貴方は・・・いらない

戒月冷音

文字の大きさ
38 / 58

第38話

しおりを挟む
「それは、どう言うことかな?ソリュード侯爵」
「い、いや、それは、その・・・」
「後は、ルクシア王子殿下を王太子にすれば、良いんですよね。
 そうすれば、侯爵の次男は、王太子の側近。
 そうなれば御息子は、安心なのでしょう?」
「えっ・・・どうして・・・」
「貴方とリコリスの、話でしたね」
そこでやっと、もう逃げることが出来ないと知ったソリュード侯爵は、頭を垂れた。

「はい。私とリコリス男爵とで、思い付きました。
 学園に、無償で入る方法を、リコリス男爵に聞かれたのが最初です」
「なぜ、無償で入ろうと?」
「それは・・・良く分かりませんが、お金はないが、娘を学園に
 通わせたかったそうです」
「それは、うまく行けば娘が、高位貴族に嫁入りするから・・・だろうな」
国王陛下の言葉にソリュード侯爵は何も言えなくなった。

ルクシア殿下は、それを聞いてわなわなと震え出す。
「どうして・・・どうして、そんなことを・・・」
そう呟くが、今のルクシア殿下に何の力もない。
「ルクシア、黙っていろ。今のお前に、発言権はない」
「・・・はい。父上」
今この状態でのルクシア殿下にはもう、何の権利もない。

今ここで、リコリス男爵の策略を聞いたところで、二度と元には戻らないのだ。
だから国王陛下はこの話をする前に、伯爵以上の貴族に宣言し、戻ることを封じた。
ルイーザ様がどういう人であれ、ルクシア殿下は妻にすることを、親に宣言したのだから。

一度口から出た言葉は、取り消すことはできない。
しかも、第1王子ならなおさら、その事を理解していなければならなかった。
しかし、それをしなかったルクシア殿下は・・・
肩書きだけの、殿下になったのだ。

「明日の朝、リコリス男爵とソリュード侯爵の調査を、開始する。
 ソリュード侯爵はこのまま、貴族牢入りとする」
国王陛下の宣言に、ソリュード侯爵は何も言えなくなり、近衛に連れていかれた。

その時・・・

パタン
扉が閉まった音がした。
近衛は、国王陛下の後ろにある出口から、ソリュード侯爵を牢に連れていく。

では何故、正面の扉が?
そう思った時
「父上」
「何だ?アウグスト」
「先ほど一人、静かに部屋を出た者がおります」
「・・・あぁ、あれは、側近のもう一人の家の人だね」
「兄上、力は・・・」
「今、使うものだよ。国を守るための力だ」
そう言ったメイビス様の傍に、レイトミーア様がおいでになると
「大丈夫?」
と声をお掛けになる。
「大丈夫ですよ、母上。母上のお陰で、俺にこの力があるのです。
 父上の力になれるのです」
「ありがとう。メイビス」
そう言うとレイトミーア様は、メイビス様を支えた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

鈍感令嬢は分からない

yukiya
恋愛
 彼が好きな人と結婚したいようだから、私から別れを切り出したのに…どうしてこうなったんだっけ?

「妹の方が可愛い」と不倫夫に捨てられた私。どうぞ借金まみれの実家ごと引き取って。私が肩代わりしていた負債、すべてお二人に引き継いでおきました

唯崎りいち
恋愛
「お前より妹の方が可愛い」 不倫した夫は私を追い出し、略奪した妹と笑った。 どうぞ、その「可愛い妹」と地獄までお幸せに。 私が肩代わりしていた実家と店の多額の借金、すべてお二人に引き継いでおきましたから。 「財布」を失った元夫と、逃げ場を失った妹。 身の丈に合わない贅沢を望んだ寄生虫たちの、惨めな末路を特等席で眺めさせていただきます。

幸せになれると思っていた

里見知美
恋愛
18歳になったら結婚しよう、と約束をしていたのに。 ある事故から目を覚ますと、誰もが私をいないものとして扱った。

だって悪女ですもの。

とうこ
恋愛
初恋を諦め、十六歳の若さで侯爵の後妻となったルイーズ。 幼馴染にはきつい言葉を投げつけられ、かれを好きな少女たちからは悪女と噂される。 だが四年後、ルイーズの里帰りと共に訪れる大きな転機。 彼女の選択は。 小説家になろう様にも掲載予定です。

愛のゆくえ【完結】

春の小径
恋愛
私、あなたが好きでした ですが、告白した私にあなたは言いました 「妹にしか思えない」 私は幼馴染みと婚約しました それなのに、あなたはなぜ今になって私にプロポーズするのですか? ☆12時30分より1時間更新 (6月1日0時30分 完結) こう言う話はサクッと完結してから読みたいですよね? ……違う? とりあえず13日後ではなく13時間で完結させてみました。 他社でも公開

婚約者の心が読めるようになりました

oro
恋愛
ある日、婚約者との義務的なティータイムに赴いた第1王子は異変に気づく。 目の前にいる婚約者の声とは別に、彼女の心の声?が聞こえるのだ。

不倫をしている私ですが、妻を愛しています。

ふまさ
恋愛
「──それをあなたが言うの?」

運命の番より真実の愛が欲しい

サトウミ
恋愛
田舎娘のゾーイは龍族の王子・シャウロンの『運命の番』だった。 ロマンチックな恋を夢見るゾーイは『運命の番』であるシャウロンと会えるのを楽しみにしていた。 しかし、シャウロンはゾーイに対して素っ気ない。 運命の番だからといって、必ずしも愛し合う関係だとは限らないらしい。 それを悟ったゾーイは、シャウロンのもとから去ることを決意した。

処理中です...