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第150話
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「マリ…」
ラヴェ様が声をかけようとするが、私は手で遮った。
「マリア様。貴女は何故助けてくださらないの?
私は…私は、なにか悪いことをしたの?
私が、あなたにしたことは誤ったわよね。
なのに、何で私まで離縁されるの?何で?」
本当にこの人は、誰に何を言ったのかを、すっかり忘れている。
本当に、都合の良い親子だわ。
そう思いつつ
「困りましたわね」
「何が困ったのよ。貴女はそこに、座ってるだけでしょ」
「そうね。ですが貴女が身重の時、私は貴女に何をしたの?
今の貴方のように、攻め立てたかしら?」
「それは…」
「私は貴方達の交尾から、子供が出来て半年は、貴女のお世話をしました。
貴女の母でもない。
貴女に、夫を取られた女が、夫の仕事をしながら貴女の世話もしたの。
その私が、やっと幸せを手に入れたのに、貴女は私の義兄に…
それも、国王陛下に、ありもしないことを許可もなく言い返したの。
それを叱られていることは、判っておられるかしら?」
「ありも…しない?」
「貴女が私にしたことは、入れ替えでも挿げ替えでもありません。
…このような場所で、いいたくなかったのだけれど…
貴女がしたのは、寝取り。
私の夫であったクーディアスを、貴女は体を使って寝取ったの。
それを国王陛下は、このような場所でいえないから、すげ替えたと言った。
その気遣いに気付かず、貴女は国王陛下に話す許可をもらう、
というルールを破って、国王陛下のお言葉を遮った」
私の話を聞くうち、ティスミル様はやっと理解したかのように
「あ……あ…」
と言い、その場に崩れた。
実母と同じ動きね。
「それに、いくら母親に英雄の妻は自分だと言われていても、
戦場で…死にゆく方もいる場所で、そのような行為をする…
それすら私には、わからない。
貴女の取った行動すべてが、侯爵令嬢の行動とは思えないの」
この時点で、私の前に意気揚々と意見を言いに来たティスミル様は、もう何も言えなかった。
今までに、自分が何をしたか…それすら理解していなかった彼女は、私の言葉でやっと、自分が何をしたのか本当に理解したのだ。
ラヴェ様が声をかけようとするが、私は手で遮った。
「マリア様。貴女は何故助けてくださらないの?
私は…私は、なにか悪いことをしたの?
私が、あなたにしたことは誤ったわよね。
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本当にこの人は、誰に何を言ったのかを、すっかり忘れている。
本当に、都合の良い親子だわ。
そう思いつつ
「困りましたわね」
「何が困ったのよ。貴女はそこに、座ってるだけでしょ」
「そうね。ですが貴女が身重の時、私は貴女に何をしたの?
今の貴方のように、攻め立てたかしら?」
「それは…」
「私は貴方達の交尾から、子供が出来て半年は、貴女のお世話をしました。
貴女の母でもない。
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その私が、やっと幸せを手に入れたのに、貴女は私の義兄に…
それも、国王陛下に、ありもしないことを許可もなく言い返したの。
それを叱られていることは、判っておられるかしら?」
「ありも…しない?」
「貴女が私にしたことは、入れ替えでも挿げ替えでもありません。
…このような場所で、いいたくなかったのだけれど…
貴女がしたのは、寝取り。
私の夫であったクーディアスを、貴女は体を使って寝取ったの。
それを国王陛下は、このような場所でいえないから、すげ替えたと言った。
その気遣いに気付かず、貴女は国王陛下に話す許可をもらう、
というルールを破って、国王陛下のお言葉を遮った」
私の話を聞くうち、ティスミル様はやっと理解したかのように
「あ……あ…」
と言い、その場に崩れた。
実母と同じ動きね。
「それに、いくら母親に英雄の妻は自分だと言われていても、
戦場で…死にゆく方もいる場所で、そのような行為をする…
それすら私には、わからない。
貴女の取った行動すべてが、侯爵令嬢の行動とは思えないの」
この時点で、私の前に意気揚々と意見を言いに来たティスミル様は、もう何も言えなかった。
今までに、自分が何をしたか…それすら理解していなかった彼女は、私の言葉でやっと、自分が何をしたのか本当に理解したのだ。
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