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前編
同情と信念と 4
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ディエゴ・ガルチェナ。
それが、自分に与えられた名だ。
カーリーが、人の形を取った「葉」に名をつける。
つい最近までは「ディエゴ」だったのだけれども。
褐色の肌に、銀色の短い髪と同じ色の瞳。
胸元がざっくり開いた赤い織物の膝丈シャツと、ゆったりとした黒いズボン。
素肌を隠さない編み上げの茶色い靴。
ひと目でリセリア人ではないとわかる男。
それが自分だ。
「ディエゴ・ガルチェナにございます」
カーリーが、その名を口にする。
伯爵は、夫人に視線を向けて言った。
「この男は、ある領地の領主となる。最近、領主の座に空きができたのでな」
カーリーは伯爵との繋がりが強いので、意思も悟ることができた。
だが、ディエゴは「葉」だ。
共有される感覚は「枝」よりも弱く、話し言葉でのやりとりでしか伯爵と意思疎通はできない。
(なぁ、カーリー、オレはなにすんだ?)
(元カーズデン男爵領の領主)
(それだけ?)
(アナスタシア・ヴァルガーが快適に過ごせるように気遣うこと)
(ヴァルガーってのは、伯爵様の友軍を買って出て、辺境地に吹っ飛ばされた奴だったよな。そっか、伯爵様は借りを返しときてぇんだな)
経験はともかく、情報だけは「枝」を介して「葉」にも、もたらされる。
とはいえ、限られたものであり、ほとんど伯爵にまつわることだった。
例外は、ファニー。
現在、人の形を成した「葉」で、彼女を知らないものはいない。
つい最近、伯爵が目覚めるまで、彼らの拠り所となっていた。
実際に会ったこともない伯爵のことを語る彼女に、自分たちを重ねていたのだ。
伯爵の闇から生じたにもかかわらず、カーリーと古い「枝」たち以外、伯爵とは会ったことがないものばかり。
なので、ファニーが語っている様子を見ることだけが楽しみだったと言える。
情報として伝達されるものと、感情の混じった話とでは、内容が同じであったとしても伝わってくるものが違うのだ。
「ディエゴ・ガルチェナ」
伯爵に声を掛けられ、気分が高揚するのを感じた。
姿を目にしたのも初めてなら、直接に会話をするのも初めてなのだ。
ディエゴは「人並み」に、緊張している。
「お前に男爵位を与える。今をもって、お前はガルチェナ男爵となったのだ」
「ありがたき幸せ」
大仰に胸に手をあて、頭を下げた。
実を言うと、堅苦しい言葉遣いは苦手。
使い慣れていないので、長持ちしそうにない。
「堅苦しくすることはない。いつも通りに話せ」
カーリーから伯爵に伝わったのか、伯爵自身が察したのかはわからないが、ディエゴの内心を見透かしたように伯爵が、そう言った。
途端、気持ちが楽になる。
ひょいっと肩をすくめてからテーブルに近づき、伯爵の横に立った。
(ファニー様が、オレを見てる。いつもこっちから見てるばっかりだったから、なんか不思議な感じだよな)
(おい、ディエゴ。俺がいないからって、勝手するなよ)
(わかってるよ、カッツ)
カッツは「枝」であり、今は西方諸国にいる。
西方諸国は、群島にある小国をまとめた呼びかただ。
近い距離とはいえ、それぞれ島になっているので、カッツは常に動き回っていた。
そのため、ディエゴには、具体的な居所まではわからない。
(近くにいてもいなくても、小言を言われんのかよ)
(言われるようなことをしているんだろう)
今度は、ムスタファだ。
古い「枝」は、カーリーと「葉」のやりとりが自然に伝わる。
結果、あちこちからガミガミ言われるはめになる。
「ディエゴ、お前には元カーズデン男爵領を与える。領主として領地を正しく導き、守れ」
「わかった。でも、男爵家自体は?」
領地管理は、民の統率がメインの仕事となる。
そこは経験があるので実行するのに不安はない。
だが、爵位を持つのは初めてだ。
貴族暮らしがどういうものかは、よく知らずにいた。
「それは、ここにいるアナスタシア・ヴァルガーに任せる」
ファニーの正面に座っている女に視線を向ける。
