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紗凪 1
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日付が変わっても義兄の言葉が頭から離れず、アルコールは力を貸してくれず、ベッドに入っても目は冴えていた。
「生まれなければ、か」
姉に疎まれていることには何となく気付いていたし、貴哉の言葉でそれを確信したばかりだった。
だけどそれを義兄に言われるなんて想像すらしていなかったせいで、義兄の言葉は僕に大きなダメージを与える。
姉は僕を疎ましく思っていた。
違う。
疎ましいなんて、そんな軽い感情ならこんなことにはならなかっただろう。
姉は明確にボクを嫌っている。
嫌っているというか、憎んでいるのだろう。
そして、そんな姉を疎ましく思う誰かが送ったボクと貴哉が写った写真。
疎まれている。
嫌われている。
生まれてこなければよかった。
元々実家を出てからは帰省する事は少なかったけれど、姉と義兄が結婚してからはその回数をもっと減らした。
必要最低限のお祝いをしておけば角は立たないだろうと気を付けてはいたけれど、そういう問題ではなかったのだと義兄の言葉で自覚する。
そもそも、ボクの存在自体が必要無かったのだろう。
もしかして両親や祖父母もそんなふうに思っていたのだろうか。
姉と歳の離れたボクはそれなりに可愛がられていたと思っていたけれど、姉が家に入ると言えばその言葉を受け入れ、姉が貴哉と別れたことをボクに告げないまま義兄との話を進めていたのは、ボクの存在なんて重要視していなかったからなのかも知れない。
「今頃、何してるんだろう」
世界が終わると言われている日は明日に迫っている。確か、世界が終わる日の前日には義兄と紗柚は家に戻ると言っていたはずだ。
貴哉と姉はまだ一緒にいるのだろうか。日付が変わった今、どうやって過ごしているのだろうか。
一緒にいられなくても姉の側に居たいと言っていた貴哉は、こちらに帰ってくるのは早くても明後日以降だろう。世界の無事を見届けて、姉の無事を見届けてあの部屋に戻るはずだ。
その時の気持ちは安堵なのか、絶望なのか。
本当は姉の側で、姉と共に世界の終わりを迎えたいと思っているのだろうけれど、既婚者である姉相手にそれは許されないのだから。
それにしても義兄は姉が貴哉に会いに行ったことを知っていて、なぜ止めなかったのだろうと考える。
汐勿の家に婿入りしてすぐに子宝に恵まれたせいか、新婚だったこともあり、姉に対して献身的な義兄が家に馴染むのに時間はかからなかったと母からは聞いていた。お見合いで結婚したふたりだったけれどもともと同級生だったせいもあり、気心の知れた関係だとも言っていた。
『貴哉さんとだいぶ違うから心配したけど、』
電話越しにポツリと呟いた母は『ごめん、紗羅には絶対言わないでね』と焦ったようにボクにそう願った。もちろんそんな事をわざわざ言う気もないし、そもそも姉とそんな話をするほど親しくも無い。義兄との仲が良いに越したことはないのだからボクは何も聞かなかったふりをするだけだ。
そして、紗柚が生まれた時に姉が見せた嬉しそうな顔に、嘘偽りはなかったはずだ。弟であるボクにはわざわざ葉書を送ってきたりはしなかったけれど、母から送られて来た写真からは喜びが伝わって来て複雑な気分になったのを思い出す。
汐勿の家のために貴哉と別れ、汐勿の家のために義兄と結婚し、汐勿の家のために子どもを産んで。それが姉の幸せなのだろうけれど、本当にそれで良かったのかと思った気持ちは間違いではなかったのだと、さっきの義兄の話で気付かされた。
子どもを産むための道具として結婚した後は、姉の欲望を満たすためにバイブとしての役割を与えられそうになったと言った義兄はずっと姉に傷付けられていたのだろうか。
貴哉の代わりに選ばれ、子作りをするだけのために身体を重ね、子どもができれば姉の欲望を満たすために避妊処置をするように言われたと伝えられた時には姉の正気を疑った。
献身的な義兄だから、何を言っても要求が通るとでもいうような傲慢な要求。
貴哉が【男性不妊】だからと別れを決めたのに、義兄には避妊処置を望むだなんて、そんな傲慢なことが許されるわけがない。義兄に避妊処置をさせてしまったら姉の相手男性不妊の貴哉でも良くなってしまう。
ふたり目ができないのなら、ふたり目を望まないのなら男性不妊の貴哉がパートナーであっても何の問題もないのだから。
「それでか、」
