136 / 157
第136話
しおりを挟む
それから、コルニア夫人の話を、ジルコニア侯爵が話してくれた。
彼女は、アントニーを手に入れるために使った魅了の薬3本以外に、まだ7本も、持っていた。
グラント侯爵の親族からもらったのは、全部で10本。
あの日はその中から、効かなかった時の事を考えて、余計に2本持って私の家に来たらしい。
入ろうとして止められた2人に1本ずつ使い、様子がおかしくなったのを見て、1本で足りると確証して、本番に挑んだのだとか。
それであの・・・思い出したくもないほどの音が、響いていたのね。
記憶が戻ったことで、はっきりと思い出せる。
ジューンの蕩けた顔と、コーフンして真っ赤になったアントニーの顔。
そして、ガタガタと揺れる本棚に・・・・・・
私は久々に、気持ち悪くなった。
「大丈夫か?」
前屈みになりかけた私を、ラートが支えてくれる。
「マリア。大丈夫か?」
「マリア?」
「姉上・・・」
お父様とマドルお兄様とクライスも、心配そうにしている。
「だ、大丈夫です・・・続けて」
「けど・・・」
「お父様。私は、本当の事が知りたいのです。
あの時は、記憶を消して逃げてしまった・・・
でも、その後でジューンが普通に暮らしているのが、納得できなかったの。
あの時、薬をかけられた2人は、今も不自由な生活をしているのに・・・」
あの時の2人は、薬の効果が消えた後、目を覚ましたが、体の一部が不自由になり、元の仕事に戻れなくなってしまっていた。
その2人のために、私が逃げるわけにはいかない。
「ジルコニア侯爵様。それでジューンは、これからどうなりますか?」
私は体を起こし、まっすぐ侯爵様を見てそう言った。
「コルニア夫人は、鉱山での労働、もしくは娼館での仕事になります」
「娼館は、避けた方がいいです。彼女は、男性を食べ慣れていますから」
私の話しに、ジルコニア侯爵は眉間にシワを寄せ、嫌悪の表情を作った。
「それでは、コルニア子爵のお子は?」
保証しきれないとは思っているが、そうだとも言えない。
「それは、個人の事になりますので、私からは言えません」
「それはそうですね。幼子を悲しませるのは、俺も本意ではない」
そうしてその後も話しは続き、ジルコニア侯爵様は、コルニア夫人を子爵と離縁させることを決めた。
その理由が、今よりもっと重い罰を与えることが出きるから。
そして、自慢げに言っていた、王命により結婚したと言う言葉に、傷をつけることが出来るからだった。
彼女は、アントニーを手に入れるために使った魅了の薬3本以外に、まだ7本も、持っていた。
グラント侯爵の親族からもらったのは、全部で10本。
あの日はその中から、効かなかった時の事を考えて、余計に2本持って私の家に来たらしい。
入ろうとして止められた2人に1本ずつ使い、様子がおかしくなったのを見て、1本で足りると確証して、本番に挑んだのだとか。
それであの・・・思い出したくもないほどの音が、響いていたのね。
記憶が戻ったことで、はっきりと思い出せる。
ジューンの蕩けた顔と、コーフンして真っ赤になったアントニーの顔。
そして、ガタガタと揺れる本棚に・・・・・・
私は久々に、気持ち悪くなった。
「大丈夫か?」
前屈みになりかけた私を、ラートが支えてくれる。
「マリア。大丈夫か?」
「マリア?」
「姉上・・・」
お父様とマドルお兄様とクライスも、心配そうにしている。
「だ、大丈夫です・・・続けて」
「けど・・・」
「お父様。私は、本当の事が知りたいのです。
あの時は、記憶を消して逃げてしまった・・・
でも、その後でジューンが普通に暮らしているのが、納得できなかったの。
あの時、薬をかけられた2人は、今も不自由な生活をしているのに・・・」
あの時の2人は、薬の効果が消えた後、目を覚ましたが、体の一部が不自由になり、元の仕事に戻れなくなってしまっていた。
