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第10話
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「勝手に入ってこられては困ります」
私付きの文官がそう言い、抑えようとしているが、全く刃が立たない。
「おやぁ?なぜ女が、そこに座っているのでしょうか?
私の上司は、男性だったはずですが?」
ニタァ…と笑うと私を舐め回すかのように見て
「こんなお嬢様が何故、そこに座っておられるのか。理解に苦しみますなぁ」
と言った。
その時
「シャリア伯爵。私の友に用でもあるのか?」
と、リーベルト第二王子殿下が開けたままの入口から、顔を出した。
「おぉ。これはこれは第2王子殿下。…今、この娘を友と言われましたかな?」
「あぁ、言った。彼女は私の友であり、この国で二人目の女公爵様だ」
「はぁ!?おん、女公爵~っ」
ここまでの様子を見て、やっと分かった。
お父様は男性だったから、この男のこの姿を見たことがないのだ。
この男は息子と同じで、女性を下に見る。
そして、女は仕事をするものではなく、性欲の発散場所…
おそらくこの男は、娼館通いをしているのでしょうね。
「あ、あの、えっと、その…リーンクリフ公爵…様でしょうか?」
私は一言も話さない。エルフィンは、一言も話せない…
ここで今喋っているのは、シャリア伯爵と、同格の文官、それに第2王子殿下だけ。
エルフィンは自分より格上が居る時は、絶対に喋らない。
私は…
「マ…リーンクリフ公爵。そろそろ声を出しても良いのではないか?」
第二王子殿下…リーベルト殿下がそう声をかける。
しかし私は首を振り、そそれを拒否した。
「嫌なのかい?…仕方ないなぁ」
そう言うとリーベルト殿下は、ドリウス様を呼びシャリア伯爵を部屋から出すように言った。
「なっ、何故、儂がっ…」
「シャリア伯爵。この場所で、一番上位は俺以外で誰か?」
「……リーンクリフ公爵様」
「よく、分かっているじゃないか。でも君は、その公爵に何をした?」
「ひっ!?」
リーベルト殿下の笑みが、黒くなったのが分かる。
「国王陛下より決められたルールを破っていことに、気付いていないようだから
教えてあげよう。
この国の王宮内では、爵位が下のものが上の者に突然声をかけるのは
ダメなはずだよね。
しかも、君の御子息も同じ事をして処分されたのに、同じ事を
親がしてしまうなんて…問題外だよね」
私は見慣れているが、数人の文官がその場に座り込む。
リーベルト殿下は、ランドクリフ王太子殿下よりきつい性格であり、怒ってしまうと怒気が激しい。
なにせ、顔は微笑んだまま、目だけが笑っていないのだ。
少し離れていたから座り込むだけで住んでいるが。正面から見るとホラーの何者てもない。
案の定シャリア伯爵は、ドリウス様に首根っこを引っ掴まれたまま、その顔を見てしまったがために失神した。
「息子と同じにしとけよ。ドリウス」
「了解」
そしてやっと、静けさを取り戻した私の職場は、リーベルト殿下のおかげでいつもの調子に戻った。
私付きの文官がそう言い、抑えようとしているが、全く刃が立たない。
「おやぁ?なぜ女が、そこに座っているのでしょうか?
私の上司は、男性だったはずですが?」
ニタァ…と笑うと私を舐め回すかのように見て
「こんなお嬢様が何故、そこに座っておられるのか。理解に苦しみますなぁ」
と言った。
その時
「シャリア伯爵。私の友に用でもあるのか?」
と、リーベルト第二王子殿下が開けたままの入口から、顔を出した。
「おぉ。これはこれは第2王子殿下。…今、この娘を友と言われましたかな?」
「あぁ、言った。彼女は私の友であり、この国で二人目の女公爵様だ」
「はぁ!?おん、女公爵~っ」
ここまでの様子を見て、やっと分かった。
お父様は男性だったから、この男のこの姿を見たことがないのだ。
この男は息子と同じで、女性を下に見る。
そして、女は仕事をするものではなく、性欲の発散場所…
おそらくこの男は、娼館通いをしているのでしょうね。
「あ、あの、えっと、その…リーンクリフ公爵…様でしょうか?」
私は一言も話さない。エルフィンは、一言も話せない…
ここで今喋っているのは、シャリア伯爵と、同格の文官、それに第2王子殿下だけ。
エルフィンは自分より格上が居る時は、絶対に喋らない。
私は…
「マ…リーンクリフ公爵。そろそろ声を出しても良いのではないか?」
第二王子殿下…リーベルト殿下がそう声をかける。
しかし私は首を振り、そそれを拒否した。
「嫌なのかい?…仕方ないなぁ」
そう言うとリーベルト殿下は、ドリウス様を呼びシャリア伯爵を部屋から出すように言った。
「なっ、何故、儂がっ…」
「シャリア伯爵。この場所で、一番上位は俺以外で誰か?」
「……リーンクリフ公爵様」
「よく、分かっているじゃないか。でも君は、その公爵に何をした?」
「ひっ!?」
リーベルト殿下の笑みが、黒くなったのが分かる。
「国王陛下より決められたルールを破っていことに、気付いていないようだから
教えてあげよう。
この国の王宮内では、爵位が下のものが上の者に突然声をかけるのは
ダメなはずだよね。
しかも、君の御子息も同じ事をして処分されたのに、同じ事を
親がしてしまうなんて…問題外だよね」
私は見慣れているが、数人の文官がその場に座り込む。
リーベルト殿下は、ランドクリフ王太子殿下よりきつい性格であり、怒ってしまうと怒気が激しい。
なにせ、顔は微笑んだまま、目だけが笑っていないのだ。
少し離れていたから座り込むだけで住んでいるが。正面から見るとホラーの何者てもない。
案の定シャリア伯爵は、ドリウス様に首根っこを引っ掴まれたまま、その顔を見てしまったがために失神した。
「息子と同じにしとけよ。ドリウス」
「了解」
そしてやっと、静けさを取り戻した私の職場は、リーベルト殿下のおかげでいつもの調子に戻った。
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