貴方の✕✕、やめます

戒月冷音

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第5話

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それから1ヶ月後、私はマリア・メルディアからマリア・ファルになった。
そして、初夜をすることなくクーディアス様は討伐へと旅立ち、私はファル家の女主人として動き出した。

新しい領地の管理と経営。
特に目立った特産品も、なにもない土地。そこをどうやってもり立てていくか…
私だけではどうにもならず、お屋敷の皆様に色々聞いてみることにした。
すると、ご近所ネットワークで出るわ出るわ。

それを元に、専門家の意見や皆の話しを聞き改良していく。
改良に改良を重ねて作った製品はまず、領地で売れた。その後口伝てに聞いた領地以外の人が欲しがり商会の人が買いに来るほど。
それを繰り返していく内、ファル家の領地は潤い、領民が安定した収入を得られるようになり経営は安定した。

それから3年後。
クーディアス様の帰還が伝えられ、領地は盛り上がった。
領主が英雄と呼ばれるほど活躍したらしく、王都では大人気だったようだ。
クーディアス様は暫くの間、仕事上の都合で王都の屋敷に居る為、領地には帰ってこない。
私は今まで通りに振る舞い、お屋敷のみんなと楽しく過ごしていた。

しかしその2週間後、突然クーディアス様が屋敷に姿を表した。
みんな大慌てで、私に指示を仰ぐ。
「とにかく、私が対応している間に、旦那様のものを準備して下さい」
「ですが時間が…」
「大丈夫だと思いますよ」
そう答えながら玄関に向かうと、クーディアス様と騎士二人と何故か女性が一人いた。
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