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貴哉
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「噂、無くならないね」
すぐに無くなると思っていた噂は季節がいくつか変わっても無くならず、具体的な日にちまで囁かれるようになっていく。
噂は噂であって現実にそんなことが起こるわけがないと笑っていたはずの紗凪は時折不安そうな顔を見せるようになったけれど、派遣社員であるせいか仕事がなかなか決まらないことに不安を感じているだけだと思っていた。
この時、その不安な顔の理由に気付いていたら何かが違っていたのだろうか…。
『世界は終わりを告げます』
そんな噂が流れ始めたのは随分前のこと。正直なところはじめは全く信じていなかったし、定期的に囁かれる所謂【都市伝説】と言われるものだと思っていた。
噂が流れ出してすぐに「その時は最後まで一緒にいよう」と言った気持ちは嘘じゃない。
その噂を信じていたわけではないけれど、紗凪がそれを望むなら最後の瞬間には一緒にいようと思っていた。
《こんなことなら、世界が終わるって知ってたら貴哉と別れなかったのに》
だけど、久しぶりに入ったメッセージがその気持ちを薄れさせていったのは…きっと必然。
⌘⌘⌘
元婚約者の紗羅とはその関係が終わった後も折に触れて連絡は取っていた。と言っても年始の挨拶や互いの誕生日のお祝い、共通の友人の話題など、その関係は離れもせず近付きもせず、知り合いというには近いけれど友人というには関係が薄く、それでも縁を切ることはできない曖昧な関係。
婚約してから念の為にと受けたブライダルチェックで自分の男性不妊を知った時には衝撃を受けた。男性不妊と言っても妊娠の可能性が全く無いわけではない、という考えもしなかった検査結果。それは自然妊娠は無理だけど治療をすれば妊娠の可能性はある、というものだった。
もしも原因が紗羅にあれば自分はその治療にとことん付き合っただろう。だけど逆の立場である紗羅がその道を選ぶことは無かった。
「ごめんなさい」
その言葉にはきっといろいろな意味が込められていたのだろう。
結婚できなくてごめんなさい。
一緒に頑張れなくてごめんなさい。
諦めてしまってごめんなさい。
小さなごめんなさいを含めたら俺に対して何度謝ったのか分からない数の謝罪。
「紗凪が跡を取ると言ってくれたら貴哉を選べたのに」
そう言って泣いた紗羅は歳の離れた弟には家を継ぐ意思が無く、自分が婿を取り後継者を産む必要があると目を伏せる。そして、そのためには【妊娠の可能性が無いわけじゃない】という消極的な理由で俺を選ぶことはできないと言われてしまいそれ以上、どうすることもできなかった。
地方の所謂【名家】と呼ばれる家で育った紗羅は学生の頃からいずれば地元に帰って家を継ぐと言っていたからその望みは絶対だったのだろう。ごく普通の家庭で育った俺には家を継ぐという感覚が分からなかったし、三兄弟の次男だったせいで婿入りすると話しても反対されることは無かった。
『別に継ぐものもないし、姓だって3人とも婿養子に行くことなんてないだろうし』その程度の感覚。そんな感覚だったから【家を継いで子孫を残す】という紗羅に同調したわけじゃない。
家を継ぐことを諦めて自分を選んで欲しいと思ったのも本音だ。
だけど紗羅にとってその価値観が大切ならば仕方ないと諦めるしかなかった。
自分が男性不妊だと知り、自分が頑張れば何とかなるのなら治療をしようとも考えたけれど、不妊治療は女性の身体への負担が大きいと知り、紗羅の意思を尊重することを選んだのは彼女のことを本当に大切に思っていたから。
紗羅が辛い思いをすることがわかっていて、それでも俺を選んで、俺の子どもを産んで欲しいとは言えなかった。
俺にできることは紗羅の幸せを願い、身を引くことだけだった。
ここで自分を選んでくれなかった紗羅を諦めて縁を切っていればもっと違う未来を選べていたのかもしれない。それなのに本当は自分を選びたかったと取れる言葉を溢した紗羅への想いを捨てることができず、もしかしたら一緒に過ごすことのできる未来があるのかもしれない、そんな一縷の望みを捨て切ることができなかったのは俺の狡さと弱さだったのだろう。
だから、紗羅からのメッセージを受け取った時に感じたのは純粋な喜び。
そして気付く自分の狡さ。
