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4 t h ストーリー 先代ジョーカーと月影
苦痛の現実のその先へ
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神殿に着いた僕達は神殿の中心部にいた。
「ここが例の神殿だよな」
「そうだと思うけど、何も無いね」
そう。こころが言ったように何も無い。そう思っている時だった。僕らが立っているところに魔法陣が出てきた。
「こころ!!」
僕は叫んでこころの手を掴んだ。
目が覚めたら真っ青な空が見えた。
「ここは、どこだ?」
僕が体を起こしたらこころが目を覚ました。
「お兄ちゃん」
「こころも目が覚めたんだ」
「ここ、どこ?」
「ここは君たちがいた世界とは違う世界だよ」
僕らの方に銀髪ロングヘアのエルフ族の女性が歩いてきた。こころは僕の後ろに隠れた。
「そんなに警戒しなくても私は何もしないよ」
「あなたは誰なんですか?」
女性はふーっと一息ついて名乗った。
「私はアリス・レジーナ・ジョーカー、よろしく」
「ジョーカー?もしかしてあなたが初代ジョーカーですか?」
「察しがいいね~。そう、私は初代ジョーカー、君の先代に当たるのかな?現役ジョーカー、月影君」
「え?」
「ふふっ。君のことはもう調べ終わってるよ。君の後ろにいる子がこころちゃん、だよね?」
こころは静かに頷いた。
「悪いけどこころちゃん、少し月影君から離れてもらえるかな?」
「なん、で、で、ですか?」
「いや~、いろいろと聞かれると面倒なことになるからさ~、聞かれたくないんだよね~。安心して、別に2人を殺したりはしないから」
「アリスさん?発言が物騒ですよ?」
こころは怯えていた。涙目になって僕の服を掴んでいた。
「あはは、ごめんごめん。そんなつもりで言ったんじゃないんだよ。ごめんね、怖い思いさせちゃって。けど、本当に、数分だけ離れててもらっていい?」
「こころ、すぐに終わらせるからちょっとだけ待っててくれないか?」
こころは頷き、トコトコと歩いて離れていった。
「かわいい妹だね」
「そうですね。で、僕に何の話ですか?」
「どこでジョーカーの力を手に入れた?」
アリスは真剣な顔をして質問した。
「僕は、その、覚えてないんです」
「え?」
「こころが言うには、僕の前のジョーカーと出会ったらしいんですが、僕にはそんな記憶が無いんです」
「記憶喪失、と言うやつか」
「多分違うと思います」
「どういうことだい?」
「僕は転生してこの世界、今は異世界か。あの異世界に来たんです」
「転生?なんだい?それは」
「生まれ変わりのことです」
「つまり、君は転生してあの世界に来たってことかい?」
「そうですね。なので転生前の記憶は無いんです」
「つまり君はジョーカーの力を受け継いだ瞬間の記憶がないからわからないのか」
「そろそろこころをこっちにこさせても大丈夫ですか?」
「あ、うんうん、いいよ」
僕はこころを呼んだ。するとこころは抱きついてきた。
「2人は仲がいいんだね」
「うん。お兄ちゃん、好き、です」
「愛されているね~」
こころは頬をずっと僕の身体にすりすり擦っていた。
「それで、君たちがここに来た理由はなんだい?」
「僕、いいえ、ジョーカーの力の事なんですが、あっちの世界では魔王と呼ばれるやつと戦った時にパワーストーンの力を失いました。なので初代ジョーカーが残した地図に記されたこの神殿でなら何かわかるかもしれないと思ってきました」
「落ち込みながら言っているところ悪いけど、パワーストーンの力は失われていないようだよ」
「え?」
どういうこと?え?だって変身できないじゃん。
「パワーストーンの力は失われていないが、君の力が弱くてジョーカーなのか危うく思うのは確かだ」
