わがまま秘書は冷徹社長の独占愛に溺れていく

椿綾あこ

文字の大きさ
69 / 172
15 止められない夜

1 ※

しおりを挟む

 柔らかなシーツの感触を味わう余裕なんてない。
 もう止まらない。――ううん、止まれない。

「あ……ッ、……はぁっ」

 久世社長のベッドに沈んだ身体。シーツに縫い付けられた状態で、絶え間なく振って来るキスの嵐。唇、頬、首筋……順番に落ちていく柔らかな熱に身体中じれったい感覚が広がっていく。

 わかってた。あそこでキスを受け入れたらこうなるって――覚悟して、瞼を落としたのも事実。

 初めて訪れた久世社長の部屋。都内のタワマンの上層階から見える景色を見る余裕なんてなかった。ドアを閉めた瞬間、手を引かれて、ベッドの上。

 気がついた時には、唇を奪われて――結んでいた髪が解かれて、お気に入りのワンピースがベッドの横に滑り落ちて消えた。
 
「……っ、ん、……ぁ」

 唇が離れても息継ぎをする余裕しかない。絶え間ないキスは触れた場所から緊張が溶けていく。荒々しさもあるけど、それが逆に身体の芯を熱くする。

 私の身体はもう――久世社長に反応せずにはいられない……こんなのダメなのに。
 
 舌を重ねた瞬間、厚い舌に食べられるようで――震えながら、私は久世社長のシャツの裾を掴んでいた。

 逃げるタイミングを逃してしまった今、このまま縋りたいのか、それとも逃げたいのか判断がつかない。
 ただ、私を見つめる圧倒的存在感に五感を支配されている気がして――怖いのに、興奮してる。信じられない。

 身に着けているローズピンクのランジェリーはレース生地で、抜け感がお気に入り。胸も綺麗に見えて――ショーツもレースで紐で結ぶタイプ。
 
「随分、誘うような下着だな。こうなること予想してたのか?」
「~~っ、ちがっ!」
「そうか?」

 キスの嵐や止んだと思ったら、まじまじと身体を観察される。これまで一方的にイカされたことはあるけど、あれは服を着てた。だからこうやって肌を見せるのは――今日が初めて。

「あっ、……っ、ん」
「生意気な口と違って、身体は正直のみたいだな」
 
 低く囁かれた言葉に、びくっと反応する。私をシーツに縫い付けていた大きな手が、太ももを這い上がった瞬間、ぎゅっ脚をと閉じる。だけど効果なんてひとつもない。
 
「や……ぁ、……っ」

 上擦った声が漏れる。太ももを撫でられると同時に胸元に唇が落ちてくれば、腰が揺れる。冷静なのに、強引。だけど――嫌じゃない。どうして……? 足先まで、じんわりと熱が広がっていく。

「やっ……ん、そこっ……!」
「ほら、こっちは随分素直だ」

 久世社長の指がショーツへと伸びる。布越しに触れた指の感覚に身体は簡単に反応して、じわりと、レースを濡らす。

 やだ、キスだけで濡れてるの……バレちゃう。

「期待してたみたいだな。――こうされることに」

 気がつくとブラジャーの肩紐が肩からずり落ちていた。ブラのホックを外されたと気づいた時にはもう――レースに触れた久世社長の指が、サイドの紐を引っ張っていた。

「脱がせやすいのは悪くない」
「ぁんっ……ん」

 囁く声が耳に落ちる。こんなにもあっさり、私の身体はこの人の手の中で震えてる。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