へえ、と思った。
リセリアの貴族ではめずらしく、濁りのない瞳をしている。
白金の髪と水色の瞳のアナスタシア・ヴァルガーに、笑みを浮かべて言った。
「そんじゃ、任せたぜ、ステイシー」
これから領地で一緒に暮らすことになる。
長い名は呼びにくいし、面倒だ。
と思っただけなのだが「ステイシー」は明らかに動揺していた。
視線をディエゴからパッと外し、伯爵に向けている。
「伯爵様、それはどういうことにございましょう……?」
「言った通りだ。夫人には男爵家の女主人となってもらう」
「で、ですが、私は夫のある身にございます」
「今は、な。まぁ、遅くとも1ヶ月後には婚姻の解消が成立する。何も問題はない」
ディエゴは、そもそもの問題が理解できていなかった。
今ここに「夫」がいるわけでなし、口を挟まれる心配はないのだ。
「あの、伯爵様……それって、公爵夫人が、この人に嫁ぐってことですか?」
ファニーが恐る恐るといった様子で、伯爵に訊いている。
貴族とは、そういうものなのかと、ディエゴは首をかしげた。
(貴族の男と女が一緒に暮らすってのは、夫婦になるってことなのか?)
(必ずしも、そうとは限りません。外聞の問題だと理解しておきなさい)
答えたのは、カーリーだ。
ムスタファもカッツも、ほかの「枝」も黙っている。
こと「男女の関係」となると、現実的なことは知らないらしかった。
(外聞ねえ。よくわかんねぇけど、ステイシーの評判が悪くなるんだな? じゃあ、オレとステイシーが夫婦になれば解決か?)
(そう簡単なことではなく、相手の気持ちも考えるように)
(なに、それ。オレの種が気にいらねぇって話?)
(……気持ちの問題だと言いましたよ、ディエゴ)
訊いても、ディエゴは理解できずにいる。
カーリーの話は難し過ぎるのだ。
「ご心配なく。男爵夫人になれと言っているのではありません。領主の補佐役として雇い入れるということです。この通り、ディエゴに男爵家を切り盛りする能力はありませんからね」
「そういうことでしたか。安心しました」
ファニーがホッとしたように笑顔を見せた。
伯爵は喜んでいるようだ。
ほんのりと伯爵の感覚が、ディエゴにも伝わってくる。
「ヴァルガー侯爵令嬢は、公爵夫人となるべく教育を受けたはずだ。男爵家を取りまとめるくらいはできるだろう?」
伯爵に訊かれた「ステイシー」は、しばしの間のあと、うなずいた。
どうやら男爵家の補佐役になる覚悟を決めたようだ。
「だが、今いる使用人は元カーズデン男爵家の者たちだ。何人か味方を用意しておいたほうが良さそうだな。カーリー」
「執事にはメンドーザ、メイド長にライラをおつけいたします」
ふぅん、とディエゴは思う。
メンドーザもライラも「葉」の中では、古いほうだった。
つまり、元カーズデン男爵家の使用人たちは、それほど厄介なのだ。
「なんかあったら、オレに言え。お前を守るのも、オレの仕事だからな。お前が認めねぇことはオレも認めねぇし、お前が認めることなら、オレも認める。だから、強気でいけよ、ステイシー」
「か、かしこまりました。ガルチェナ男爵様」
「ディエゴでいい。堅苦しいのは駄目なんだ、オレ」
そう言って笑ったディエゴに、つられたようにファニーが笑う。
ファニーの笑い声が明るかったからか、「ステイシー」もようやく笑みを浮かべた。
それが、自分に与えられた名だ。
カーリーが、人の形を取った「葉」に名をつける。
つい最近までは「ディエゴ」だったのだけれども。
褐色の肌に、銀色の短い髪と同じ色の瞳。
胸元がざっくり開いた赤い織物の膝丈シャツと、ゆったりとした黒いズボン。
素肌を隠さない編み上げの茶色い靴。
ひと目でリセリア人ではないとわかる男。
それが自分だ。
「ディエゴ・ガルチェナにございます」
カーリーが、その名を口にする。
伯爵は、夫人に視線を向けて言った。
「この男は、ある領地の領主となる。最近、領主の座に空きができたのでな」
カーリーは伯爵との繋がりが強いので、意思も悟ることができた。
だが、ディエゴは「葉」だ。
共有される感覚は「枝」よりも弱く、話し言葉でのやりとりでしか伯爵と意思疎通はできない。
(なぁ、カーリー、オレはなにすんだ?)