そこまで考えて納得してしまった。
姉はきっと、貴哉のことがまだ好きなのだろう。だから、義兄と貴哉を重ねるために義兄に傲慢な要求を突きつけた。それを受け入れれば貴哉の身代わりにして抱く事を許したはずなのに、それを義兄が拒否したせいで貴哉への想いを捨てきれなかったのだろうか。
もしかしたらいつかは貴哉と、なんて叶わないと思いながらも願っていたのかもしれない。
姉とはずっと連絡を取っていたと貴哉は言っていたけれど、お互いに気持ちがなければいつかは途切れていたはずの関係。
ボクが貴哉と再会した時に紗柚は小学生になっていたはずだから、別れた後も未練だけで繋がっていた関係だったのだ。
会えなくても、触れられなくても、それでも繋がっていたいと願う想い。
貴哉だってはじめからボクのことを恋愛対象として見ていたわけではなかったはずだ。
義弟になるはずだったボクを気遣い、ボクを庇護することで姉との関わりを実感していただけ。
だけどいつからか姉とボクを重ね、ボクが貴哉から離れようとした事でその気持ちを変化させてしまったのかもしれない。
姉に対する妄執は、ボクを姉に見立てる事で満たされたのかもしれない。
ボク【姉】が離れないようにボク【姉】を囲い込み、ボク【姉】が離れないようにボク【姉】を蹂躙して、ボク【姉】が逃げないようにボク【姉】の姿を記録して縛り付けた。
結局、【紗凪】は【紗羅】の身代わりでしかなかったのだろう。
「ボクだって、好きだったわけじゃない」
そう、貴哉のことは義兄になるはずだった相手だと認識して、優しくされた記憶に甘えてしまっただけだった。
だけど蹂躙されるうちに受け入れた方が楽だと気付き、献身を受け入れ、貴哉の想いを、貴哉の身体を受け入れたのは諦めたから。
貴哉のことを好きだと思ったのは、そうすれば自分が楽だと気付いたから。
楽になろうとその気持ちに引きずられ、貴哉のことが好きなのだからと献身も身体も、想いも受け入れるべきだと自分に言い聞かせた。
楽になるために受け入れた【好き】という気持ちを自分の想いだと思い込み、【 紗凪】のことを好きだと言いながら【紗羅】を抱く貴哉に傷付けられた。
本当は姉の身代わりにされていることに気付いて心が悲鳴を上げていたのに、それなのに、いつかは【紗羅】の身代わりではなくて【紗凪】として受け入れてくれることを期待して、ボクを好きになってくれるのを待っていたのは…いつしか本当に貴哉を好きになっていたから。
「好きじゃなかったのに…」
歪んだ貴哉の愛と、歪んだボクの気持ち。好きじゃなかったはずなのに、貴哉の献身に慣れ、貴哉の身体に慣れ、貴哉の歪んだ想いを歪んだボクが受け入れたことで歪みを補完し合って歪なはずな関係が正常に見えてしまったのかもしれない。
僕たちの関係を疑わない誰かが姉に写真を送るくらいに。
「ずっとここにいられたら、こんなことにならなかったのかな」
あの日、大輝から将来を考えている相手がいるから部屋を探して欲しいと言われた時に貴哉にそのことを告げなければ。
部屋を探すまではこの部屋にいていいと言われたのに、逃げるように焦って貴哉の部屋に行かなければ。
「他に好きな人がいたなら、大輝と付き合ったりしなければよかったのに」
逆恨みなようなことを口にした自分を嫌悪しながらも、大輝が将来を考えていた彼女のことを思い出す。
目立つ容姿ではなかったけれど、自分の意見をしっかり口にする彼女は大輝とお似合いだった。ふたりの容姿を比較して揶揄する相手もいると言った彼女は「化粧すればそれなりに見えけど、そのために時間を使うのは無駄だと思っちゃうのよね」と笑ったけれど、そんなのは負け惜しみだと思ってしまった自分を嫌悪する。
「確かに、初めて会った時と今とじゃあ顔が違うもんな」
そして、その言葉を肯定した大輝と彼女の関係性をまざまざと見せつけられた気がした。
「オレは、あの時の顔も、今の顔も、もちろん素顔も好きだよ」
その言葉を聞き、ボクの居場所はもうここに無いのだと思い知った。
だから、貴哉が出て行った時にここに来たのは世界が終わるこのタイミングで結婚を考えるふたりの邪魔をしてやろうなんて、そんな浅ましい気持ちもあった。
こんな時に独り置いて行かれたボクは、ボクの居場所を奪った彼女に少しだけ嫌がらせをしようという意図があったことは否定しない。
だって、彼女が現れなければボクの居場所を奪われることはなかったのだから。
「………ああ、そうか」
そして気付いてしまった。
姉の、紗羅の気持ちを。
「姉さんも、こんな気持ちだったんだね」
そして気付いてしまった。
