人の心の裏表

戒月冷音

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第32話

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準備を始めてから2時間後、レイノルズ様のご両親が到着したと連絡をもらった。
ドレスの事もあったので、一度お会いしようと母と一緒に部屋を訪れた。

「初めまして。ジョニス・マヴィラスの妻、エリー・マヴィラスと申します」
「お初にお目にかかります。ジョニス・マヴィラスとエリー・マヴィラスの長女、エリス・マヴィラスと申します」
2人ともカーテシーをして挨拶した。
「まあ、ご丁寧に有り難うございます。あなた」
「ああ、失礼した。私はレイノルズの父でデニス・ラングワース。公爵ではあるが気にしないでくれ」
「またそんな事を…あっ、失礼しました。わたくしはジュリエット・ラングワース。レイノルズの母です。
 事前にレイから聞いてはいますが、殿方は闘いの打ち合わせで忙しそうなので私達はあちらでお茶しましょ」
そう言うとラングワース夫人は隣の部屋にお茶の準備をお願いし、私達を連れて移動した。

席について直ぐ
「あの、ラングワース夫人。ドレスをお貸し頂き、とても感謝しております」
母がお礼を言う。それに合わせて私は頭を下げた。
「お二人共お顔を上げてくださいませ。わたくし…私の若い時の物で良かったの?
 袖を通していない物もあった筈だけれど…」
「いいえ、お古で十分でございます。この様な美しいドレスを着れただけで…」
「マヴィラ…いえ、エリーと呼んでも宜しくて?」
「は、はい」
「ではエリー。あなた今まで社交はどうしていたの?」
そう聞かれた母は、今までの生活をそのままジュリエット様に伝えた。

するとジュリエット様は何かを考えた後
「ではエリー、これから私と一緒にお茶会に行きましょう」
と嬉しそうに伝えた。
「わ、私と?」
「ええ、沢山」
「ですが、皆様がおかしい「おかしくはありませんわ。私とあなたはエリスの母なのですから」
フフフッ…と笑いながら言うと母は驚いた後
「そう言えばエリス、お受けしたの?」
と矛先を私に向けた。
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