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第64話
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「私は、お兄様とお姉様が大好きです」
「「ミシェル~」」
お兄様とお姉様も、私を抱きしめてくれて、とっても嬉しかった。
これからも、二人を大切にしたいと思った。
けれどこれからは、大切なものが増える。
「お兄様、これからはマルクス様も、私の大切な方となります。
あまり、意地悪しないでください」
「おっ、俺は意地悪してないぞ」
「お兄様。私、知ってましてよ」
「何を」
「マルクス様。お兄様は少し前から、マルクス様にミシェルを取られたと、
よく悔しがっていたのですよ」
「ハリエット、お前…」
「アクイラスも、可愛いとこあるよね」
「マルクス、お前まで」
そんな、私達のやり取りを見ておられた国王様とマルガ様は、私達を見て笑っている。
「母上、俺もあんな家庭を作りたい」
「ヘンドリック。それはカサンドラと相談して…」
「でも、母上がすぐに横槍を入れるから、俺達は動けないんだ。
実際、ミシェル嬢のことにも、カサンドラを巻き込んでるし」
「ま、巻き込んでいないわ。ただお茶会で…」
なんだかんだで、楽しいお話が国王陛下を交えたできたことは、私とマルクス様にとっては嬉しいことだった。
けれど、国王陛下が、転生の事を知っていたのはびっくりした。
後できちんとお話して、確認したほうが良いとこの時思っていた。
だが。
それが、出来なくなってしまった。
マルクス様と私婚約を、正式に発表する寸前になって、マルクス様に隣国の王女から…そして私には隣国の王子から婚姻の申し込みが来たのだ。
なぜ、こんなタイミングで?…と思っていたところ、すぐに犯人がわかった。
私とお父様はすぐに、王城に呼ばれ、説明を受けた。
すると、隣国に顔が利く王妃様が罰が悪そうに入ってこられたことで、すべてが分かってしまった。
「面を上げてくれ」
国王陛下の言葉に顔を上げると、王妃様が泣いておられた。
「どうなさったのですか?」
「いや、これはな…」
国王陛下が言葉を濁した瞬間、私達の後ろから
「母上には、愛想が尽きたと俺が言ったからです。
だから、構う必要はありませんよ」
と、ヘンドリック様が教えてくださった。
「へ、ヘンドリック、そんな事言わないで~」
「もういい加減にしていただけますか?
どうして、隣国なのですか?
俺から、マルクスを離すおつもりですか?」
「いいえ。そう言うつもりでは…」
「では、どのようなおつもりで、
マルクスに、ミシェル嬢以外の女性を、準備されたのですか?
「それは、その…ミシェル嬢が、私の侍女ななったらと思って…
そしたら傍に、姪も居てほしいかなぁ~…なんて」
「あ゛ぁ゛、そうですか。オレの心の安寧はどうでも良いんですね」
「違う、違うのよ~」
王妃様は、ヘンドリック様にすがりながら泣いていた。
それを見た国王様は、大きなため息を付いて…どう見ても呆れていた。
「「ミシェル~」」
お兄様とお姉様も、私を抱きしめてくれて、とっても嬉しかった。
これからも、二人を大切にしたいと思った。
けれどこれからは、大切なものが増える。
「お兄様、これからはマルクス様も、私の大切な方となります。
あまり、意地悪しないでください」
「おっ、俺は意地悪してないぞ」
「お兄様。私、知ってましてよ」
「何を」
「マルクス様。お兄様は少し前から、マルクス様にミシェルを取られたと、
よく悔しがっていたのですよ」
「ハリエット、お前…」
「アクイラスも、可愛いとこあるよね」
「マルクス、お前まで」
そんな、私達のやり取りを見ておられた国王様とマルガ様は、私達を見て笑っている。
「母上、俺もあんな家庭を作りたい」
「ヘンドリック。それはカサンドラと相談して…」
「でも、母上がすぐに横槍を入れるから、俺達は動けないんだ。
実際、ミシェル嬢のことにも、カサンドラを巻き込んでるし」
「ま、巻き込んでいないわ。ただお茶会で…」
なんだかんだで、楽しいお話が国王陛下を交えたできたことは、私とマルクス様にとっては嬉しいことだった。
けれど、国王陛下が、転生の事を知っていたのはびっくりした。
後できちんとお話して、確認したほうが良いとこの時思っていた。
だが。
それが、出来なくなってしまった。
マルクス様と私婚約を、正式に発表する寸前になって、マルクス様に隣国の王女から…そして私には隣国の王子から婚姻の申し込みが来たのだ。
なぜ、こんなタイミングで?…と思っていたところ、すぐに犯人がわかった。
私とお父様はすぐに、王城に呼ばれ、説明を受けた。
すると、隣国に顔が利く王妃様が罰が悪そうに入ってこられたことで、すべてが分かってしまった。
「面を上げてくれ」
国王陛下の言葉に顔を上げると、王妃様が泣いておられた。
「どうなさったのですか?」
「いや、これはな…」
国王陛下が言葉を濁した瞬間、私達の後ろから
「母上には、愛想が尽きたと俺が言ったからです。
だから、構う必要はありませんよ」
と、ヘンドリック様が教えてくださった。
「へ、ヘンドリック、そんな事言わないで~」
「もういい加減にしていただけますか?
どうして、隣国なのですか?
俺から、マルクスを離すおつもりですか?」
「いいえ。そう言うつもりでは…」
「では、どのようなおつもりで、
マルクスに、ミシェル嬢以外の女性を、準備されたのですか?
「それは、その…ミシェル嬢が、私の侍女ななったらと思って…
そしたら傍に、姪も居てほしいかなぁ~…なんて」
「あ゛ぁ゛、そうですか。オレの心の安寧はどうでも良いんですね」
「違う、違うのよ~」
王妃様は、ヘンドリック様にすがりながら泣いていた。
それを見た国王様は、大きなため息を付いて…どう見ても呆れていた。
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