(元カーズデン男爵領の領主)
(それだけ?)
(アナスタシア・ヴァルガーが快適に過ごせるように気遣うこと)
(ヴァルガーってのは、伯爵様の友軍を買って出て、辺境地に吹っ飛ばされた奴だったよな。そっか、伯爵様は借りを返しときてぇんだな)
経験はともかく、情報だけは「枝」を介して「葉」にも、もたらされる。
とはいえ、限られたものであり、ほとんど伯爵にまつわることだった。
例外は、ファニー。
現在、人の形を成した「葉」で、彼女を知らないものはいない。
つい最近、伯爵が目覚めるまで、彼らの拠り所となっていた。
実際に会ったこともない伯爵のことを語る彼女に、自分たちを重ねていたのだ。
伯爵の闇から生じたにもかかわらず、カーリーと古い「枝」たち以外、伯爵とは会ったことがないものばかり。
なので、ファニーが語っている様子を見ることだけが楽しみだったと言える。
情報として伝達されるものと、感情の混じった話とでは、内容が同じであったとしても伝わってくるものが違うのだ。
「ディエゴ・ガルチェナ」
伯爵に声を掛けられ、気分が高揚するのを感じた。
姿を目にしたのも初めてなら、直接に会話をするのも初めてなのだ。
ディエゴは「人並み」に、緊張している。
「お前に男爵位を与える。今をもって、お前はガルチェナ男爵となったのだ」
「ありがたき幸せ」
大仰に胸に手をあて、頭を下げた。
実を言うと、堅苦しい言葉遣いは苦手。
使い慣れていないので、長持ちしそうにない。
「堅苦しくすることはない。いつも通りに話せ」
カーリーから伯爵に伝わったのか、伯爵自身が察したのかはわからないが、ディエゴの内心を見透かしたように伯爵が、そう言った。
途端、気持ちが楽になる。
ひょいっと肩をすくめてからテーブルに近づき、伯爵の横に立った。
(ファニー様が、オレを見てる。いつもこっちから見てるばっかりだったから、なんか不思議な感じだよな)
(おい、ディエゴ。俺がいないからって、勝手するなよ)
(わかってるよ、カッツ)
カッツは「枝」であり、今は西方諸国にいる。
西方諸国は、群島にある小国をまとめた呼びかただ。
近い距離とはいえ、それぞれ島になっているので、カッツは常に動き回っていた。
そのため、ディエゴには、具体的な居所まではわからない。
(近くにいてもいなくても、小言を言われんのかよ)
(言われるようなことをしているんだろう)
今度は、ムスタファだ。
古い「枝」は、カーリーと「葉」のやりとりが自然に伝わる。
結果、あちこちからガミガミ言われるはめになる。
「ディエゴ、お前には元カーズデン男爵領を与える。領主として領地を正しく導き、守れ」
「わかった。でも、男爵家自体は?」
領地管理は、民の統率がメインの仕事となる。
そこは経験があるので実行するのに不安はない。
だが、爵位を持つのは初めてだ。
貴族暮らしがどういうものかは、よく知らずにいた。
「それは、ここにいるアナスタシア・ヴァルガーに任せる」
ファニーの正面に座っている女に視線を向ける。
へえ、と思った。
リセリアの貴族ではめずらしく、濁りのない瞳をしている。
白金の髪と水色の瞳のアナスタシア・ヴァルガーに、笑みを浮かべて言った。
「そんじゃ、任せたぜ、ステイシー」