諦めきれない紗羅への想いの代替えのように紗凪を手に入れたけれど、本物に触れることができるのなら偽物に用はない。目の前にいる偽物に対して興味を失うのなんて直ぐだった。
《こんなことなら、世界が終わるって知ってたら貴哉と別れなかったのに》
俺に対する想いなんて無くなったと諦めたのに、それなのにそれが残っていたとも受け取れるメッセージ。
〈どうしたの、急に〉
逸る気持ちを抑えて感情を出すことなくメッセージを返す。
《だって、家を継いで、子どもを産んで、この先もずっと続くと思ってたのに》
《それなのに終わっちゃうなら跡を継いだ意味も、子どもを産んだ意味も無かったってことでしょ?》
その言葉に引っ掛かりを覚えなかったわけじゃない。よくよく考えれば自分本位で最低な言葉なのに、その時の俺は自分への想いが無くなったわけじゃないと知ったことで喜びを感じてしまった。
〈本当にどうしたの?〉
〈何かあった?〉
当然だけどこの時、紗凪は同じ部屋で同じ時間を過ごしていた。
普段からあまり口数の多くない紗凪は今日もスマホを見て眉間に皺を寄せている。持ち物を増やしたくないからと紙の本を買わず電子書籍で済ます紗凪は今日も物語の世界に入り込んでいるのだろう。
普段なら自分を無視して物語に熱中することが面白くないのだけれど、今日は俺が何をしていても気にしないその態度がありがたい。
紗羅からのメッセージに動揺していたけれど、それに気付かれることもなく、詮索されることもない無関心さが有り難かった。
同じ部屋で一緒に過ごしている紗凪に対して紗羅と連絡を取る行為に罪悪感なんて感じることは無かった。だって紗凪は紗羅の身代わりでしかないのだから。
《私の不安を察してくれないの》
《世界が終わるはずなんてないって》
《不安だから一緒にいたいって、そばにいて欲しいって言ってるのに》
送られてくるメッセージを理解しようと思うものの、一方的なその内容の意図が掴めず返信に困ってしまう。
《仕事があるから仕方ないって、お母さんといても楽しくないって》
《貴哉を諦めて手に入れたのに、私よりも仕事や友達がいいって》
《こんなことなら選ばなければよかった》
《世界が終わるなら、家を選ばずに貴哉を選べばよかった》
世界が終わるという噂を信じ、精神の均衡を崩し始めていたのかもしれない。
《お父さんもお母さんも大丈夫しか言わないし、終わるならみんな一緒に終わるはずだから、いつもと同じように過ごせばいいって》
紗羅が不安に思う気持ちに気付くことのない紗凪を見ると違う本を読んでいるのか、それとも展開が変わったのか、その表情は微笑んで見える。
その顔を見て感じたのは苛立ちだった。紗羅が苦しんでいるのに呑気に本を読んでいる紗凪に嫌悪した。
紗羅の身代わりなのだから、紗羅の苦しみは紗凪が代わりに受け止めるべきなのに。
〈紗羅、落ち着いて〉
〈分かったから〉
〈世界が終わるとか、本当なのかどうかは分からないけど、俺がついてるから〉
無責任な言葉だけど、側にいられなくても寄り添いたいと思った。
〈側にいてあげることはできないけど、話くらいは聞いてあげられるから〉
〈いつでも連絡して〉
《でも、貴哉だって彼女いるんでしょ?》
前に《彼女できた?》と聞かれた時にできたと答えたことを覚えていたのだろう。その相手は紗凪だったのだけど、紗羅の代わりに紗凪と付き合うことにしただなんて当然伝えることはできなかった。俺に彼女ができたと知って少しくらいは嫉妬してくれるかもしれないと思い告げた言葉だったけれど、今はその行動を少しだけ後悔している。
紗凪がいなければ今すぐ電話を繋ぎ、メッセージなんかではなくて言葉で慰めることができるのに、と。
〈いるけど、紗羅のことは特別だから〉
〈放っておくことなんてできない〉
頼りにされること、俺のことを気にすることが嬉しくて気持ちは完全に紗羅に向いていた。紗凪だってこの噂を気にしていたし、紗凪だって最後の時には一緒にいようと言っていたのに、それなのにそんな紗凪の言葉は俺の中では取るに足りない言葉になってしまった。
〈少し話せる?〉
《大丈夫》
送られたメッセージを確認してもう一度紗凪の様子を伺えば、今度はまた眉間に皺を寄せている。紗羅の異変にも俺の異変にも気付かないその様子に「ちょっと仕事の電話してくるから」と返事を待たずに寝室に向かう。普段から仕事の関係で寝室で電話をすることはあったから疑われることはないはずだ。
寝室に入り紗羅の番号を呼び出す。
