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第113話
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ダイニングテーブルの上には、私とマルクス様の朝食が並んでいる。
マイは、お茶碗がなかったので、おにぎりにして、お皿に置く。
焼き魚も、お皿に。
そして、たくさん作った副菜は、ひとつのお皿に少しずつ円形にのせ、その中心にラン焼きを置いた。
そして、味噌汁は、
「スープ皿しか、なかったので・・・」
と、マルクス様に説明しながら、2人席に着いた。
「料理長達は?」
「ここで一緒にと、お誘いしたのですが、厨房で食べるとおっしゃって・・・」
その時、入り口に扉が開き、香ばしく焼いたみんそと、ユの香りと共に、料理長が顔を出した。
「失礼します。
ミシェルさまから教えていただいた、焼おにぎりを2種類お持ちしました」
「焼きおにぎり?もしかしてこの匂いは・・・」
「みんそとユです。
こちらの調味料は、割りと塩辛いので、そこはうまく
調節したものを作りました」
「ミシェル様からそのソースをいただき、エンをつけていない
おにぎりの表面を焼きながら、そのソースを数回塗っております」
「料理長はもう、食べたのか?」
「え、あの・・・」
「・・・どうだった?」
恐らくマルクス様は、そのままの感想が聞きたいのだと思う。
和食を食べたことがない者が食べて、どう思ったのか・・・
けれど、先に食べたと言って良いのか分からない料理長は、言葉を濁していた。
「料理長。答えて大丈夫ですよ」
「で、ですが・・・」
「味見は、お出しする料理に必要なものです。
エンと糖を、間違えることだって有るのですから」
「そ、そうですね」
「それで?」
「はい、全ての料理を確認しましたが、私にとってはとても美味しく、
勉強することが多々あると感じました」
「そうか~」
マルクス様は、とっても嬉しそうに答えた。
「マ、マルクス様?」
「料理長は気づいたか?
この朝食の中に、俺が昔料理長に作れないかと何度も話に行ったものが
いくつも入っていることに」
「い、いくつも・・・ですか?
私に分かったのは、ラン焼きと、ここに添えてあるゴマ和えと言うものですが」
「ふむふむ、ゴマ和えも分かったか」
料理長は割りと、色々話を聞いていたようで、作っている途中、あれやこれやと質問をしてきていた。
だから何品かは知っているだろうと思ったが、二品以上話に上がっていたとは思わなかった。
「ミシェル、これ・・・塩辛?」
「は、はいそうです」
「後、これは・・・もしかして漬けてるの?」
そう言ったのは、糠に漬けた野菜。
かぶのような野菜と、なすに似た緑の野菜。
そして、大根に似た野菜は、沢庵にしてある。
「はい。糠を見つけたときに、糠床もどきを作りました。
そちらは、野菜を収穫したてを干して、水分を抜いた後、エン漬けしたものです」
「あー・・・沢庵か」
すぐさま言ってくださるマルクス様に、私はクスクスと笑った。
53年食べていたものと比べると、本当にもどきばかりですみませんと言いたくなるが、ここまで喜んでくださると作った会があると私も嬉しくなった。
マイは、お茶碗がなかったので、おにぎりにして、お皿に置く。
焼き魚も、お皿に。
そして、たくさん作った副菜は、ひとつのお皿に少しずつ円形にのせ、その中心にラン焼きを置いた。
そして、味噌汁は、
「スープ皿しか、なかったので・・・」
と、マルクス様に説明しながら、2人席に着いた。
「料理長達は?」
「ここで一緒にと、お誘いしたのですが、厨房で食べるとおっしゃって・・・」
その時、入り口に扉が開き、香ばしく焼いたみんそと、ユの香りと共に、料理長が顔を出した。
「失礼します。
ミシェルさまから教えていただいた、焼おにぎりを2種類お持ちしました」
「焼きおにぎり?もしかしてこの匂いは・・・」
「みんそとユです。
こちらの調味料は、割りと塩辛いので、そこはうまく
調節したものを作りました」
「ミシェル様からそのソースをいただき、エンをつけていない
おにぎりの表面を焼きながら、そのソースを数回塗っております」
「料理長はもう、食べたのか?」
「え、あの・・・」
「・・・どうだった?」
恐らくマルクス様は、そのままの感想が聞きたいのだと思う。
和食を食べたことがない者が食べて、どう思ったのか・・・
けれど、先に食べたと言って良いのか分からない料理長は、言葉を濁していた。
「料理長。答えて大丈夫ですよ」
「で、ですが・・・」
「味見は、お出しする料理に必要なものです。
エンと糖を、間違えることだって有るのですから」
「そ、そうですね」
「それで?」
「はい、全ての料理を確認しましたが、私にとってはとても美味しく、
勉強することが多々あると感じました」
「そうか~」
マルクス様は、とっても嬉しそうに答えた。
「マ、マルクス様?」
「料理長は気づいたか?
この朝食の中に、俺が昔料理長に作れないかと何度も話に行ったものが
いくつも入っていることに」
「い、いくつも・・・ですか?
私に分かったのは、ラン焼きと、ここに添えてあるゴマ和えと言うものですが」
「ふむふむ、ゴマ和えも分かったか」
料理長は割りと、色々話を聞いていたようで、作っている途中、あれやこれやと質問をしてきていた。
だから何品かは知っているだろうと思ったが、二品以上話に上がっていたとは思わなかった。
「ミシェル、これ・・・塩辛?」
「は、はいそうです」
「後、これは・・・もしかして漬けてるの?」
そう言ったのは、糠に漬けた野菜。
かぶのような野菜と、なすに似た緑の野菜。
そして、大根に似た野菜は、沢庵にしてある。
「はい。糠を見つけたときに、糠床もどきを作りました。
そちらは、野菜を収穫したてを干して、水分を抜いた後、エン漬けしたものです」
「あー・・・沢庵か」
すぐさま言ってくださるマルクス様に、私はクスクスと笑った。
53年食べていたものと比べると、本当にもどきばかりですみませんと言いたくなるが、ここまで喜んでくださると作った会があると私も嬉しくなった。
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