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最終章 黒い羽と青のそら
夜会は苦手 1
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「サリー……これさぁ……」
「レティシア様好みの穏やかな、お色かと思いますが?」
「うん、確かに色は好みなんだけどね……」
色は、全体的にシックなグレー。
なのだけれども。
(ホルターネック……だよね……たぶん……)
現代日本風に表現すれば、おそらく「そのような」ものだ。
首の前から後ろに回して紐で結び、服を提げるような形。
それほどめずらしいものではなかったし、水着などでは、よく見かけるものでもある。
さりとて。
(いや、これ……ヒモ細過ぎない……っ?!)
もはや、糸。
少し力を入れて引っ張れば、簡単に切れるのは間違いない。
という、くらいに「ホルター」部分が細い。
しかも、前で2つに分かれているタイプではなく、2本の「糸」が、首元から、胸元に向かって、逆三角形を作っている。
レティシアイメージのホルターネックが、ハンドバッグの持ち手部分のような形だとすれば、これは、その逆なのだ。
そして、その「紐」の頂点から、今度は三角形に脇のほうへ、布が広がっているわけなのだが。
(てゆーか、ヘタしたら、横チ……やめとこう)
レティシアは「横乳」という言葉を自主規制。
前の世界の前の体形とは違い、今のレティシアは、見た目ほっそりだが、意外に胸はふくよかなのだ。
それを、さらに、上げたり寄せたりしているせいで、胸が「三角形」の布部分を外れ、脇からこぼれそうだった。
(伸縮性はあるみたいだから、動きにくいってことはないけど……)
腰から太腿まで、ピターッと布が張り付いている。
そこから、ふくらはぎに向かっては、ゆるやかな曲線で広がっていた。
ふくらはぎから下には、ふさふさした「羽っぽいもの」が、あしらわれている。
「こ、これさ……見えちゃったり、しないかな……?」
「編み上げ紐は、しっかりしていますから、ほどけたりいたしませんわ」
サリーは、鏡の中で、にっこりしていた。
そういうものなのかと思いつつも、不安は拭いきれない。
そう、最大の問題は、胸元なのだ。
胸の下あたりまで、V字に切れ込んでいて、編み上げになっている。
レースがあしらわれているとはいえ、所詮はレース。
スッケスケだった。
いくら編み上げの紐がしっかりしていると言われても、心もとなさ過ぎる。
(背中丸出しのほうが……大人しく感じるってさ……どうなんだろう……)
前回の「背中丸出し」のほうが露出度は高く、よほど布面積は少なかった。
が、今回のドレスは「お胸がぽろり」しそう感が強いのだ。
胸を見られるより、尻もとい臀部を見られるほうがマシ、と思えてしまう。
「夜会ですもの。ほかのご令嬢がたは、もっと派手に着飾ってこられますわ」
「そ、そうなんだ……」
確かに、ラウズワース公爵令嬢は、ただの訪問であったにもかかわらず、かなり派手な感じのドレスを身にまとっていた。
きっと夜会ともなれば、より派手なものになると言われても、納得はできる。
「レティシア様が、ほかのご令嬢がたに遅れを取るなど、あってはなりません」
「う、うん……」
「あまりに露骨なものや、下品なものはNGですけれど」
サリーは笑っているが、レティシアは笑えない。
あまりに露骨、だと、内心では思っていたからだ。
(下品ではないよ、下品では、ね……でも、胸を強調し過ぎな気が……)
レティシアがグルグルしている間にも、サリーは綺麗に髪を結いあげていく。
なにがどうなっているのか、さっぱりわからない。
あっという間に、首元がスカスカ。
おでこもくっきり。
髪の、ひと筋も落ちていない。
完全に編み上げられている。
(なんていうか……花輪……リースっぽくて、可愛いけどね……前髪ないのって、顔がはっきりするから、落ち着かないんだよなぁ)
しかし、サリーが頑張ってくれているのだ。
それに、自分で髪を結うこともできないのだし、文句の言える立場ではない。
これも「慣れ」だと諦める。
あとは、薄化粧をして、軽めの装飾品を身につけた。
軽めとはいえ、高額商品には違いない。
パチリと耳を挟む形のイヤリングは、花型をしている。。
花にデザインされた透明感のある宝石は、ダイヤモンドだろう。
現代日本だと、どのくらいの値段になるのか、想像もつかない。
なにしろレティシアは宝石には、まるで興味がなかったので。
(そんなに大きくなくて派手に見えない……って言ってもさあ! 落としたらって思うと、怖いじゃん!)
