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貴哉
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「ねえ、最近どうしたの?話す時はちゃんとボクのこと、見てよ。
ねぇ、」
苛立ちを含むその声が煩わしくて、俺の顔を覗き込んだ紗凪から目を逸らす。
「ごめん」
そう言ったのは後ろめたさとこれから話すことへの謝罪。紗羅との約束を、いつかは言わないといけないと思いながらもなかなか言い出せなかったのは紗凪に対する情。それと欲望を満たす相手を手放したくなかったから。
紗羅に会えないストレスと噂のせいで感じる閉塞感を解消するには、紗凪の存在がちょうど良かったから。
紗羅に会うことができないまま過ごすのなら手放すことが惜しい存在だったけれど、紗羅に会うのなら必要のない存在。噂を100%信じているわけではないしけれど、紗羅と同じ時間を過ごすことができるのなら先のことなんてどうでも良かった。
なんて、そんな風に言い切ることはできなかった。紗凪に黙ったまま紗羅の元に行くわけにはいかないことは理解していたし、噂が流れ始めた時に最後の時は一緒に過ごすと安易に約束をしたことを今では後悔している。
紗凪に何も告げず紗羅の元に行くことは可能だった。
俺の不在に気付き、焦り、焦燥しする紗凪を想像し、俺に縛りつけたままに放置することに魅力を感じないでもない。
もしも世界が終わらなかった時に、紗羅との時間を過ごした後で紗凪の元に戻った時に俺の無事に安堵し、俺に縋り付く紗凪を想像して気を良くしたりもした。
ただ、それ以上に紗羅との時間を邪魔されることを許せないと思ったのは紗羅に対する想いを消化できていなかったから。
だから口にした謝罪の言葉。
俺が離れた時に俺を探さないように。
俺と紗羅の逢瀬を邪魔しないように。
「何が?」
俺の様子を不審に思ったのであろう紗凪は戸惑いを見せ俺と目を合わせようとするけれど、その視線から逃れ口を開く。
「ごめん。
一緒にはいられなくなった。
怖いって、俺がいないと不安だって」
「………」
「助けて欲しいって。
一緒にいて欲しいって」
「何言ってるの?」
俺の言葉に戸惑ってはいるけれど薄々俺の変化には気付いていたのだろう。取り乱すことはなく、問い詰めるような口調の紗凪に決定的な言葉を告げる。
「紗羅が泣くんだ。
だから、ごめん」
その時の紗凪の顔はよく覚えている。
目を見開き、何か言いたそうにしたものの一度口をキュッと結び、考えるそぶりを見せてから口を開く。
「なんで今更、姉さんの名前が出るの?」
絞り出すような言葉にはどれだけの想いが込められていたのだろう。
俺と紗羅の事情は当然だけど紗凪も理解していたし、そのことについて話したこともある。
だからきっと、俺たちの間に繋がりが残っていただなんて想像もしていなかったのかもしれない。
⌘⌘⌘
「貴哉さんはボクといて嫌な気持ちになったりしないの?」
そう言ったのは一緒に暮らし始めてしばらくしてから。常に俺に気を使い、常に遠慮した様子の紗凪はおずおずといった感じに口を開く。
「何で?」
それは純粋な疑問。
もしも嫌な気持ちになるのなら早急に部屋を探していると聞いた時に自分の部屋に来るようになんて言うわけがないのに、と呆れた。
「だって、姉さんのこと思い出したりしないの?」
この時、紗羅とは季節の挨拶や共通の知り合いについての情報を共有するために連絡を取っていたけれど、繋がっているといっても薄い関係だった。だからそのことを紗凪に伝えることはしなかったし、伝える必要もないと思っていた。同居しているからといって自分の些細な交友関係まで伝えていたらキリがない。
共通の知り合いなのだから伝えるべきだと言われればそうなのかと思い伝えることを考えたのかもしれないけれど、それを伝えたことで紗羅との関係が切れるかもしれないと危惧したせいもある。
「思い出すとかじゃなくて、ちゃんと紗羅の弟だって認識してるよ。
紗羅の弟の紗凪君だって認識して誘っておいて嫌な気分になるとか、ごめん、ちょっと言われてることの意味がわからない。
思い出すか思い出さないかって言われれば紗羅と重なる部分もあるから思い出すこともあるけど、嫌な気持ちになることは無いかな」
そう言った俺に見せた顔は心の底からホッとした顔で、その時はまだ義弟になるはずだった頼りない年少者としての認識だった。
そもそも紗凪に声をかけたのは少しでもいいから紗羅との繋がりを増やしたかったからだったのだから。
