貴方は・・・いらない

戒月冷音

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第53話

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しかし、この場にいる数人の貴族は、まだ諦めていないと言う顔をしていた。
私は、扇で口許を隠しながら、はーーっとため息をついた後、
「お父様。これが今の、貴族達なのですね」
「あぁ・・・自分の利益しか考えない。お前がほしいと言うのも、その為だ」
「その訳は?」
「皆、自分の息子が、自分の期待に応えられないと言い、その支えにお前を・・・
 と言うのが、大半だ」
「皆、根性無しなのね」

そう言った私に、数人の貴族が
「あんたに何が分かる」
「女だから、俺達の仕事など分からんだろ」
「言いたい放題だな」
と言うが、私が
「では、一日中教育を受けていただきましょうか。教養に法律、帝王学を学んで・・・」
と言うと、皆ぶるぶると震え出す。
「あら?これは私が、5歳から毎日続けてきたことですのよ。
 それが出来ないわけ、ないですわよね」
それを聞いた貴族達は青ざめ、なにも言えなくなった。
「王家に嫁ぎ、貴方達の上に立つと言うことが、どれだけ大変なことか
 理解してほしいものですわ」
この言葉に1番共感していたのは、王妃様。
うんうんと頷き、一緒にスカッとしていた。

そんなやり取りが終わり、国王陛下からルクシア殿下の相手が決定していることと、メイビス殿下が第1王位継承者になったことが伝えられた。
すると数人の貴族が、メイビス殿下に娘を推薦し始めた。


「俺に合わせようとすると、一年かからず、教養、マナー、王太子妃教育。
 王妃教育を受けながら、帝王学も・・・」
と言うと、親の方が青ざめる。
「家のは、そんなに勉強できません」
「それでは、帰ってこないではないですか」
等と言うが
「勉強しないのは、まず論外ですね。俺と話が出来ない。
 そして、帰ってこれないのは、当たり前だ。
 本来なら、エレノア様のように10年以上かけて、習うものなんですよ」
とメイビス殿下がそう言うと、皆悩んでしまう。
「グノーシア公爵は、それを理解して、1番かわいい子供の頃から、
 王家に差し出してくれたのだ。
 それが出来ず、大きくなってから無理矢理王家にいれようとしても、無理な話だ」
国王様の言葉に、少し溜飲が下がった。

しかし、それでもねじ込もうとする人は、いるわけで・・・

「ですが、教養などは、省けるのではありませんか?」
「それは、どうして?」
メイビス殿下が尋ねる。
「今の状態で、私の娘はマナーも教養も完璧でございます。ですから・・・」
そう言った瞬間、アウグスト殿下が
「では、貴方の娘は、俺の母や、エライザ様、そしてレイトミーア様とならんでも、
 見劣りはしないと言われるのですね」
と言った。
「それは・・・」
「省ける・・・と言うのは、そう言うことだ。
 王家に嫁げば、常に比べられる相手は、王妃様と第2妃と第3妃。当たり前の事だろ」
アウグスト様の言葉が駄目押しとなり、集まった貴族は静かに帰っていく。
グルト公爵も渋々帰って行かれたが、あそこには3人の男性と、2人の女性がいるので、注意しなければと思った。
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