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第62話
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皆が一通りお菓子を食べて落ち着いたところで、国王様が私を連れて席を離れると言い、2人でガゼボから離れ花壇の中に行くと、お兄様とマルクス様が気になって仕方ないと言わんばかりに身を乗りだし、それを両親とお姉様、王妃様と側妃様が止めている。
「ミシェル嬢」
「はい」
「君は、マルクスとの婚約を、どうしようと思っている?」
「私は、お受けしたいと思っております」
「そうか…では一つ確認したい。
君は、転生…というものを、信じる人か?」
えっ!?何故国王陛下が転生のことを知っ……まさか。
そう疑いはしたが、自分の中での基準をとりあえずお伝えする。
「私は信じる…とかではなく、それを言っている人が、信じるに足る方であれば
疑うことはありません。
しかし、信じきれない方が言われたのであれば…無理だと」
「そうか。まぁそうなるか。ではもう一つ…良いか?」
「その前に、私から確認してもいいですか?」
「良い」
「国王陛下は、信じておられるのですか?転生を」
「…信じる、しかなかろう。
3歳を過ぎたばかりの子供が突然、ありもしないものを欲しがったり、
空想かと思うような世界を描いたり、したんだからな」
あ~…そういう事ですか。マルクス様、無意識に言っちゃったんですね。
「それは、マルクス様はご存知なのですか?国王陛下が、ご存知なこと」
「どうだろうな」
そう言ってハハハッと笑う。
「儂が、聞くはずだったんだが、逆に聞かれたな」
「では一つ、私も国王陛下に私の秘密を明かします。
私の家族には、はっきりと話してはおりませんが、私も転生した1人です」
「なっ!?」
「マルクス様はご存知です。
そして本日持ち込みましたお菓子は、前世でマルクス様が
好きだったお菓子だったようです」
「では、同じ場所!?」
「場所…というか、同じ国です。
後はマルクス様も、一緒にお話したほうが良いかと」
「そうだな…」
そんな話をして皆の所に戻ると、何故かそこでは王妃様への駄目だし会が行われていた。
いつの間にか、ヘンドリック様も合流している。
「母上は、自由にし過ぎなのです」
「少しぐらい、自由でも良いじゃない」
「エリス様。貴女のは、少しではありません」
「そうですよ。母上は一度、父上の一日を見られたほうが良いかと…」
「あ、あの人は働き過ぎなのっ」
その言葉を聞いた国王様はシュンとしてしまい、私は一生懸命励ますしか無い。
それでももとに戻らないため、すぐにマルクス様に声をかけた。
「マルクス様、助けてください。国王様が…」
「ミシェル嬢?…父上、どう生されたのですかっ!」
すぐに気づき、飛んできてくれる。
私は、声を落とし
「王妃様の、働き過ぎ発言を聞かれて…」
と言うと
「あぁ~…」
とマルクス様が言い、その後ろから
「母上のせいか」
と、ヘンドリック様が言った。
「そうみたいです。兄上」
兄弟の連携を聞いて、困った顔をする王妃様を見て、嬉しそうに笑いだすお父様と国王様がそこにいた。
「ミシェル嬢」
「はい」
「君は、マルクスとの婚約を、どうしようと思っている?」
「私は、お受けしたいと思っております」
「そうか…では一つ確認したい。
君は、転生…というものを、信じる人か?」
えっ!?何故国王陛下が転生のことを知っ……まさか。
そう疑いはしたが、自分の中での基準をとりあえずお伝えする。
「私は信じる…とかではなく、それを言っている人が、信じるに足る方であれば
疑うことはありません。
しかし、信じきれない方が言われたのであれば…無理だと」
「そうか。まぁそうなるか。ではもう一つ…良いか?」
「その前に、私から確認してもいいですか?」
「良い」
「国王陛下は、信じておられるのですか?転生を」
「…信じる、しかなかろう。
3歳を過ぎたばかりの子供が突然、ありもしないものを欲しがったり、
空想かと思うような世界を描いたり、したんだからな」
あ~…そういう事ですか。マルクス様、無意識に言っちゃったんですね。
「それは、マルクス様はご存知なのですか?国王陛下が、ご存知なこと」
「どうだろうな」
そう言ってハハハッと笑う。
「儂が、聞くはずだったんだが、逆に聞かれたな」
「では一つ、私も国王陛下に私の秘密を明かします。
私の家族には、はっきりと話してはおりませんが、私も転生した1人です」
「なっ!?」
「マルクス様はご存知です。
そして本日持ち込みましたお菓子は、前世でマルクス様が
好きだったお菓子だったようです」
「では、同じ場所!?」
「場所…というか、同じ国です。
後はマルクス様も、一緒にお話したほうが良いかと」
「そうだな…」
そんな話をして皆の所に戻ると、何故かそこでは王妃様への駄目だし会が行われていた。
いつの間にか、ヘンドリック様も合流している。
「母上は、自由にし過ぎなのです」
「少しぐらい、自由でも良いじゃない」
「エリス様。貴女のは、少しではありません」
「そうですよ。母上は一度、父上の一日を見られたほうが良いかと…」
「あ、あの人は働き過ぎなのっ」
その言葉を聞いた国王様はシュンとしてしまい、私は一生懸命励ますしか無い。
それでももとに戻らないため、すぐにマルクス様に声をかけた。
「マルクス様、助けてください。国王様が…」
「ミシェル嬢?…父上、どう生されたのですかっ!」
すぐに気づき、飛んできてくれる。
私は、声を落とし
「王妃様の、働き過ぎ発言を聞かれて…」
と言うと
「あぁ~…」
とマルクス様が言い、その後ろから
「母上のせいか」
と、ヘンドリック様が言った。
「そうみたいです。兄上」
兄弟の連携を聞いて、困った顔をする王妃様を見て、嬉しそうに笑いだすお父様と国王様がそこにいた。
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