それは、噂から

戒月冷音

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第27話

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あれはたしか、私が10歳の時・・・始めてクラウスが、私に贈り物をくれた。
まだ子供だったから、かわいいお人形とお菓子だったが、私にとっては宝物だった。
十五歳の時、一年後の婚姻の準備で、私が手を取られている間、クラウスは何度目かの出張で、隣国に行っていた。
そのおみあげに、クラウスが選ぶとは思えない髪飾りを貰った。
真っ赤なバラを中心に、赤とピンクで作られたそれは、私に似合うと言いがたいものではあったが、クラウスからの贈り物なので、宝物だ。
そして、その翌年に婚姻。
しかしその次の日に出張が入り、夜から準備をし、朝には出発した関係で、初夜は行われなかった・・・

今考えれば、婚約者への対応や、婚姻式の扱い等、可笑しな事だらけだ。

私が公爵家に住むようになり、公爵家の当主代理を17歳で任され、領地管理もやってきた。
色々教えてくれたのは、クラウスではなく、エドガー達使用人達。
クラウスは、隣国への出張が増え、公爵家の仕事は全て、私が行うこととなった。
17になったばかりの若い娘など、領民にとってただただ不安でしかなかっただろう。
それでも私に、たくさんの事を教えてくれ、町の中の事も大体分かってきた。
その頃には、クラウスの事より、領地や公爵家の事ばかり気にしていたから、クラウスの事など、たまに家にいる・・・と、思うくらいになっていた。

多分・・・その頃にはもう、クラウスの方もマイヤーとしての生活が、始まっていたのでしょう。
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