私の選んだモノ

戒月冷音

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第25話

「あの時は、もう駄目だと思ったよ・・・」
と話すルイクス様は、少し気分が悪そうにしている。
「大丈夫ですか?」
「あぁ、大丈夫だ」

彼が薬に犯され、もう少しで食べられそうになった時、休憩室に入った私は、紫色のドレスを着ていた。
クリンズウォルト王国で紫は、忌避の色。そのドレスを作ったのはお姉様だった。
マルコが帝国の方を呼ぶ席に、そのような場所を作っていたことを私は知らなかった。
部屋に引っ張っていった女性が、ジェニファー様だったかどうか、覚えてはいないが、帝国の男性が女性に連れていかれ、部屋の前で押し問答をした後、女性が部屋の扉を開けた瞬間、男性の抵抗がなくなったのを見たままには出来ないと判断し、部屋に突撃した。
男性が床に倒れ、女性が馬乗りになっている姿を見た時、この人を助けなければ危ない気がした私は、上にいる女性を押し退け、男性を引きずって外に出たのだった。

しかし、出たのはいいが
「すまない。歩けない・・・」
と、小さな声で呟いたあと、気を失ってしまった彼を、医務室に連れいてくため、ヒールを脱いで彼を背負った後、裸足で駈けたのを覚えている。
「あの時は、本当に助かった。
 君がいなければ俺は今ごろ、あの女と一緒になって、一文無しになっていた」
私が自分の身の上を話した時、紫のドレスの女性を思い出したのはルイクス様だ。
そして、そう話すルイクス様は、大分落ち着かれたようだ。


「それで、ジェニファー様は、何をしに来られるのですか?」
私がそう聞くと
「ユニを、吟味しにくる」
「それって・・・」
「あぁ、いくら良いところを見せても、全て却下の婚約破棄一直線だろうな」
「そして自分と、婚約しなさい・・・でしょうね」
私がそう言うと、ルイクス様は頭を抱えた。
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