「すみません。僕は最弱キャラに転生したみたいで」
「まぁ、それは不便だったね」
僕は頭を下げて大声で言った。
「僕は強くなりたい!!だから、僕を鍛えてください!!」
「嫌だね、ごめんね」
そ、即答。めっちゃ即答。悩むどころか考えもしないほどの即答。
「だってさ、君が最弱キャラならもう諦めるしかないよ。その魔王とやらは他の人に任して君はとっとと逃げな」
「そんな言い方、しなくても、いいと、思い、ます」
「お嬢ちゃん、実際無理なんだよ。鍛えてあげようにもそれなりの力がないと、お嬢ちゃんの大切なお兄ちゃんは二度と動けないようになるんだよ」
こころは何も言い返せずに黙った。
「二度と動けない、ですか?」
「うん、そうなんだよね」
「だったら勝負しましょう、アリスさん。いいえ、初代ジョーカー!!僕はあんたのトレーニングに耐えきってみせる!!耐えれたら僕の勝ち、耐えきれなければあんたの勝ちっていう簡単な勝負だ!!」
「ふふっ。あはははは。君、おもしろいことを言うね。いいよ、勝負してあげる。君が勝ったら君の一代前のジョーカーに合わしてあげるよ。無論力も戻してあげるよ」
「先代ジョーカーと力ですか。わかりました。それじゃあ、遠慮なく」
「お嬢ちゃん、下がっといた方がいいよ。少し、と言うよりも派手に戦うかもしれないから」
僕の力は今は何も使えない。さっきアクアストーンを剣にはめたが何も変化しなかった。だったら僕自身の身体能力のみで戦うしかない!!
「かかってきな」
僕はアリスの方へ走った。
「遅い遅い。そんなんじゃ~、誰も守れないよ」
アリスはあっさりと僕の攻撃をかわした。
「まだだ!!」
僕は我武者羅に剣を振った。だが、全て避けられている。
「なんだい?そんな弱い攻撃は?」
雰囲気が変わった。
「弱いよ、月影君」
アリスは僕を蹴り飛ばした。
「お兄ちゃん!!」
「クソっ!!」
アリスは目で追えないほどのスピードで攻撃を繰り出した。
「危なっ」
「遅いよ」
今度は殴り飛ばされた。
「ガバッ」
「まだまだこれからなんだよ、月影君」
起き上がったら、大量の魔法弾が空に浮かんでいた。
「まさか、全属性の魔法弾!?」
「さよなら、月影君」
無数の魔法弾は僕の方へ飛んできた。その魔法弾は追尾式のため、全弾命中した。
「うわぁぁぁぁぁ!!」
僕は意識を失う寸前までダメージを食らっていた。
「そろそろ降参することを勧めるよ」
「 」
「あのね~、」
アリスは蹴り飛ばしながら話した。
「君は力が無いんだからさ~、私みたいな強敵を目の前にしたらさ~、逃げるべきなんだよ」
やばい。音が聞き取りにくい。視界もぼやけてきた。身体も痺れて動かね~。
「君は往生際が悪いよ」
「グブッ」
「 」
そして僕は聞きたくなかった言葉を告げられた。
「君の力では、何も救えない!!」
そう言ってアリスは魔法弾を放った。
「止めて~!!」
大声で叫んでこころは僕の前に走ってきた。
「ちょ、お嬢ちゃん、危ない!!」
こころは魔法弾を正面から受けた。
「こ、ころ?」
こころはその場で倒れた。
「こころ!!こころ!!」
「おにぃ、ちゃん。大……丈夫、だよ……。私。お兄ちゃんっ……を。守っ……た、よ……。やっと……おにぃ……ちゃんと……一緒に……いれ、る……よね」
こころは気を失った。
「俺は、無力だ」
「お嬢ちゃんの回復をするから、一旦休戦するよ?」
こころに回復魔法をかけるアリス。僕はそんなことも知らず、絶望していた。
「俺は、無力だ。チートスキルも、能力も、力もない」
『君の力では、何も救えない!!』
アリスの言う通りだ。俺の力では誰も救えない。だから、こころは負傷した。
「月影君、こころちゃんが目を覚ましたよ」
「俺は、弱い」
「 」
