それは、噂から

戒月冷音

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第12話

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次の日の朝。
日が昇る前に、エドガーがクラウスを起こしに行くと
「まだ早いっ」
と言って、エドガーが殴り付けられた。
ドガッ
クラウスの部屋から聞こえた音に、屋敷の者全員が驚く。

「何かあったの?」
私がクラウスの部屋に行くと、入り口の扉が中から壊されている。
「エドガー、大丈夫?」
私は倒れているエドガーに手を差し出し、体を起こす。
「いたた・・・はい、大丈夫でございます」
そう返事をして立ち上がるエドガーは、意を決してもう一度、クラウスを起こしにかかった。

「クラウス様、いい加減にしていただけますか。
 あなた様が起こせと、言われましたのに」
「うるさいぞ、クリス。俺はまだ眠い」
「クリスとは誰ですか?私はエドガーですっ。
 いい加減起きなければ、謁見に間に合いません」
エドガーの大声は、私達が聞いたこともないようなものだった。

クラウスも飛び起き、ベッドの上で正座するほど。
「クラウス様。ここは、メフィスト公爵家でございます。
 隣国の安宿と一緒にしないでいただけますか?」
「は、はい。すみません」
エドガーは、先代の公爵様から引き継がれた方で、クラウスを子供の頃から知っている。
「すぐに身なりを整え、朝食を取っていただき、
 こちらの国の情報を仕入れてからでなければ、国王陛下の相手など
 勤まりませぬ」
そう言って説教をした後、エドガーの治療に私が入る。
「エドガー、額から血が出ているわ。すぐに手当てを」
「ありがとうございます。奥様」
エドガーと同じ理由で、屋敷に残ってくれた侍女頭にクラウスを任せ、私はエドガーを連れて執務室に戻った。
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