人の心の裏表

第33話 レイノルズ side

女性達がお茶を楽しんでいる頃、隣の部屋では男性達がこれからの手順を話し合っていた。
「どうします？徹底的に潰しますか？」
エドが俺に聞いてくる。
知り合って数ヶ月だが、彼は俺の事をよく理解している。
「つ、潰す？」
彼の父が驚いているが、
「レイ。何処までやるんだ？程度によっては陛下に連絡が必要だ」
俺の父は乗り気だ。

今日はこの後、王宮に向かう。
そして、陛下に説明した後位に到着する予定の二家族は、王家に呼び出されているので滅多な事は出来ないはずだが、あの二人は何かしそうな気がしている。

なので、
「父上、陛下には泊まるかもしれないとお伝えいただけますか?」
「泊まりになるのか？では、我々もその準備を」
「それは必要ないかと」
「？止まるのだろう」
「あの2人にそれが伝われば良いのです。俺達は止まる必要はありません」
そう言うと父達は気付いた。そしてその為の根回しを話し合う。
エドの調査で伯爵の罪状は今までの倍に膨れ上がった。
そんな家の娘を貰うほど、ラングワース公爵家は落ちぶれていない。
馬鹿にするのもいい加減にしてくれ。

俺の気持ちが表に出たようで
「レイ。少し抑えなさい。子爵大丈夫です。取って喰いはしませんから」
と父に言われた。
子爵を見ると青い顔をしている。
「父上、この方はこれが普通です。慣れて下さい」
「そ、そうなのか？」
「エド、印象が悪くなるだろ」
「レイノルズ様。先に知っていたほうが安心できます」
そんなこんなで打ち合わせを終えた俺達は女性達を迎えに行く為に部屋を出る。
もう少し…
もう少しで…
貴女を救い出せる。