僕のポケットに入っていたパワーストーンが全てアリスの元に行った。
「アリス、さん?」
「ごめんね、こころちゃん。見てて辛いと思うけど、止めないでね」
「お兄ちゃんは?」
「残念だけど月影君には現実を見てもらう。全てが終わったら、月影君を癒してあげてくれないかな?身体もそうだけど、心も」
こころは頷いた。しかし、こころの目からは温かい涙が流れた。
「月影~!!」
アリスは大声で僕の名前を叫んで僕のところに瞬間移動して、僕を殴り飛ばした。
「君の使ってきたパワーストーンは全て返してもらう。君みたいな弱者が持っていてもなんの意味もない!!」
また先程のように殴ったり、蹴ったり、魔法弾を放ったりして、僕を攻撃しながらアリスは言った。
「君が思っているほど現実は甘くない!!君にはなんの力もない!!君は無力だ!!だから大切な者を失う!!さっきのお嬢ちゃんだけでなく、他の人も失う!!それらは全て君が弱いからだ!!わかっているだろ!!君には物語に出てくる主人公のような力はない!!なんの努力もしない君にはなんの力もない!!君は最弱キャラなんだよ!!」
その通りだ。僕は無力だ。特別な力なんてない。アリスさんのような力もない。わかっている。
「そんなのわかってんだよ!!」
僕は剣で、拳で、足で攻撃をした。
「そんなのはもうわかってんだよ!!俺だって自分の無力にはうんざりしてるよ!!わかってんだよ!!ディアボロスと戦って痛感したよ!!なんでこんなに力がないんだって悔やんだよ!!力を失ったからレイナとも喧嘩したよ!!ネイバーとも対立したよ!!わかってんだよ全部!!俺には特別な力なんてないって!!最弱キャラなんだって!!」
僕は泣いていた。泣きながらアリスに攻撃していた。だけど全く当たらない。当たるのはアリスによる攻撃だけ。悔しい。悔しい。悔しい。
「最弱キャラって自覚があるならディアボロスとやらは他の人に倒してもらえばいいでしょ!!君がジョーカーの力を持ってなくてもいいんだよ!!最弱の君よりも、他の人の方がもっと力を使いこなせる」
「違う」
僕はそう言ってアリスの拳を受け止めた。
「俺じゃなきゃダメなんだよ。俺がジョーカーじゃなきゃダメなんだよ!!」
僕はアリスを殴り飛ばした。今までで一番スピードがあり、一番力の籠ったパンチを繰り出した。
「まさか」
俺の身体全体が水色のオーラに纏われた。俺の剣は粉々に砕けた。が、砕けた破片と俺のオーラで最強の剣を生み出した。
「君が私以外は使えないタイプを習得するとは思わなかったよ、月影君」
「これが俺のみが使える剣、【聖剣下克上】だ!!」
「お兄ちゃん、それ下克上を英語にしただけじゃん」
こころは少し呆れていた。
「か、かっこいい~!!」
アリスは目がきらっきらしていた。
「悪かったな、アリス。ここからは俺の出番だ」
「光属性を扱えるようになったからって、君はまだ使いこなせない。残念だけど私以外は光属性はこの世界には存在しない。無論敵である君には使い方は教えないけどね」
「そんなことされなくても使い方なら教えてもらわなくてもいいようだぜ!!何せ今の俺の頭脳はパワーストーン発動時と同じ状態だからな」
「なるほどね。検索能力でもうマスターしているのか」
「GAME START」
俺はそう言って、走ってアリスに接近した。
「言っとくが、俺の光属性は常時発動する!!オーラがなくても俺の強さは今までより強いぞ!!」
俺は【下克上】でアリスに攻撃した。
「速い!!」
アリスは剣で受け止めた。
「残念だけど私は君の上位互換、進化版だ。君には私に勝てる現実はないよ!!」
アリスは剣を弾いて、魔法弾を放った。
「俺の運命は俺が決める!!誰にも決めさせね~!!」
俺は斬撃を飛ばして魔法弾を全部切った。それを見てアリスは驚いていた。そして笑っていた。
「そろそろ本気でいくよ、月影」