初めて紗凪を見た時に覚えたのは既視感だった。
誰かに似ている、そう思い見慣れない社員の様子を伺う。これまでにも見かけたことはあったのかもしれないけれど意識をしたことのなかった小柄な男性社員は、デスクに向かい真剣な表情をしていた。
どこかで見た覚えがはるけれど、どこでだったのかを思い出すことができず、妙な焦燥感に駆られる。そして、その焦燥感の理由がわからず苛立ちを感じる。
移動の挨拶をした時に彼はいただろうか、そう思い紹介された同じ部署のメンバーを思い出してみても彼を紹介された覚えがないことに気付く。自分が異動となった日に欠勤していたとしてもそれならば後日紹介されるはずなのに、と思いながらも彼を気にかけてしまう理由が分からず苛立ちを抑えることができない日々。
そしてそれはある社員が彼のことを「汐勿君」と呼んだことで記憶の中の彼と目の前の彼が合致したことで、彼を気にしてしまう理由に気付く。
汐勿 紗羅
忘れることのできない相手を思い出し、彼女に弟がいたことを思い出す。俺たちよりも8つ下の弟は、紗凪という名前だった。
その名前を聞かなければ紗凪のことを思い出すことはなかったかもしれない。だけど、あまり耳にすることのないその苗字を聞いてしまったら思い出すのはすぐだった。
汐勿 紗凪
共に過ごすことを諦めた紗羅の弟。
そして、諦める原因になった元凶とも言える人物。
「もしかして、紗凪君?」
そう声をかけると不審気な様子を見せられたため小さな声で「紗羅の、」と告げれば驚いたような顔をする。
「あ…。
ご無沙汰します?」
急なことに驚いたのだろう、挨拶の言葉を口にしたものの話が続かない。
「いつから?全然知らなかった」
そう聞けば「あ、ボク社員じゃないので」と答えたせいで彼を紹介されなかった理由に気付く。
「いつから?全然気付かなかった」
親し気に声をかける俺に戸惑いを見せながらも「少し前から」と答え周囲を気にして視線を彷徨わせるけれど、それを無視して言葉を続ける。
「紗羅は元気?」
自分は何も気にしていない風を装いその名を口にすれば少し戸惑った表情を見せ、「元気だと思います」と言ったあとで「実家に帰ることがないから、」と言い訳をする。
紗羅は弟のことを嫌っていたわけではないけれど、家を継ぐ能力のない弟のせいで俺との結婚を諦めたのだから紗凪が姉に対して後ろめたい気持ちを持っていても不思議ではない。そのせいで実家に帰りづらいのかもしれないと勝手に解釈する。
「家族とは連絡取ってないの?」
「母からはたまにメッセージは入ってます。
何かあればきっと連絡があるけど、忘れた頃に元気かどうか確認のメッセージが来るくらいなので」
だからきっと紗羅も変わりないと言いたいのだろう。
「懐かしいな。
まさか紗凪君に再会するなんて思ってなかった。
え、卒業して何年?俺と幾つ違ったっけ?」
そう言って話を続けようとしたけれど、「貴哉さん、仕事中です」と困ったように言われて状況に気付く。
「あ、ごめん。
じゃあ、また就業後にでも」
話を続けることを拒むそぶりを見せる紗凪にそう言いながら「古い知り合いなんだ」と周りに告げる。
「懐かしくてつい、」
そう言い放てば周囲の視線は好意的なものへと変わっていく。
ここで元婚約者の弟だと告げれば周囲はどんな反応を示すだろうと、少しだけ意地悪なことを考える。結婚したら退職する予定だったけれど、婚約を解消したせいでここに残っていることを知っている人間は一定数いる。解消した理由が理由だっただけに紗羅のことを責める声が辛くて不出来な弟の話をした覚えもある。同情を引くために解消の理由を話した自分もどうかと思うけれど、紗羅の後釜に座ろうとする相手に【男性不妊】はなかなかのパワーワードだった。そして、そのパワーワードは俺に対して癒しを与えることもしてくれた。
欲望に忠実な、それでいて後腐れのない相手を探しているのは何も男性だけじゃない。そんな相手との寝物語に解消の経緯を語れば俺を慰めることを口実に後腐れのない関係を求め、その関係に飽きれば何事もなかったかのようにただの同僚に戻っていく。
結局は退屈していたんだ。
かろうじて繋がっていても温度を感じることのない紗羅との関係に。
変化のない毎日に。
だから、【義弟】になる予定だった紗凪に対して他人ではないと人の良いフリをして近付いた。
あわよくば紗羅との関わりを持ちたかったから。
紗凪と再会しなければ。
紗凪に気付かなければ。
紗凪が俺を拒否していれば。
紗凪が俺に気を許さなければ。
