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第73話
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そんな事を思い出してしまった私は、全身ガタガタと震え出した。
「マリア?大丈夫?」
コンラート様の声は聞こえているが、答えようにも、顎がカタカタして話せない。
するとコンラート様は、私の頬を両手で包み込むと、顔を自分に向けて
「俺を見て?」
と言った。
コンラート、様を・・・見る?
そう思った私は、何処を見て良いのか分からなくなっていた目を、まっすぐコンラート様に向ける。
「今、目の前にいるのは?」
そう聞かれ、私はゆっくりと息を吐くと、少し震えが落ち着き、話せるようになった。
「コ、コンラート、様」
「そう。俺は、マリアの傍にずっといる。だから嫌なことなんて、起こらないよ」
「嫌な・・・事?」
「そう、そんな事を思い出すくらいなら、俺を見て?
俺は、嫌な事を思い出すより、俺と楽しいことをして欲しい」
「楽しい、事・・・」
「うん。さっきは外で、ピクニックみたいだったし、今は暖かい部屋でお茶会だよ。
男と2人が怖いのなら、母上とヒルダにも、参加してもらおうか?
ついでに、父上も」
私は、ついでと言われてしまったお義父様を、不憫に思い
「お義父様をついでになんて・・・皆さんと、一緒が良いです」
と言った。
「君は・・・本当に、優しい人なのだね」
「いいえ。優しくなんかないわ。
私は、人の記憶を簡単に忘れてしまう・・・薄情な人間です」
「ううん。貴方は薄情で、記憶を消したのではないでしょう?
貴方は、貴方自身を守るために、あの男の記憶を消した。
もしそうしていなかったら、今ごろは完全に心が壊れていた筈です」
「そうでしょうか?」
「そうでなくとも、あの母親が、貴方の傷を広げる事しかしなかっただろうから、
癒えることは、なかっただろうね」
コンラート様の言葉を聞いて、私はそうだと思った。
「マリア?大丈夫?」
コンラート様の声は聞こえているが、答えようにも、顎がカタカタして話せない。
するとコンラート様は、私の頬を両手で包み込むと、顔を自分に向けて
「俺を見て?」
と言った。
コンラート、様を・・・見る?
そう思った私は、何処を見て良いのか分からなくなっていた目を、まっすぐコンラート様に向ける。
「今、目の前にいるのは?」
そう聞かれ、私はゆっくりと息を吐くと、少し震えが落ち着き、話せるようになった。
「コ、コンラート、様」
「そう。俺は、マリアの傍にずっといる。だから嫌なことなんて、起こらないよ」
「嫌な・・・事?」
「そう、そんな事を思い出すくらいなら、俺を見て?
俺は、嫌な事を思い出すより、俺と楽しいことをして欲しい」
「楽しい、事・・・」
「うん。さっきは外で、ピクニックみたいだったし、今は暖かい部屋でお茶会だよ。
男と2人が怖いのなら、母上とヒルダにも、参加してもらおうか?
ついでに、父上も」
私は、ついでと言われてしまったお義父様を、不憫に思い
「お義父様をついでになんて・・・皆さんと、一緒が良いです」
と言った。
「君は・・・本当に、優しい人なのだね」
「いいえ。優しくなんかないわ。
私は、人の記憶を簡単に忘れてしまう・・・薄情な人間です」
「ううん。貴方は薄情で、記憶を消したのではないでしょう?
貴方は、貴方自身を守るために、あの男の記憶を消した。
もしそうしていなかったら、今ごろは完全に心が壊れていた筈です」
「そうでしょうか?」
「そうでなくとも、あの母親が、貴方の傷を広げる事しかしなかっただろうから、
癒えることは、なかっただろうね」
コンラート様の言葉を聞いて、私はそうだと思った。
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