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後編
覚束ない足でも 2
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ベッドで過ごして、3日目。
サマンサは、ようやく体を動かせるほどに回復していた。
体の痛みに顔をしかめつつも、起き上がることはできている。
風邪のほうは治ったらしく、熱っぽさは引いた。
「あとは、節々の痛みね。どれだけ体をぶつけたのかしら」
思うほどには、あちこち痣だらけだ。
腕にも足にも、大小取り交ぜて散らばっている。
しかも、治りかけているものは黄色、治りの悪いものは紫と色とりどり。
川に流されたと知らなければ、流行り病にでも罹ったのかと疑いそうだ。
「……サム~、ご飯、食べられる……?」
リスが、扉から顔を覗かせる。
もうサマンサを見て泣いたりはしない。
あれから、いつも心配そうに、ベッドの周りをウロウロしていた。
横になっている彼女に水を運んでくれたりもする。
「ありがとう、リス。食べられそうよ」
リスは、顔を扉の向こうに向けた。
大きな声で言う。
「レジー! サム、ご飯、食べるって!」
「おー、今、持ってく」
「2人分!」
「あのなあ、そこは3人分だろうが」
レジーの言葉を無視し、リスが部屋に入ってきた。
ぴょんと、ベッドに飛び乗り、腰かけてくる。
サマンサが手を伸ばすと、リスは少し首をすくめた。
なぜかはわからないが、毎回、そういう仕草をする。
「あなたって、本当にいい子よね」
サマンサが頭を撫でると、リスがすくめていた首を伸ばした。
それから、サマンサを、じっと見つめる。
これも、よくあることだ。
リスは、しばしばサマンサのことを見つめてくる。
不思議そうな、少し戸惑ったような表情で。
人見知りだということだったので、大人に慣れていないのかもしれない。
そうも思うのだが、なにか違う気もした。
大人に、というより、サマンサを「不思議」に感じているような雰囲気がある。
(周りに女性がいなかった、とか? レジーは平民のようだし、きっとリスも平民の子よね。乳母なんていなかったのだわ)
両親は忙しいのだろう。
そのため、レジーに子供をあずけているに違いない。
サマンサは、そう判断していた。
とはいえ、自分の中に「平民」という意識があることに、戸惑いを覚える。
(……私は……平民ではないの……? 着ていた服は民服だったのに……?)
びしょ濡れになっていた服は、すっかり駄目になってしまった。
それでも、一応は、レジーが取っておいてくれたのだ。
破れがあまりにもひどくて、ボロきれのようになってはいたが、民服であるのは間違いなかった。
水に濡れたせいもあっただろうが、布の質自体がゴワついていて、高級とは言えない代物だ。
デザインもシンプルなものだったと想像できるくらい生地も少なかった。
破れていても、その程度は推測できる。
「サム~、まだ、ぼうっとしてる? 頭、痛い?」
声をかけられ、慌てて、リスに笑いかけた。
わからないものはわからないのだ。
無駄に「ぼうっと」して、リスを心配させたくない。
サマンサが、具合が悪そうにすると、リスは不安げな顔をする。
「頭は痛くないわ。お腹が減って、ご飯はまだかしらって思っていたの」
リスが、少しだけ笑った。
声をあげて笑うほどではないが、ここ数日のうちに、笑みを見せるようになったのだ。
「レジーが……ぼやぼやしてるから……」
「おい。俺は、いつだってシャキシャキしてるっての」
大きなトレイを両手に、レジーが入って来る。
食事は、3人分にしたらしい。
動けないため、昨日の昼まで、サマンサは1人で食事をとっていた。
3人になったのは、昨晩からだ。
「よっせっと」
トレイには脚がついていて、それを伸ばすと小さなテーブルのようになる。
サマンサの体の前に、それを置いて食べるのだ。
小さな手が、スプーンを掴む。
スープをすくい、軽く吹いてから、リスが、サマンサの口元に持ってきた。
サマンサは、にっこりして、それを口にする。
「リスが、ふうふうしてくれたから、熱くなかったわ」
リスは、少し照れたような顔をして、今度は、リス自身がスープを飲んだ。
昨夜、サマンサの給仕ばかりしようとするので「交互」を提案している。
それを、忠実に守っているのだろう。
