わがまま秘書は冷徹社長の独占愛に溺れていく

椿綾あこ

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10 支配のキス

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 華の金曜日。都内の飲食店は何処も賑わい、一週間を終えた自分を労っている。

 それは私も同じで、一週間頑張りましたという名目で友達と食事の約束をすることも多い。でも――今日は、少し違った。

「へえ、茉乃ちゃんって社長秘書してるの? COCONOEって化粧品会社でしょ? お洒落さんだし似合ってる」
「ありがとうございます。高橋さんは?」
「俺は情報開発部。社内SEって感じかな」
「それこそすごいじゃないですか!」
 
 これでも結構有望株。そう続ける彼は先程から他の子に目も向けず、私を見ながら次から次へと質問を並べる。真面目そうで、物腰も柔らかくて、眼鏡が似合っている。

 表参道のビストロは最近SNSの影響で人気の流行スポットのひとつ。おしゃれな店内に美味しい料理。前に友達と来たことがあるけど、合コンで来るのは初めて。

 こんな半個室あったんだ。知らなかった。

 前回は気づかなかった店の奥にある半個室。その中の1室で今、――3対3の合コンに参加している。相手は大手飲料メーカーの社員で年齢も全員30歳以下。

 正直に感想を言えば――多分、これは当たりの合コンだと思う。

 大学時代から合コンには何度も参加したことはあるが、相手が全然かっこよくなかったり、気取ったり、空気が読めない相手だったことは何度もあった。

 だけど今日のメンバーは悪くない。全員タイプの違うイケメンで、こちらを立ててくれて、レディーファーストも完璧。さっきも「飲み物どうしますか?」とさりげなくグラスが減ったことに気づいてくれた。

 今日の合コンは秘書室の先輩、香澄さんの紹介。

 正確に言えば香澄さんの彼氏さんの紹介なのかな? 幹事の人が彼氏さんの友人で――そこからって感じ。

 私を含め女性陣は全員COCONOE化粧品の社員。広報部時代の先輩の1人だった望月さんと、総務部で同期の村田ちゃん。村田ちゃんは私の正面に座って、今日の幹事の男性をターゲットとして定めたみたい。

 合コンが始まって1時間。最初はみんなで話していたのに、気がつけば2人ずつって感じになってる。だから私も自然と今隣に座る高橋さんと話してるんだけど――。

 ……どうしよ。あんまり集中出来ないかも。

 
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