以前は短縮ダイアルに登録してあったけれど、メッセージを交わすことはあっても電話をすることは無かったから解除してしまった。その事に離れていた時間を感じるけれど、ここからまた距離を縮めていけばいい。
すぐに無くなると思っていた噂は季節がいくつか変わっても無くならず、具体的な日にちまで囁かれるようになっていく。
噂は噂であって現実にそんなことが起こるわけがないと笑っていたはずの紗凪は時折不安そうな顔を見せるようになったけれど、派遣社員であるせいか仕事がなかなか決まらないことに不安を感じているだけだと思っていた。
この時、その不安な顔の理由に気付いていたら何かが違っていたのだろうか…。
『世界は終わりを告げます』
そんな噂が流れ始めたのは随分前のこと。正直なところはじめは全く信じていなかったし、定期的に囁かれる所謂【都市伝説】と言われるものだと思っていた。
噂が流れ出してすぐに「その時は最後まで一緒にいよう」と言った気持ちは嘘じゃない。
その噂を信じていたわけではないけれど、紗凪がそれを望むなら最後の瞬間には一緒にいようと思っていた。
《こんなことなら、世界が終わるって知ってたら貴哉と別れなかったのに》
だけど、久しぶりに入ったメッセージがその気持ちを薄れさせていったのは…きっと必然。
⌘⌘⌘
元婚約者の紗羅とはその関係が終わった後も折に触れて連絡は取っていた。と言っても年始の挨拶や互いの誕生日のお祝い、共通の友人の話題など、その関係は離れもせず近付きもせず、知り合いというには近いけれど友人というには関係が薄く、それでも縁を切ることはできない曖昧な関係。
婚約してから念の為にと受けたブライダルチェックで自分の男性不妊を知った時には衝撃を受けた。男性不妊と言っても妊娠の可能性が全く無いわけではない、という考えもしなかった検査結果。それは自然妊娠は無理だけど治療をすれば妊娠の可能性はある、というものだった。
もしも原因が紗羅にあれば自分はその治療にとことん付き合っただろう。だけど逆の立場である紗羅がその道を選ぶことは無かった。
「ごめんなさい」
その言葉にはきっといろいろな意味が込められていたのだろう。
結婚できなくてごめんなさい。
一緒に頑張れなくてごめんなさい。
諦めてしまってごめんなさい。
小さなごめんなさいを含めたら俺に対して何度謝ったのか分からない数の謝罪。
「紗凪が跡を取ると言ってくれたら貴哉を選べたのに」
そう言って泣いた紗羅は歳の離れた弟には家を継ぐ意思が無く、自分が婿を取り後継者を産む必要があると目を伏せる。そして、そのためには【妊娠の可能性が無いわけじゃない】という消極的な理由で俺を選ぶことはできないと言われてしまいそれ以上、どうすることもできなかった。
地方の所謂【名家】と呼ばれる家で育った紗羅は学生の頃からいずれば地元に帰って家を継ぐと言っていたからその望みは絶対だったのだろう。ごく普通の家庭で育った俺には家を継ぐという感覚が分からなかったし、三兄弟の次男だったせいで婿入りすると話しても反対されることは無かった。
『別に継ぐものもないし、姓だって3人とも婿養子に行くことなんてないだろうし』その程度の感覚。そんな感覚だったから【家を継いで子孫を残す】という紗羅に同調したわけじゃない。
家を継ぐことを諦めて自分を選んで欲しいと思ったのも本音だ。
だけど紗羅にとってその価値観が大切ならば仕方ないと諦めるしかなかった。
自分が男性不妊だと知り、自分が頑張れば何とかなるのなら治療をしようとも考えたけれど、不妊治療は女性の身体への負担が大きいと知り、紗羅の意思を尊重することを選んだのは彼女のことを本当に大切に思っていたから。
紗羅が辛い思いをすることがわかっていて、それでも俺を選んで、俺の子どもを産んで欲しいとは言えなかった。
俺にできることは紗羅の幸せを願い、身を引くことだけだった。
ここで自分を選んでくれなかった紗羅を諦めて縁を切っていればもっと違う未来を選べていたのかもしれない。それなのに本当は自分を選びたかったと取れる言葉を溢した紗羅への想いを捨てることができず、もしかしたら一緒に過ごすことのできる未来があるのかもしれない、そんな一縷の望みを捨て切ることができなかったのは俺の狡さと弱さだったのだろう。
だから、紗羅からのメッセージを受け取った時に感じたのは純粋な喜び。
そして気付く自分の狡さ。
諦めきれない紗羅への想いの代替えのように紗凪を手に入れたけれど、本物に触れることができるのなら偽物に用はない。目の前にいる偽物に対して興味を失うのなんて直ぐだった。