苦手な冷徹専務が義兄になったかと思ったら極あま顔で迫ってくるんですが、なんででしょう?~偽家族恋愛~

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「こちら、再婚相手の息子の仁さん」 母に紹介され、なにかの間違いだと思った。 だってそこにいたのは、私が敵視している専務だったから。 それだけでもかなりな不安案件なのに。 私の住んでいるマンションに下着泥が出た話題から、さらに。 「そうだ、仁のマンションに引っ越せばいい」 なーんて義父になる人が言い出して。 結局、反対できないまま専務と同居する羽目に。 前途多難な同居生活。 相変わらず専務はなに考えているかわからない。 ……かと思えば。 「兄妹ならするだろ、これくらい」 当たり前のように落とされる、額へのキス。 いったい、どうなってんのー!? 三ツ森涼夏  24歳 大手菓子メーカー『おろち製菓』営業戦略部勤務 背が低く、振り返ったら忘れられるくらい、特徴のない顔がコンプレックス。 小1の時に両親が離婚して以来、母親を支えてきた頑張り屋さん。 たまにその頑張りが空回りすることも? 恋愛、苦手というより、嫌い。 淋しい、をちゃんと言えずにきた人。 × 八雲仁 30歳 大手菓子メーカー『おろち製菓』専務 背が高く、眼鏡のイケメン。 ただし、いつも無表情。 集中すると周りが見えなくなる。 そのことで周囲には誤解を与えがちだが、弁明する気はない。 小さい頃に母親が他界し、それ以来、ひとりで淋しさを抱えてきた人。 ふたりはちゃんと義兄妹になれるのか、それとも……!? ***** 千里専務のその後→『絶対零度の、ハーフ御曹司の愛ブルーの瞳をゲーヲタの私に溶かせとか言っています?……』 ***** 表紙画像 湯弐様 pixiv ID3989101

貧乏大家族の私が御曹司と偽装結婚⁈

玖羽 望月
恋愛
朝木 与織子(あさぎ よりこ) 22歳 大学を卒業し、やっと憧れの都会での生活が始まった!と思いきや、突然降って湧いたお見合い話。 でも、これはただのお見合いではないらしい。 初出はエブリスタ様にて。 また番外編を追加する予定です。 シリーズ作品「恋をするのに理由はいらない」公開中です。 表紙は、「かんたん表紙メーカー」様https://sscard.monokakitools.net/covermaker.htmlで作成しました。

黒瀬部長は部下を溺愛したい

桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。 人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど! 好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。 部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。 スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。

ワケあり上司とヒミツの共有

咲良緋芽
恋愛
部署も違う、顔見知りでもない。 でも、社内で有名な津田部長。 ハンサム&クールな出で立ちが、 女子社員のハートを鷲掴みにしている。 接点なんて、何もない。 社内の廊下で、2、3度すれ違った位。 だから、 私が津田部長のヒミツを知ったのは、 偶然。 社内の誰も気が付いていないヒミツを 私は知ってしまった。 「どどど、どうしよう……!!」 私、美園江奈は、このヒミツを守れるの…?

腹黒上司が実は激甘だった件について。

あさの紅茶
恋愛
私の上司、坪内さん。 彼はヤバいです。 サラサラヘアに甘いマスクで笑った顔はまさに王子様。 まわりからキャーキャー言われてるけど、仕事中の彼は腹黒悪魔だよ。 本当に厳しいんだから。 ことごとく女子を振って泣かせてきたくせに、ここにきて何故か私のことを好きだと言う。 マジで? 意味不明なんだけど。 めっちゃ意地悪なのに、かいま見える優しさにいつしか胸がぎゅっとなってしまうようになった。 素直に甘えたいとさえ思った。 だけど、私はその想いに応えられないよ。 どうしたらいいかわからない…。 ********** この作品は、他のサイトにも掲載しています。

ソツのない彼氏とスキのない彼女

吉野 那生
恋愛
特別目立つ訳ではない。 どちらかといえば地味だし、バリキャリという風でもない。 だけど…何故か気になってしまう。 気がつくと、彼女の姿を目で追っている。 *** 社内でも知らない者はいないという程、有名な彼。 爽やかな見た目、人懐っこく相手の懐にスルリと入り込む手腕。 そして、華やかな噂。 あまり得意なタイプではない。 どちらかといえば敬遠するタイプなのに…。

俺様上司に今宵も激しく求められる。

美凪ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。 **2026.01.02start~2026.01.17end** ◆エブリスタ様にも掲載。人気沸騰中です! https://estar.jp/novels/26513389

処理中です...