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第36話
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ルクシア殿下は、何も言えなくなったように、立ち尽くした。
下を向き、両手に拳を作りながら、何を考えているのだろう・・・
何も言わなくなったルクシア殿下を見た国王陛下が、ふーーっと息を吐くと、ルクシア殿下の肩がビクッと跳ねる。
「ルクシア」
「・・・はい」
「継承権はなくなったが、お前には王家の血がある」
「はい」
「だから、誰とでも婚姻して良いわけではない」
「えっ?では、ルイーザとは・・・」
「子を、作らなければ良い」
「は?」
「婚姻は認めるが、子を作るな」
「そんな・・・」
「お前が、全てを理解しておれば、こんなことにはならなかった。
俺が、お前を甘やかしたのは、俺の子供の時と同じように、苦しい思いをしていると
思っていたからだ。
しかし実際は、お前がやっていないものを、メイビスとアウグストがやっていた。
公務が滞らなかったのは、2人のお陰だ」
「俺の・・・仕事?」
「お前は、ルイーザと言う女性に会ってから、執務室に行かなくなったな」
「行く時間が・・・「遊んでいて、なくなったのだろ?やらないと同じだ」
国王陛下はもう、ルクシア殿下の話を聞きたくないようだ。
隣ではエライザ様が、泣くのを我慢するのが、苦しくなってきている。
「エライザ。辛いのなら、部屋に戻っていろ」
国王陛下が心配して、声をかけるが、
「わ、私は最後まで、こ、ここに、います」
「だが・・・」
「ここにいます。私は王妃です。
継承が誰になるのか・・・それを知るのも、私の勤めです」
「分かった。では、キエラ」
「はい」
「何かあったら、頼む」
「承知いたしております」
そんなエライザ妃の姿を見たルクシア殿下は、一度私を見る。
私はそれに気付かぬ振りをして、まっすぐ国王陛下を見ていた。
「以上が。王家の決定である。皆、そのつもりで行動してほしい」
国王陛下が伯爵以上の貴族にそう告げると、一人の男性が手を上げた。
「なんだ?ソリュード侯爵」
「あ、あの、ルクシア殿下が継承から外れると言うことは、次は
どなたになるのでございましょうか?」
「そなたは、我らに気持ちの整理もさせず、次を聞いてくるのか?」
「いいえ、そのようなことはないのですが、そのつもりでと言われましても、
王子殿下はあと、2人おられますし・・・」
「そなたが心配することではないが、メイビスから不思議な情報を貰ってな。
先に、そちらを調べてからの方がいいと、言うことになったのだ」
「継承より先に・・・で、ございますか?」
ソリュード侯爵は、すっとぼけた顔をして国王陛下に聞く。
もちろん先に確認しなければならないのは、ルイーザ様の力の事。
聖魔法がなければ、男爵が学園で言った言葉も、嘘と言うことになる。
もちろんその事は、ルクシア殿下は知らない。
王家の者に対し、嘘を言った場合は、不敬と見なされ、一家もろとも牢や行きとなる。
そして、それに加担したものも・・・
下を向き、両手に拳を作りながら、何を考えているのだろう・・・
何も言わなくなったルクシア殿下を見た国王陛下が、ふーーっと息を吐くと、ルクシア殿下の肩がビクッと跳ねる。
「ルクシア」
「・・・はい」
「継承権はなくなったが、お前には王家の血がある」
「はい」
「だから、誰とでも婚姻して良いわけではない」
「えっ?では、ルイーザとは・・・」
「子を、作らなければ良い」
「は?」
「婚姻は認めるが、子を作るな」
「そんな・・・」
「お前が、全てを理解しておれば、こんなことにはならなかった。
俺が、お前を甘やかしたのは、俺の子供の時と同じように、苦しい思いをしていると
思っていたからだ。
しかし実際は、お前がやっていないものを、メイビスとアウグストがやっていた。
公務が滞らなかったのは、2人のお陰だ」
「俺の・・・仕事?」
「お前は、ルイーザと言う女性に会ってから、執務室に行かなくなったな」
「行く時間が・・・「遊んでいて、なくなったのだろ?やらないと同じだ」
国王陛下はもう、ルクシア殿下の話を聞きたくないようだ。
隣ではエライザ様が、泣くのを我慢するのが、苦しくなってきている。
「エライザ。辛いのなら、部屋に戻っていろ」
国王陛下が心配して、声をかけるが、
「わ、私は最後まで、こ、ここに、います」
「だが・・・」
「ここにいます。私は王妃です。
継承が誰になるのか・・・それを知るのも、私の勤めです」
「分かった。では、キエラ」
「はい」
「何かあったら、頼む」
「承知いたしております」
そんなエライザ妃の姿を見たルクシア殿下は、一度私を見る。
私はそれに気付かぬ振りをして、まっすぐ国王陛下を見ていた。
「以上が。王家の決定である。皆、そのつもりで行動してほしい」
国王陛下が伯爵以上の貴族にそう告げると、一人の男性が手を上げた。
「なんだ?ソリュード侯爵」
「あ、あの、ルクシア殿下が継承から外れると言うことは、次は
どなたになるのでございましょうか?」
「そなたは、我らに気持ちの整理もさせず、次を聞いてくるのか?」
「いいえ、そのようなことはないのですが、そのつもりでと言われましても、
王子殿下はあと、2人おられますし・・・」
「そなたが心配することではないが、メイビスから不思議な情報を貰ってな。
先に、そちらを調べてからの方がいいと、言うことになったのだ」
「継承より先に・・・で、ございますか?」
ソリュード侯爵は、すっとぼけた顔をして国王陛下に聞く。
もちろん先に確認しなければならないのは、ルイーザ様の力の事。
聖魔法がなければ、男爵が学園で言った言葉も、嘘と言うことになる。
もちろんその事は、ルクシア殿下は知らない。
王家の者に対し、嘘を言った場合は、不敬と見なされ、一家もろとも牢や行きとなる。
そして、それに加担したものも・・・
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