貴方は・・・いらない

戒月冷音

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第21話

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その週の、休日。
私は、国王陛下に御伺いを立て、次の学園がお休みの時に会うことを、約束されていた。

「エレノア様。そろそろ、ご準備されませんと・・・」
朝早くからそう言う侍女は、今まで通りの準備がいると思っているから、朝早くから私を起こした。
しかし、
「今までのような準備は、必要ないわ。だからそんなに、慌てる必要はないの」
「で、ですが王宮ですよ。ルクシア殿下も、おられますし・・・」
「あの方に、会いに行くのではないわ。だから、着飾る必要はない」
そう言った時、後ろに控えていたメイドが
「あんなに、綺麗に見せたいと言っておられたのに・・・」
と口にする。

「私がいくら着飾ろうと、あの方は私を見ない。
 だったら別の事をしていた方が、有意義だと言っていたのは、貴方達では
 なかったかしら?」
「い、いえ、そんなことは・・・」
「貴方達の、言う通りだったと気が付いたのよ」
「えっ・・・」
「だからもう・・・頑張るのはやめるの。私が何をしても、意味がないのよ」
下を向き、そう答える私に、誰も声はかけなかった。

そして、その日の昼近くなってようやく、準備を始めた私を、侍女が手伝おうとするが
「貴方は、家の仕事をして。私は、一人で出来るから」
と言い手伝いを拒む。
「ですが、コルセットは・・・」
「あぁ、それがあったわね。それじゃあコルセットだけ、お願いできるかしら?」
「はい。お任せください」
そう言うと、いつも通り後ろに回り、コルセットの紐を持つ。
私が、前のホックを止め
「どうぞ」
と言うと、きゅゅゅゅゅっ・・・と、ウエストが絞られていった。

ルクシオ殿下と会うたび、息ができないくらい閉めていたコルセット。
出来るだけ細く、綺麗に見られたいと、痛いくらいに絞ってもらっていた。

けれど・・・

「それくらいで良いわ」
ちょっと体が絞まる程度で、ストッブをかけた私に、侍女は何度も確認をいれる。
「私が良いと言ってるの。そこで縛ってほしいわ」
「か、かしこまりました」
そうして着たドレスは、いつもよりすっごく楽。
自由に動けるし、食べれる。
「いつも、これくらいにしておけば良かった・・・」
そう呟くと、侍女が頭を下げて部屋を出ていく。

今までの努力は、全部無駄だった。
雪花の時の記憶を思い出しても、何にも変わらない。
私はどこに行っても負け犬で、この生もやっぱり、愛した男性をぽっと出の女性に盗られるのだ・・・
そんなことを考えながら、私は馬車に乗る。
そして、王城に向かった。
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