小さな体で、一生懸命にサマンサの世話をしようとする姿が愛おしくなる。
(体の調子が良かったら、ぎゅってしてるわね)
今やると、痣が押され、悲鳴を上げそうだ。
サマンサが悲鳴なんて上げれば、リスを驚かせてしまう。
リスのかいがいしさに、早く本調子に戻りたいと思った。
レジーは、2人の様子を見て笑いながら、1人で食事を進めている。
「リス、俺の世話はしてくれねぇのか?」
「レジーのは、しない……病気じゃないし、男だから……」
「お前、その年で女を贔屓するなんて“どすけべ”まっしぐらだな」
「レジー! 子供の前では、民言葉もほどほどにして」
サマンサ自身、あれ?と思った。
思わず、レジーを叱ってしまったが、勝手に言葉が出た、というふうなのだ。
意図的に、言ったわけではない。
民言葉は、いわゆる俗語で、公的な言葉ではない、との知識がある。
「サム~……“どすけべ”って、なに?」
「え……あの……そういうのはレジーみたいな悪い大人が使う言葉だから、リスは覚えなくていいの」
「ふぅん……」
リスが、ちらっとレジーに視線を向けた。
レジーは、声を上げて笑う。
悪者にされても、少しも気分を害していないようだ。
とにかく、よく笑う男性だった。
正直で、率直に物を言う。
おかげで、サマンサも、あまり気を遣わずにいられた。
食事を終えると、リスが、小さな欠伸をする。
そのリスを残し、レジーは食事を片づけに行った。
体が動くようになったら、手伝いもしなければ、と思う。
自分は「客」ではないのだ。
(拾ってもらって、治療までしてもらっているのに、なにもしないままでいるのは落ち着かないわ。できることがあるのか、わからないけれど……)
記憶は戻らないが、会話をしている中で気づくこともある。
たとえば、自分が「平民」ではないらしい、ということとか。
もし同じ立場なら、相手を「平民」だのとは考えないはずだ。
乳母がいないのは当然で、思いつきもしなかっただろう。
つまり、サマンサは「乳母」の存在を知っていて、いるほうが「当然」であると考える立場だった。
そう推測するのが自然だ。
だとすれば、貴族だということになる。
民服を着ていたのが不自然ではあるが、それを言うなら、川に流されたことも、1人で辺境地にいることも不自然なのだ。
「あら……眠ってしまったのね」
リスが、サマンサの横で、くるんと丸くなっている。
その頭を、繰り返し撫でた。
やわらかなブルーグレイの髪が、手に心地いい。
そこに、レジーが戻ってくる。
「寝ちまったな」
「あ……」
「サムも安静にしてなきゃだろ?」
レジーがリスを抱きあげたので、つい手を伸ばしてしまったのだ。
リスのぬくもりが離れていくのを寂しいと感じる。
サマンサは痛む体を動かし、振り向いた。
部屋の奥にリスの小さなベッドがあるのだ。
レジーが、そこにリスを寝かせている。
「あいつ、サムのことは気に入ったらしい」
「なぜかしら? なにもしていないのに」
レジーが、丸いイスに腰かけ、ベッドに両肘を置いた。
そのまま、両手で頬杖をつく。
めずらしく、少し困ったような顔をして笑っていた。
それは、苦笑いにも見える。
「自分が必要とされてるって思えるから」
「必要? どういうこと? リスは子供じゃない。必要かどうかなんて……」
言いかけて、ハッとした。
サマンサの心に、ふれたものがある。
胸が、きゅっと痛んだ。
「……リスは……親に愛されて、いないのね……」
「いらねぇ子だって思われてんのは確かだな。あいつは、ひとつのところで、育てられてない。俺にあずけられるのは、手に負えなくなった時だけなんだよ」
「そんな……まだ、あんなに小さいのよ? それに、とってもいい子じゃない」
なにもしなくても、愛される。
それが、子供という存在なのではないのか。
サマンサには、子供を愛さない親というものが想像できなかった。
なにも知らないリスに対して、あまりにも理不尽に思える。
「それに、あいつが人見知りなのは相手を読むからだ。頭が良過ぎて、自分がどう思われてるのか察しちまう。邪魔だとか面倒に思われてんのか、嫌われてんのか、そういうのが、わかるんだよ」
あの小さな体で、リスは、そういう理不尽に耐えているのだ。
想像して、涙がこぼれる。
(私が病気で……だから……自分でも必要としてもらえるって……思ったのね)