レティシアは、自分の家が、どのくらい金持ちなのか、知らなかった。
財産管理をしているのはグレイであり、任せきっている。
前の世界では預金残高を気にしていたが、それは生活のためだ。
ここでは、とくに意識しなくても生活できている。
グレイがネコババしたり、持ち逃げしたりする心配もしていない。
だから、財産については、なにも知らずにいた。
ただ、金持ちだからと言って、高額商品を道端に落としていいことにはならないのだ。
そこは、やはり庶民感覚が抜けていない。
「これで完璧ですわ、レティシア様」
「そ、そっかな……」
レティシアは立ち上がり、全身を鏡に映してみる。
ああ~…と、少し眩暈がした。
背中なら振り向かなけば意識を遠ざけてもいられるが、前面は、そうもいかないからだ。
「あとから、大公様もいらっしゃいますし、心配はないと思いますが、お気をつけくださいましね」
「あ、うん」
サリーの言葉に、はたとなる。
倒れそうになっている場合ではなかった。
これから行く夜会の招待主は「ウィリュアートン公爵家」の人なのだ。
「次男だっけ?」
「はい。トラヴィス・ウィリュアートン様は、あのかたの弟にあたられます」
あのかた、というのはレイモンドのことだった。
その弟から招待状が来たという。
「赤ちゃんのお披露目って、誰でもするの?」
「貴族は、たいてい行いますね」
現代日本では、身内で祝席を設けたりすることはある。
あとは、友達がお祝いを持って訪ねてきたりだとか。
けれど、大々的お披露目バーティをするとは、あまり聞かない。
レティシアの知らないセレブ世界ではあったのかもしれないけれど。
「はぁ……」
レティシアは、小さく溜め息をつく。
ちょっとだけ憂鬱な気分になっていた。
エスコート役がユージーンだから、ではない。
祖父が、一緒ではないからだ。
少し遅れて到着すると聞かされている。
祖父の夜会姿を見るのを、楽しみにしていたレティシアとしては、それが残念でならないのだ。
「遅れるといっても、それほど遅くはなられないと思いますわ」
「だと、いいなぁ。お祖父さまの夜会服って、貴重なんだもん」
「そうですね。大公様は、夜会を好まれませんから」
レティシアだって、夜会は苦手だったし、好きでもない。
見ず知らずの人に囲まれ、下手な愛想笑いを振りまき、気取った会話をするのは、性に合わなかった。
もっとも、貴族言葉を知らないレティシアは、気取ることすらも、まともにできないのだけれど。
「でも、今日の目的は、ユージーンに謝ることだしね」
「ほどほどでよろしいかと」
サリーの言う意味は、わかる。
深追いすると、逆効果になる恐れがあるのだ。
気まずさを解消する程度に、ということだろう。
「うまく言えればいいんだけどね」
「あまり考えず、いつも通りになさるのが、よろしいのではないでしょうか」
「そっか。うん、そうできるように頑張ってみるよ」
サリーに促され、扉に向かった。
少し緊張する。
ユージーンは、まだ怒っているだろうか。
「大丈夫ですよ。怒っていれば、あの人のことですから、エスコート役なんて引き受けたりはしません」
それもそうかと思うと、緊張がほぐれた。
サリーに、笑ってみせる。
「ありがと、サリー。落ち着いてきたよ」
サリーも、にっこりしていた。
そして、扉を開けてくれる。
「どういたしまして」
「レティシア様好みの穏やかな、お色かと思いますが?」
「うん、確かに色は好みなんだけどね……」
色は、全体的にシックなグレー。
なのだけれども。
(ホルターネック……だよね……たぶん……)
現代日本風に表現すれば、おそらく「そのような」ものだ。
首の前から後ろに回して紐で結び、服を提げるような形。
それほどめずらしいものではなかったし、水着などでは、よく見かけるものでもある。
さりとて。
(いや、これ……ヒモ細過ぎない……っ?!)