その2人のために、私が逃げるわけにはいかない。
「ジルコニア侯爵様。それでジューンは、これからどうなりますか?」
私は体を起こし、まっすぐ侯爵様を見てそう言った。
「コルニア夫人は、鉱山での労働、もしくは娼館での仕事になります」
「娼館は、避けた方がいいです。彼女は、男性を食べ慣れていますから」
私の話しに、ジルコニア侯爵は眉間にシワを寄せ、嫌悪の表情を作った。
「それでは、コルニア子爵のお子は?」
保証しきれないとは思っているが、そうだとも言えない。
「それは、個人の事になりますので、私からは言えません」
「それはそうですね。幼子を悲しませるのは、俺も本意ではない」
そうしてその後も話しは続き、ジルコニア侯爵様は、コルニア夫人を子爵と離縁させることを決めた。
その理由が、今よりもっと重い罰を与えることが出きるから。
そして、自慢げに言っていた、王命により結婚したと言う言葉に、傷をつけることが出来るからだった。
65
あなたにおすすめの小説
石ころの結婚
有沢楓花
恋愛
――政略結婚。
ぼんやりものでその辺の石ころを自認する、子爵令嬢ハリエットの婚約者・ルークは、第三王子の婚約者である伯爵令嬢・イーディスを見つめ続けていた。
あろうことか婚約式で恋に落ちたハリエットは、彼の視界に入るためにとイーディスの取り巻きになる。
しかしそこにあったのは、一見仲睦まじく見える第三王子とイーディス、その義弟からのイーディスへの片思いと、大人の事情に振り回されるばかりの恋だった。
ハリエットは自分の想いは秘めたまま、ルークを応援しようと決めたが……。
この作品は他サイトにも掲載しています。
自称病弱いとこを優先させ続けた婚約者の末路
泉花ゆき
恋愛
令嬢エルアナは、ヴィンセントという婚約者がいた。
しかし彼は虚言癖のあるいとこ、リリアンの嘘に騙されてエルアナとの大切な約束を破り続ける。
「すまない、リリアンが風邪を引いたらしくて……」
エルアナが過労で倒れても、彼はリリアンの元へ走り去る始末。
ついに重大な婚約披露パーティまでも欠席した彼に、エルアナは婚約者への見切りをつけた。
「さようなら、ヴィンセント」
縋りつかれてももう遅いのです。
妹を選んで婚約破棄した婚約者は、平民になる現実を理解していなかったようです
藤原遊
恋愛
跡継ぎとして育てられた私には、将来を約束された婚約者がいた。
――けれど彼は、私ではなく「妹」を選んだ。
妹は父の愛人の子。
身分も立場も分かったうえでの選択だと思っていたのに、
彼はどうやら、何も理解していなかったらしい。
婚約を破棄し、妹と結ばれた彼は、
当然のように貴族の立場を失い、平民として生きることになる。
一方で、妹は覚悟を決めて現実に向き合っていく。
だが彼だけが、最後まで「元に戻れる」と信じ続けていた。
これは、誰かが罰した物語ではない。
ただ、選んだ道の先にあった現実の話。
覚悟のなかった婚約者が、
自分の選択と向き合うまでを描いた、静かなざまぁ物語。
冷遇された没落姫は、風に乗せて真実を詠う ─残り香の檻─
あとりえむ
恋愛
「お前の練る香など、埃と同じだ」
没落した名家の姫・瑠璃は、冷酷な夫・道隆に蔑まれ、極寒の離れに追いやられていた。夫の隣には、贅を尽くした香料を纏う愛人の明子。
しかし道隆は知らなかった。瑠璃が魂を削って練り上げた香は、焚く者の心根を映し出す「真実の鏡」であることを。
瑠璃が最後に残した香の種を、明子が盗み出し、手柄を偽って帝の前で焚き上げた瞬間。美しき夢は、獣の死臭が漂う地獄へと変貌する。
「この香りの主を探せ。これほど澄み切った魂が、この都に在るはずだ」
絶望の淵で放たれた一筋の香りに導かれ、孤独な東宮が泥の中に咲く白蓮を見つけ出す。
嘘と虚飾にまみれた貴族社会を、ひとりの調香師が浄化する、雅やかな逆転劇。
婚約破棄されたので契約を終了しただけですが? ~王国が崩壊したのは私のせいではありません~
