会えないままでは帰れない。
せっかく苦労して、ここまで来たのだ。
なんとしても会わなければならない。
この屋敷の主に。
しばらくののち、扉が開く。
表情には出さないよう気をつけたが、心臓が早鐘になっていた。
執事からの返事に緊張する。
「お待たせいたしました。あちらの離れでお会いされるとのことです」
「わかったわ」
「では、ご案内を」
サマンサは、体から力が抜けるほどの安堵感をいだいた。
とはいえ、これはまだ目的の最初の1歩に過ぎない。
会えたからといって彼女の目的が達せられる保証は、どこにもないのだ。
冷たくあしらわれても、食い下がるつもりではいるけれども。
中庭を抜けると、別邸と思しき建屋があった。
その屋敷にある客室に通される。
ここで待つようにとだけ言い、お茶を出すこともなく、執事は立ち去った。
とことん「無礼」だと思う。
(でも、あの執事とも、これから顔を合わせることになるかもしれないのだし……我慢は必要ね……)
サマンサは緊張しながら待っていた。
だが、屋敷の主は、なかなか姿を見せない。
いつまで放置され続けるのだろうかと不安になる。
その弱気になる自分を懸命に奮い立たせた。
(いいわ。もし日が暮れたら、それを理由に居座ることもできるじゃない。いくら待たされても、諦めて帰ったりしないわよ)
普通の令嬢なら、きっと心が折れて帰っていただろう。
見込みがないと諦めてもいいくらいには、時間が経っている。
これが本当に「同格」の相手なら、どんな令嬢も怒っていたに違いない。
ただ、この屋敷の主とは、本当の意味では「同格」ではないのだ。
同じ公爵家であっても、序列というものがある。
爵位だけでは語れない「格」が存在していた。
そこから見ると、ティンザーは、かなり「格下」だ。
追いはらわれなかっただけマシとしなければならないのは、わかっている。
(本当に会う気があるのかしら……諦めて帰らせようという魂胆? そんな回りくどい真似をする必要はないと思いたいけれど……)
つい大きな溜め息をついてしまう。
緊張が落胆に変わりつつあった。
「溜め息をつかせるほど待たせてしまったようだ」
びくっと、サマンサは体を震わせる。
足音も気配もなかったのに、1人の男性が室内に立っていた。
急速に、心臓が激しく波打ち出す。
一気に緊張感につつまれていた。
慌てて立ち上がり、頭を下げる。
「サマンサ・ティンザーにございます。お目にかかれて……」
「そういう堅苦しいのは嫌いでね。まぁ、かけたまえよ、きみ」
「はい……」
促されるまま、イスに腰をおろした。
テーブルを挟んで、向かい側に屋敷の主が座る。
初めて見る姿に、予想外といった印象を受けた。
父には「姿を目にしただけで恐ろしくて寝込みそうだ」と聞いていたからだ。
黒髪、黒眼。
この2つを合わせ持つ、たった1人の人物。
彼は「人ならざる者」と呼ばれている。
どんな魔術師とも比較にならない大きな力の持ち主だった。
その力を使えば、国を亡ぼすことも容易にできるのだという。
だが、とてもそんなふうには見えない。
口調は、ややぶっきらぼうではあったが「恐ろしい」とは感じなかった。
大きいとも小さいとも言えない形のいい目は、ほんの少し垂れていて、穏やかに見える。
鼻筋はスッと通っており、やや薄い唇と相まって精悍さを際立たせていた。
後ろへと流した短めの髪が貴族的な雰囲気を醸し出しているためか、貴族服が、いっそう似合っているように思える。
長い足を軽く組み、片手をイスの肘置きに置いていた。
そして、反対の手で頬杖をつき、サマンサを見ている。
ジェレミア・ローエルハイド。
ローエルハイド公爵家の現当主だ。
かつて隣国リフルワンスとの戦争を1人で終結させた英雄、大公と呼ばれた人の曾孫になる。
その大公と同じ力を持っているのが、今、目の前にいる公爵だった。
黒髪、黒眼は、その証とされている。
「それで?」
声には、なんの感情も含まれていない。
思わず怯みそうになるのを堪え、サマンサは、ぎゅっと手を握り締めた。
自分の行動がいかに非常識で、大それたものであるかは自覚していた。
それでも決断を翻したりはしない。
人にとっては取るに足らない理由でも、自分にとっては違う。
彼女、サマンサ・ティンザーは、強い意志でもって歩を進めた。
正直、怖いとの気持ちはある。
この屋敷の主は、名を知らない者がいないほどの有名人なのだ。
にもかかわらず、実際に会ったことがある者は、ごく少数。
サマンサには、当然に面識はない。
父から、わずかに話を聞き、人となりを想像している。
あまり良い印象はなかった。
とはいえ、選択肢がないのだから、しかたがない。
門から続く道をしばらく歩いたのち、扉の前に着く。
叩こうと手を上げた瞬間、中から扉が開かれた。
驚いて、手が止まったままになる。
扉の向こうには、赤褐色の髪と目の色をした男性が立っていた。
「どのようなご用件でございましょう? ティンザー公爵家ご令嬢、サマンサ姫」
名乗ってもいないのに名を呼ばれ、サマンサは動揺する。
そして、改めて思った。
ここは、そういう屋敷なのだ。
サマンサの住んでいるロズウェルド王国は、この大陸で、唯一、魔術師のいる国だった。
おそらく、この、いかにもな執事も魔術師に違いない。
でなければ、ネズミ並みに聴覚が発達しているということになるが、屋敷の主が誰かを考えれば、魔術師であると結論するのが妥当だ。
「ご用件は?」
「あ……いえ……あの……ローエルハイド公爵様に取り次いでもらえる?」
「お約束は?」
「…………それは……約束はしていないわ……」
「どうやってこちらに?」
動揺を抑えきる前に、矢継ぎ早に質問され、少しムッとする。
低位貴族が高位貴族を無断で訪ねることは許されていない。
だが、サマンサは公爵家の令嬢であり、この屋敷の主と、爵位上は同格だ。
連絡なしでの訪問も、基本的には許される。
ただ、執事が訝しんでいる理由もわかっていた。
ここは、ロズウェルド本国ではない。
70年ほど前に併合されるまでは、アドラントという名の別の国だった領地だ。
王都とは違い、気楽に行き来のできる土地柄ではないのはわかっている。
「……アドラント領に住む、私の姻戚関係の者に頼んで許可を得たのよ。公爵様に取り次いでちょうだい」
あまり突っ込んで聞かれたくなかったため、サマンサは強気に出た。
執事が自分を知っているのなら、むしろ、都合がいいと意識を変える。
見た感じ貴族ではありそうだが、公爵よりも低位なのは間違いない。
公爵家が公爵家の勤め人になるなど、有り得なかった。
となれば、サマンサのほうが執事より高位となる。
執事の一存で追いはらうことはできないはずだ。
(私が弱腰にならなければ、取り次いではもらえるはずよ)
改めて考えてみると、この執事は「無礼」だった。
本来、サマンサの名を呼ぶより、低位である執事が先に名乗る。
儀礼的なものに過ぎなくても、礼儀は礼儀だ。
相手を尊重しているとの態度くらい見せるべきだろう、と思う。
「少々、お待ちを」
サマンサの内心の憤慨を察することなく、執事はそっけなく答え、扉を閉めた。
そのあからさまに「招いていない」という言動にも腹が立つ。
が、あまり心象を悪くすると、会えるものも会えなくなるかもしれない。
主に訊いた振りをして、追いはらおうとすることも考えられた。
(もう少し愛想をしておいたほうが良かったかしら)
強気に出てしまったのを後悔する。
サマンサの今後は、この屋敷の主にかかっていた。
会えないままでは帰れない。
せっかく苦労して、ここまで来たのだ。
なんとしても会わなければならない。
この屋敷の主に。
しばらくののち、扉が開く。
表情には出さないよう気をつけたが、心臓が早鐘になっていた。
執事からの返事に緊張する。
「お待たせいたしました。あちらの離れでお会いされるとのことです」
「わかったわ」
「では、ご案内を」
サマンサは、体から力が抜けるほどの安堵感をいだいた。
とはいえ、これはまだ目的の最初の1歩に過ぎない。
会えたからといって彼女の目的が達せられる保証は、どこにもないのだ。
冷たくあしらわれても、食い下がるつもりではいるけれども。
中庭を抜けると、別邸と思しき建屋があった。
その屋敷にある客室に通される。
ここで待つようにとだけ言い、お茶を出すこともなく、執事は立ち去った。
とことん「無礼」だと思う。
(でも、あの執事とも、これから顔を合わせることになるかもしれないのだし……我慢は必要ね……)
サマンサは緊張しながら待っていた。
だが、屋敷の主は、なかなか姿を見せない。
いつまで放置され続けるのだろうかと不安になる。
その弱気になる自分を懸命に奮い立たせた。
(いいわ。もし日が暮れたら、それを理由に居座ることもできるじゃない。いくら待たされても、諦めて帰ったりしないわよ)
普通の令嬢なら、きっと心が折れて帰っていただろう。
見込みがないと諦めてもいいくらいには、時間が経っている。
これが本当に「同格」の相手なら、どんな令嬢も怒っていたに違いない。
ただ、この屋敷の主とは、本当の意味では「同格」ではないのだ。
同じ公爵家であっても、序列というものがある。
爵位だけでは語れない「格」が存在していた。
そこから見ると、ティンザーは、かなり「格下」だ。
追いはらわれなかっただけマシとしなければならないのは、わかっている。
(本当に会う気があるのかしら……諦めて帰らせようという魂胆? そんな回りくどい真似をする必要はないと思いたいけれど……)
つい大きな溜め息をついてしまう。
緊張が落胆に変わりつつあった。
「溜め息をつかせるほど待たせてしまったようだ」
びくっと、サマンサは体を震わせる。
足音も気配もなかったのに、1人の男性が室内に立っていた。
急速に、心臓が激しく波打ち出す。
一気に緊張感につつまれていた。
慌てて立ち上がり、頭を下げる。
「サマンサ・ティンザーにございます。お目にかかれて……」
「そういう堅苦しいのは嫌いでね。まぁ、かけたまえよ、きみ」
「はい……」
促されるまま、イスに腰をおろした。
テーブルを挟んで、向かい側に屋敷の主が座る。
初めて見る姿に、予想外といった印象を受けた。
父には「姿を目にしただけで恐ろしくて寝込みそうだ」と聞いていたからだ。
黒髪、黒眼。
この2つを合わせ持つ、たった1人の人物。
彼は「人ならざる者」と呼ばれている。
どんな魔術師とも比較にならない大きな力の持ち主だった。
その力を使えば、国を亡ぼすことも容易にできるのだという。
だが、とてもそんなふうには見えない。
口調は、ややぶっきらぼうではあったが「恐ろしい」とは感じなかった。