紗羅を諦めることができていれば、きっと俺はそれなりに幸せな毎日を送れていたのかもしれない。
ねぇ、」
苛立ちを含むその声が煩わしくて、俺の顔を覗き込んだ紗凪から目を逸らす。
「ごめん」
そう言ったのは後ろめたさとこれから話すことへの謝罪。紗羅との約束を、いつかは言わないといけないと思いながらもなかなか言い出せなかったのは紗凪に対する情。それと欲望を満たす相手を手放したくなかったから。
紗羅に会えないストレスと噂のせいで感じる閉塞感を解消するには、紗凪の存在がちょうど良かったから。
紗羅に会うことができないまま過ごすのなら手放すことが惜しい存在だったけれど、紗羅に会うのなら必要のない存在。噂を100%信じているわけではないしけれど、紗羅と同じ時間を過ごすことができるのなら先のことなんてどうでも良かった。
なんて、そんな風に言い切ることはできなかった。紗凪に黙ったまま紗羅の元に行くわけにはいかないことは理解していたし、噂が流れ始めた時に最後の時は一緒に過ごすと安易に約束をしたことを今では後悔している。
紗凪に何も告げず紗羅の元に行くことは可能だった。
俺の不在に気付き、焦り、焦燥しする紗凪を想像し、俺に縛りつけたままに放置することに魅力を感じないでもない。
もしも世界が終わらなかった時に、紗羅との時間を過ごした後で紗凪の元に戻った時に俺の無事に安堵し、俺に縋り付く紗凪を想像して気を良くしたりもした。
ただ、それ以上に紗羅との時間を邪魔されることを許せないと思ったのは紗羅に対する想いを消化できていなかったから。
だから口にした謝罪の言葉。
俺が離れた時に俺を探さないように。
俺と紗羅の逢瀬を邪魔しないように。
「何が?」
俺の様子を不審に思ったのであろう紗凪は戸惑いを見せ俺と目を合わせようとするけれど、その視線から逃れ口を開く。
「ごめん。
一緒にはいられなくなった。
怖いって、俺がいないと不安だって」
「………」
「助けて欲しいって。
一緒にいて欲しいって」
「何言ってるの?」
俺の言葉に戸惑ってはいるけれど薄々俺の変化には気付いていたのだろう。取り乱すことはなく、問い詰めるような口調の紗凪に決定的な言葉を告げる。
「紗羅が泣くんだ。
だから、ごめん」
その時の紗凪の顔はよく覚えている。
目を見開き、何か言いたそうにしたものの一度口をキュッと結び、考えるそぶりを見せてから口を開く。
「なんで今更、姉さんの名前が出るの?」
絞り出すような言葉にはどれだけの想いが込められていたのだろう。
俺と紗羅の事情は当然だけど紗凪も理解していたし、そのことについて話したこともある。
だからきっと、俺たちの間に繋がりが残っていただなんて想像もしていなかったのかもしれない。
⌘⌘⌘
「貴哉さんはボクといて嫌な気持ちになったりしないの?」
そう言ったのは一緒に暮らし始めてしばらくしてから。常に俺に気を使い、常に遠慮した様子の紗凪はおずおずといった感じに口を開く。
「何で?」
それは純粋な疑問。
もしも嫌な気持ちになるのなら早急に部屋を探していると聞いた時に自分の部屋に来るようになんて言うわけがないのに、と呆れた。
「だって、姉さんのこと思い出したりしないの?」
この時、紗羅とは季節の挨拶や共通の知り合いについての情報を共有するために連絡を取っていたけれど、繋がっているといっても薄い関係だった。だからそのことを紗凪に伝えることはしなかったし、伝える必要もないと思っていた。同居しているからといって自分の些細な交友関係まで伝えていたらキリがない。
共通の知り合いなのだから伝えるべきだと言われればそうなのかと思い伝えることを考えたのかもしれないけれど、それを伝えたことで紗羅との関係が切れるかもしれないと危惧したせいもある。
「思い出すとかじゃなくて、ちゃんと紗羅の弟だって認識してるよ。
紗羅の弟の紗凪君だって認識して誘っておいて嫌な気分になるとか、ごめん、ちょっと言われてることの意味がわからない。
思い出すか思い出さないかって言われれば紗羅と重なる部分もあるから思い出すこともあるけど、嫌な気持ちになることは無いかな」
そう言った俺に見せた顔は心の底からホッとした顔で、その時はまだ義弟になるはずだった頼りない年少者としての認識だった。
そもそも紗凪に声をかけたのは少しでもいいから紗羅との繋がりを増やしたかったからだったのだから。
初めて紗凪を見た時に覚えたのは既視感だった。
誰かに似ている、そう思い見慣れない社員の様子を伺う。これまでにも見かけたことはあったのかもしれないけれど意識をしたことのなかった小柄な男性社員は、デスクに向かい真剣な表情をしていた。