サマンサは手で涙をぬぐい、顔を上げた。
レジーを見て言う。
「早く良くなりたいわ。病気じゃなくても、リスにいてほしいって言いたいから」
サマンサは、ようやく体を動かせるほどに回復していた。
体の痛みに顔をしかめつつも、起き上がることはできている。
風邪のほうは治ったらしく、熱っぽさは引いた。
「あとは、節々の痛みね。どれだけ体をぶつけたのかしら」
思うほどには、あちこち痣だらけだ。
腕にも足にも、大小取り交ぜて散らばっている。
しかも、治りかけているものは黄色、治りの悪いものは紫と色とりどり。
川に流されたと知らなければ、流行り病にでも罹ったのかと疑いそうだ。
「……サム~、ご飯、食べられる……?」
リスが、扉から顔を覗かせる。
もうサマンサを見て泣いたりはしない。
あれから、いつも心配そうに、ベッドの周りをウロウロしていた。
横になっている彼女に水を運んでくれたりもする。
「ありがとう、リス。食べられそうよ」
リスは、顔を扉の向こうに向けた。
大きな声で言う。
「レジー! サム、ご飯、食べるって!」
「おー、今、持ってく」
「2人分!」
「あのなあ、そこは3人分だろうが」
レジーの言葉を無視し、リスが部屋に入ってきた。
ぴょんと、ベッドに飛び乗り、腰かけてくる。
サマンサが手を伸ばすと、リスは少し首をすくめた。
なぜかはわからないが、毎回、そういう仕草をする。
「あなたって、本当にいい子よね」
サマンサが頭を撫でると、リスがすくめていた首を伸ばした。
それから、サマンサを、じっと見つめる。
これも、よくあることだ。
リスは、しばしばサマンサのことを見つめてくる。
不思議そうな、少し戸惑ったような表情で。
人見知りだということだったので、大人に慣れていないのかもしれない。
そうも思うのだが、なにか違う気もした。
大人に、というより、サマンサを「不思議」に感じているような雰囲気がある。
(周りに女性がいなかった、とか? レジーは平民のようだし、きっとリスも平民の子よね。乳母なんていなかったのだわ)
両親は忙しいのだろう。
そのため、レジーに子供をあずけているに違いない。
サマンサは、そう判断していた。
とはいえ、自分の中に「平民」という意識があることに、戸惑いを覚える。
(……私は……平民ではないの……? 着ていた服は民服だったのに……?)
びしょ濡れになっていた服は、すっかり駄目になってしまった。
それでも、一応は、レジーが取っておいてくれたのだ。
破れがあまりにもひどくて、ボロきれのようになってはいたが、民服であるのは間違いなかった。
水に濡れたせいもあっただろうが、布の質自体がゴワついていて、高級とは言えない代物だ。
デザインもシンプルなものだったと想像できるくらい生地も少なかった。
破れていても、その程度は推測できる。
「サム~、まだ、ぼうっとしてる? 頭、痛い?」
声をかけられ、慌てて、リスに笑いかけた。
わからないものはわからないのだ。
無駄に「ぼうっと」して、リスを心配させたくない。
サマンサが、具合が悪そうにすると、リスは不安げな顔をする。
「頭は痛くないわ。お腹が減って、ご飯はまだかしらって思っていたの」
リスが、少しだけ笑った。
声をあげて笑うほどではないが、ここ数日のうちに、笑みを見せるようになったのだ。
「レジーが……ぼやぼやしてるから……」
「おい。俺は、いつだってシャキシャキしてるっての」
大きなトレイを両手に、レジーが入って来る。
食事は、3人分にしたらしい。
動けないため、昨日の昼まで、サマンサは1人で食事をとっていた。
3人になったのは、昨晩からだ。
「よっせっと」
トレイには脚がついていて、それを伸ばすと小さなテーブルのようになる。
サマンサの体の前に、それを置いて食べるのだ。
小さな手が、スプーンを掴む。
スープをすくい、軽く吹いてから、リスが、サマンサの口元に持ってきた。
サマンサは、にっこりして、それを口にする。
「リスが、ふうふうしてくれたから、熱くなかったわ」
リスは、少し照れたような顔をして、今度は、リス自身がスープを飲んだ。
昨夜、サマンサの給仕ばかりしようとするので「交互」を提案している。
それを、忠実に守っているのだろう。
小さな体で、一生懸命にサマンサの世話をしようとする姿が愛おしくなる。
(体の調子が良かったら、ぎゅってしてるわね)
今やると、痣が押され、悲鳴を上げそうだ。