しおしお
恋愛
王立学園の卒業舞踏会。
王太子レオナードは突然、婚約者である公爵令嬢アデリーナとの婚約破棄を宣言する。
隣に立つのは、涙を流す義妹ミレイナ。
「お姉様に虐げられてきました」と訴える彼女の言葉を、貴族たちは信じてしまう。
悪女として断罪され、追放を宣告されるアデリーナ。
だが彼女は怒りも悲しみも見せず、ただ静かに微笑んだ。
「承知いたしました。では――契約を終了いたします」
その一言が、すべての始まりだった。
公爵家による融資、貿易、軍需支援。
王国を支えていたすべてが、静かに停止する。
財務は崩壊し、軍は止まり、商人は離反。
王都は混乱に包まれていく。
やがて明らかになる義妹の嘘。
そして王太子の責任。
すべてが暴かれたとき、二人を待っていたのは――
完全な破滅だった。
一方アデリーナは、隣国で静かな紅茶の時間を過ごしていた。
これは、
婚約破棄された公爵令嬢が“何もしなかった”ことで始まる、
王国崩壊と地獄のざまぁの物語。
――その報告書を、彼女が読むことは一度もなかった。
醜女公爵令嬢の私が新婚初夜に「お前の事は愛することはない」と言われたので既成事実を作ったら、冷酷騎士団長の夫が狂ったように執着してきました
スノウマン(ユッキー)
恋愛
醜女と馬鹿にされる公爵令嬢レティーナは、自分とは違い子供は美形になって欲しいと願う。その為に国一番のイケメンである女嫌いで笑わない事で有名な冷酷な騎士団長カイゼルの子種が欲しいと考えた。実家も巻き込み政略結婚でカイゼルと結婚したレティーナだったが彼は新婚初夜に「お前の事は愛することはない」と告げてきた。だがそれくらいレティーナも予想していた。だから事前に準備していた拘束魔法でカイゼルの動きを封じて既成事実を作った。プライドを傷つけられカイゼルは烈火の如く怒っているだろうと予想していたのに、翌日からカイゼルはレティーナに愛を囁き始めて!?
短編)どうぞ、勝手に滅んでください。
黑野羊
恋愛
二度も捨てられた聖女です。真実の愛を見つけたので、国は救いません。
あらすじ)
大陸中央にあるルオーゴ王国で、国を守る結界を維持してきた聖女ロザリア。
政略のため王太子と婚約していた彼女は、突如『真の聖女』が現れたとして婚約を破棄され、聖女の座を追われてしまう。さらに、代わりに婚姻しろと命じられた聖騎士からも拒絶され、実家にも見捨てられたロザリアは、『最果ての修道院』へと追放された。
けれど彼女はそこで、地位や栄光、贅沢などとはほど遠い、無条件に寄り添ってくれる『真実の愛』と穏やかな日々を手にいれる。
やがて聖女を失った王国は、崩壊へ向かっていき――。
ーーー
※カクヨム、なろうにも掲載しています
夫に君も愛人を作ればいいと言われましたので
麻麻(あさあさ)
恋愛
「君も愛人を作ればいい」と夫に言われたので売り言葉に買い言葉で出会った愛人候補は自分が魔法使い伯爵と言いました。
全15話。プロローグから4話まで一挙公開。
翌日からは20時に2話ずつ公開。11日は最終話まで3話一挙公開。
登場人物
マーリン・ダグラス
結婚2年目にして夫の不倫を問い詰めたら黒だった令嬢。母に聞かされた結婚は夫となる人を大事にという言葉を守ってるが夫のギルバートにブチギレてこの度愛人を探すと決める。
デミトリアス・ドラモンドまたはアロン
マーリンが仮面舞踏会で知り合った自称魔法使い伯爵。次の日にマーリン好みの執事アロンに姿を変えて彼女の屋敷に来る。
ギルバート・ダグラス
マーリンの夫で伯爵。ギルと呼ばれている。愛人を作れば発言をした。
シェリー・モーヴ
ギルバートの愛人
エミリー
マーリンの親友で既婚者。
ララとリリー
マーリンの屋敷のメイド達。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる