それは、噂から

戒月冷音

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第39話

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しばらくの間、私とエドガーは、クラウスとクルセイダ公爵のやり取りを、静かに見守っていた。
「し、しかし何故、クルセイダ公が、メイリアを引き受けられたのですか?」
「あぁ・・・それは、私の妹が関係している」
「マリフェリア様が?何故?」
「公爵家夫人の会に王妃様と共に参加した時、仲良くしてもらったようで、
 交流したいと言ってな。
 だから、我が家にお招きして、妹も里帰りする予定だ」
「そ、そうなのですね。
 ですがそれでは、クルセイダ公の手を煩わせてしまいます」
「それは、構わない。妹もいるしな。
 それに国王陛下から、奥方には手出し無用の命が出ている。
 屋敷ですることもなく、暇する代わりに、我が家で
 妹の相手をしてもらった方が、楽しいだろう」
さすがのクラウスも、そこまで言われたらどうすることも出来ない。

「分かりました。ですが、引き継ぎぐらいは良いですよね?」
「引き継ぎ?何故、自分がしていた仕事に、引き継ぎがいるんだ?」
「えっ?」
「噂では、メフィスト公爵は、自分の領地もきちんと管理した上で、
 他の領地にも手を出してると聞いた。
 そうなんだろ?だったら、引き継ぎなんていらないはずだ」
「それは噂でしょう。
 さすがの私も、その場にいないのに、仕事はできませんよ」
はははっ・・・と笑うクラウスに、クルセイダ公爵は変わらず、冷たい目を向けていた。

「では何故、収入をご自身が手に入れていたのですか?
 それは、領地を管理したものに与えられる、報奨の様なものです。
 それを、その場にいないものがもらっていたと言うだけで、
 私達管理者としては腹が立つのに、奥方はそんな素振りもない。
 いったい貴方はメフィスト家を、どのように扱っていたのでしょうかね?」
笑いもせず、それだけ言ったクルセイダ公爵は、そのすぐ後、私とマリフェリア様を送ると言う理由で、私とエドガーをつれて、クラウスの前から離れた。
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