貴方の✕✕、やめます

戒月冷音

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第109話

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そのまま私はまた、眠りについたようだ。
シーツを被ったまま、すやすやと眠る私を、そっと抱きしめる手に反応し、引き寄せると…
「マリア?」
と声が聞こえた。

「ん゛ぅ?」
「起きた?」
「ラヴェ、様?」
「おはよう…早く起きないとまた、美味しく頂かれるよ?」
そう言われて、ぼやっとしたままの頭でなんとか動くと、自分がなにかにピッタリとくっついていることに気付く。
「だ、だからやばいって…」
その声をたどると、私の頭の上にスラヴェ様の顔があった。

えっ!?ということは…

「マリアは寝返りを打った瞬間、俺の体にピッタリとくっついて…
 そのまま、今に至る」
そう説明されて確認すると、本当に首から膝の下までピッタリと……

その瞬間、ぐるぐるっと体を転がして、ベットの端まで行く。
なっ…何を私はあんなところで、分析なんぞやっているのか…
大きく息を吐いて、すってを繰り返し、落ち着こうとする。

「ふはっ…クックックッ…」
背後から聞こえる笑い声に、反転して振り向くと、スラヴェ様が腹を抱えて笑っていた。
「ラ、ラヴェ…様?」
「いやっ、済まない。あまりにもきれいな転がり方だったものだから…」
「綺麗なって…」
「何をやっても、君は綺麗だ」
「転がっている女が、きれいな訳ありません」
「綺麗だ…」
そう言っていつの間にか私の横まで来ていたスラヴェ様は、私の髪を一房拾い上げそこにキスを落とした。
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