ボクの罪を。
ボクさえいなければ。
ボクさえいなければ、歪まなかった世界があったことに気付かされてしまったんだ。
「生まれなければ、か」
姉に疎まれていることには何となく気付いていたし、貴哉の言葉でそれを確信したばかりだった。
だけどそれを義兄に言われるなんて想像すらしていなかったせいで、義兄の言葉は僕に大きなダメージを与える。
姉は僕を疎ましく思っていた。
違う。
疎ましいなんて、そんな軽い感情ならこんなことにはならなかっただろう。
姉は明確にボクを嫌っている。
嫌っているというか、憎んでいるのだろう。
そして、そんな姉を疎ましく思う誰かが送ったボクと貴哉が写った写真。
疎まれている。
嫌われている。
生まれてこなければよかった。
元々実家を出てからは帰省する事は少なかったけれど、姉と義兄が結婚してからはその回数をもっと減らした。
必要最低限のお祝いをしておけば角は立たないだろうと気を付けてはいたけれど、そういう問題ではなかったのだと義兄の言葉で自覚する。
そもそも、ボクの存在自体が必要無かったのだろう。
もしかして両親や祖父母もそんなふうに思っていたのだろうか。
姉と歳の離れたボクはそれなりに可愛がられていたと思っていたけれど、姉が家に入ると言えばその言葉を受け入れ、姉が貴哉と別れたことをボクに告げないまま義兄との話を進めていたのは、ボクの存在なんて重要視していなかったからなのかも知れない。
「今頃、何してるんだろう」
世界が終わると言われている日は明日に迫っている。確か、世界が終わる日の前日には義兄と紗柚は家に戻ると言っていたはずだ。
貴哉と姉はまだ一緒にいるのだろうか。日付が変わった今、どうやって過ごしているのだろうか。
一緒にいられなくても姉の側に居たいと言っていた貴哉は、こちらに帰ってくるのは早くても明後日以降だろう。世界の無事を見届けて、姉の無事を見届けてあの部屋に戻るはずだ。
その時の気持ちは安堵なのか、絶望なのか。
本当は姉の側で、姉と共に世界の終わりを迎えたいと思っているのだろうけれど、既婚者である姉相手にそれは許されないのだから。
それにしても義兄は姉が貴哉に会いに行ったことを知っていて、なぜ止めなかったのだろうと考える。
汐勿の家に婿入りしてすぐに子宝に恵まれたせいか、新婚だったこともあり、姉に対して献身的な義兄が家に馴染むのに時間はかからなかったと母からは聞いていた。お見合いで結婚したふたりだったけれどもともと同級生だったせいもあり、気心の知れた関係だとも言っていた。
『貴哉さんとだいぶ違うから心配したけど、』
電話越しにポツリと呟いた母は『ごめん、紗羅には絶対言わないでね』と焦ったようにボクにそう願った。もちろんそんな事をわざわざ言う気もないし、そもそも姉とそんな話をするほど親しくも無い。義兄との仲が良いに越したことはないのだからボクは何も聞かなかったふりをするだけだ。
そして、紗柚が生まれた時に姉が見せた嬉しそうな顔に、嘘偽りはなかったはずだ。弟であるボクにはわざわざ葉書を送ってきたりはしなかったけれど、母から送られて来た写真からは喜びが伝わって来て複雑な気分になったのを思い出す。
汐勿の家のために貴哉と別れ、汐勿の家のために義兄と結婚し、汐勿の家のために子どもを産んで。それが姉の幸せなのだろうけれど、本当にそれで良かったのかと思った気持ちは間違いではなかったのだと、さっきの義兄の話で気付かされた。
子どもを産むための道具として結婚した後は、姉の欲望を満たすためにバイブとしての役割を与えられそうになったと言った義兄はずっと姉に傷付けられていたのだろうか。
貴哉の代わりに選ばれ、子作りをするだけのために身体を重ね、子どもができれば姉の欲望を満たすために避妊処置をするように言われたと伝えられた時には姉の正気を疑った。
献身的な義兄だから、何を言っても要求が通るとでもいうような傲慢な要求。
貴哉が【男性不妊】だからと別れを決めたのに、義兄には避妊処置を望むだなんて、そんな傲慢なことが許されるわけがない。義兄に避妊処置をさせてしまったら姉の相手男性不妊の貴哉でも良くなってしまう。
ふたり目ができないのなら、ふたり目を望まないのなら男性不妊の貴哉がパートナーであっても何の問題もないのだから。
「それでか、」
そこまで考えて納得してしまった。
姉はきっと、貴哉のことがまだ好きなのだろう。だから、義兄と貴哉を重ねるために義兄に傲慢な要求を突きつけた。それを受け入れれば貴哉の身代わりにして抱く事を許したはずなのに、それを義兄が拒否したせいで貴哉への想いを捨てきれなかったのだろうか。
