それは、噂から

戒月冷音

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第28話

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その日、屋敷に着いたのは、真夜中になってからだった。

屋敷の明かりは、必要最小限しかついておらず、少し寂しそうな感じだ。
しかし、玄関前に馬車をつけると、玄関が開き、中から明かりが溢れてくる。
「お帰りなさいませ」
「「「「「お帰りなさいませ」」」」
エドガーに続いて、使用人の皆が出迎えてくれた。

馬車を降りて声をかける。
「どうしたの?皆、もう遅いから、休んでいるとばっかり・・・」
「皆が、奥さまが頑張っておられるのに、休んでいられないと・・・
 何かをしながら、お待ちしておりました」
「・・・皆にも、心配をかけたのね。本当にありがとう」
恐らく、クラウスの事が、皆に伝わったのだろう。
エドガーは、少し気疲れしているように見える。

「皆、ありがとう。私も直ぐに休むから、皆も休んで」
私がそう言うと、使用人達は、頭を下げて下がっていく。
ただ1人・・・エドガーだけは、そこから動かなかった。
「あなたは、クラウスの事が知りたいのね」
「はい。子供の頃から、見ておりますので・・・」
「分かったわ。執務室に」
「はい」
そう言って私達は、執務室に向かい、私はいつもの席に座り、そしてエドガーはその前に立った。
「結論だけ言っておくわ。
 クラウスは、ここに帰ってこれないでしょう」
「それは・・・」
「あの人・・・噂の事だけならまだ、私とあちらの奥様を入れ換えれば、済むことだったの」
「その様なこと・・・」
「でもね。
 あっちの生活費、豪遊費、子供の教育費・・・その全てを出張費用に変換して、
 国に出してもらっていたそうよ」
私からその説明を受けたエドガーは、その場に崩れ落ちた。
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