大きいとも小さいとも言えない形のいい目は、ほんの少し垂れていて、穏やかに見える。
鼻筋はスッと通っており、やや薄い唇と相まって精悍さを際立たせていた。
後ろへと流した短めの髪が貴族的な雰囲気を醸し出しているためか、貴族服が、いっそう似合っているように思える。
長い足を軽く組み、片手をイスの肘置きに置いていた。
そして、反対の手で頬杖をつき、サマンサを見ている。
ジェレミア・ローエルハイド。
ローエルハイド公爵家の現当主だ。
かつて隣国リフルワンスとの戦争を1人で終結させた英雄、大公と呼ばれた人の曾孫になる。
その大公と同じ力を持っているのが、今、目の前にいる公爵だった。
黒髪、黒眼は、その証とされている。
「それで?」
声には、なんの感情も含まれていない。
思わず怯みそうになるのを堪え、サマンサは、ぎゅっと手を握り締めた。
0
あなたにおすすめの小説
有能女官の赴任先は辺境伯領
たぬきち25番
恋愛
お気に入り1000ありがとうございます!!
お礼SS追加決定のため終了取下げいたします。
皆様、お気に入り登録ありがとうございました。
現在、お礼SSの準備中です。少々お待ちください。
辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26)
ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。
そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。
そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。
だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。
仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!?
そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく……
※お待たせしました。
※他サイト様にも掲載中
魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました
iru
恋愛
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。
両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。
両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。
しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。
魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。
自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。
一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。
初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。
恋人になりたいが、年上で雇い主。
もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。
そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。
そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。
レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか?
両片思いのすれ違いのお話です。
捨てられ侯爵令嬢ですが、逃亡先で息子と幸せに過ごしていますので、邪魔しないでください。
蒼月柚希
恋愛
公爵様の呪いは解かれました。
これで、貴方も私も自由です。
……だから、もういいですよね?
私も、自由にして……。
5年後。
私は、ある事情から生まれ育った祖国を離れ、
親切な冒険者パーティーと、その地を治める辺境伯様のご家族に守られながら、
今日も幸せに子育てをしています。
だから貴方も勝手に、お幸せになってくださいね。
私のことは忘れて……。
これは、お互いの思いがこじれ、離れ離れになってしまった一組の夫婦の物語。
はたして、夫婦は無事に、離婚を回避することができるのか?
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
あなたが残した世界で
天海月
恋愛
「ロザリア様、あなたは俺が生涯をかけてお守りすると誓いましょう」王女であるロザリアに、そう約束した初恋の騎士アーロンは、ある事件の後、彼女との誓いを破り突然その姿を消してしまう。
八年後、生贄に選ばれてしまったロザリアは、最期に彼に一目会いたいとアーロンを探し、彼と再会を果たすが・・・。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる