それは、噂から

戒月冷音

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第22話

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「貴方は、マイヤー夫人の使者として来られたのね?」
「はい」
「ここはメフィスト公爵家。マイヤー家ではないわ。
 そして、その公爵の妻は、私です。
 ですから、マイヤー様が帰られないと言われても、私共には
 何も分かりません。
 私に分かるのは、メフィスト公爵の居場所ですが、貴方の探し人は
 マイヤー様です。
 ですので、私共のところに来られても・・・」
「ですが、イザリア様から頂いた手紙の住所は、ここなのですが?」
「何か、間違えられたのではないでしょうか?
 お力になれず申し訳ございません」
私はそう言って、頭を下げた。
使者・・・と言うか、商人の方は、首をかしげながらも納得して帰っていった。

私は、執務室に戻り椅子に座る。
それを見越したように、エドガーがお茶をいれてくれた。
「ありがとう」
「使者の方は、なんと?」
「よく分からないのだけれど、我が家の住所を持って、マイヤー様の
 居場所を確認に来られたの」
「マイヤー様の?」
「イザリア様のご主人らしいわ。知ってる?」
「知りませんね。使用人の中にも、マイヤーと言う姓はございません」
「そうよね」

エドガーのお茶で、ほっと一息ついた時、ふと噂を思い出す。
<メフィスト公爵の奥様・・・話しに聞いたけど、最悪よ。
 公爵が決めた事を、全て却下されるんですって。
 自分のためにお金を使って、領民から巻き上げるって・・・
 旦那の相手をせず、男をあさり快楽を楽しむんですって>
私は主人になにもしていないし、私のドレスは領の仕立て屋にお願いしたシンプルなもの。
私の使うお金は、領内に落とし、男あさりではなく、領民と共に土いじりをしている。
それが、メフィスト公爵夫人の、当たり前だった。
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