3 / 32
小泉が家に泊まることになっちゃったみたいですよ⁉︎
しおりを挟む
その後、喫茶店を出た僕らは、適当に駄弁っていた。
「惺!なんでコーヒー頼まなかったの?」
と少し不機嫌気味に聞いてきた。というか、不機嫌なのが演技に見えて仕方ないのだが?
「気分的に紅茶がいいかな~って」
「ふーん…」
コイツあれだ。コーヒー大好きマンだ。
「つーか、おまえもコーヒーと紅茶でどっちも頼んでたじゃねーか」
「あっ…。バレてたか」
こいつあれだ。紅茶も大好きマンだ。
不機嫌なのは演技だなと確信した。
こんな感じで茶番のようなやり取りをする。
小泉は、なんだかんだ言っても正直話しやすいなと思う。
そこで、僕はふと思い出したことを口にする。
「そういえば、自己紹介のときなんであんなこと聞いてきたの?」
「えっ~と、それはね、私が惺の彼女……になりたいからだよ!」
なぜだろう、『なりたいからだよ』の前に少し間があった気がする。
しかも、その瞬間、一瞬だけ辛そうな顔をしていた。
思考を巡らせながら返事を返す。
「あっ、は~い。わっかりました~」
「今絶対てきとうに返事したでしょ」
-------------
そうして、2人で並んで帰っているとあることをふと思い出す。
「そういや、おまえん家ってどこらへんだ?」
小泉が指をさしたのでその方向を向く。すると、
「あれ僕ん家じゃね?」
「うん」
「だからおまえん家だよ、僕ん家じゃない………ってなんでおまえ僕ん家知ってんの!?」
今日何度目かの驚愕である。
「これからは、惺の家に泊まるから実質あれが私の家、my home」
「なんで急に英語使ったのかが謎すぎるけど、おまえの理論はもっと謎だわ、っていうか家に泊まる気!?」
「そりぁ、ねぇ?」
「おまえ、自分の家に帰れよ」
そう何気無く言葉をこぼすと、
「私、『この世界』には【家ないから】」
なんて凄いことをサラッと言ってきた。
だから僕はこの時不自然な言い回しがあったことに気づかなかった。
「だから、これから毎日、惺の家に泊まるの!」
「拒否権は?」
「あるわけないでしょ!?」
「いや、ふつーはあるよ!?」
「って、ことでよろしくね」
「無視!?」
どうやら、めんどくさいことになってきた。
ぼくは今日、何回目かわからないため息をつくのだった。
「惺!なんでコーヒー頼まなかったの?」
と少し不機嫌気味に聞いてきた。というか、不機嫌なのが演技に見えて仕方ないのだが?
「気分的に紅茶がいいかな~って」
「ふーん…」
コイツあれだ。コーヒー大好きマンだ。
「つーか、おまえもコーヒーと紅茶でどっちも頼んでたじゃねーか」
「あっ…。バレてたか」
こいつあれだ。紅茶も大好きマンだ。
不機嫌なのは演技だなと確信した。
こんな感じで茶番のようなやり取りをする。
小泉は、なんだかんだ言っても正直話しやすいなと思う。
そこで、僕はふと思い出したことを口にする。
「そういえば、自己紹介のときなんであんなこと聞いてきたの?」
「えっ~と、それはね、私が惺の彼女……になりたいからだよ!」
なぜだろう、『なりたいからだよ』の前に少し間があった気がする。
しかも、その瞬間、一瞬だけ辛そうな顔をしていた。
思考を巡らせながら返事を返す。
「あっ、は~い。わっかりました~」
「今絶対てきとうに返事したでしょ」
-------------
そうして、2人で並んで帰っているとあることをふと思い出す。
「そういや、おまえん家ってどこらへんだ?」
小泉が指をさしたのでその方向を向く。すると、
「あれ僕ん家じゃね?」
「うん」
「だからおまえん家だよ、僕ん家じゃない………ってなんでおまえ僕ん家知ってんの!?」
今日何度目かの驚愕である。
「これからは、惺の家に泊まるから実質あれが私の家、my home」
「なんで急に英語使ったのかが謎すぎるけど、おまえの理論はもっと謎だわ、っていうか家に泊まる気!?」
「そりぁ、ねぇ?」
「おまえ、自分の家に帰れよ」
そう何気無く言葉をこぼすと、
「私、『この世界』には【家ないから】」
なんて凄いことをサラッと言ってきた。
だから僕はこの時不自然な言い回しがあったことに気づかなかった。
「だから、これから毎日、惺の家に泊まるの!」
「拒否権は?」
「あるわけないでしょ!?」
「いや、ふつーはあるよ!?」
「って、ことでよろしくね」
「無視!?」
どうやら、めんどくさいことになってきた。
ぼくは今日、何回目かわからないため息をつくのだった。
0
あなたにおすすめの小説
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
フラレたばかりのダメヒロインを応援したら修羅場が発生してしまった件
遊馬友仁
青春
校内ぼっちの立花宗重は、クラス委員の上坂部葉月が幼馴染にフラれる場面を目撃してしまう。さらに、葉月の恋敵である転校生・名和リッカの思惑を知った宗重は、葉月に想いを諦めるな、と助言し、叔母のワカ姉やクラスメートの大島睦月たちの協力を得ながら、葉月と幼馴染との仲を取りもつべく行動しはじめる。
一方、宗重と葉月の行動に気付いたリッカは、「私から彼を奪えるもの奪ってみれば?」と、挑発してきた!
宗重の前では、態度を豹変させる転校生の真意は、はたして―――!?
※本作は、2024年に投稿した『負けヒロインに花束を』を大幅にリニューアルした作品です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
痩せたがりの姫言(ひめごと)
エフ=宝泉薫
青春
ヒロインは痩せ姫。
姫自身、あるいは周囲の人たちが密かな本音をつぶやきます。
だから「姫言」と書いてひめごと。
別サイト(カクヨム)で書いている「隠し部屋のシルフィーたち」もテイストが似ているので、混ぜることにしました。
語り手も、語られる対象も、作品ごとに異なります。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる