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第36話
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馬車を見送った後僕と兄は家路につこうと話、馬車止に歩いて行く。
「今日は早く終わって良かったですね」
「そうだね。ルーカス様も変わってなくて良かった」
「前からあんなに周りを見て、合わせていく方だったのですか?」
「見た目からは想像できないだろ?」
「ええ、もっと大雑把な方かと思ってました」
「ハハッ」
兄弟で気兼ねせず楽しく話していたのに
「ジョーくん」
と嫌な声が響いた。
「アーくんとジョーくん、楽しそうね」
そう言って僕と兄さんの間に入り込み、腕を抱えるドラード子爵令嬢。
兄さんはあの時の記憶が蘇るのか、本当の嫌そうな顔をして腕を外そうとしてる。
「何か用ですか?帰りたいんですが」
「用?ジョーくんと話したいかな?きゃっ」
兄が腕を抜いた反動で、僕にしがみつく。
「僕と話したいのなら、その媚を売る話し方をやめ、男の臭いを消したら、
常識的にお茶会形式でお相手します。今は…」
手を払う動きでドラード子爵令嬢を引っ剥がすと
「ひゃっ」
と声を上げ尻餅をついた。
「いったーい」
と叫ぶ声に
「大丈夫か。女性を引っ剥がすとか何して、ん…」
飛び出してきたレリンシュラ候爵令息が膝をついて、令嬢をかばう言葉を叫ぶが、僕を見て尻すぼみになった。
「どうされましたか?レリンシュラ候爵令息」
僕が声を掛けると、カタカタと震える。
キツめの妨害をしたから、気持ち悪いだろ。
「どうしたの?マーくん」
ドラード子爵令嬢が、声をかけても変わらない。
「ジョージ、帰ろう。この二人はそのままでいい」
突然兄さんがそう言うので
「そうだね」
と答えて歩き始める。
「ねえジョーくん、私も」
と付いて来ようとするドラード子爵令嬢の腕を、引き留めるレリンシュラ候爵令息。
そんな2人を見ていて思い出した事を、振り向きながら大きな声で叫んだ
「ドラード子爵令嬢っ、
その匂い消さないとレリンシュラ候爵令息とやってたの丸わかりだよー」
いやー~~~~~っ
そこに響く悲鳴。ワタワタするレリンシュラ候爵令息。
あーー楽しッ
そのまま放置で馬車を借り
「アドルファス邸まで」
と告げても、僕と兄は何も話さなかった。
馬車が学園を出た途端
クックック…フッフッフ…
そう、僕達は必死に笑いをこらえていた。
あの顔…殿下が見たらどう思うだろう。
100年の恋も一瞬で消えそうな顔だった。
「あ、あの顔は無いよね」
「ないな。でも、匂いなんてあったか?」
「あんなにくっつかれれば気付く。候爵令息は香水使ってるし、精液臭かった」
「えっ、って事は…」
「僕達の前から連れてってから、さっき会う少し前までやってたんだろうね」
「あ、そうだ。部屋から出て鍵してる時何かあった?動き、変だったから」
「あー、あの時。後でって言ったもんね」
「今日は早く終わって良かったですね」
「そうだね。ルーカス様も変わってなくて良かった」
「前からあんなに周りを見て、合わせていく方だったのですか?」
「見た目からは想像できないだろ?」
「ええ、もっと大雑把な方かと思ってました」
「ハハッ」
兄弟で気兼ねせず楽しく話していたのに
「ジョーくん」
と嫌な声が響いた。
「アーくんとジョーくん、楽しそうね」
そう言って僕と兄さんの間に入り込み、腕を抱えるドラード子爵令嬢。
兄さんはあの時の記憶が蘇るのか、本当の嫌そうな顔をして腕を外そうとしてる。
「何か用ですか?帰りたいんですが」
「用?ジョーくんと話したいかな?きゃっ」
兄が腕を抜いた反動で、僕にしがみつく。
「僕と話したいのなら、その媚を売る話し方をやめ、男の臭いを消したら、
常識的にお茶会形式でお相手します。今は…」
手を払う動きでドラード子爵令嬢を引っ剥がすと
「ひゃっ」
と声を上げ尻餅をついた。
「いったーい」
と叫ぶ声に
「大丈夫か。女性を引っ剥がすとか何して、ん…」
飛び出してきたレリンシュラ候爵令息が膝をついて、令嬢をかばう言葉を叫ぶが、僕を見て尻すぼみになった。
「どうされましたか?レリンシュラ候爵令息」
僕が声を掛けると、カタカタと震える。
キツめの妨害をしたから、気持ち悪いだろ。
「どうしたの?マーくん」
ドラード子爵令嬢が、声をかけても変わらない。
「ジョージ、帰ろう。この二人はそのままでいい」
突然兄さんがそう言うので
「そうだね」
と答えて歩き始める。
「ねえジョーくん、私も」
と付いて来ようとするドラード子爵令嬢の腕を、引き留めるレリンシュラ候爵令息。
そんな2人を見ていて思い出した事を、振り向きながら大きな声で叫んだ
「ドラード子爵令嬢っ、
その匂い消さないとレリンシュラ候爵令息とやってたの丸わかりだよー」
いやー~~~~~っ
そこに響く悲鳴。ワタワタするレリンシュラ候爵令息。
あーー楽しッ
そのまま放置で馬車を借り
「アドルファス邸まで」
と告げても、僕と兄は何も話さなかった。
馬車が学園を出た途端
クックック…フッフッフ…
そう、僕達は必死に笑いをこらえていた。
あの顔…殿下が見たらどう思うだろう。
100年の恋も一瞬で消えそうな顔だった。
「あ、あの顔は無いよね」
「ないな。でも、匂いなんてあったか?」
「あんなにくっつかれれば気付く。候爵令息は香水使ってるし、精液臭かった」
「えっ、って事は…」
「僕達の前から連れてってから、さっき会う少し前までやってたんだろうね」
「あ、そうだ。部屋から出て鍵してる時何かあった?動き、変だったから」
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