貴方の✕✕、やめます

戒月冷音

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第38話

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「まぁ、今の位置を見ても、そうした方が正しい気はするか…」
侯爵様の言葉に、クーディアス様ははたっと我に返る。

「そう言えば何で?…この場では俺とマリアが…」
そして、部屋に入った時の自分を思い出したのか、急に悶えだし、
「そうだ。つい、いつも通り座ってしまったんだ。ティスミルの隣に…」
自分から座ったことを、思い出していた。
「ほぉ。自分から、いつも通り…ですか。
 ということはいつも、奥様ではなく娘を、優先してていたということですな。
 それなら私どもの方は、了解いたしました」
その言葉と同時に、懐から書類を出す侯爵様。

「なっ!?何を、始めるんだ?」
「何を、と申されましても…」
侯爵様が困り顔でこちらを向くから、私はにっこり笑って
「クーディアス様。
 これから侯爵様立会のもと、私とクーディアス様の離縁の手続きと、
 ティスミル様とクーディアス様の婚姻の書類を、作成させて頂きます」
「はぁ!?俺は納得してないぞ」
「ですが先程、いつも通りと申されました。
 貴男がいつも通りに相手するのは妻…でなければいけないと、設計には書かれています。
 今の貴男はそうではない方に、いつも通りの行動をして居られるのです。
 ですから設計書通り、相手が妻になるよう、私達が動けば問題ないでしょう」
「設計…通り?」
「えぇ。
 コレは、今まで貴男が書き続けてきた人生設計に、合わせるための措置です」
「設計に名前は…」
「ありませんよ。
 クーディアス様のことは俺、相手のことは妻。
 その二人の間で行うことを記した設計です。
 ですが今、妻の役割が別れてしまっていますので、軌道修正するだけです」
私は普通に、いつも通り微笑んだままの顔でクーディアス様に説明した。
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