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桜と恋
卒業式 ー時期の早い桜と共に貴女に想いをー
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気づけば、卒業式となっていた。
その日は、卒業生たちを祝うかのように時期の早い桜がちらほらと咲いていた。
そんな日に僕は教室の隅でただただ考え続けていた。
ー先輩への告白の言葉をー
ただひたすらに考え続ける。
ー僕の先輩への想いを届かせるためにー
--------------
今日は卒業式、僕の先輩への想いは結局、昨日までに伝えることはできなかった。
しかし、今日こそは伝える。
いや、違うか。
今日、伝えなければならないのだ。
きっと、いくら仲の良い、先輩後輩の関係だったとしても学校が違えば、その関係は途切れてしまう。
だから、今日、この想いを伝えなければならないのだ。
僕は、先輩への告白の言葉を朝早くから教室の隅で考え続けるのだった。
--------------
ふと、周りを見渡せば、もうほとんどの生徒が登校して来ており、クラスはガヤガヤとしていた。
時計を見ると、8時30分でもう1時間経ったのか。と思う。
まぁ、お陰で伝えたいことはまとまった。
さて、本番は卒業式が終わった後。
先輩を呼び出して、告白する。
どんな返答をされるのだろうか。
不安と期待を抱えたまま、卒業式が始まるのだった。
--------------
卒業式は体育館で行われた。
そして、卒業証書授与が始まる。
3年生の主任の先生が一人一人、名前を呼んでいく。
そうして、先輩の番が来た。
「佐藤恵奈」
「はいっ」
台の上で卒業証書を受け取る先輩の後ろ姿はとても輝いていた。
それから、どんどんと次の人が名前を呼ばれ、
恵奈先輩以外の知っている先輩の名前も呼ばれる。
「達川葵」
「はい」
・・・・・・
普段は長ったらしいとしか思っていなかったの校長の話も、心なしか、この日だけは心に響くような話だった。
ーそして、その時がやって来たー
--------------
「で、私をここに呼んだのは何が言いたいことがあるからなんでしょ?涼くん」
先輩は開口一番そう言った。
「言いたいことっていうよりかは伝えたいことって感じですけどね」
先輩はこれから、告白されるとは思ってもいないだろう。
深呼吸をする。
その時、風がなびいた。
桜がその風にのり、ひらひらと先輩の方へ向かうように舞う。
そして、僕は桜にのせるように言葉を紡いだ。
ー時期の早い桜と共に貴女に想いをー
「恵奈先輩。僕は、先輩のことが………好きです。ずっと前から好きでした。先輩と一緒にいると、ドキドキして……でも、楽しくって……、これからも一緒にいたいんです。僕と付き合ってください」
舞っていた桜が先輩の肩に触れた。
その時、先輩はとびっきりの笑顔を浮かべて、こう言った。
「もちろん、いいよ。…………ずっと、その言葉を待ってた」
承諾してくれた。
それが、ただただ嬉しくて。
それに、先輩は
「ずっとその言葉を待ってた」
と言った。
もしかして、先輩も僕のこと………
「涼くん、泣いてるよ?」
先輩にそう言われ、僕は自分が泣いていることに気がついた。
「あれ?おかしいな?」
僕はそう言葉をこぼしながら、目頭を抑える。
すると、先輩は僕の頭を自分の胸のあたりに引き寄せ、僕の頭を撫でた。
それが、
嬉しくて……
温かくて……
優しくて……
ふと、頭上で声がした。
「私ももう、泣いて良いよね」
そうして僕らは流し続けた。
嬉し涙を………
【桜と恋 終】
その日は、卒業生たちを祝うかのように時期の早い桜がちらほらと咲いていた。
そんな日に僕は教室の隅でただただ考え続けていた。
ー先輩への告白の言葉をー
ただひたすらに考え続ける。
ー僕の先輩への想いを届かせるためにー
--------------
今日は卒業式、僕の先輩への想いは結局、昨日までに伝えることはできなかった。
しかし、今日こそは伝える。
いや、違うか。
今日、伝えなければならないのだ。
きっと、いくら仲の良い、先輩後輩の関係だったとしても学校が違えば、その関係は途切れてしまう。
だから、今日、この想いを伝えなければならないのだ。
僕は、先輩への告白の言葉を朝早くから教室の隅で考え続けるのだった。
--------------
ふと、周りを見渡せば、もうほとんどの生徒が登校して来ており、クラスはガヤガヤとしていた。
時計を見ると、8時30分でもう1時間経ったのか。と思う。
まぁ、お陰で伝えたいことはまとまった。
さて、本番は卒業式が終わった後。
先輩を呼び出して、告白する。
どんな返答をされるのだろうか。
不安と期待を抱えたまま、卒業式が始まるのだった。
--------------
卒業式は体育館で行われた。
そして、卒業証書授与が始まる。
3年生の主任の先生が一人一人、名前を呼んでいく。
そうして、先輩の番が来た。
「佐藤恵奈」
「はいっ」
台の上で卒業証書を受け取る先輩の後ろ姿はとても輝いていた。
それから、どんどんと次の人が名前を呼ばれ、
恵奈先輩以外の知っている先輩の名前も呼ばれる。
「達川葵」
「はい」
・・・・・・
普段は長ったらしいとしか思っていなかったの校長の話も、心なしか、この日だけは心に響くような話だった。
ーそして、その時がやって来たー
--------------
「で、私をここに呼んだのは何が言いたいことがあるからなんでしょ?涼くん」
先輩は開口一番そう言った。
「言いたいことっていうよりかは伝えたいことって感じですけどね」
先輩はこれから、告白されるとは思ってもいないだろう。
深呼吸をする。
その時、風がなびいた。
桜がその風にのり、ひらひらと先輩の方へ向かうように舞う。
そして、僕は桜にのせるように言葉を紡いだ。
ー時期の早い桜と共に貴女に想いをー
「恵奈先輩。僕は、先輩のことが………好きです。ずっと前から好きでした。先輩と一緒にいると、ドキドキして……でも、楽しくって……、これからも一緒にいたいんです。僕と付き合ってください」
舞っていた桜が先輩の肩に触れた。
その時、先輩はとびっきりの笑顔を浮かべて、こう言った。
「もちろん、いいよ。…………ずっと、その言葉を待ってた」
承諾してくれた。
それが、ただただ嬉しくて。
それに、先輩は
「ずっとその言葉を待ってた」
と言った。
もしかして、先輩も僕のこと………
「涼くん、泣いてるよ?」
先輩にそう言われ、僕は自分が泣いていることに気がついた。
「あれ?おかしいな?」
僕はそう言葉をこぼしながら、目頭を抑える。
すると、先輩は僕の頭を自分の胸のあたりに引き寄せ、僕の頭を撫でた。
それが、
嬉しくて……
温かくて……
優しくて……
ふと、頭上で声がした。
「私ももう、泣いて良いよね」
そうして僕らは流し続けた。
嬉し涙を………
【桜と恋 終】
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