これから領地で一緒に暮らすことになる。
長い名は呼びにくいし、面倒だ。
と思っただけなのだが「ステイシー」は明らかに動揺していた。
視線をディエゴからパッと外し、伯爵に向けている。
「伯爵様、それはどういうことにございましょう……?」
「言った通りだ。夫人には男爵家の女主人となってもらう」
「で、ですが、私は夫のある身にございます」
「今は、な。まぁ、遅くとも1ヶ月後には婚姻の解消が成立する。何も問題はない」
ディエゴは、そもそもの問題が理解できていなかった。
今ここに「夫」がいるわけでなし、口を挟まれる心配はないのだ。
「あの、伯爵様……それって、公爵夫人が、この人に嫁ぐってことですか?」
ファニーが恐る恐るといった様子で、伯爵に訊いている。
貴族とは、そういうものなのかと、ディエゴは首をかしげた。
(貴族の男と女が一緒に暮らすってのは、夫婦になるってことなのか?)
(必ずしも、そうとは限りません。外聞の問題だと理解しておきなさい)
答えたのは、カーリーだ。
ムスタファもカッツも、ほかの「枝」も黙っている。
こと「男女の関係」となると、現実的なことは知らないらしかった。
(外聞ねえ。よくわかんねぇけど、ステイシーの評判が悪くなるんだな? じゃあ、オレとステイシーが夫婦になれば解決か?)
(そう簡単なことではなく、相手の気持ちも考えるように)
(なに、それ。オレの種が気にいらねぇって話?)
(……気持ちの問題だと言いましたよ、ディエゴ)
訊いても、ディエゴは理解できずにいる。
カーリーの話は難し過ぎるのだ。
「ご心配なく。男爵夫人になれと言っているのではありません。領主の補佐役として雇い入れるということです。この通り、ディエゴに男爵家を切り盛りする能力はありませんからね」
「そういうことでしたか。安心しました」
ファニーがホッとしたように笑顔を見せた。
伯爵は喜んでいるようだ。
ほんのりと伯爵の感覚が、ディエゴにも伝わってくる。
「ヴァルガー侯爵令嬢は、公爵夫人となるべく教育を受けたはずだ。男爵家を取りまとめるくらいはできるだろう?」
伯爵に訊かれた「ステイシー」は、しばしの間のあと、うなずいた。
どうやら男爵家の補佐役になる覚悟を決めたようだ。
「だが、今いる使用人は元カーズデン男爵家の者たちだ。何人か味方を用意しておいたほうが良さそうだな。カーリー」
「執事にはメンドーザ、メイド長にライラをおつけいたします」
ふぅん、とディエゴは思う。
メンドーザもライラも「葉」の中では、古いほうだった。
つまり、元カーズデン男爵家の使用人たちは、それほど厄介なのだ。
「なんかあったら、オレに言え。お前を守るのも、オレの仕事だからな。お前が認めねぇことはオレも認めねぇし、お前が認めることなら、オレも認める。だから、強気でいけよ、ステイシー」
「か、かしこまりました。ガルチェナ男爵様」
「ディエゴでいい。堅苦しいのは駄目なんだ、オレ」
そう言って笑ったディエゴに、つられたようにファニーが笑う。
ファニーの笑い声が明るかったからか、「ステイシー」もようやく笑みを浮かべた。
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