「望むところです!!アリスさん」
俺はアリスさんに【下克上】を向けて言った。
「見せてやるよ、俺が選んだ現実を!!」
「ここが例の神殿だよな」
「そうだと思うけど、何も無いね」
そう。こころが言ったように何も無い。そう思っている時だった。僕らが立っているところに魔法陣が出てきた。
「こころ!!」
僕は叫んでこころの手を掴んだ。
目が覚めたら真っ青な空が見えた。
「ここは、どこだ?」
僕が体を起こしたらこころが目を覚ました。
「お兄ちゃん」
「こころも目が覚めたんだ」
「ここ、どこ?」
「ここは君たちがいた世界とは違う世界だよ」
僕らの方に銀髪ロングヘアのエルフ族の女性が歩いてきた。こころは僕の後ろに隠れた。
「そんなに警戒しなくても私は何もしないよ」
「あなたは誰なんですか?」
女性はふーっと一息ついて名乗った。
「私はアリス・レジーナ・ジョーカー、よろしく」
「ジョーカー?もしかしてあなたが初代ジョーカーですか?」
「察しがいいね~。そう、私は初代ジョーカー、君の先代に当たるのかな?現役ジョーカー、月影君」
「え?」
「ふふっ。君のことはもう調べ終わってるよ。君の後ろにいる子がこころちゃん、だよね?」
こころは静かに頷いた。
「悪いけどこころちゃん、少し月影君から離れてもらえるかな?」
「なん、で、で、ですか?」
「いや~、いろいろと聞かれると面倒なことになるからさ~、聞かれたくないんだよね~。安心して、別に2人を殺したりはしないから」
「アリスさん?発言が物騒ですよ?」
こころは怯えていた。涙目になって僕の服を掴んでいた。
「あはは、ごめんごめん。そんなつもりで言ったんじゃないんだよ。ごめんね、怖い思いさせちゃって。けど、本当に、数分だけ離れててもらっていい?」
「こころ、すぐに終わらせるからちょっとだけ待っててくれないか?」
こころは頷き、トコトコと歩いて離れていった。
「かわいい妹だね」
「そうですね。で、僕に何の話ですか?」
「どこでジョーカーの力を手に入れた?」
アリスは真剣な顔をして質問した。
「僕は、その、覚えてないんです」
「え?」
「こころが言うには、僕の前のジョーカーと出会ったらしいんですが、僕にはそんな記憶が無いんです」
「記憶喪失、と言うやつか」
「多分違うと思います」
「どういうことだい?」
「僕は転生してこの世界、今は異世界か。あの異世界に来たんです」
「転生?なんだい?それは」
「生まれ変わりのことです」
「つまり、君は転生してあの世界に来たってことかい?」
「そうですね。なので転生前の記憶は無いんです」
「つまり君はジョーカーの力を受け継いだ瞬間の記憶がないからわからないのか」
「そろそろこころをこっちにこさせても大丈夫ですか?」
「あ、うんうん、いいよ」
僕はこころを呼んだ。するとこころは抱きついてきた。
「2人は仲がいいんだね」
「うん。お兄ちゃん、好き、です」
「愛されているね~」
こころは頬をずっと僕の身体にすりすり擦っていた。
「それで、君たちがここに来た理由はなんだい?」
「僕、いいえ、ジョーカーの力の事なんですが、あっちの世界では魔王と呼ばれるやつと戦った時にパワーストーンの力を失いました。なので初代ジョーカーが残した地図に記されたこの神殿でなら何かわかるかもしれないと思ってきました」
「落ち込みながら言っているところ悪いけど、パワーストーンの力は失われていないようだよ」
「え?」
どういうこと?え?だって変身できないじゃん。
「パワーストーンの力は失われていないが、君の力が弱くてジョーカーなのか危うく思うのは確かだ」
「すみません。僕は最弱キャラに転生したみたいで」
「まぁ、それは不便だったね」
僕は頭を下げて大声で言った。
「僕は強くなりたい!!だから、僕を鍛えてください!!」
