俺と代われ!!Re青春

相間 暖人

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1章

ep14 代替制度~優紀と修~

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翌日は冬休みに入る前の終業式の為、優紀は半日で学校を終えた。

この日はあまり由美と目が合う事が無かった、昨日話をしたからだろうかこちらを見てる印象はない。

優紀は一度家に帰って私服に着替えると、修に言われた通りアルデアに向かう。

念のため、こちらから電話いれなくてもいいかと確認を取ったが、また修が「大丈夫だ。」と言う為、従ってお店に行く事にした。

店内に入ったのは13時半。ランチタイムも終わり掛けのはずだがお客さんが多くて、慌ただしくスタッフのみんなが動いている。

こりゃ、食器洗いも気合をいれなきゃと覚悟する優紀。



「あ、有田君、こっちこっち。」

前回お世話になった店長だ。

手招きしてバックヤードに優紀を案内してくる。

優紀は慌てた様子で中に入ると突如、店長から手紙と携帯電話を渡された。

手紙にはバックヤードに入ってから眼鏡を外してこの電話からここにかけるように番号が書かれている。

ふと、何の事かと戸惑う優紀だが店長は人気のない場所に誘うと、ここで電話してとジェスチャーをした。

修からの指示だろうか、そう察したのも内心はこの店が修の仕事などに関係しているのではないかと疑っていたからというのがある。

そして、この番号の先には修が待っているのだろうと予想できた。

指示通りに眼鏡を外して少し遠ざけて置く。

きっと政府にバレないようにする為の策だろう、優紀は一度深呼吸すると電話番号をプッシュしてからイヤホンを付けていないほうの耳に電話をあてる。

「プルル」「ガチャッ」

電話は直ぐに出た。それはそうだろう、先ほどまでモニターでこちらを見ていたのだから。

「もしもし」

渡された携帯からはいつもと同じ声がする。

「もしもし」



「悪いな、こんな方法を取ってしまって。」

いきなり謝られた事に少し動揺する優紀。

「いえ、大丈夫です。僕もお話したかったですし。」

少し間があってから修が話し出した。

「ここに呼んだのはこうして話がしたかったからだ。」

「アルバイトの方は電話が終わるまでとりあえず気にしなくていいぞ。店長も協力者だからな。」

ああやっぱりそうだったんだと思いながら、

「はい。」

と返事する。

「担当直入に聞くんだが優紀は今、誰が好きなんだ?」

自分より遥か年上の人と恋話をする事になろうとは。しかし、これは今後の自分の人生に大きく影響を与える事だろう。

悩んで黙っていると修が続ける。

「正直な、俺は由美の事が好きだ。けれど例え高校3年間由美と付き合う事になっても卒業後はどうだ、俺との契約が終わったら優紀は由美と別れるんじゃないかと思えてな。」

それはそうだろう、今まで修の指示で由美と話をして前よりかは大分印象は変わった、変わったけれど好きという段階にまでいってないのも事実だ。

「はい。」

素直に返事をする優紀。電話口から深いため息が聞こえる。

「それでだ、朝河という子と理沙ならどっちがいいんだ?」

頭の中に二人の顔がよぎる。

朝河さんは見た目が優紀の好みだ、しかし4月に少し話した程度で5月に入ってからはめっきり話す事もなく感情が薄れている事に気付く、ましてや友達の健人が仲良くしたいと言ったのを聞いて自分の気持ちが揺らぐ。

そしてその後に理沙の事を考えると彼女のいつも教室で笑う顔、優しい顔を思い出す。

「宇野さんが良いです。」

修に確認された事で自分の気持ちに気付いたのかもしれない。

また少しの沈黙の後に声が聴こえる。

「宇野 理沙となら高校卒業してからもそのまま一緒にいたいと思えるんだな?」

修から駄目押しの確認にもう一度、理沙の顔を思い浮かべる。一瞬だけ信之の顔が浮かんだが悪いと一言だけ謝った。

「はい、宇野さんとなら大丈夫です。」

「………。」

「わかった。」

「じゃぁ、このシチュエーションは俺たちで作ってしまったわけだが」

言いにくそうにしているが察しがつく。

「明日のデートはどうしようか。」

いつも頼りになるバディだがこの時は情けなく聞こえて笑いそうになる優紀、笑いごとではないのだが。

「正直にやっぱり理沙の事が好きだったと言うか?」

提案をされるがそれをやったらどんな批判がくるだろうかと想像するとぞっとする。由美だけじゃなく理沙にも嫌われるんじゃないか、いや最悪クラスメイト全員から批判の的になるだろう。



「明日のデートをわざとぐだぐだにするとか?」

「それか、ほら相談にのてもらいたくて誘ったーとか?」

なんとか明日一日を乗り切って由美から距離を置く方法を考える。



「体調不良という事でデートそのものを止めるか。」

まだ現状思い浮かぶ中ではそれが最善なのかもしれない。

しかし、それをやった所で今までかけていたアプローチを急に翻すのにはおかしいと思わざるをえない。

二人はあれこれと話し合ったが、結局は明日、最初にカフェに入り頭を下げて由美に謝るという結論に至った。

クラスのみんなには何を言っても構わない、デートがつまらなかったと言って俺と付き合う事にはならなかったという結末にもっていってもらうようにしよう。

そう決まってから優紀と修は憂鬱だったが、政府に不審に思われるといけないと言い、残り時間をアルバイトに費やして残りの23日を過ごした。









そして、クリスマスイブ当日。

バイトで買った服はもったいないからという事で一応着て少しは格好つける優紀。

プレゼントは家に置いていこうと思ったがお詫びの印として渡す事にしようと結論づけて持っていく。渡す時に気にくわなかったら捨ててもいいからと一言添えるのがポイントだ。

優紀は待ち合わせ時間10分前に由美と決めた駅前の時計の下で待つ。

今から最悪の行為を告白しなければならない憂鬱さで顔は伏せたままだ。

そして、横から「有田君。」と声がした。

そちらを振り向くと、そこにいたのは宇野 理沙だった。
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