《こんなことなら、世界が終わるって知ってたら貴哉と別れなかったのに》
俺に対する想いなんて無くなったと諦めたのに、それなのにそれが残っていたとも受け取れるメッセージ。
〈どうしたの、急に〉
逸る気持ちを抑えて感情を出すことなくメッセージを返す。
《だって、家を継いで、子どもを産んで、この先もずっと続くと思ってたのに》
《それなのに終わっちゃうなら跡を継いだ意味も、子どもを産んだ意味も無かったってことでしょ?》
その言葉に引っ掛かりを覚えなかったわけじゃない。よくよく考えれば自分本位で最低な言葉なのに、その時の俺は自分への想いが無くなったわけじゃないと知ったことで喜びを感じてしまった。
〈本当にどうしたの?〉
〈何かあった?〉
当然だけどこの時、紗凪は同じ部屋で同じ時間を過ごしていた。
普段からあまり口数の多くない紗凪は今日もスマホを見て眉間に皺を寄せている。持ち物を増やしたくないからと紙の本を買わず電子書籍で済ます紗凪は今日も物語の世界に入り込んでいるのだろう。
普段なら自分を無視して物語に熱中することが面白くないのだけれど、今日は俺が何をしていても気にしないその態度がありがたい。
紗羅からのメッセージに動揺していたけれど、それに気付かれることもなく、詮索されることもない無関心さが有り難かった。
同じ部屋で一緒に過ごしている紗凪に対して紗羅と連絡を取る行為に罪悪感なんて感じることは無かった。だって紗凪は紗羅の身代わりでしかないのだから。
《私の不安を察してくれないの》
《世界が終わるはずなんてないって》
《不安だから一緒にいたいって、そばにいて欲しいって言ってるのに》
送られてくるメッセージを理解しようと思うものの、一方的なその内容の意図が掴めず返信に困ってしまう。
《仕事があるから仕方ないって、お母さんといても楽しくないって》
《貴哉を諦めて手に入れたのに、私よりも仕事や友達がいいって》
《こんなことなら選ばなければよかった》
《世界が終わるなら、家を選ばずに貴哉を選べばよかった》
世界が終わるという噂を信じ、精神の均衡を崩し始めていたのかもしれない。
《お父さんもお母さんも大丈夫しか言わないし、終わるならみんな一緒に終わるはずだから、いつもと同じように過ごせばいいって》
紗羅が不安に思う気持ちに気付くことのない紗凪を見ると違う本を読んでいるのか、それとも展開が変わったのか、その表情は微笑んで見える。
その顔を見て感じたのは苛立ちだった。紗羅が苦しんでいるのに呑気に本を読んでいる紗凪に嫌悪した。
紗羅の身代わりなのだから、紗羅の苦しみは紗凪が代わりに受け止めるべきなのに。
〈紗羅、落ち着いて〉
〈分かったから〉
〈世界が終わるとか、本当なのかどうかは分からないけど、俺がついてるから〉
無責任な言葉だけど、側にいられなくても寄り添いたいと思った。
〈側にいてあげることはできないけど、話くらいは聞いてあげられるから〉
〈いつでも連絡して〉
《でも、貴哉だって彼女いるんでしょ?》
前に《彼女できた?》と聞かれた時にできたと答えたことを覚えていたのだろう。その相手は紗凪だったのだけど、紗羅の代わりに紗凪と付き合うことにしただなんて当然伝えることはできなかった。俺に彼女ができたと知って少しくらいは嫉妬してくれるかもしれないと思い告げた言葉だったけれど、今はその行動を少しだけ後悔している。
紗凪がいなければ今すぐ電話を繋ぎ、メッセージなんかではなくて言葉で慰めることができるのに、と。
〈いるけど、紗羅のことは特別だから〉
〈放っておくことなんてできない〉
頼りにされること、俺のことを気にすることが嬉しくて気持ちは完全に紗羅に向いていた。紗凪だってこの噂を気にしていたし、紗凪だって最後の時には一緒にいようと言っていたのに、それなのにそんな紗凪の言葉は俺の中では取るに足りない言葉になってしまった。
〈少し話せる?〉
《大丈夫》
送られたメッセージを確認してもう一度紗凪の様子を伺えば、今度はまた眉間に皺を寄せている。紗羅の異変にも俺の異変にも気付かないその様子に「ちょっと仕事の電話してくるから」と返事を待たずに寝室に向かう。普段から仕事の関係で寝室で電話をすることはあったから疑われることはないはずだ。
寝室に入り紗羅の番号を呼び出す。
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