もしかしたらいつかは貴哉と、なんて叶わないと思いながらも願っていたのかもしれない。
姉とはずっと連絡を取っていたと貴哉は言っていたけれど、お互いに気持ちがなければいつかは途切れていたはずの関係。
ボクが貴哉と再会した時に紗柚は小学生になっていたはずだから、別れた後も未練だけで繋がっていた関係だったのだ。
会えなくても、触れられなくても、それでも繋がっていたいと願う想い。
貴哉だってはじめからボクのことを恋愛対象として見ていたわけではなかったはずだ。
義弟になるはずだったボクを気遣い、ボクを庇護することで姉との関わりを実感していただけ。
だけどいつからか姉とボクを重ね、ボクが貴哉から離れようとした事でその気持ちを変化させてしまったのかもしれない。
姉に対する妄執は、ボクを姉に見立てる事で満たされたのかもしれない。
ボク【姉】が離れないようにボク【姉】を囲い込み、ボク【姉】が離れないようにボク【姉】を蹂躙して、ボク【姉】が逃げないようにボク【姉】の姿を記録して縛り付けた。
結局、【紗凪】は【紗羅】の身代わりでしかなかったのだろう。
「ボクだって、好きだったわけじゃない」
そう、貴哉のことは義兄になるはずだった相手だと認識して、優しくされた記憶に甘えてしまっただけだった。
だけど蹂躙されるうちに受け入れた方が楽だと気付き、献身を受け入れ、貴哉の想いを、貴哉の身体を受け入れたのは諦めたから。
貴哉のことを好きだと思ったのは、そうすれば自分が楽だと気付いたから。
楽になろうとその気持ちに引きずられ、貴哉のことが好きなのだからと献身も身体も、想いも受け入れるべきだと自分に言い聞かせた。
楽になるために受け入れた【好き】という気持ちを自分の想いだと思い込み、【 紗凪】のことを好きだと言いながら【紗羅】を抱く貴哉に傷付けられた。
本当は姉の身代わりにされていることに気付いて心が悲鳴を上げていたのに、それなのに、いつかは【紗羅】の身代わりではなくて【紗凪】として受け入れてくれることを期待して、ボクを好きになってくれるのを待っていたのは…いつしか本当に貴哉を好きになっていたから。
「好きじゃなかったのに…」
歪んだ貴哉の愛と、歪んだボクの気持ち。好きじゃなかったはずなのに、貴哉の献身に慣れ、貴哉の身体に慣れ、貴哉の歪んだ想いを歪んだボクが受け入れたことで歪みを補完し合って歪なはずな関係が正常に見えてしまったのかもしれない。
僕たちの関係を疑わない誰かが姉に写真を送るくらいに。
「ずっとここにいられたら、こんなことにならなかったのかな」
あの日、大輝から将来を考えている相手がいるから部屋を探して欲しいと言われた時に貴哉にそのことを告げなければ。
部屋を探すまではこの部屋にいていいと言われたのに、逃げるように焦って貴哉の部屋に行かなければ。
「他に好きな人がいたなら、大輝と付き合ったりしなければよかったのに」
逆恨みなようなことを口にした自分を嫌悪しながらも、大輝が将来を考えていた彼女のことを思い出す。
目立つ容姿ではなかったけれど、自分の意見をしっかり口にする彼女は大輝とお似合いだった。ふたりの容姿を比較して揶揄する相手もいると言った彼女は「化粧すればそれなりに見えけど、そのために時間を使うのは無駄だと思っちゃうのよね」と笑ったけれど、そんなのは負け惜しみだと思ってしまった自分を嫌悪する。
「確かに、初めて会った時と今とじゃあ顔が違うもんな」
そして、その言葉を肯定した大輝と彼女の関係性をまざまざと見せつけられた気がした。
「オレは、あの時の顔も、今の顔も、もちろん素顔も好きだよ」
その言葉を聞き、ボクの居場所はもうここに無いのだと思い知った。
だから、貴哉が出て行った時にここに来たのは世界が終わるこのタイミングで結婚を考えるふたりの邪魔をしてやろうなんて、そんな浅ましい気持ちもあった。
こんな時に独り置いて行かれたボクは、ボクの居場所を奪った彼女に少しだけ嫌がらせをしようという意図があったことは否定しない。
だって、彼女が現れなければボクの居場所を奪われることはなかったのだから。
「………ああ、そうか」
そして気付いてしまった。
姉の、紗羅の気持ちを。
「姉さんも、こんな気持ちだったんだね」
そして気付いてしまった。
ボクの罪を。
ボクさえいなければ。
ボクさえいなければ、歪まなかった世界があったことに気付かされてしまったんだ。
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