「嫌だね、ごめんね」
そ、即答。めっちゃ即答。悩むどころか考えもしないほどの即答。
「だってさ、君が最弱キャラならもう諦めるしかないよ。その魔王とやらは他の人に任して君はとっとと逃げな」
「そんな言い方、しなくても、いいと、思い、ます」
「お嬢ちゃん、実際無理なんだよ。鍛えてあげようにもそれなりの力がないと、お嬢ちゃんの大切なお兄ちゃんは二度と動けないようになるんだよ」
こころは何も言い返せずに黙った。
「二度と動けない、ですか?」
「うん、そうなんだよね」
「だったら勝負しましょう、アリスさん。いいえ、初代ジョーカー!!僕はあんたのトレーニングに耐えきってみせる!!耐えれたら僕の勝ち、耐えきれなければあんたの勝ちっていう簡単な勝負だ!!」
「ふふっ。あはははは。君、おもしろいことを言うね。いいよ、勝負してあげる。君が勝ったら君の一代前のジョーカーに合わしてあげるよ。無論力も戻してあげるよ」
「先代ジョーカーと力ですか。わかりました。それじゃあ、遠慮なく」
「お嬢ちゃん、下がっといた方がいいよ。少し、と言うよりも派手に戦うかもしれないから」
僕の力は今は何も使えない。さっきアクアストーンを剣にはめたが何も変化しなかった。だったら僕自身の身体能力のみで戦うしかない!!
「かかってきな」
僕はアリスの方へ走った。
「遅い遅い。そんなんじゃ~、誰も守れないよ」
アリスはあっさりと僕の攻撃をかわした。
「まだだ!!」
僕は我武者羅に剣を振った。だが、全て避けられている。
「なんだい?そんな弱い攻撃は?」
雰囲気が変わった。
「弱いよ、月影君」
アリスは僕を蹴り飛ばした。
「お兄ちゃん!!」
「クソっ!!」
アリスは目で追えないほどのスピードで攻撃を繰り出した。
「危なっ」
「遅いよ」
今度は殴り飛ばされた。
「ガバッ」
「まだまだこれからなんだよ、月影君」
起き上がったら、大量の魔法弾が空に浮かんでいた。
「まさか、全属性の魔法弾!?」
「さよなら、月影君」
無数の魔法弾は僕の方へ飛んできた。その魔法弾は追尾式のため、全弾命中した。
「うわぁぁぁぁぁ!!」
僕は意識を失う寸前までダメージを食らっていた。
「そろそろ降参することを勧めるよ」
「 」
「あのね~、」
アリスは蹴り飛ばしながら話した。
「君は力が無いんだからさ~、私みたいな強敵を目の前にしたらさ~、逃げるべきなんだよ」
やばい。音が聞き取りにくい。視界もぼやけてきた。身体も痺れて動かね~。
「君は往生際が悪いよ」
「グブッ」
「 」
そして僕は聞きたくなかった言葉を告げられた。
「君の力では、何も救えない!!」
そう言ってアリスは魔法弾を放った。
「止めて~!!」
大声で叫んでこころは僕の前に走ってきた。
「ちょ、お嬢ちゃん、危ない!!」
こころは魔法弾を正面から受けた。
「こ、ころ?」
こころはその場で倒れた。
「こころ!!こころ!!」
「おにぃ、ちゃん。大……丈夫、だよ……。私。お兄ちゃんっ……を。守っ……た、よ……。やっと……おにぃ……ちゃんと……一緒に……いれ、る……よね」
こころは気を失った。
「俺は、無力だ」
「お嬢ちゃんの回復をするから、一旦休戦するよ?」
こころに回復魔法をかけるアリス。僕はそんなことも知らず、絶望していた。
「俺は、無力だ。チートスキルも、能力も、力もない」
『君の力では、何も救えない!!』
アリスの言う通りだ。俺の力では誰も救えない。だから、こころは負傷した。
「月影君、こころちゃんが目を覚ましたよ」
「俺は、弱い」
「 」
僕のポケットに入っていたパワーストーンが全てアリスの元に行った。
「アリス、さん?」
「ごめんね、こころちゃん。見てて辛いと思うけど、止めないでね」
「お兄ちゃんは?」