どこかで見た覚えがはるけれど、どこでだったのかを思い出すことができず、妙な焦燥感に駆られる。そして、その焦燥感の理由がわからず苛立ちを感じる。
移動の挨拶をした時に彼はいただろうか、そう思い紹介された同じ部署のメンバーを思い出してみても彼を紹介された覚えがないことに気付く。自分が異動となった日に欠勤していたとしてもそれならば後日紹介されるはずなのに、と思いながらも彼を気にかけてしまう理由が分からず苛立ちを抑えることができない日々。
そしてそれはある社員が彼のことを「汐勿君」と呼んだことで記憶の中の彼と目の前の彼が合致したことで、彼を気にしてしまう理由に気付く。
汐勿 紗羅
忘れることのできない相手を思い出し、彼女に弟がいたことを思い出す。俺たちよりも8つ下の弟は、紗凪という名前だった。
その名前を聞かなければ紗凪のことを思い出すことはなかったかもしれない。だけど、あまり耳にすることのないその苗字を聞いてしまったら思い出すのはすぐだった。
汐勿 紗凪
共に過ごすことを諦めた紗羅の弟。
そして、諦める原因になった元凶とも言える人物。
「もしかして、紗凪君?」
そう声をかけると不審気な様子を見せられたため小さな声で「紗羅の、」と告げれば驚いたような顔をする。
「あ…。
ご無沙汰します?」
急なことに驚いたのだろう、挨拶の言葉を口にしたものの話が続かない。
「いつから?全然知らなかった」
そう聞けば「あ、ボク社員じゃないので」と答えたせいで彼を紹介されなかった理由に気付く。
「いつから?全然気付かなかった」
親し気に声をかける俺に戸惑いを見せながらも「少し前から」と答え周囲を気にして視線を彷徨わせるけれど、それを無視して言葉を続ける。
「紗羅は元気?」
自分は何も気にしていない風を装いその名を口にすれば少し戸惑った表情を見せ、「元気だと思います」と言ったあとで「実家に帰ることがないから、」と言い訳をする。
紗羅は弟のことを嫌っていたわけではないけれど、家を継ぐ能力のない弟のせいで俺との結婚を諦めたのだから紗凪が姉に対して後ろめたい気持ちを持っていても不思議ではない。そのせいで実家に帰りづらいのかもしれないと勝手に解釈する。
「家族とは連絡取ってないの?」
「母からはたまにメッセージは入ってます。
何かあればきっと連絡があるけど、忘れた頃に元気かどうか確認のメッセージが来るくらいなので」
だからきっと紗羅も変わりないと言いたいのだろう。
「懐かしいな。
まさか紗凪君に再会するなんて思ってなかった。
え、卒業して何年?俺と幾つ違ったっけ?」
そう言って話を続けようとしたけれど、「貴哉さん、仕事中です」と困ったように言われて状況に気付く。
「あ、ごめん。
じゃあ、また就業後にでも」
話を続けることを拒むそぶりを見せる紗凪にそう言いながら「古い知り合いなんだ」と周りに告げる。
「懐かしくてつい、」
そう言い放てば周囲の視線は好意的なものへと変わっていく。
ここで元婚約者の弟だと告げれば周囲はどんな反応を示すだろうと、少しだけ意地悪なことを考える。結婚したら退職する予定だったけれど、婚約を解消したせいでここに残っていることを知っている人間は一定数いる。解消した理由が理由だっただけに紗羅のことを責める声が辛くて不出来な弟の話をした覚えもある。同情を引くために解消の理由を話した自分もどうかと思うけれど、紗羅の後釜に座ろうとする相手に【男性不妊】はなかなかのパワーワードだった。そして、そのパワーワードは俺に対して癒しを与えることもしてくれた。
欲望に忠実な、それでいて後腐れのない相手を探しているのは何も男性だけじゃない。そんな相手との寝物語に解消の経緯を語れば俺を慰めることを口実に後腐れのない関係を求め、その関係に飽きれば何事もなかったかのようにただの同僚に戻っていく。
結局は退屈していたんだ。
かろうじて繋がっていても温度を感じることのない紗羅との関係に。
変化のない毎日に。
だから、【義弟】になる予定だった紗凪に対して他人ではないと人の良いフリをして近付いた。
あわよくば紗羅との関わりを持ちたかったから。
紗凪と再会しなければ。
紗凪に気付かなければ。
紗凪が俺を拒否していれば。
紗凪が俺に気を許さなければ。
紗羅を諦めることができていれば、きっと俺はそれなりに幸せな毎日を送れていたのかもしれない。
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