もはや、糸。
少し力を入れて引っ張れば、簡単に切れるのは間違いない。
という、くらいに「ホルター」部分が細い。
しかも、前で2つに分かれているタイプではなく、2本の「糸」が、首元から、胸元に向かって、逆三角形を作っている。
レティシアイメージのホルターネックが、ハンドバッグの持ち手部分のような形だとすれば、これは、その逆なのだ。
そして、その「紐」の頂点から、今度は三角形に脇のほうへ、布が広がっているわけなのだが。
(てゆーか、ヘタしたら、横チ……やめとこう)
レティシアは「横乳」という言葉を自主規制。
前の世界の前の体形とは違い、今のレティシアは、見た目ほっそりだが、意外に胸はふくよかなのだ。
それを、さらに、上げたり寄せたりしているせいで、胸が「三角形」の布部分を外れ、脇からこぼれそうだった。
(伸縮性はあるみたいだから、動きにくいってことはないけど……)
腰から太腿まで、ピターッと布が張り付いている。
そこから、ふくらはぎに向かっては、ゆるやかな曲線で広がっていた。
ふくらはぎから下には、ふさふさした「羽っぽいもの」が、あしらわれている。
「こ、これさ……見えちゃったり、しないかな……?」
「編み上げ紐は、しっかりしていますから、ほどけたりいたしませんわ」
サリーは、鏡の中で、にっこりしていた。
そういうものなのかと思いつつも、不安は拭いきれない。
そう、最大の問題は、胸元なのだ。
胸の下あたりまで、V字に切れ込んでいて、編み上げになっている。
レースがあしらわれているとはいえ、所詮はレース。
スッケスケだった。
いくら編み上げの紐がしっかりしていると言われても、心もとなさ過ぎる。
(背中丸出しのほうが……大人しく感じるってさ……どうなんだろう……)
前回の「背中丸出し」のほうが露出度は高く、よほど布面積は少なかった。
が、今回のドレスは「お胸がぽろり」しそう感が強いのだ。
胸を見られるより、尻もとい臀部を見られるほうがマシ、と思えてしまう。
「夜会ですもの。ほかのご令嬢がたは、もっと派手に着飾ってこられますわ」
「そ、そうなんだ……」
確かに、ラウズワース公爵令嬢は、ただの訪問であったにもかかわらず、かなり派手な感じのドレスを身にまとっていた。
きっと夜会ともなれば、より派手なものになると言われても、納得はできる。
「レティシア様が、ほかのご令嬢がたに遅れを取るなど、あってはなりません」
「う、うん……」
「あまりに露骨なものや、下品なものはNGですけれど」
サリーは笑っているが、レティシアは笑えない。
あまりに露骨、だと、内心では思っていたからだ。
(下品ではないよ、下品では、ね……でも、胸を強調し過ぎな気が……)
レティシアがグルグルしている間にも、サリーは綺麗に髪を結いあげていく。
なにがどうなっているのか、さっぱりわからない。
あっという間に、首元がスカスカ。
おでこもくっきり。
髪の、ひと筋も落ちていない。
完全に編み上げられている。
(なんていうか……花輪……リースっぽくて、可愛いけどね……前髪ないのって、顔がはっきりするから、落ち着かないんだよなぁ)
しかし、サリーが頑張ってくれているのだ。
それに、自分で髪を結うこともできないのだし、文句の言える立場ではない。
これも「慣れ」だと諦める。
あとは、薄化粧をして、軽めの装飾品を身につけた。
軽めとはいえ、高額商品には違いない。
パチリと耳を挟む形のイヤリングは、花型をしている。。
花にデザインされた透明感のある宝石は、ダイヤモンドだろう。
現代日本だと、どのくらいの値段になるのか、想像もつかない。
なにしろレティシアは宝石には、まるで興味がなかったので。
(そんなに大きくなくて派手に見えない……って言ってもさあ! 落としたらって思うと、怖いじゃん!)