「残念だけど月影君には現実を見てもらう。全てが終わったら、月影君を癒してあげてくれないかな?身体もそうだけど、心も」
こころは頷いた。しかし、こころの目からは温かい涙が流れた。
「月影~!!」
アリスは大声で僕の名前を叫んで僕のところに瞬間移動して、僕を殴り飛ばした。
「君の使ってきたパワーストーンは全て返してもらう。君みたいな弱者が持っていてもなんの意味もない!!」
また先程のように殴ったり、蹴ったり、魔法弾を放ったりして、僕を攻撃しながらアリスは言った。
「君が思っているほど現実は甘くない!!君にはなんの力もない!!君は無力だ!!だから大切な者を失う!!さっきのお嬢ちゃんだけでなく、他の人も失う!!それらは全て君が弱いからだ!!わかっているだろ!!君には物語に出てくる主人公のような力はない!!なんの努力もしない君にはなんの力もない!!君は最弱キャラなんだよ!!」
その通りだ。僕は無力だ。特別な力なんてない。アリスさんのような力もない。わかっている。
「そんなのわかってんだよ!!」
僕は剣で、拳で、足で攻撃をした。
「そんなのはもうわかってんだよ!!俺だって自分の無力にはうんざりしてるよ!!わかってんだよ!!ディアボロスと戦って痛感したよ!!なんでこんなに力がないんだって悔やんだよ!!力を失ったからレイナとも喧嘩したよ!!ネイバーとも対立したよ!!わかってんだよ全部!!俺には特別な力なんてないって!!最弱キャラなんだって!!」
僕は泣いていた。泣きながらアリスに攻撃していた。だけど全く当たらない。当たるのはアリスによる攻撃だけ。悔しい。悔しい。悔しい。
「最弱キャラって自覚があるならディアボロスとやらは他の人に倒してもらえばいいでしょ!!君がジョーカーの力を持ってなくてもいいんだよ!!最弱の君よりも、他の人の方がもっと力を使いこなせる」
「違う」
僕はそう言ってアリスの拳を受け止めた。
「俺じゃなきゃダメなんだよ。俺がジョーカーじゃなきゃダメなんだよ!!」
僕はアリスを殴り飛ばした。今までで一番スピードがあり、一番力の籠ったパンチを繰り出した。
「まさか」
俺の身体全体が水色のオーラに纏われた。俺の剣は粉々に砕けた。が、砕けた破片と俺のオーラで最強の剣を生み出した。
「君が私以外は使えないタイプを習得するとは思わなかったよ、月影君」
「これが俺のみが使える剣、【聖剣下克上】だ!!」
「お兄ちゃん、それ下克上を英語にしただけじゃん」
こころは少し呆れていた。
「か、かっこいい~!!」
アリスは目がきらっきらしていた。
「悪かったな、アリス。ここからは俺の出番だ」
「光属性を扱えるようになったからって、君はまだ使いこなせない。残念だけど私以外は光属性はこの世界には存在しない。無論敵である君には使い方は教えないけどね」
「そんなことされなくても使い方なら教えてもらわなくてもいいようだぜ!!何せ今の俺の頭脳はパワーストーン発動時と同じ状態だからな」
「なるほどね。検索能力でもうマスターしているのか」
「GAME START」
俺はそう言って、走ってアリスに接近した。
「言っとくが、俺の光属性は常時発動する!!オーラがなくても俺の強さは今までより強いぞ!!」
俺は【下克上】でアリスに攻撃した。
「速い!!」
アリスは剣で受け止めた。
「残念だけど私は君の上位互換、進化版だ。君には私に勝てる現実はないよ!!」
アリスは剣を弾いて、魔法弾を放った。
「俺の運命は俺が決める!!誰にも決めさせね~!!」
俺は斬撃を飛ばして魔法弾を全部切った。それを見てアリスは驚いていた。そして笑っていた。
「そろそろ本気でいくよ、月影」
「望むところです!!アリスさん」
俺はアリスさんに【下克上】を向けて言った。
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