サマンサが悲鳴なんて上げれば、リスを驚かせてしまう。
リスのかいがいしさに、早く本調子に戻りたいと思った。
レジーは、2人の様子を見て笑いながら、1人で食事を進めている。
「リス、俺の世話はしてくれねぇのか?」
「レジーのは、しない……病気じゃないし、男だから……」
「お前、その年で女を贔屓するなんて“どすけべ”まっしぐらだな」
「レジー! 子供の前では、民言葉もほどほどにして」
サマンサ自身、あれ?と思った。
思わず、レジーを叱ってしまったが、勝手に言葉が出た、というふうなのだ。
意図的に、言ったわけではない。
民言葉は、いわゆる俗語で、公的な言葉ではない、との知識がある。
「サム~……“どすけべ”って、なに?」
「え……あの……そういうのはレジーみたいな悪い大人が使う言葉だから、リスは覚えなくていいの」
「ふぅん……」
リスが、ちらっとレジーに視線を向けた。
レジーは、声を上げて笑う。
悪者にされても、少しも気分を害していないようだ。
とにかく、よく笑う男性だった。
正直で、率直に物を言う。
おかげで、サマンサも、あまり気を遣わずにいられた。
食事を終えると、リスが、小さな欠伸をする。
そのリスを残し、レジーは食事を片づけに行った。
体が動くようになったら、手伝いもしなければ、と思う。
自分は「客」ではないのだ。
(拾ってもらって、治療までしてもらっているのに、なにもしないままでいるのは落ち着かないわ。できることがあるのか、わからないけれど……)
記憶は戻らないが、会話をしている中で気づくこともある。
たとえば、自分が「平民」ではないらしい、ということとか。
もし同じ立場なら、相手を「平民」だのとは考えないはずだ。
乳母がいないのは当然で、思いつきもしなかっただろう。
つまり、サマンサは「乳母」の存在を知っていて、いるほうが「当然」であると考える立場だった。
そう推測するのが自然だ。
だとすれば、貴族だということになる。
民服を着ていたのが不自然ではあるが、それを言うなら、川に流されたことも、1人で辺境地にいることも不自然なのだ。
「あら……眠ってしまったのね」
リスが、サマンサの横で、くるんと丸くなっている。
その頭を、繰り返し撫でた。
やわらかなブルーグレイの髪が、手に心地いい。
そこに、レジーが戻ってくる。
「寝ちまったな」
「あ……」
「サムも安静にしてなきゃだろ?」
レジーがリスを抱きあげたので、つい手を伸ばしてしまったのだ。
リスのぬくもりが離れていくのを寂しいと感じる。
サマンサは痛む体を動かし、振り向いた。
部屋の奥にリスの小さなベッドがあるのだ。
レジーが、そこにリスを寝かせている。
「あいつ、サムのことは気に入ったらしい」
「なぜかしら? なにもしていないのに」
レジーが、丸いイスに腰かけ、ベッドに両肘を置いた。
そのまま、両手で頬杖をつく。
めずらしく、少し困ったような顔をして笑っていた。
それは、苦笑いにも見える。
「自分が必要とされてるって思えるから」
「必要? どういうこと? リスは子供じゃない。必要かどうかなんて……」
言いかけて、ハッとした。
サマンサの心に、ふれたものがある。
胸が、きゅっと痛んだ。
「……リスは……親に愛されて、いないのね……」
「いらねぇ子だって思われてんのは確かだな。あいつは、ひとつのところで、育てられてない。俺にあずけられるのは、手に負えなくなった時だけなんだよ」
「そんな……まだ、あんなに小さいのよ? それに、とってもいい子じゃない」
なにもしなくても、愛される。
それが、子供という存在なのではないのか。
サマンサには、子供を愛さない親というものが想像できなかった。
なにも知らないリスに対して、あまりにも理不尽に思える。
「それに、あいつが人見知りなのは相手を読むからだ。頭が良過ぎて、自分がどう思われてるのか察しちまう。邪魔だとか面倒に思われてんのか、嫌われてんのか、そういうのが、わかるんだよ」
あの小さな体で、リスは、そういう理不尽に耐えているのだ。
想像して、涙がこぼれる。
(私が病気で……だから……自分でも必要としてもらえるって……思ったのね)
サマンサは手で涙をぬぐい、顔を上げた。
レジーを見て言う。
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