レティシアは、自分の家が、どのくらい金持ちなのか、知らなかった。
財産管理をしているのはグレイであり、任せきっている。
前の世界では預金残高を気にしていたが、それは生活のためだ。
ここでは、とくに意識しなくても生活できている。
グレイがネコババしたり、持ち逃げしたりする心配もしていない。
だから、財産については、なにも知らずにいた。
ただ、金持ちだからと言って、高額商品を道端に落としていいことにはならないのだ。
そこは、やはり庶民感覚が抜けていない。
「これで完璧ですわ、レティシア様」
「そ、そっかな……」
レティシアは立ち上がり、全身を鏡に映してみる。
ああ~…と、少し眩暈がした。
背中なら振り向かなけば意識を遠ざけてもいられるが、前面は、そうもいかないからだ。
「あとから、大公様もいらっしゃいますし、心配はないと思いますが、お気をつけくださいましね」
「あ、うん」
サリーの言葉に、はたとなる。
倒れそうになっている場合ではなかった。
これから行く夜会の招待主は「ウィリュアートン公爵家」の人なのだ。
「次男だっけ?」
「はい。トラヴィス・ウィリュアートン様は、あのかたの弟にあたられます」
あのかた、というのはレイモンドのことだった。
その弟から招待状が来たという。
「赤ちゃんのお披露目って、誰でもするの?」
「貴族は、たいてい行いますね」
現代日本では、身内で祝席を設けたりすることはある。
あとは、友達がお祝いを持って訪ねてきたりだとか。
けれど、大々的お披露目バーティをするとは、あまり聞かない。
レティシアの知らないセレブ世界ではあったのかもしれないけれど。
「はぁ……」
レティシアは、小さく溜め息をつく。
ちょっとだけ憂鬱な気分になっていた。
エスコート役がユージーンだから、ではない。
祖父が、一緒ではないからだ。
少し遅れて到着すると聞かされている。
祖父の夜会姿を見るのを、楽しみにしていたレティシアとしては、それが残念でならないのだ。
「遅れるといっても、それほど遅くはなられないと思いますわ」
「だと、いいなぁ。お祖父さまの夜会服って、貴重なんだもん」
「そうですね。大公様は、夜会を好まれませんから」
レティシアだって、夜会は苦手だったし、好きでもない。
見ず知らずの人に囲まれ、下手な愛想笑いを振りまき、気取った会話をするのは、性に合わなかった。
もっとも、貴族言葉を知らないレティシアは、気取ることすらも、まともにできないのだけれど。
「でも、今日の目的は、ユージーンに謝ることだしね」
「ほどほどでよろしいかと」
サリーの言う意味は、わかる。
深追いすると、逆効果になる恐れがあるのだ。
気まずさを解消する程度に、ということだろう。
「うまく言えればいいんだけどね」
「あまり考えず、いつも通りになさるのが、よろしいのではないでしょうか」
「そっか。うん、そうできるように頑張ってみるよ」
サリーに促され、扉に向かった。
少し緊張する。
ユージーンは、まだ怒っているだろうか。
「大丈夫ですよ。怒っていれば、あの人のことですから、エスコート役なんて引き受けたりはしません」
それもそうかと思うと、緊張がほぐれた。
サリーに、笑ってみせる。
「ありがと、サリー。落ち着いてきたよ」
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